シャイン 13

「あ?じゃあ俺が
 道具室に閉じ込められたのも知ってたのか?」


藤山親子を見送ったお袋は
戻って来るなり、全部知ってたと言いだす。


『シャイン』   第13話
       〈総二郎×優紀〉




俺も優紀ちゃんも呆然とする中で

「舐めてもらったら困ります。
 大事なお客さんがたくさんいらはる中で
 何かあってからでは遅いんですよ?
 邸の中で何が起きてるかくらいは把握してて当然です」
顔色1つ変えずにそう言うお袋に
思わず不満気にため息をつく。

「だったらさっさと扉開けろよ」
「あの時点なら下手に騒ぎ立てんでも
 中に優紀さんもいたのはわかってましたし。
 優紀さんならあの通路使ってこっそり抜けるやろ思うて。
 まぁ、それでも総二郎さんが
 暴れるようやったら開けるように言っておきましたけど」

……俺が暴れるつもりだった事までお見通しかよ。

お袋はチッと小さく舌打ちをした俺に視線を向けると
「これに懲りたら少しは身を引き締めなはれ。
 普段からフラフラしてるからこういう事になるんです」
一喝するように言われて
返す言葉もなくて黙り込んだ俺を優紀ちゃんは小さく笑う。

「優紀さんも巻き込んでごめんなさいね?
 こんな大事な茶会で騒ぎを起こそうとする娘さんに
 これ以上妙な噂立てられるのも困ったもんやったから」
そう頭を下げるお袋に

「い、いえっ!
 私なんかでお役に立てたのなら…
 それに私が…その、総二郎さんと…って噂も時間が経てば
 皆さんも忘れてくれると思いますし…大丈夫です」
なんて慌てて手を振って否定する姿を見て
俺はお袋にさっきとは比になんねぇ程鋭く睨まれた。

「…呆れた。母親をダシにまで使っておいて
 まだ手中に収めてもなかったなんて思いもせんかったわ。
 ほんま、まだまだ詰めが甘い。
 そんなんで次期家元が務まる思うてますのか?精進なさい」
そうため息をつくと
後片付けがあるから、と部屋を出て行った。

「…家元夫人、何だかすごく怒ってらっしゃいませんでした?」
お袋の怒りの理由に気付いてねぇ優紀ちゃんは
青い顔をして慌てふためいている。

「あぁ。すげぇ怒ってんな。
 あんなに怒らせたの久々かもしんねぇわ。」
そう言いながらククッと笑えば

「笑ってる場合じゃないですよっ!
 あんな温厚な方が怒るなんてよっぽどですよ」
まるで自分の事みてぇに慌てて俺の肩を叩いて
とにかく謝りに行こうとオロオロしている。

お袋のやつ…最初から何もかもお見通しってか?
ダシに使ったつもりがあっちからの援護射撃だったとはな。

詰めが甘い…か。
確かにそうかもしんねぇな。


「…んー、やべぇかも。
 このままじゃ俺家元にもなれねぇな。下手すりゃ破門じゃね?」
小さく息をついて足を崩す。
「えぇっ!?
 ほんとに何したんですか、総二郎さんっ」

「…また俺の事助けてくれる?」
「わ、私で出来る事なら…」

「よしっ。決まりだな」
「え…っと?何が決まりなんですか?」
訝しげな眼差しを向ける優紀ちゃんにニコッと笑うと

「俺とちゃんと付き合ってよ」
「…へ?な、な…
 こんな時にふざけてる場合じゃないですよ!」

「ふざけてねぇよ。本気も本気。
 お袋だってそれで怒ってんだぜ?
 優紀ちゃんに逃げられたりしたら
 今度こそ俺どこの妖怪と婚約させられることか…」
「な…な…」

まぁ、俺とお袋に目ぇつけられた状態で
この西門から逃げられるとは思わねぇけどな。


「ね。…俺を助けると思って?」
優紀ちゃんの手を取ってじっと見つめてみても
その表情にはまだ戸惑いが浮かんでいて。

「…やっぱ、俺なんかが彼氏じゃやだ?」
そう聞けば
優紀ちゃんは慌てて首をブンブン振ると思って聞いてみる。

だけど返ってきたのはチュッと触れるだけのキスで。

「……総二郎さんが私にそうするみたいに
 私だって、俺なんか。って言ったら口塞ぎますから」
自分からやったくせに
真っ赤な顔で俺を小さく睨みつけるようにそう言う優紀ちゃん。

「じゃあ、付き合ってくれんだ?“俺なんか”と?」
ニヤニヤしながらわざと強調するように言えば
困ったような顔をしておずおずと顔を近づけてくるから
それがなんだか無性に可愛くて

「悪ぃ。待ってらんねぇわ」
ククッと笑って後頭部を捕まえて深く貪った。





~ fin ~



★あとがき★


とりあえず…
「fin !? finって言ったか、おいっ」
ってツッコミが聞こえてきそうな気がしてます(笑)

いやぁ、さすがに見事にぶった切ったな、と
自分でも思ってはいるんですが
付き合ってからのお話は番外編でいいかな~っと…
(リミットもそうでしたしね。)

このお話、episode 0も実は存在してまして。
近いうちにそっちを出してから

付き合い始めた2人の話を
ちょこちょこ書こうかな~、なんて思ってます。
まぁ、書いてからやっぱり、もうちょっと…とか思ったりして
しれっと「第14話」とか付けてたら
それはそれで笑ってやってください(笑)

とりあえず、ここらで一区切り。
って事で「シャイン」は幕を下ろしておきます。


リクエストを強要したにも関わらず
素敵な妄想の種をくださったka★★★様、
こんなんで大丈夫でした?

ダメだって言われたら
OKが出るまで責任持って頑張りますが(笑)
番外編でお許し頂けると幸いです(≧人≦○)


koma




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No title

司推しですが、このお話の総二郎かっこいいいい❣️お話とても楽しく読ませてもらいました!!ありがとうございます\(◡̈)/♥︎

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りえ様

つかつく派にも関わらず
最後までお付き合い頂きありがとうございます(*^^*)

うふふ。
総ちゃんって難しいから楽しんでもらえてうれしいです♪

ka★★★様

なんだか蓋を開けてみれば
総ちゃんより優紀ちゃんより
カッコよかったの家元夫人みたいになっちゃったので
お気に召さなかったらどうしようかと心配してたんですが

イメージに合っててよかった…ε-(´∀`*)ホッ

本編はぶった切りましたが
番外編は書かせて頂くつもりです♪
うふふ♪
またまた美味しそうな種を…ごちそうさまです♡

こちらこそ、お礼とか言いながら
リクエストを強要したにも関わらず
素敵なお話の種をありがとうございました(*^^*)

Fu★★★様

最後までお付き合い頂きありがとうございます(*^^*)

どうも付き合うまでの過程を書いちゃうと
勝手に満足してぶった切るクセがございまして……(笑)
ただのイチャラブを書く土台にしちゃうんですよね。

私もキッツイシリアスは苦手なので
息継ぎにでも使って頂ければ幸いです(笑)

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のま★★★様

はじめまして。コメントありがとうございます。

妄想畑の大半を司が占めてるせいか
うちの総ちゃんはどうも深さもエロさも足りません(笑)

リミットもお付き合い頂きありがとうございます(^^)
番外編は難しいこと考えずに
ただほのぼのしてられるので書くの好きなんです♪

ゆるい妄想しかしてませんが
これからも宜しくお願います(*^^*)
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