プロミス 10

牧野が作ってくれた飯を運んでくる。

パンツの男が弟だってわかって
少し機嫌のいいオレは
前食った時よりこいつの飯が美味く感じた。


『プロミス』   第10話



「それにしても道明寺さんみたいな人が
 姉ちゃんの作ったご飯食べるなんてシュールな光景ですよね」
と弟が本当に不思議そうに見ている。

「お前は食わねぇのか?」
オレを見てるだけで弟は全然食ってねぇ。

「はい。俺、彼女の仕事が終わるの待ってるだけなんで…」
と話しはじめたところで弟のケータイが鳴る。

「あ、すみません。ちょっと失礼します。
 もしもし?終わった?……うん。今姉ちゃんとこ。
 じゃあ迎えに行くからちょっと待ってて」
そう言うと電話を切って、

「すみません。道明寺さん。
 僕はこれで失礼しますので、ごゆっくり
 …ってここ俺ん家じゃないんですけど」
とにっこりと笑う。

「おう。またな」と返事をすると
ペコっと頭を下げて立ち上がって
部屋を出ようとした所で振り返る。

「そうだ、姉ちゃん。あれ買っといてくれた?」

「あぁ、うん。でもこれ重いよ?持って帰れるの?」
そう言って弟に渡していたのは…あの結婚情報誌。

「うわ…ほんとだ。何だコレ、辞書みたい。
 ま、鞄にはなんとか入るしいいや。サンキュー姉ちゃん」



目の前で繰り広げられる2人のやり取りを
固まったままじーっと見つめるオレは空中で箸も止まったままだ。


じゃあまた、とか挨拶を手短に済ませて
彼女を迎えに行った弟を、玄関まで見送っていた牧野が
部屋に戻ってきて何事もなかったように飯を食い始める。


「…おい」
オレが固まったまま声を出すと

「何?おいしくない?」
と首をかしげる。
「いや。美味いけどよ…ってそうじゃねぇよっ!」

「…?なによ大きな声出して」
牧野は俺の声が大きくなった事に驚いている。

「弟も結婚考えてんのか?」
オレが聞くと、コクンと頷く牧野。

「友里ちゃんのトコに空き巣が入った話聞いたんでしょ?
 それ以来、進ったら出来るだけ送ってあげてるんだけど、
 やっぱり毎日ってわけにもいかないじゃない?
 で、そんな時に、帰る家が一緒だったらな…って思ったんだって。
 だからってすぐ結婚するって訳じゃないんだろうけどさ。
 ただ、ああいう雑誌って女性が買うイメージあるでしょ?
 それであたしに買っといてって頼んできたのよ」

そう言って弟が結婚を考えてる事を教えてくれた牧野。
…それはいいと思うんだけどよ。

「で?お前も弟にあてられて
 彼氏と結婚してぇとか思うようになったのか?」
オレが言うと、首をかしげる牧野。

「彼氏?結婚?何の話してんの、あんた」
とそんな事を言うこいつ。

「あ?お前結婚したいと思えるほどの彼氏がいんじゃねぇのかよ」
オレは箸を置いて詰め寄る。

すると牧野は
「彼氏?あたしに?いないわよ、そんなの。
 彼氏がいる身であんたみたいなのを
 何度も部屋に上げたりするわけないでしょ!」
と盛大なため息をついた。





いつも応援ありがとうございます♡
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

ご覧頂きありがとうございます♪
*カウンター*
 
*現在の閲覧者数*
komaの呟き。
つかつく♥コラボ
ガチリレー!!
 
最後までお付き合い頂き
ありがとうございました!
 
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
素敵サイト様
*素敵なイラストなど♪* 管理人 まま様

*二次が生んだ二次作家様*
管理人 aoi様

*CP自在のファンタジスタ* 管理人 asuhana様

*イケメンイラスト&二次小説*
管理人 やこ様

*長編大作の巨匠様* 管理人 こ茶子様

*胸きゅん♡つかつく* 管理人 Happyending様

*カッコ可愛いつくしちゃん*
管理人 四葉様

*切なくも甘いつかつく*
管理人 きぃ様

*シビれるッ!つかつく♪*
管理人 lemmmon様

*とにかく司を愛する作家様*
管理人 蘭丸様
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる