GOOD LUCK 4

あの日から数年。

大学3回生になったオレは
二度と会えねぇかもとさえ思ってたお前が
思ってたよりずっと近くにいた事を知る事になる。


『GOOD LUCK』   第4話


昼になってようやく顔を出した大学。
総二郎たちの所にでも行くかと足をテラスに向けると
手前のカフェに三条がいる事に気が付いた。

…と言うより、視線を奪われたのはその連れの方だ。

「先輩、講義もバイトも入れすぎですっ。
 いつ私と遊んでくださるんですか?」
「あははっ。ごめんごめん。
 でも学費払う以上は講義は
 出来るだけ受けなきゃ損だしさー。
 バイトだってしなきゃ生活出来ないんだもん」

「今度の休みは私に付き合ってもらいますからねっ!?」
「わかってる、わかってる。
 あー…っと。もう時間だっ。じゃあね、桜子!」

そう言って三条に手を振って走って行った女。
それがあいつだった。

「…もうっ!」
そんなあいつにため息をつきながら
見送っていた三条に近づいて声をかける。

「……今の奴、お前の知り合いか?」
「あら、道明寺さん。お久しぶりです。
 牧野先輩ですか?先輩は私の大事な友人ですけど…」
そう話すこいつの表情は警戒心に満ちている。

「別に取って食おうってわけじゃねぇよ。
 前にちょっと街で世話になった事があってよ…
 そうか、あいつ牧野っつーのか」
「…先輩に?
 道明寺さんに会ったなんて話、聞いた事ありませんけど」
訝しげな顔をする三条。

「…あいつここの学生なんだよな?」
「はい。先輩は高等部から編入してきた一般の学生です」

高等部からいるなら
オレの顔くらい知ってたんじゃねぇのか?

なら、オレに近づくために
知ってて知らねぇフリしたのか……?

でもそれならあの後すぐに、近づいてくるよな…?

「…あいつ、オレの事知らねぇって事はねぇよな?」
確認するように聞いてみれば

「はい。もちろんですわ。
 …と、言っても先輩にとって
 道明寺さんはこの世で最も忌み嫌う存在かと思いますけど」
なんて思いもよらねぇ答えが返ってきた。

「あ?」

「高等部からいたんですから、当然先輩も赤札の事は知ってます。
 正義感の強い方ですから…理不尽に弱い者を追い詰める
 あんなゲームをしていたF4の皆さんを昔から嫌ってらしたので。
 道明寺さんに告白した私も危うく絶交されるところでしたから…」

「まぁ私は道明寺さん個人ではなく
 その輝かしいステータスをお慕いしてましたので
 先輩を失ってまで道明寺さんにこだわる必要もないかと
 あっさり他の方に乗り換えさせて頂きましたけどね」
と悪びれる事もなく、オレ自身ではなく
オレの付属物に惚れたと笑顔でハッキリ言いやがるこいつ。

そんな三条が友達って…
あいつもやっぱり他の女と変わらねぇんじゃねぇのか?

そう考えたオレの表情を敏感に察知する三条は

「先輩と何があったかは存じませんけど。
 先輩が私たちと同じような人間だとは思わないで下さいね?
 先ほども申し上げましたが、先輩は私の大事な友人です。
 私が整形だと知った上で私自身を認めて下さった方なんです。
 だから…先輩に何かする気なら、
 いくら道明寺さんとは言え、私も黙ってはいませんよ?」
とオレを牽制するように鋭い目線を向けてくる。

こいつがどうしたって
オレが本気になれば、邪魔なんて出来るワケはねぇ。

それがわかんねぇほどバカでもねぇこいつが
オレに向かってこんな口を聞くのはすげぇ珍しい。

やっぱあいつはオレの思った通り
人を見た目やステータスで判断する奴じゃねぇって事か。

「…それならオレだってさっき言っただろうが。
 取って食おうってわけじゃねぇよ。ただ……」
その先を言おうとしたが、嫌われてると聞かされた手前口ごもる。

だったら
あの日は単純にオレだと気付かなかっただけか。

考えてみりゃ、濡れた髪はストレートになってたはずで
オレだと認識できなかっただけなのかもしれねぇ。

オレだって知ってたら、
お前は最初から手を差し伸べなかったか?

あいつは道明寺司としてじゃない、
ただの酔っ払いのためには泣いてくれると言ったが
その酔っ払いがオレだと知ったら…もう泣いてはくれねぇのか?


オレが惚れた女は、オレ自身を知った上で嫌う女だった。

自分がやってきた事を考えれば当然で
これはもう絶望的だと諦めようとする一方で
それでもそんなお前がやっぱり好きで、欲しいと願う。
自分でも呆れるほど矛盾した気持ちに胸が苦しくなった。




いつも応援ありがとうございます♡
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No title

今までの自分のやってきた事を後悔だね😭
きっとここからは、心を入れ替えた事をだろうけど、社会人になったつくしちゃんの認識では、まだ学生時代の暴君のままなんだね😨
頑張れ司君!
秘書になったつくしちゃんに、良いところ見せるチャンスは、いっぱい有るよ😊

 

JUJU様

書くと長くなっちゃうので省きましたが
つくしちゃんと出会ってからは赤札もやめてます(^^;)

でもそんな事情だって知らない…
と言うより、司君にそんなに興味もないはずで…(汗)

司君の恋は前途多難です(((*≧艸≦)

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か★★様

ふふっ♪
ありがとうございます(*^^*)
最後までワクワクして頂けるように頑張ります♡
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