Forever love 8

「じゃああたし大学行ってくるから。
 合鍵ここ置いておくから出かける時は戸締りよろしくね」
「うんっ。行ってらっしゃ~い」

誰かに“いってらっしゃい”なんて言われるのは
久しぶりで少し嬉しく思いながら玄関の扉を開けた。


『Forever love』   第8話



ガチャっと開けたそこには
「…はよ」
と当たり前みたいな顔して立っている道明寺。

「…えっと。何してるの?」
「何って彼女迎えに来ちゃ悪ぃのかよ」

悪ぃのかよ、って…
悪かないけどさ。悪かないけどどうして急に?

そんなあたしの疑問もお見通しだとばかりに

「コソコソすんのはヤメだ。
 これからは堂々とお前と一緒にいる」
オレ様な顔で言い切る姿は道明寺らしいというか

ちょっとカッコいい…なんて。


「あっれ~?司じゃん」
うっかり見惚れてると部屋の中から滋さんがひょっこり顔を出す。
「あっ!?どうしてテメェが牧野の家にいるんだ」
「へへ…。イロイロあってしばらく泊めてもらう事になったんだ」
その言葉1つで事情を察したらしい道明寺は小さくため息をつきながらも

「…ったく。オレだってまだ泊まった事ねぇのに…マジでムカつく」
なんてムスッとしながら言うだけで
いつもみたいに滋さんに食ってかかりはしなかった。



そのまま道明寺と大学へ行ったはいいけども
隣を歩いてるだけじゃなくて
道明寺の腕があたしの肩にガッチリ回ってるのを見る
周りの視線が痛すぎる。


「お。お忍び愛は解禁かぁ?」
面白そうに声をかけてくるのは西門さんたち。

「あぁ。意味ねぇ事はしねぇよ。
 もともとオレはこそこそすんのは性に合わねぇんだからよ」
そう言った道明寺はあたしをチラりと見る。

「わ、わかったよ。覚悟決めるから」
小さくため息をついて言えば満足そうに微笑んで
「しばらくはオレから離れんなよ?」
そう言いながら髪にキスなんかするから
どこからともなく悲鳴が聞こえて
やっぱり頭がクラッとしてどこかに隠れたくなった。




それから3日が経って
学生はおろか、教授に至ってまで
あたしをまるで腫れ物にでも触れるかのように扱う態度にも
ほんの少し慣れた、というよりは諦めもついた。

あいつと付き合うって事はこういう事なんだと実感した感じ?

昼休みを告げるチャイムと共に

『カフェテラスにいる』

さすがに講義の間はそっとしておいてくれるけど
こうして昼休みや放課後になると
すぐにどこにいるか知らせるLINEが入る。

道明寺は今までこそこそしてた分を取り戻すかのように
出来るだけ一緒に過ごそうとしてくれる。

それは別にいいんだけどさ。

昨日なんて絵夢ちゃん、芽夢ちゃんの家庭教師の間
ずっと美作さんの邸にいて
時間きっかりに部屋に入って来るもんだから…

「「司お兄ちゃま!まだ授業は終わってませんわっ」」
「うるせぇ。ガキはとっとと寝ろ」

「まぁ!ガキだなんてレディに対して失礼な」
「つくしお姉ちゃま、本当に司お兄ちゃまでいいの?」

「「あきらお兄ちゃまにしておいた方がいいんじゃない?」」

「んだとっ!!?」

なんてあんな小さな子供相手に
本気で喧嘩するんだから手におえない。


それでもあたしを好きだって
気持ちをまっすぐに向けてくれるのは嬉しいから。

小さくため息をつきながらもカフェテラスへと足を向けた。






いつも応援ありがとうございます♡

Forever love 7

その日の夜。

ちょうどお風呂から上がった所に
滋さんからの着信を知らせてケータイが鳴った。


『Forever love』   第7話


タオルを頭からかぶりながら慌ててケータイを手に取る。

「もしもし、滋さん?」
『あ、つくし?今からちょっとそっち行ってもいいかな?』
「え、今から?あたしはいいけど…
 滋さん、お父さんとの話し合いはどうなったの?」
『やだなぁ。それを話したいから行くんだよ』

