GOOD LUCK 12

「せ~んぱいっ♪
 専務とどんな一夜を過ごしてきたんですか?」

翌朝、出社したあたしに
桜子は朝の挨拶もそこそこにそんな事を言う。


『GOOD LUCK』   第12話



専務が用意してくれた服にも着替えたし、

「行くとこ一緒なんだからいいだろ、別に」
と車に乗せようとしてくる専務も振り切って時間だって
わざわざずらして何食わぬ顔で出社したのに。

「どうしてわかった?って聞きたそうですね」
そう言われてコクコクと頷く。

「服を見ればすぐわかりますよ」
「へ?なんで?」

「先輩にこんなにセンスのいい服を選べるわけないです」
あまりに可愛く笑うから
すごく失礼な事を言われているのについ絆される。

……それに絆されなくても
そこについては言い返せないような気もするし。

「はぁぁ…」
とため息を漏らして反論を諦めたあたしの肩をトントンと叩くと

「…で?専務ってお上手でした?」
なんて事を耳打ちして聞いてくる。
「バッ…!何言ってんのよ!」
思わず桜子の口を両手で塞いで周りをキョロキョロと見渡す。

「…何って。そんなの当然の流れじゃないですか?」
逆にあたしの反応の方がおかしいとばかりに小首をかしげる。

「そ、そんなんじゃないからっ!」
「…え?まさか本っっ当に何もなかったんですか?」

「当たり前でしょっ!
 大体あんた、専務の事好きなんでしょ?
 それなのに泊まったりして普通なら怒る所じゃないの?」
「だから言ってるじゃないですか。
 私は付き合ってもないのに縛ったりしませんよ。
 むしろ…その状況でシてない方がガッカリなんですけど」
そう言うとつまらなさそうにため息をついて去って行く。



それから仕事をしながらも桜子の思考回路をたどるけど
好きな人が友達と一夜を過ごしたっていうのに
どうやったらあんな楽しそうな反応になるのか…。

「……ダメだ。理解できない」
脳内が混乱するばかりでデスクに突っ伏すと

「何が理解できないの?」
そんな声に顔を上げると
隣のデスクのイスの背もたれを
抱きしめるようにして座る類がいた。

「類っ!」
「や。久しぶり」
ニコッと笑う顔は相変わらず王子様のようで
頭の上にあるはずのないクラウンすら見えてきそうだ。

「何してるの?」
「司の秘書になったって聞いたから。
 …お祝い?慰め?どっちかわかんないけど
 牧野の顔見るついでに仕事しに来た」
とにっこり。

「お願いだから仕事のついでにあたしにしてくれない?」
今これ以上理解できない事が増えると熱が出そうで
小さくため息をついてみたけど
類はやっぱりそんな事聞いてないみたいな態度だ。

類は大学の頃、桜子と一緒にF4専用テラスに連れて行かれるうちに
なんかわかんないんだけど空気が合う…っていうのかな?
4人の中では唯一仲良くなれた。

だから当然、あたしが専務が苦手だって事も知ってる。

「大丈夫?」
心配そうにあたしを覗き込む類にクスッと笑う。

「ありがと。大丈夫だよ。
 ちょっとね専務の事誤解してたのかもって思ってるの」
「へぇ。仲良くなったんだ?」

「仲良く…ってわけじゃないけど。
 そんなに怖い人じゃないのかもなぁ…って?」
「よかったね」
そう言ってあたしの髪を撫でようとした類の手が止まった。

不思議に思って視線を上げると
いつのまに秘書課に来ていたのか
不機嫌そうな表情を浮かべた専務が類の腕を掴んでいた。




いつも応援ありがとうございます♡
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

 

ka★★★様

桜子、完全に2人で遊んでます(笑)

そしてつかつく読者さんがざわつく
類君まで登場してきましたねぇ( *´艸`)

つくしちゃんと類の関係、類の立ち位置…
司君、気が気でなくなってきそうです(笑)

続きもぜひぜひ楽しんで頂けますように♪

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

シテない方が、ガッカリ……さすが桜子ちゃん😁
桜子ちゃんのこと、司君にも、機会があれば、不甲斐ないとか言いそう😛
類君の手を掴んで、不機嫌そうな司君、次はどう出るのかな?

 

スリー★★★★★様

つくしちゃんは疎くても桜子なら
ひと目でどこのブランドだとか見抜いちゃいそうなので(*^^*)

私もまだ何も書いてないし
プロット的な物もないので
桜子の今後の動きは謎ですよ~(笑)

類君は一応つくしの味方…なのかな??
じゃないとkomaも困るな…(笑)

へへっ。Darknessは参加メンバー自身も
すごく苦労して書き上げたお話なので
ぜひぜひ読んでは頂きたいのですが…
ど・ど・ど・どシリアスなので相当な覚悟がいります。

シリアス好きな方には平気かもですが
少なくともここのお話レベルで酸欠になっちゃう人は
必ず酸素ボンベを持って行かないと・・・な感じです(^^;)
そうか・・言ったからには砂糖の塊用意しとかなくちゃですね(笑)
Darknessの最終話までに甘いお花咲かせなくちゃ♪

 

JUJU様

ふふっ。
最近ほんとJUJUさんには展開がバレてるなぁ(^^;)

ハッキリ面と向かって言いますよ(笑)
不機嫌な司君…小悪魔にもてあそばれますっ(・∀・)
プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

ご覧頂きありがとうございます♪
*カウンター*
 
*現在の閲覧者数*
komaの呟き。
最近ふとした
きっかけで
落書きにどハマり中♡
 
おかげで執筆が
進みません…(笑)
 
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
素敵サイト様
*素敵なイラストなど♪* 管理人 まま様

*二次が生んだ二次作家様*
管理人 aoi様

*CP自在のファンタジスタ* 管理人 asuhana様

*イケメンイラスト&二次小説*
管理人 やこ様

*長編大作の巨匠様* 管理人 こ茶子様

*胸きゅん♡つかつく* 管理人 Happyending様

*カッコ可愛いつくしちゃん*
管理人 四葉様

*切なくも甘いつかつく*
管理人 きぃ様

*シビれるッ!つかつく♪*
管理人 lemmmon様

*とにかく司を愛する作家様*
管理人 蘭丸様
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる