First love 25

類と別れて邸に戻ったオレ。

出迎えたタマにあいつらは休んだと聞く。
そりゃそうか、こんな時間だしな。


『First love』   第25話


部屋に入るとバスルームの方から
物音が聞こえてそちらに足を進める。
どうせ、総二郎とあきらでもいるんだろう。


そんな事を思っていると、扉が少し開いて、

顔を出したのは…牧野だった。

「牧野っ!?…お前なんで…」
ここにいるんだ?そう言おうとすると

「ぎゃああああ!!」

牧野が叫びだした。
オレは慌ててあいつの所に駆け寄って口をふさぐ。

「バカッ!叫ぶんじゃねぇよ!」
口をふさいでしまうとアイツの小っせぇ顔はほとんど隠れちまって、
でっかい瞳だけが目立つ。

その瞳もこれ以上ないほど見開いていていまにも落っこちそうだ。

「とりあえず落ち着け…わかったか?
 手ぇ離すから、叫ぶんじゃねぇぞ?他の奴らがきたら厄介だ」
そう言うとコクコクと頷く牧野。

そっと手を離すと、牧野の顔は真っ赤になっていた。

「お前…なんでここにいる?」
最初に言おうと思っていた言葉を改めて口にする。

「タ、タマさんが…この部屋使えって……それで…」
牧野が説明し始めると、牧野の体を覆っていた
タオルがはらりと落ちそうになって
オレは慌てて、手で押さえた…

つもりだったんだが。

「ちょっと……どこ触ってんのよ」
そう言われて見てみると、タオルごしとは言え、
オレは牧野の胸に手を当てていた。

「ちょっ…待て!わざとじゃ…ッ!!」
「この…変態野郎っ!!」
弁解する間もなく、オレは牧野に平手打ちを受ける。




その後、服を着替えて、髪を乾かしてから
牧野はバスルームから出てきた。
オレをゴミでも見るような顔で見ている牧野。

やめろ。オレだって傷つくんだぞ?

婚約者疑惑の次は変態疑惑かよ…。
恋っつーのはこんなに次から次へと
問題が起こるもんなのか?

「…オレだけが悪いんじゃねぇぞ。」
そうだ。少なくともオレは自分の部屋に帰って来ただけで、
牧野がいる方がおかしいんじゃねぇの?
オレのどこに落ち度があるって言うんだ。

「開き直るなんて、最低…」
牧野の顔が一層険しくなる。

「もしかしてお前…。ここが誰の部屋か知らねーで使ってたのか?」

「…?誰の部屋って…。え?……まさ、か…」
牧野の顔がみるみる青ざめていく。
マジで知らねーで使ってたのかよ。

まぁ知ってたら風呂なんか入ってねーよな、こいつは。

「そうだ。オレの部屋だ。
 自分の部屋に帰って来ただけだろ、オレは。
 文句ならタマに言えっつーんだよ」
殴られた頬をさするフリをして不貞腐れるオレ。

「タマさん……いい人だと思ったのに、なんで…っ」
がっくりと肩を落として、本気で落ち込む牧野。

オレの部屋がそんなに嫌かよ。
それともオレに胸触られたからか?
どっちにしてもそれはそれでショックだぞ。

しばらくすると、ソファに座るオレのそばによってくるこいつ。
「……殴ってごめんね?い、痛かった?」
そう言って、殴ったオレの頬に心配そうに触れる牧野。

「…もういい。わざとじゃねぇっつってもオレも悪かったからな」
そう言うとちょっと顔を赤くしながら、
安心したように笑うこいつを見ていると
どうにも我慢がきかなくなってくる。



今日は牧野だって疲れてるに決まってる。

もうこんな時間だし明日にするべきだってわかってる。

だけど…

「牧野…オレはお前が好きだ」

オレの頬に触れる手を引っ張って抱き寄せて
言わずにはいられなかった。


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