たとえ、何度でも。

「ったく。進ったらまた遅刻だよ」
小さな漁村から就職を機に上京して来て3年。

同じく大学進学のために上京してきた
弟の進は待ち合わせに時間通りに来た事がない。


『たとえ、何度でも』   第1話


ピロンッ。と鳴ったケータイを見てみれば
『ごめん姉ちゃん。30分遅れるっ』
とこれも何度見たかわからないおなじみの文章。

いつもと違うのは
遅れてもせいぜい10分くらいなのに今日は…

「30分!?この寒いのにそんなの待ってらんない!
 …あ、ちょうどお腹空いたしあそこ入ってよっかな」
見渡すとちょうど交差点の向かい側に
テラス席もあって可愛い雰囲気のカフェがある事に気付いて

進にもそこで待ってると伝えて向かう。

大通りのせいなのか
頭が食べる事にスイッチされたからなのか
赤信号がやけに長く感じる。

ようやく向こう側の信号が黄色になって
そろそろ変わる…と思ったその時、

ガシャンッ!と大きな音がして
事故でもあったのかと思ってみてみれば
真っ白なスポーツカーが急ブレーキを踏んだだけみたい。

…む、むちゃくちゃな運転する人がいたもんだ…
あれで免許取れたの?
まさか、無免許とかじゃないでしょうね?

そう思いながらも信号が漸く青になると
そのスポーツカーに注目していた信号待ちの人たちも
一斉に歩き出して、あたしも足を踏み出す。

その人ごみの中で
「…牧野!」
って呼ばれたような気がして
振り返ってみたけど、誰が呼んだのか
そもそも本当に呼ばれたのかもわからなくて
首をかしげてる間にチカチカと青信号が点滅した事もあって
カフェへ再び向かった。

「いらっしゃいませ。
 ご案内しますので少々お待ちください」
店内に入ってみると満席ではないものの
それなりにお客さんで埋まっていて忙しそう。

言われた通りにしばらく待っていると
「お待たせいたしました。
 こちらのお席へどうぞ!」
と待たせたからだろうか?
妙にニコニコと愛想のいい店員さんが
あたしを連れてきたのはテラス席。

「あ、あの…できれば店内がいいんですけど」
まさかテラス席に案内されるなんて
思ってなくて希望を言わなかったのが悪かったのかと
店内の方にチラリと視線を向けると

「いいじゃん、別に。
 俺、寒いのも好きだしさ」
なんてすぐ後ろから声が聞こえて慌てて振り返ると

「や。久しぶり」
とにっこりと屈託なく笑ってあたしの頭をポンポンと撫でられる。

「えーっと…」
「戻って来てるなら連絡くらいしてくれればいいのに。
 とりあえず珈琲?お腹空いてるなら何か食べる?」
なんて言いながらすでに案内された席に座っている。

その光景を今風に言えば「インスタ映え」ってやつだろうか?
間違いなくここは東京なのにパリかどこかに見えてくる。

そう思ったのはあたしだけじゃなかったようで
カフェの前を歩いている女性も店内の女性の視線も
彼へと集中しはじめていた。

テラス席に座ってるだけで絵になる男なんてすごすぎない?

「では、ごゆっくりどうぞ」
ペコリと頭を下げて行ってしまった店員さん。

…もしかしてあたしと2人だと思ったって事?
そりゃあ、こんな男が客として来たら女付きでも
テラス席に案内したくもなるかぁ…。

なんて店員さん目線で考えると妙に納得しちゃって
連れじゃないと説明しに行こうと踵を返すと

「別にいいじゃん、一緒でも。
 こんな寒い所に1人とかやだし。付き合ってよ」
とにっこりと笑う。

…さっき寒いの好きとか言ってなかった!?

そう文句を言おうと思っても
ニコニコと無邪気そうに笑う顔に勝てる気がしなくて

「ま、いっか…」
小さくため息をつくと
向かい側にストンと腰を落とした。




 
いつも応援ありがとうございます♡

★結局籠った甲斐もなくストックはほぼナシ…(--;)
  でもまぁ、これ以上籠ってると冬眠しそうなので(笑)
   マイペース更新になりそうですが新しいお話始めてみまーす★
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No title

はじめましてコメします。いつも楽しく読ませて頂いています❤
花男大好きです。自分史上、最愛ドラマダントツの1位でもあります❗
今回のお話、類くんからのスタート❤
類くん好きなんです。もちろん道明寺も大好きですが、タイプが全く違う二人のなので👉👈
道明寺はつくしちゃんのもの、花沢類は私の中の永遠の王子様❤
何年たっても色あせない花男、いつか娘にも教えてあげたいです。
続き楽しみに待ってますよ~☺


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ka★★★様

ふふっ♪
冬眠しちゃわないうちに出てきました(笑)

はいっ。雨の別れ分岐で
漁村から再び東京に戻ってきたところからスタートです!

類君には驚いてはいるんですけどね~。
驚きすぎて…って感じでしょうか?
第2話でもう1つの設定が明らかになります(*^^*)

あらっ。ka★★★さんも遅刻しがちとな?(笑)意外です~( *´艸`)

 

ま★様

コメントありがとうございます(*^^*)

原作のイメージは大事にしてるつもりなので
そう言って頂けると嬉しいです♡

でも今回の司は…
私の書く司にしては暗い…かも?
楽しんで頂けますように~っ(>_<)!

 

スリー★★★★★様

ただいまであります~(*^^*)

進が遅刻してくれたおかげで(笑)
お話が動き出しましたねぇ。

存在自体がインスタ映えの男は
きっと予想通りのあの人だと思いますが
スリーさんのお目当ての司君は
えーっと…4話?かな??
もう少々お待ちくださいませ~(*^^*)

 

JU★★様

あらっ。珍しく鍵コメだっ(^^)

そしてもう何書いても
妄想畑に遊びに来てます?
ってくらいJU★★さんには展開がバレてる(笑)

ふふっ♡
これまた美味しそうな妄想の種♡
おねだりもありがとうございます(*^^*)
種蒔きしてみますね~♪

 

さゆ様

はじめまして。コメントありがとうございます(*^^*)

坊っちゃんダメになっちゃうから
つくしちゃんはあげませんがっ( *´艸`)
komaもF3大好きなんですよね~♪

特に司と類は似てるようで正反対だったり、と
書いてて楽しいです♡

ふふっ♪
親子2代で楽しめる漫画って素敵ですよね~♡

 

ふに★★★様

お久しぶりです~♪
気が向いた時に遊びに来て頂けるだけで十分でございますよ~♡
そういう私も花男の前は他の二次読み漁ってましたから(笑)

そうですそうです、このお話は雨の別れ分岐になっておりまして
それプラス2話で追加設定がございます♪

おかげでkoma自身、なぜこのお話を書こうとしてるのか謎なくらい
どこから手を付けていいのか…状態なのですが(笑)

ふに★★★さんの妄想茸は大好物ですよ~♡
ぜひぜひ、また味見させてくださいな~(*^^*)
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