SPECIAL THANKS 49

「……ねぇ、類。
 ここってどう見ても羽田じゃないよね?」
「ククッ…そうだね」

ジェットを降りて
見えた景色に呆然としていた。


『SPECIAL THANKS』   第49話


東京に降り立つはずだったのに
降りてみればここはあのリゾート地だ。

「…どういう事?」
「んー。俺は俺の役目を果たしただけ、かな?」
はぐらかすような答えで
結局どうしてここに来たのかはわからない。

でも…。
もう来ているのかこれからなのかはわからないけれど
道明寺も今日 ここに出張だって言ってなかった?

会う時間とかあるのか、
それとも類が何か用事を済ませたらすぐに帰っちゃうのか…

何もわからないままにホテルの方へと歩いていると
向こうから道明寺が走ってきた。

「牧野!」
姿が見えてから抱きしめられるまでほんの数秒。
あんたデカいんだから走ってくると迫力ありすぎ。
思わず2、3歩下がっちゃったじゃない。
なんてどうでもいい事を1週間ぶりの腕の中で考える。

「…っつーか、どうして類までいんだよ」
頭の上から聞こえる声は威嚇するように低い。

「どうしてって、同じジェットに
 乗って帰ってきたんだから当たり前じゃない?」
威嚇された本人は気にする様子もなく

「まだ仕事残ってるから、牧野は離してよ?
 司もついて来るならついて来たらいいけどさ」
そう言うとまたスタスタと歩いて行ってしまう。

「あたしも東京に戻ると思ってたから
 よくわかってないんだけど仕事みたいだし、行くけど…」
腕の中で顔を上げてみれば
おでこにチュッと軽いキスを落とすと

「オレも行く。
 あの顔、絶対何か企んでやがんぞ…」
とムッとした表情であたしの手を取って類の後に続いた。


類が足を止めたのはある部屋の前。

「あ?」
その部屋で立ち止まった類に道明寺は怪訝そうな顔をする。

その様子にもクスッと笑うと
コンコンとノックをすれば
「どうぞ。お入りになって」
と中から聞こえた声にハッとした。

「失礼します」
類がドアを開けたそこにはやっぱり…お義母様の姿。

驚くあたしにフッと笑うと
「お久しぶりね」
と立ち上がってあたしのそばまで歩いてくる。
「ご、ご無沙汰してます」
慌てて頭を下げたあたしの隣で

「何がどうなってんのか説明してもらおうか」
なんて今度はお義母様まで威嚇してるこいつ。

「説明する前に部屋を飛び出して行ったのは貴方でしょう。
 でも…類さんもいらしたのであれば類さんにお聞きなさい。
 その前に、例の件はもうよろしいのかしら?」
なんて今度は道明寺ではなく類に話しかけた。

「はい。牧野の答えも出たようですし
 俺は十分楽しめましたから。牧野はお返しします」
とにっこりと笑ってそんな事を言う。

「そう。でしたら細かい事はまた秘書を通して下さる?
 ではまた後程。今夜のパーティも楽しみにしていますわ」
それだけ言うと
お義母様はあたしと一瞬 視線を合わせると部屋を出た。

「…えっと。類?
 これどういう事?何がどうなってるの?」
「てめぇ。マジで何企んでやがる」

「んー…。説明するの面倒くさい。
 とりあえず、俺が説明しなきゃいけないのは
 牧野は出向扱いで道明寺からうちに来てただけって事かな?
 あとは、そのうちあきらと総二郎も来るからそっちに聞いてよね」

「「はぁっ!?」」

さらりととんでもない事を言ったかと思うと
あたしと道明寺の驚きもスルーして ふわわ…と大きなあくびをして
類は説明もしないままに夢の世界に行ってしまった。




 
いつも応援ありがとうございます♡

★次回は飽き性koma的に禁断の?(笑)50話突破です。
  50話突破記念にちょっとはっちゃけようと思います(((*≧艸≦)ププッ★

SPECIAL THANKS 48

出来れば1人でなんて
それも仕事でなんて来たくはなかったこの場所。

ジェットを降りて
見えた景色に小さくため息をついた。


『SPECIAL THANKS』   第48話


ホテル内にある会議室へと向かえば

「…どうしてババァまでいんだよ」
そこにはすでにババァがいた。

「私がいる事に何か問題でも?」
開いていたPCから目を離す事もなく
抑揚のない声で答える。

「オレまで来る必要なんかなかったんじゃねぇの?」
オレはてっきりババァの都合がつかなくなった穴埋めで
パーティを押し付けられたんだとばかり思っていた。

「必要でないと判断していれば呼びません」
「そうかよ」

オレのパーティ参加は決定事項で覆る事もなければ
ここに来てしまった以上どっちにしても一緒だと
ババァから少し離れた所に適当に座ってオレもPCを広げる。

「「………」」

部屋の中には互いのキーボードを叩く音だけが響き
必要な事以外話す事もないのはいつもの事で
オレにとっては何とも思わない空気感。

だが、もしここに牧野がいたとしたら
息が詰まって1人で変な顔をしてたんだろうと思うと
想像しただけで口角が上がる。

そんなオレの雰囲気を察したのかどうかは定かじゃねぇが
「牧野さんはお元気?」
なんて聞いてくる。

「あぁ。今は出張に行ってる」
「そのようね。
 牧野さんにも貴方のパートナーを
 お願いしようと思ってたのに残念だわ」

その言葉を聞く限り、やっぱりババァは
すでに今の現状を把握してるらしい。

それでも牧野の名を口に出すと言う事は
オレからの報告を促しているんだろうか?

出来ればそれは2人でしたかったが

キーボードを叩く手を止めて
ババァの方へ向き直ると

「改めて牧野にプロポーズして受け入れてもらった。
 ………その、なんだ。心配かけたり色々と悪かったよ」
ババァに謝った事なんて
過去にあったかと、ふいにそんな事を考え
急に居心地が悪い気がして片手で髪をかいた。

「…別に貴方の心配などしてません。
 彼女が貴方の妻という立場を放棄するというのであれば
 養子として迎え入れればいいだけの話でしたから」
「…は?」
話が見えねぇと首をかしげたオレに
ババァも手を止めて体をこっちへと向けた。

「いつか司さんにも言ったように
 私は牧野さんにも恋愛も結婚も自由になさいと伝えたわ。
 思い出す確証もないのだから待ってる必要はないと。
 いい方がいればその方と幸せになって欲しかったですからね。
 ただ、道明寺として彼女を
 手放す気はなかった事は彼女には伝え忘れてしまったけれど」
フッと小さく笑みを浮かべて言うババァに
オレは背中に嫌な汗が流れるのを感じていた。

もしオレが思い出さなければ。
…いや、思い出せたとしても
あいつがすでに他の誰かと幸せに暮らしていたら。

あいつは妹になってて
それを兄として見守らなきゃいけなかったかもしれねぇのか?

考えただけで血の気が引きそうな話に
言葉もなかったオレに

「…もう一度 貴方の手を取ってくれた彼女に感謝する事ね」
それだけ言うとまたPCへと視線を戻し

「今夜のパーティ。パートナーはどうなさるおつもり?」
なんてこっちのダメージもシカトして
仕事の話へと戻してきやがる。

「今後いっさい牧野以外は仕事でも受け付けねぇ」
「…そう。
 今日はパートナー不在でも
 大丈夫ですからお好きになさい」
そう答えたババァが
機嫌が良さそうに見えたのは気のせいなんかじゃねぇ

その証拠に
「でも…」
と言葉を切ってから

「パートナー同伴で出席するなら
 自分で頼んでいらっしゃい。
 彼女もちょうど今、到着したみたいですから」

その言葉を最後まで聞く事もなく
立ち上がって走り出したオレを見て
肩を震わせて笑っているのを視界の隅に捉えていた。




 
いつも応援ありがとうございます♡

SPECIAL THANKS 47

急なトラブルでフランスに1週間。

道明寺に会えないまま行くと思ってたから
エントランスでバッタリ会った時
ちょっと…いや、かなり?嬉しかったのは…ナイショ。


『SPECIAL THANKS』   第47話


「はぁぁ…クソ」
牧野が出張に行って今日で6日。

昨日少しだけ出来た電話で明日の夕方に帰って来ると言ってた。

「…なんとかなんねぇの?」
「申し訳ありません」

さっきからこの会話も何回目かもわかんねぇ。

牧野が行く時は急だったし気付いてなかったが
明日は朝からオレが出張だった。
1泊だったしそんなに気にしていなかったが
牧野に会えねぇまま行くとなると話が変わってくる。

おまけにこの1週間
ハンバーグの仕返しなのか

相変わらず何か美味そうに食ってる牧野やら
飛行機の中で気持ちよさそうに寝てる牧野やら
やたらと無防備な姿ばかり
これ見よがしに類から送られてくる。

そして牧野からは
「初めて見た!」と
何故かエッフェル塔と記念撮影してる
観光としか思えねぇような写真も送られて来た。

遊んでる暇があんなら1日早く帰って来れたんじゃねぇのか!

ただでさえ類には“初恋”を奪われてんだ。
これ以上類にお前の初めてを捧げてんじゃねぇぞ!
観光だって何だってお前が望むならオレが全部叶えてやるっつの。



「はぁぁぁ…」

「なんだよ、司。
 誘いにノッたかと思えばシケた面しやがって」
「牧野とより戻したんじゃなかったのか?」

ソファに体を沈めてため息を漏らすオレを横目に
いぶかしげに首をかしげる総二郎とあきら。

「ヤる事はヤッたんだろ?」
「仕事なら仕方ねぇだろ。1週間くらい我慢しろよ」

「いきなり盛りまくって喧嘩になるよりはマシだ」
「おー。せっかく落ち着く所に落ち着いたんだしな」

人の気も知らねぇで
好き勝手言ってやがるこいつら。

「……ヤッてねぇよ」
返ってくる言葉が容易に想像できたが
ため息と一緒に漏らせば

「「はあっ!?」」
その予想通り
何やってんだ!と身を乗り出してやがる。

「お前一晩中ナニしてたんだよ?」
「まさか抱きあって眠っただけとか言うのか?」

「…あ!わかった
 牧野がタイミング悪くアレだったんじゃね?」
「あー。そりゃ仕方ねぇな」
ポンポンと慰めるみてぇに
オレの肩を叩くこいつら。

「…風呂から出て来たら、寝てたんだよ」
別にわざわざ言う必要もねぇ気がしたが
思い出しただけであの衝撃が蘇ってきて思わず愚痴る。

すると、しばらくフリーズしてたこいつらは
「「ブッ…」」
とほぼ同時に吹き出して

「マジかよ!
 牧野、サイコーだなっ!」
「殴られるより、よっぽどキツいぜ それ!」
なんて言いながら
ゲラゲラと腹を抱えて笑い転げてやがる。

「…で。
 今夜こそと意気込んでた所を類に掻っ攫われたわけか」
「おまけに今度は入れ違いで出張だって?
 しかも行き先はあの思い出のリゾートなんだろ?」
一頻り笑いまくって
ぐったりとソファに体を預けながら聞いてくる。

「…あぁ。
 ババァの命令で あっちでやる
 ホテルのパーティに出席しなきゃなんねぇ」

「そういや、お袋さんは
 記憶の事とか牧野の事とか知ってんのか?」
あきらが心配そうに聞いてくる。

「別に言ってねぇけど
 あれだけ大阪に通ってれば気付いてはいるんじゃね?」

ババァはあれでも
大学に通いながら邸で受けろと勧めた
語学や教養のレッスンにも弱音も吐かずに
どんどん吸収して成長していく牧野を気に入ってたからな。

やるべき事はやっていたと言っても
度々 大阪へと飛ぶオレを黙認していたのも
ババァなりに見守っていたからなんだろう。

「気付いてる上で
 1人であそこに行かせるって事は
 しっかり反省してこいって事じゃねぇの?」
ククッと笑いながら嫌味を言ってくる総二郎に
舌打ちをしながらも返す言葉はなかった。



 
いつも応援ありがとうございます♡

SPECIAL THANKS 46

夜7時。

マンションのエントランスに入ると
ちょうど牧野がエレベーターから降りてきた。


『SPECIAL THANKS』   第46話


「あ。道明寺!」
オレを見つけてまっすぐにこっちへと向かってくる。

なんだよ。
走って出迎えに来るほど待ちきれなかったのか?

