let me know

★大学時代。坊っちゃんが嫌われまくってた頃です(笑)★


2度と会えねぇかも…
そう思ってもあの時の女が
同じ大学内にいると知ってから3ヶ月。

オレはろくに話しかける事も出来ずにいた。


『let me know』   
      ~GOOD LUCK 番外編~





「はぁぁぁ…」
F4専用のカフェテラスで
ソファに体を沈めてため息をつけば

「なんだよ、司。辛気臭ぇな
 また…牧野っつったか?その女に逃げられたのか?」
「見込みねぇならやめとけよ。
 んな苦労しなくたって、女なんていくらでもいんだろ」
そう言いながら総二郎たちはクラブにでも行こうとか誘ってくる。

「誰が行くかよっ!
 オレは牧野がいいっつってんだろうがっ!」
そう怒鳴りつけたオレに怯むでもなく

「へぇ…?そんないい女なワケ?
 総二郎、お前この間見たとか言ってなかったか?」
「あー、いや。超フツー…っつーか超地味」
と2人で呆れたように話しだす。

誰がフツーだって?
瞳とかすげぇデカくて可愛いじゃねぇかよ。
実際見たことねぇけど泣いたら腫れんだぞ。

あとは…

名前が牧野つくしだって事
一般家庭だが母親の希望で英徳に通ってる事
その学費を稼ぐためにバイトを何個も掛け持ちしてる事

オレが知ってる事なんてせいぜいそれくらいで。
それだって三条から聞いただけだ。

もっと知りたい…。
人から聞いて知るんじゃなくて
あいつの口から何でもいいから話してほしい。
オレにも笑ってほしい…。

そんな事を考えてる間も
総二郎は失礼な言葉を吐き続ける。

「おまけにガキっぽくて色気もねぇんだよな。
 司もやっと目覚めたかと思ったら、まさかあんな…」
「……お、おい、総二郎。
 その辺にしておいた方がよさそうだぞ…?って、うおっ!?」
2人まとめてぶっ飛ばしてやろうと回し蹴りをしたが
いち早くオレの殺気を察していたあきらが
間一髪、総二郎の頭も押さえて避けやがった。

「…チッ!」
舌打ちをして見下ろせば

「わ、わかった。
 俺らが悪かったからよ…な?」
と降参だとばかりに手を軽く上げながらも
まだ顔は笑ってやがる。

やっぱり一発殴ってやるか、と拳を振り上げた
その瞬間、

「3人とも何してんの?」
そんな声に振り返ってみれば
階段を上ってきた類が首をかしげていて
その後ろには…

「皆さんこんにちは。お邪魔します」
にっこりと笑顔を貼り付ける三条の影に
隠れるようについて来ていた牧野が見ているのは

オレの蹴りを避けるために尻もちをついた2人と
その2人に今にも殴りかかりそうなオレの姿。

…やべぇ。
また余計なとこ見られちまったじゃねぇかよ!

そう思った時はもう遅くて。

「や、やっぱり桜子だけ行ってきなよ…あたし、帰る」
見てはいけない物を見たとばかりに
そーっと踵を返そうとする牧野をまずは三条が止めに入り、

ここで牧野を逃がせば
自分たちの身が危ないと悟った総二郎たちにまで引きとめられ
オレからすげぇ離れてはいるが牧野は結局このテラスに残っている。

「先輩、何にします?
 花沢さんがご馳走して下さるみたいですよ?」
そう言って牧野にメニューを見せる三条。
「え?あたしはいいよ。
 約束してたの桜子だけでしょ?自分で買うから」
当たり前のように断る牧野に総二郎たちは面食らってやがる。

そりゃそうだろう。
オレらがいるのに自分で払おうとする女なんて
こいつ以外に見た事ねぇんだからな。

「いいよ。1杯も2杯も変わんないし。好きなの選びな?」
「でも…」

…っつーか、
どうせならオレが奢ってやりてぇ。
でも何が好きなのかわかんねぇし…。

適当に何種類か持って来させればいいか?
そう思って牧野にバレねぇように注文しようと席を立つと

「あ。私、エスプレッソでお願いします♡」
と三条の甘えた声。
「あ?」
お前は類に奢ってもらうんじゃねぇのかと振り向けば
「じゃあ俺も」
と類まで笑う。

「ほら、先輩は?」
と三条にまた聞かれ
「えっ…!いやいやっ…いいってば!」
とオレが買う流れに、今にも逃げ出しそうなこいつ。

「早く言わないと、暴れ出すよ。司は短気だから」
類に脅すように言われて
「えっ…!じゃ、じゃあ…コ、ココア…で…お願いします」
慌てて答えた。

その後運ばれて来たココアをウェイターから受け取ると
「あ、あの…やっぱり払い…」
「あ?」

「ひぇっ…。あ、えっと…ご馳走様です」
「…おぅ」

オレと牧野が直接交わした会話なんて
そんなモンだったが、

甘いのが好きだって事。
逆にエスプレッソは少し味見させられただけで
悶絶するほど苦い物は苦手な事。
寒がりでホットを飲みたがるくせに極度な猫舌な事。

そんな些細な事でも
人からじゃなく、お前と過ごした時間の中で
知る事が出来たのがたまらなく嬉しかった。




「あ、司さん。おはよー」
オレより先に起きていたつくしは
ソファの上でマグカップを両手で包み込むように持ってはいるが
フーフーと息を吹きかけるだけで飲もうとはしない。

「ったく。ちょっと貸してみろ」
一口飲んでみればやっぱりクソ甘ぇ。
朝っぱらからよくこんなモン飲めるな…。

そんな事を思いながらも
「これもうイケんだろ」
そう言ってマグカップを返せば
恐る恐る口をつけたつくしは

「あ…ほんとだ。ちょうどいい」
嬉しそうに飲み始める。

つくしはどうしてオレが自分の適温を
知ってるのか、なんて首をかしげているが
オレはお前の事は誰よりもオレが知っておきてぇんだ。

今のオレに、お前の事で知らねぇ事なんかねぇよ。



~ fin ~


★あとがき★


妄想畑に籠ろうと行ってみたらば

一度書きかけたものの
気分が乗らなくてボツになった一部が
クシャクシャに丸めたまま放置されておりまして
まぁ、番外編ならアリ?って事で広げてみました。

しかしですよ。
何だか書いてるうちに

恋焦がれる坊っちゃんを書くつもりが
つくしちゃんの事を知る喜びを知った坊ちゃんが
ストーカーになった瞬間のお話になったような…?ヾ(・ω・`;))ノアワワ…

でもまぁ
今は両想いだし、
つくしちゃん嬉しそうだし…

ギリギリ犯罪回避って事で(・∀・)アハ

胸キュンなのか、怖い話なのか
紙一重ではありますが…(^^;)

皆さまがどっちに受け取ったとしても
楽しんでさえ頂けていれば幸いです(笑)



koma



 
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No title

すんごい久しぶりの夜勤で〜す\(^o^)/
しばらくは、更新ないかな?と思ってたところに、番外編!
嬉しいで〜す,(≧▽≦)(≧▽≦)(≧▽≦)
ホント、健気に片恋してたんですね、司君
今の幸せをグッと噛み締めてるんだろうなぁ〜
好みの温度まで、知ってる司君が、すごすぎる^_^;

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JUJU様

お疲れ様です(*^^*)
ちょっと整理してたらこんなの出てきまして。
お休みついでに出してみました(笑)

この頃を思えば司君はほんと幸せなんでしょうねぇ。
ふふっ…。
きっとつくしちゃん自身が知らない事まで知ってるんですよ(笑)
…やっぱりこれ怖い話かな…(^^;)

 

スリー★★★★★様

嫌われてても怖がられてても
少しずつ情報を集めていってたんでしょうね(^^;)

私も猫舌なので熱くて飲めないと思ってる間に
適温を逃すと今度はすぐに冷めちゃってガッカリなんですよ。
司君みたいな適温センサー欲しいです(笑)

うんうん♪
ストーカーでも
一途でカッコいいと思えるのが司君ですよね(((*≧艸≦)ププ
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