GOOD LUCK 20

「…午前の分は以上になります」

仕上げた書類を受け取った西田がペコリと頭を下げ
時計を確認すると11時を少し回った所だった。


『GOOD LUCK』   第20話


西田が持ってくる書類の量がいつもより
多いような気がしねぇでもなかったが
まぁ、この時間に終わったのなら良しとするか。

「牧野は今どこにいる?」
「秘書課の方でスケジュールの調整をしてもらっております」

「あいつも付き合わせるからな。文句ねぇだろ?」
「はい…牧野さんがよければ、ですが」
西田の言葉を最後まで聞く事もなくオレは秘書課へと向かう。

オレがどんだけ必死に仕事片づけたと思ってんだよ。
断る隙なんて与えてやんねぇっつーの。


ノックもなしに秘書課に入って行くと
牧野はオレに背中を向けた状態でパソコンに向かって作業中だった。

そのデスクの隅には弁当と思われる小さな鞄が置いてある。
オレに気付いている三条に
「こいつ借りるぞ」と目で合図すれば、
「どうぞ」とばかりにコクンと頷いたのを確認すると

まずは弁当の鞄を手に取ってみれば
「へっ!?」
と牧野が間抜け面でオレを振り向いた。

そのまま牧野を担ぎ上げて秘書課を後にする。
「ひぃゃぁぁぁ~っ!!」
いきなり拉致られてパニック状態のこいつにかまう事なく
エレベーターで屋上に行くと
木陰にあるベンチを見つけてそこに牧野を降ろしてやる。

「せ、せん、む?
 あ、あの…あたし、何かやらかしました?」
こいつがしどろもどろなのはベンチに降ろしたこいつを
オレがべンチの背に両手をかけ閉じ込めてるからだ。

「腹減った」
「え?」

「腹減ってんだよっ」
「え、えーっと…。まだ昼休憩には少し早い…」

「午前の分は終わった。1時まで昼休憩だ」
「へっ!?…お、お疲れさまです」

「………」
無言のまま次の言葉を促すようにじっと見つめれば
居心地悪そうに視線を泳がせたこいつは
自分の隣に置かれた鞄に気付く。

「あ…っと。お、お弁当でよければ……食べ…ます?」
「おぅ」
言わせたかった言葉を貰って満足気に微笑むと
牧野の隣に腰掛けた。



「…っつーか、
 あるならあるって言えばいいだろ」
「や…でも。専務はやっぱり
 こんなの食べないかなぁ…って?」
弁当を受け取りながら愚痴るオレに牧野は苦笑いを返してくる。

お前がオレに作ってきたんだろ?
そんなの食うにきまってんじゃねぇかよ。

そんな文句を飲み込んで
受け取った弁当箱を開いてみれば
見た事もねぇおかずが並んでいた。

「あっ!…お口に合わなかったら
 無理しないで残してもらっていいですからね?」
不安そうにオレを覗き込むこいつ。

「…お前は?食わねぇのか?」
鞄の中にはもう1つオレのより小さい弁当箱が入っていた。
「あたしは戻ります。まだお昼休みになってないので」
なんてあり得ねぇ事を言ったかと思うと立ち上がるこいつの腕を掴む。

「あ?オレに1人で食えっつーのか。
 西田にはお前も連れてくって言ってあるから大丈夫だ」
「えっ…でも……」
そう言いかけたその時、

__ぐぅぅ~。
と間抜けな音がこいつの腹から響いた。

「……っ!!」
「ククッ…。お前も腹減ってんじゃねぇか。
 いいから一緒に食うぞ。
 ほら、オレも腹減ってんだから早くしろ」
隣に座れとベンチを叩けば
諦めたようにため息をついた牧野は

「…はい」
と消えるような声で言うと
オレの隣に座り自分の弁当箱を取り出した。




いつも応援ありがとうございます♡


★明日はたぶんサボりますっ(笑)ごめんなさーいっ★
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No title

牧野さんが、良ければですが……断る隙きを与えないそうですから……
まぁ、その気になった司君の勢いを止めることなんて、出来ないよね(≧▽≦)
屋上で、つくしちゃん手作りのお弁当を二人で食べる……至福の時だね司君(•ө•)♡

明日は、お休みですね、了解です(^O^)v

 

★様
(1文字なので伏字で失礼します)

あははっ。
熱いコメントありがとうございます(*^^*)

ププッ。
ほんの数か月前にガッツリサボったkomaですから
サボり癖はいまだ健在でございますよ(笑)

イベントのお話も全て書き終えて
やや燃え尽き症候群になりつつあります(^^;)
私もダンナに花男バカと呼ばれるくらいなので
他人様の所へ遊びに行っては癒されまくりです♪

うふふ…勇者さまでもございましたか♡
いやはやお恥ずかしい(笑)

叱咤激励ありがとうございます♪
ユルい話ばかりですが
これからも楽しんでいただけますように(*^^*)

 

JUJU様

そうです。
坊っちゃんはやると言ったらやるんです(笑)
屋上もしっかり人払いするなり、施錠するなりして
邪魔は入らないようにしてるので
完璧確信犯ですよ(((*≧艸≦)ププ

はーいっ。
ちょっと一服させて頂きました♡
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