離れてたのなんて
ほんの半日なのによ…。

あぁ…牧野。
あんま可愛いことばっかすんな。

引っ越しの件も
親父さんたちに挨拶に行くのも
ちゃんとオレ達のこれからの話をしてから
今夜こそ昨日のリベンジだって思ってたのに
我慢できなくなっちまうだろ?

オレにまっすぐ向かってくる牧野の体を
しっかりと受け止めようと
両手を大きく広げた。

…が。

オレの目の前でピタッと足を止めたかと思えば

「ちょうど良かった!
 後でLINEしようと思ってたんだけど
 あたし、これから急に出張になったから」
「…は?」

「じゃ。おつかれ」
と片手を上げたかと思えば
オレの体を避けるように足を踏み出す。

「お、おぅ…。って、違ぇっ!」
その勢いにうっかり飲まれそうになったが
ギリギリの所で我に返って牧野の腕を掴んだ。

「いつまでだよ?」
「1週間くらいかな?」

「類も行くのかよ」
「当たり前でしょ。…っていうかホントに時間なくて。
 荷物取りに行く間類が待っててくれてるの」
そのまま走り出しそうなこいつ。

「…チッ。
 だったら送ってやる」
「え…いいっ!いいよ!電車で行くから」

「バカッ!こんな時間に女1人で出歩くな!」
そう言うと腕を引っ張って駐車場へと戻る。

車に乗せられてしまえば
こいつも諦めたのか運転手に
行き先を告げて頭を下げている。

マジで急な出張だったようで
牧野は鞄の中を確認したり
手帳を開いて何かメモったりと忙しくしてる。

ここでプライベートな話をしても
軽く聞き流されそうで
1週間会えねぇのなら
ピッタリと隣に座り抱き寄せて充電をしておく。

そうしてる間に着いたのは花沢のビルで
降りた所には類の車もある。

「送ってくれてありがと…
 って、あんたどこまでついて来る気よ?」
エレベーターホールに着いた所で牧野が振り返る。

「別にいいだろ」
「いやいや…よくないでしょ。部外者なんだから」

「じゃあお前が今からアポ取れば?」
「バカじゃないのっ」

そんな押し問答をしながらも
エレベーターに乗り込めば
諦めたように階数ボタンを押す。




「あれ?司も一緒に来るの?」
執務室に入れば
牧野を待っていた類がオレを見て首をかしげる。

「んなわけねぇだろ。
 送ってきてやっただけだ。
 …あと、こいつはオレのだ。変な真似すんじゃねぇぞ?」
後ろから抱きしめて襟元からネックレスをすくって見せる。

朝渡したネックレスと指輪を
チェストにしまおうとしたこいつに
指輪は確かに仕事するには石がでけぇ気がして諦めたが
せめてネックレスだけはとつけてやった。

「ちょ…っ。
 あんたこそ変な事言ってんじゃないわよ!」
腕の中で真っ赤になって暴れる牧野はシカトしてやる。

「……」
「……」

無言で視線をぶつけ合う事、数秒。

その沈黙を破って
フッと吹き出すように小さく笑ったのは類。

「俺は牧野がいいならそれでいいから。
 でも仕事ではまだ俺のだから。置いてけないよ?」
と肩を竦めた。

その後時間がないと騒ぐ牧野に急かされ
駐車場に降りると類と一緒に車に乗る後姿が気に入らなくて

「類、お前今日の弁当ハンバーグ入ってなかったろ?」
と声をかける。

「ハンバーグ?」
「な…っ」
首をかしげる類の隣で真っ赤になってる牧野。

「オレだけにハートのハンバーグ入れてくれてたんだよ」
ニヤリと笑いながら
それだけ言ってやってから車に乗り込んだ。



 
いつも応援ありがとうございます♡


★そんなに簡単には
  食べさせてあげないよんっ(((*≧艸≦)ププッ(2回目)★

SPECIAL THANKS 45、5話

★昨日は予定外にバタバタしちゃって