そんな会話をして電話を切った30分後。
あたしの家にやってきた滋さん。

「……とりあえず説明してもらっていい?」
玄関のドアを開けてまずそう聞いてしまったのは
滋さんの荷物が妙に大きかったからだ。

「えへへ…家出してきちゃった」
困ったような笑顔でそう言う滋さんは
少し疲れたような表情で。

お父さんとの話し合いがうまくいかなかった事を物語っていた。




「帰ってくるなり頭ごなしに
 “このバカ娘がーっ”って怒鳴られてさ。
 ちゃんと話し合いしようと思ってたのに私も頭に血が上って…」
ムッとした表情で話す滋さんのすぐそばでは
音は消したのか静かだけれど
お家の人からだろう着信を知らせて光っている。

「…ここにいる事知ってる人っているの?」
そう聞いてみれば
「SPもまいて来たから私とつくししか知らないかな?」
とドヤ顔を決める。

「お家の人心配してるんじゃない?」
「パパが心配してるのは道明寺とのこれからでしょ?
 私の不祥事で取引に影響が出るのを心配してるんだよ。
 ったく。可愛い一人娘の幸せを何だと思ってんのって話だよねっ」
話ながらどんどん怒りのボルテージが
上がっていってるように見える滋さん。

「……これからどこに行くつもりなの?」
とりあえずお父さんの話題から離れようと聞いてみれば
「え?ここに泊まっちゃダメ!?」
なんてビックリしたような顔をしたけれど
本当に驚いているのはあたしに決まっている。




結局あんな時間に
行くあてもない友達を追いだすわけにも行かなくて
ご飯がまだだった事もあって2人でスーパーに買い出しに行く事にした。

あたしにとっては日常の光景も
滋さんにとっては新鮮そのものらしく
レジに並ぼうとすれば嬉々とした表情でセルフレジを選んで
ピッピッと自分で通して袋に入れるのを子供みたいに喜んでいた。

2人でつくったカレーを食べながらこれからを話し合う。

「大学はどうするの?」
「んー。たぶんSPとか張ってるだろうからしばらく休むよ」
「そっか…。
 あたしは滋さんが気が済むまでいていいけどさ。
 海斗さんも心配してるんじゃない?」

もしこれがあたし達だったとして
道明寺がどこかに雲隠れしてたとしたら
どこに行ったか心配で仕方ないと思う。

「うん…そうだね。
 彼にだけはここにいるって伝えておかなきゃね…」
そう言う滋さんはどこか不安そうで

考えてみればどうして海斗さんの所じゃなくて
あたしの所に来たのかも疑問だった。

「…もしかして記事になった事で喧嘩した?」
そう聞いたあたしに小さく首を振ると

「…私の事、面倒になってないかなぁ」
「え?」
「だってそうでしょ?
 何も悪い事なんてしてないのに
 まるで海斗に問題があるみたいに言われるんだよ?
 ……ちゃんと彼自身を見てくれる普通の家がよくなって
 別れるって言われるのが怖くて連絡できてないの…」
じわっと涙を滲ませる滋さんは小さく見えて。


『お前もオレと一緒にいたいって
 思ってるってわかっただけで十分だ。
 だったらオレはもう迷う事はねぇ。』
そう言った道明寺を思い出す。

家柄の違いを気にしてるのは
海斗さんやあたしだけじゃなくって2人もそうなんだ…。

好きだから一緒にいたい。
それはきっと海斗さんだって同じなのに。

滋さんをぎゅっと抱きしめると
「大丈夫だよ。海斗さんの事一番近くで見てたのは滋さんでしょ?
 こんな事くらいで別れるなんて言うならあたしがぶっ飛ばしてあげる!」
あたしの言葉に

