残り物には福がある 28

「そろそろ解散すんぞ?」
おしゃべりに夢中になっていたあたし達に
西門さん達が声をかけてくる。

時計を見てみればいつの間にか3時間は経過していた。


『残り物には福がある』   第28話


帰り支度を始めるあたしと桜子の隣では滋が
「えー?まだいいじゃーんっ」
なんてケラケラ笑ってご機嫌だ。

「おいおい。
 またこんなに飲んだのかよ?」
呆れ顔の美作さんに
「あきらさん…」
と桜子が小さく声をかければ

「わかってる。送ってくんだろ?」
と優しく笑って桜子の頭をポンポンと撫でる。

普段、勝気な桜子も
美作さんの前では可愛く笑う。

ああいうの見ると結婚も悪くないのかも?
なんて思っちゃうのは
あたしも滋に付き合って結構飲んだからだろうか?


「牧野はどうする?
 俺が送ってってあげようか?」
そんな声に振り向けば類が「ん?」と首をかしげていた。

だけどあたしが答える前に
「オレはこいつのお守りで呼ばれたんじゃねぇのかよ」
とあたしの肩に手をまわしたのは司。

お守りって何よ?
なんて聞く間もなく
「ほら、とっとと行くぞ」
とスタスタと歩き出す。

「あ…。類っ!みんなも!またね」
なかば引きずられるような状態で振り返って
みんなに手を振れば

「つくしーっ!じゃあねっ」
「先輩、今度はランチで」
と滋と桜子が大きく手を振る。

その隣で3人は
何がおかしいのかケラケラ笑っていて
「…チッ」
なんて司の忌々しげな舌打ちが聞こえた。



車に乗り込むと
機嫌でも悪いのかと思っていたのに
「結構飲んだのか?」
なんて優しい声で聞いてくる。

「ん?んー…そこそこ?
 でも今日はそんなに酔ってないよ」
「…ふぅん?
 そのわりには顔赤ぇけどな?」
そうクッと笑いながら指の背でそっと頬に触れる。

えーっと…。
シートの端に置いてあるチョコのせい?

気のせいかもしれないけど
車内の空気が甘ったるい気がする…。

「…司も結構飲んだ?」
そう聞いてみれば
「飲みたくもなんだろーよ…」
なんてため息をつくと
拗ねたような瞳をあたしに向けた。

「へ、へぇ…」
とりあえず小さく頷いてみたものの
それが居心地悪くて視線を泳がせる。

そりゃ誰にだって
飲みたい日くらいある。

司のように道明寺財閥を
背負って立つ司ならなおさらだろう。

司の不眠もきっと
生活リズムの乱れも原因の1つではあるけど
強いプレッシャーがもたらす影響は大きいはずで

気のおけない幼なじみが顔を揃えれば
話を肴にお酒が進むのはわかる。

…なんだけど。

司の私室に置いてあるお酒は
どれもアルコール度数の高い物ばかりなのに
少なくとも酔ったような様子を1度も見た事もなくて
てっきりお酒は相当強いんだろうって思ってた。

「…酔ってる?」
視線を泳がせるあたしとは逆に
ずっとこっちを見ている司に聞いてみれば

「別に?」
そう言って少し口角を上げると
「ちょっと横になっていいか?」
なんて続ける。

「あ、うん…。どうぞ?」
やっぱり酔ってんじゃない。
なんて思いながらスペースを空けようと
腰を浮かせようとした瞬間。

それを阻止するみたいに
膝の上に司の頭が降りてくる。

「へっ!?」
予想してなかった司の行動に
思わず素っ頓狂な声が出た。

だけど司は
下からあたしを見上げて
「何だよ。ケチケチすんじゃねーよ」
ニヤりと笑うと瞳を閉じた。




 
いつも応援ありがとうございます♡

おもい病

2周年のお祝いに
lemmmonさんより素敵なお話を頂きました♪

ニヤニヤする準備が出来た方から
はりきってどうぞ!




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独り言。~またまたお祝い頂きました♡~

ども。komaです(*・ω・)

いつも私のくだらぬ妄想に
お付き合い頂きありがとうございます(*^^*)

今日はね…
またまた、ただの自慢です(笑)
でもまた聞いて下さいね♡



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残り物には福がある 27

「…っつーかなんで告んねぇの?」
「だよな。チャンスならいくらでもあんだろ」

完全にオレの片思いだと知った総二郎たちは
顔を見合わせて肩を竦める。


『残り物には福がある』   第27話


オレだってらしくねぇとは思ってる。

だが、今までこれほどまでに
オレに興味を示さねぇ女を見たことがねぇんだ。

オレが寝てるベッドに上がるわ
部屋に簡単に招き入れるわ
挙げ句、無防備な姿でオレの部屋に来ようとするわ…

ここまで男として意識されてねぇんじゃ
攻め方がいまいちわかんねぇ。


「そういや、司だけ違うチョコだったよな?」
「牧野だってなんだかんだ、意識してんじゃねぇの?」
あきらと総二郎の視線の先には
オレがもらったチョコがある。

…確かに。
そこはオレも気になってる。
すげー気になってる。


だけど…
なんつーか、なんとなく。

とにかく
オレの勘が
聞かねぇ方が幸せだと訴えている。

そんな事を考えながら
あいつの方を見てみれば

何故かこっちを見ていたあいつと視線がぶつかった。

5秒…
いや、オレがそう感じただけで
実際はもっと短かったかもしんねぇ。

とにかく数秒ぶつかったままだった視線は
何か言葉を交わすでも、
アクションを起こすでもなく
あいつの方からゆっくりと外される。

それだって
特に意味があったわけじゃねぇかもしんねぇ。

だけど
こうやってなんとはなしに
オレの目があいつを追いかける事はたびたびあっても
その瞬間にあいつがこっちを見てたのは今のが初めてだ。

……。

普通に考えりゃ
ちょっとは期待していいのか?
なんて思えるシチュなのに
相手があいつだと素直にそう思えないのが辛い。

とっくに逸らされた視線を動かせなくて
それでもあいつをまだ見つめちまってるオレ。


「ビビッてないで
 真正面からぶつかってみれば?」
そんなオレにポツリと呟いたのは類。
そして、
「ハッキリ言葉にしないと伝わんないと思うよ?」
クスッと笑って続ける。

オレよりあいつを理解してるみてぇな口調に
腹が立たねぇでもねぇが…その通りな気もしてる。

あいつは…そうだ。
オレに興味ねぇとか
もはやそういう次元じゃねぇ。

そもそも恋愛をしようって気がねぇんだ。

あいつがその気になるのなんて待ってたら
来世までかかったって無理かもしんねぇ。

オレだけ違うチョコの意味も
さっきの視線の意味も

あいつがどういうつもりだったかなんて知るかよ。

オレがあいつを欲しいんだ。
それだけでいいんじゃねーの?

その気がねぇっつーならその気にさせりゃいいんだろ?



 
いつも応援ありがとうございます♡

残り物には福がある 26

「お返し楽しみだねぇ」
4人から離れて3人で座ると
本当にワクワクした様子で言う滋。

たかがチョコのお返し。
されどチョコのお返し。
男の人は大変だな…なんて苦笑いした。


『残り物には福がある』   第26話


事務所の先輩たちと共同で
所長たちに渡すくらいは毎年恒例でやってるけど

こうして個人的にチョコを買って
バレンタインを楽しむのはいつぶりだろう?

滋が「バレンタインだよ!」
なんて言い出してみんなで集まろうなんて
そんな事を言いだしたのはフランスから帰ってきてすぐ。

何もあたしからもらわなくたって
たくさんもらってるんだろうとは思ったけれど、
さすがに当日に会う約束があるのに
手ぶらってわけにもいかないかと
事務所用のチョコのおつかいに行ったついでに
みんなの分も選んだりするのは、思いのほか楽しかった。


「桜子はあきら君から何もらうの?」
滋が聞けば
「んー…そうですね。
 ちょうど欲しいバッグがあったのでおねだりしてみます」
なんてニコッと笑う。
「いーなー!
 あたしも旦那にネックレスおねだりしようかなぁ」


「もーっ。2人とも
 チョコあげたくらいで期待しすぎじゃない?」
そう言いながらも
旦那様にあげた本命チョコのお返しなら
おねだりせずともきっと買ってもらえるんだろうとクスッと笑う。

そんなあたしを2人はじーっと見る。

「…え?な、何?」
その視線の理由がわからなくて首をかしげれば

「つくしは司に何貰うの?」
「そうですよね。
 道明寺さんなら何をおねだりしてもOKですよね」
なんてニヤニヤしながら言う。

「え?別になんでもいいよ。
 あ…でも。普段自分じゃ選ばないような
 紅茶に合う美味しいお菓子なら嬉しいかな」
自分で買うと結局
いつも同じような物ばかりでマンネリだから
たまには趣向の違うのを食べれたら楽しいかも続けてみれば

「「……」」
今度はジト目で睨まれる。

「だから何??」

「司がお返しにお菓子!?
 そんなの ありえないでしょっ」
「そうですよ。
 私達にでさえきっともっといい物贈って下さいますよっ」

2人の力の入り具合に押されながらも
昔から友達だった2人なら
過去に素敵なお返しを貰った事でもあるのかと納得して
「…へぇ。そうなの?
 じゃあ、期待せずに楽しみにしてようかな?」
なんて答えた。

すると今度は滋と桜子で顔を見合わせて
2人だけで何かを通じあわせているように頷く。

「…先輩。」
「ん?」

「確認なんだけどさ。
 付き合ってるんだよね?」
「へ?誰と誰が」

「先輩と道明寺さんですよ」
「プッ…なんでよ」

「だって司だけ違う箱だったじゃん。
 あれって本命って事なんじゃなかったの?」
「あー…あれ?
 だって最初は3人って言ってたのに
 後から桜子が司にも声かけてなんて言うから…
 もう1回買いに行ったんだけど同じのなくってさ。
 お邸でお世話にもなってるしちょっと奮発しちゃった」

それに滋たちが
『司はどうせ受け取ってくれない』なんて言ってたから
突き返されるのを前提にして
実は自分が食べたいの選んだ…っていうのは黙っとくべき?


「でもさっき
 道明寺さんとお部屋で
 お茶したとか言ってましたよね?」
「うんうん。した。
 あ。桜子にもらった茶葉おいしかったよ!」
「…それは良かったんですけど」

「ねぇ、つくし。
 本っ当~の事言ってね?」
「…?うん?」

「本っ当~の本当に付き合ってないの?
 ただ部屋でお茶しただけの友達だって言うの?」
「だからそうだって言ってるじゃない」

__さっきから2人とも変だよ?どうしたの?
そう続けようとした言葉は

「ウソでしょっ!?」
「意味がわからないんですけどっ」

なんて突然大きな声を出して
頭を抱える2人に遮られて言えなかった。



 
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