  ちょっと時間が足りなかったので…
  おまけ的エピを1つ。坊っちゃんのお昼休みです★



12時を少し過ぎた頃。

ピロンッとLINEを告げる音に目を向けてみれば
送ってきたのは類だった。


『SPECIAL THANKS』   第45、5話


また弁当自慢かよ。
内心舌打ちしつつ、それでも今日は
まだ食ってねぇにしてもオレの分だってあるんだ。
羨ましくも何ともねぇ。

デスクの隅に置いた小さな鞄に目をやりながら思う。

ピロンッ。

ピロンッ。

ピロンッ。

「だぁっ!うるせぇっ!」
立て続けに鳴るケータイに
何枚送ってくるつもりだと手に取ってみれば

1枚目は弁当の写真。
そのすぐ下に
“良かったね”とメッセージ。

オレにも弁当作ったの知ってて送ってきたのか?
そんな疑問のままスクロールすれば

3通目に牧野が弁当を手に
大口開けてご飯を食べようとしてる所の写真。

そして最後に
“牧野楽しそうだよ♪”
とそんなメッセージに
類が言いてぇのは一緒に食ってる自慢だと気づいて
思わずケータイを床へと放り投げる。

「…子供のような喧嘩はお止め下さい」
涼しい顔でケータイを拾い元の位置へと戻すのは西田。

ガキくせぇ事を仕掛けてきてんのはあっちだろうがっ。

いいんだよっ!弁当くらい。

プロポーズを受け入れてくれた。
あいつがそばにいてくれるって言ったんだ。

そうだ…。
あいつをオレのペントハウスに引っ越させなきゃな。
今さら同じマンション内で別居する必要はねぇだろう?

あと牧野の両親にも頭下げに行かなきゃなんねぇな。
許してくれるかわかんねぇが
許してもらえるまで頭下げるしかねぇ。

ババァは…今さら反対はしねぇとは思うが
一応報告くらいはしておかねぇとマズいか。

あとそれから…


「牧野様とのこれからを想像されるのは結構ですが
 それはこちらの書類を仕上げてからになさって下さい」
コホンとわざとらしい咳をして
オレを現実へと引き戻す西田の声に舌打ちを返す。

「うっせぇ!邪魔すんな!」
睨み付けながら、西田から書類をぶん取ると
「これやったらオレも飯にすっからな。
 …お前には米1つぶだって分けてやんねぇぞ」
フンッと鼻を鳴らして書類に目を通し始めたオレに

「それは残念ですね。
 卵焼きがあれば頂きたいと狙っていたのですが…」
と鉄仮面を崩しクスッと笑うと一礼して執務室を出た。


その後、
書類を仕上げると弁当へと手を伸ばす。

弁当を包んでいる布をほどけば
“お疲れさま。
 しっかり食べて午後も頑張って”
と、牧野からのメッセージカードが乗せてあった。

カードを手に取り、文字を指でなぞってから
デスクの引き出しへとしまう。

二段重ねの弁当箱は
一段目におかず、二段目にご飯が詰めてあった。

別に類に送り返したりしねぇが
なんとなく写真を撮る。

1食2食抜いたって平気なオレだが
牧野の作った飯は別。

そりゃシェフが作った料理に比べれば
味は劣るのかもしれねぇが
そんなモンは一般論であって
オレが食いたいのは断然こっち。

彩りよく詰められた弁当を眺める。

「……」
と、あることに気づいたオレは
ケータイを操作してさっきのLINEを呼び出した。

類が送ってきた写真と弁当を見比べて
気のせいじゃなかったと思わず口角が上がった。

オレの弁当には入っていて
類の弁当には入ってなかった物がある。

それは…

弁当箱の隅にあった
ハートの形をしたハンバーグ。

ケータイを置いてもう一度弁当を眺めると

「いただきます」
と自然と手を合わせた。




 
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