「そうだよね。そんな腑抜けだったら
 こっちから願い下げだって殴ってやればいいんだよね?」
ふふっと笑いながら涙をぬぐった。




いつも応援ありがとうございます♡

Forever love 6

「じゃあ、パパと話ついたら
 また連絡するから…!またね!」

決心した顔つきでそう言って帰って行く滋さん。


『Forever love』   第6話


「大丈夫かな…滋さん」
邸から出て行く、滋さんの乗った車を
窓から見つめながらポツリと呟くあたしを
後ろから抱きしめると

「あいつん所の親は
 うちと違って案外親バカだから大丈夫じゃねぇの…?
 それよりオレらだって似たような状況なんだからな」
なんて小さく息をつく。

その言葉に
大丈夫じゃないのは自分たちの方かもしれないと
言われてるようで気が重たくなる。

そうでなくても
ハッキリと言われてないにしても
「別れろ」と言われたも同然の状態で。

「だよねぇ…」
重たいため息をついたあたしの体を
くるりと回して向かい合わせると髪にチュッとキスを落とす。

「誰がどう言おうがぜってぇ離さねぇから心配すんな」
「心配すんな…って、するでしょ。
 あ、あたしだって道明寺と別れたくないもん…」

ただ、それに抗う力があたしにはないだけで。

真っ向から立ち向かおうとする滋さんを見てると
自分がどれだけ臆病者かを思い知る。

恋に真っ直ぐな滋さんのように
あたしも道明寺のお母さんと向き合えるだろうか…。

認めてもらえる日なんて来るんだろうか…。

そう考えるだけですでに怯んでいる自分。


「…それが聞けただけでも十分だな」
甘くなった声に顔を上げてみれば
子供みたいに嬉しそうな顔がそこにあった。

「お前もオレと一緒にいたいって
 思ってるってわかっただけで十分だ。
 だったらオレはもう迷う事はねぇ。
 たとえ何年かかろうがババァにも認めさせてやっから
 お前も手を離すんじゃねぇぞ?」
そう言う道明寺の視線は力強くて
こいつが大丈夫だって言うなら大丈夫な気さえしてくる。


その後、お庭にタマさんの姿を見つけて2人で出て行くと
タマさんはちょうど色とりどりのお花が咲いている花壇に
水を撒こうとしているところだった。


「タマさーん!」
あたしの声に振り返ると
「おやまぁ、珍しいね。あんた達が庭に出るなんて」
と手を止めて笑ってくれる。

「この花壇、いつもタマさんがお世話してるんですか?」
「いや。今日はいつもやってる子が休みでね。
 代わりにあたしがやってるだけだよ。
 水撒きと言ってもこの広さじゃ重労働だ。
 花の世話は好きだけど毎日するにはあたしにはキツいよ」
そう言って花壇を愛おしそうに見つめるタマさん。

「あ!だったらあたし水撒きやりますよ?」
あたしの言葉に
「あ?何言ってんだお前」
と呆れたような顔をしたのは道明寺。

「だって、水撒きくらいならあたしにも手伝えるでしょ?」
そう言ってタマさんから水撒き用のホースを受け取る。
「だから、どうしてお前がそんな事しなきゃなんねぇんだよ」
「…?」
ムッとした顔つきで言う道明寺に首をかしげるあたし。

そんなあたし達を見て吹き出すように笑ったタマさんは
「坊っちゃんは自分といる時間を邪魔されたくないんだよ。
 学校じゃ、相変わらず知り合いのフリしてんだろ?
 ここにいる間くらい恋人らしくイチャイチャしてたいのさ」
そんな事を言う。

「え?邪魔って…」
ちょっと水撒きを手伝うって言ったくらいで…
そう思って道明寺を見上げてみれば拗ねた顔でこっちを睨んでいる。

「じゃあ2人でやればいいんだよっ。ほら!やろ?」
「はぁ!?どうしてそうなるっ」

「だってあたしタマさんのお手伝いしたいし」
「…っ。はぁぁぁ…しょうがねぇな」
道明寺がしぶしぶながらも頷いたのを見てあたしは
ホースのレバーを握る。

…が、水が出なくてノズルの先を覗き込んでから
ホースをたどってみる。

「あれっ?…って道明寺!ホース踏んでるっ」
「あ?おぉ…ワリ」
なんてサッと足を上げた瞬間、
あたしの顔に勢いよく水が飛んでくる。

「ブッ…!!ちょっ…!!」
咄嗟にレバーを離したからそんなに濡れなかったとは言え
それでも顔や前髪からは水が滴っている。

「もうっ!!」
「ククッ…お前バカだろ」

「なんでもいいけどね
 風邪ひかないようにしておくれよ?」
呆れたように笑ったタマさんは
頼んだよと言い残すと邸の中へと帰って行く。


「ほら、拭いてやるからじっとしてろ」
「ん」

タオルで濡れた髪や顔を拭いてくれているすぐ近くを
門から入ってきた1台の車が通っていたなんて
目を閉じていたあたしは気が付かなかった。





いつも応援ありがとうございます♡

Forever love 5

「ねぇ。あ、あたし…
 ここにいて大丈夫なわけ?」

放課後、滋さんと会うために
道明寺邸を訪れたものの…
あんな話聞いた後じゃ落ち着かない。


『Forever love』   第5話



「あ?大丈夫に決まってんだろ」
なんて道明寺は何事もなかったかのように
いつも通りで。

「そ、その…お、お母様?はいらっしゃるの?」
「知らね。いる方が珍しいんだからいねぇんじゃね?」
興味もなさそうに答える。

と、そこに
「つくし~っ!!」
と勢いよく扉を開けて突進してきたのは滋さん。

勢い余ってそばにあったソファに2人して倒れ込むように沈む。

「…ててっ。もう!滋さん!
 その突進グセどうにかなんないのっ!?」
「へへ~。ごめんごめん。
 なんかつくし見ると飛びつきたくなっちゃうんだよねぇ」

あたしに覆いかぶさった状態で
こんなやりとりをするのも、もはや恒例と言った感じで
言いながら2人でクスクスと笑い合う。

すると滋さんが急にフワッと浮いて
「サル女ッ!いつまでも牧野に乗っかってんじゃねぇぞ」
と道明寺がやや乱暴にソファの端に滋さんを追いやって
あたしに手を差し伸べた。

「ったくぅ。相変わらずつくし命ねっ。
 滋ちゃんにももう少し優しくしなさいよっ!」
と滋さんは道明寺の後ろから足蹴りをしている。
「あぁ?知るかよ。
 一応女だから手加減してやってんだろうが。
 だいたい牧野にベタベタしすぎなんだよ、テメェは」
その蹴りを受け流しながらフンっと鼻を鳴らす。

その仕草に、はっは~ん?とニヤリと笑う滋さんは
「羨ましいからって八つ当たりしないでよね~。
 つくしの胸先に揉んじゃったの、まだ根に持ってるわけ~?」
なんて事を言えば
「バッ…!そんなんじゃねーよっ!!」
真っ赤な顔の道明寺は明らかに動揺している。


それは少し前に会った時に
後ろから抱きついてきた滋さんがいきなりあたしの胸を揉んだりするから

「てめっ!オレだってまだ触ってねぇのに何しやがるっ!」
なんて言わなくていい事を怒鳴るから
あたし達が、その…まだシてないってバレちゃったわけで。

…って言うか、故意じゃなかったとは言え
道明寺だって揉んでないけど触ったじゃん。


そんな事を考えてる間にも2人はぎゃあぎゃあと
言い合いを続けている。

「やだやだ。ケツの穴の小さい男はモテないよ~」
「オレは牧野以外にモテたいなんて思ってねぇよっ!!」

「そのつくしにもフラれないように気を付けなよねぇ」
「あぁっ!?んなワケねぇだろうがっっ!!」

この2人、こうやって言い合いばかりだけど
案外いいコンビっていうか…仲良しだよね。

それを言うと2人ともすごく怒る所も一緒だし?

「ね…ねぇっ!
 そんな事よりさ、滋さん…大丈夫なの?」
パンッと手を叩いて言ってみれば
滋さんもハッとしたように道明寺との言い合いを止めて

「そうだった!」
とあたしの隣にストンと座る。

「お父さんから電話があったんだよね?」
「うん…。ホントなら来週まで出張だったんだけどね。
 朝一番に電話かかってきて、今日戻るから家にいろ!
 ってそれだけ言うと切っちゃった…。
 いつも優しくて怒ったことなんてなかったからビックリしちゃった」
しゅんとしながら言う滋さん。

「そりゃ、この婚約がダメになれば
 お互いの家の関係にだって響くと思ってんだろ、あっちは」
小さく息をついて答える道明寺滋さんも頷く。

「まぁ…そうだろうねぇ。
 この記事で道明寺と揉めるのは明らかだしねぇ…。
 でもバレちゃったからには、パパにはちゃんと説明して
 彼との事も認めてもらうつもりでいるの…。
 つくしには嫌な思いもさせてきたのに
 ほんと自分勝手なんだけど…パパに彼の事話してもいいかな…?」
不安そうに聞いてくる滋さんにコクンと頷いて

「いいに決まってるでしょ?
 普段優しいお父さんなら滋さんの気持ちも
 きっとわかってくれるよ…ね?頑張って!」
ぎゅっと手を握って言えば
うるうると瞳を潤ませて

「つくしぃ~!!ありがとうっ!」
ガバッと抱きついてくる滋さんの背中をポンポンと叩いた。





いつも応援ありがとうございます♡

★坊っちゃんがつくしの胸を触ったと言うのは
  「First love」第25話をご参照くださいませ~(*^^*)★

Forever love 4

いつまでも騙しきれる相手じゃねぇ事くらいは
オレにだってわかってたし

そもそもが本命の女がいるのに
いくら形だけだっつっても
他の女と婚約してるなんて状況がふざけんなって話だ。


『Forever love』   第4話


それは昨日の事だった。
邸に帰るとタマが妙に真面目な顔つきでオレに近寄ってくる。

「…なんだよ、タマ。
 辛気臭ぇ顔してっとあの世に誘われちまうぞ」
そんなオレの軽口に反論するでもなく

「……奥様が坊っちゃんをお待ちです」
ポツリと呟いた言葉に
オレはとうとうこの日が来たのかと覚悟を決める。

ババァの書斎のドアをノックすれば
「お入りなさい」
と久しぶりに聞く声がする。

部屋に入り、手前のソファにドカッと腰を落としたオレに
小さくため息をつくと

「時間がないので単刀直入に伺うわ。
 牧野つくしさんとの関係は?」
予想通りの話題を直球で投げてくるババァ。

「あいつはオレの女だ」
とオレも包み隠さず答えてやる。

「大河原さんとはどうなってるのかしら?」
「あいつとは最初から何でもねぇよ。
 婚約者って事にしておく方が
 お互い都合がよかっただけだ」
フンっと鼻を鳴らすオレに
そう…、と小さく頷くババァ。

やけに聞き分けがいいと眉をしかめると

「婚約の件はこれから大河原側と話し合うとして、
 あの娘と深く関わるのはおやめなさい。
 調べてみれば、一般家庭の学生らしいわね?
 学生のうちに遊ぶ相手にしても
 うちとは到底釣り合わない相手なのよ? 
 もう少し道明寺家の跡取りとしての自覚をしっかり持っ…」
べらべらと聞き捨てならねぇ事を話し続ける
ババァの言葉も最後まで聞く事もなく

「うるせぇっ!
 誰が遊びで付き合ってるなんて言ったよ!?
 オレはあいつと結婚する気で付き合ってんだよ。
 てめぇらの決めた相手なんかと誰が結婚なんかするかっっ!!」
捨て台詞のように吐き捨てると
ババァの書斎を後にした。

部屋の外で様子を伺っていたらしいタマは
「…もうちょっとマシな話し合いはできないのかねぇ」
と大きくため息をつく。

「うっせ。
 どう言ったって結果は変わんねぇよ。
 ババァがどう言おうがオレはあいつを手放す気はねぇし
 わけのわかんねぇ女と結婚なんて考えられねぇ」

「そりゃそうかもしれませんけどねぇ。
 もっと言い方ってモンがあるでしょうよ。
 つくしの立場も考えてやっておくんなまし」
とそんな言葉に
タマの心配はオレではなく牧野にあると知る。

いつの間にか牧野と仲良くなってたタマは
あいつがこの邸に来ると隙を見ては
美味い饅頭があるだの何だのと言って自分の部屋へと誘うくらいだ。

オレとの関係がこじれて
あいつがこの邸に寄りつかなくなるのが心配なんだろう。

「年寄りの楽しみには興味ねぇが
 オレがあいつじゃねぇとダメなんだ。
 しょうがねぇからタマの楽しみも頭の片隅には入れといてやるよ」
ニヤッと笑うと踵を返して歩き出した。





「…ってワケで。
 啖呵切ってきたからお前がコソコソした所で
 ババァにはとっくにバレてんだよ。
 まぁ、この記事を事前に知って調べたってトコじゃね?」
そう牧野に言ってやれば

「はっ…!?
 あんた勝手になんて事してくれてんのよっ」
なんて頭を抱えてやがる。

「だから言ってんだろうが。
 お前は何も心配しねぇでついて来りゃいいってよ」

遅かれ早かれ
ババァとはケリを付けなきゃ
オレたちの未来はねぇんだ。

お前は何があろうとオレが守ってやっから
オレのそばを離れんじゃねぇぞ?




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