サンライズ 9

あの時、神様と約束したの。

何もいらないから
あいつを連れてかないでってお願いしたの。



『サンライズ』   第9話



今でも道明寺が刺される直前、
お互いの手を取ろうとその手をめいっぱい伸ばしたあの瞬間は
昨日のことのように頭に焼き付いていて離れない。


あたしのお願いを聞いてくれる代わりに
神様は道明寺の記憶からあたしだけを消した。

道明寺の瞳は冷たくて昏い瞳をしていて
どんなに手を伸ばしてもあたしを映してはくれなかった。

でもね。
ほんとはどこかで自信があったの。
何度だって道明寺はあたしを見つけてくれるって。

だけど道明寺はあたしを見ようともしなかった。

あいつが悪いわけじゃない。
頭ではわかってても心がついていかなくて


__代わりのきく恋ならいらない。
    あたしを見つけてくれないならもういらない。

そう拗ねて手を伸ばすのを諦めたのはあたし。



だから今さらになって
神様が道明寺の記憶を戻したのは
あたしを試すためなんじゃないかって思う。

道明寺の記憶が戻ったから?
昔みたいに好きだって言ってくれるから?

そんな理由であたしが神様との約束破って
目の前に差し出された手を掴もうとなんてしたら


神様が怒ってまた何か起きるんじゃないか…
今度こそあいつがあたしの前から消えてしまうんじゃないか…

そんな気がして怖くて動けなくなってしまう。

道明寺が生きていればいい。
たとえあたしとじゃなくても幸せになってくれればいい。

それは今でも変わらないあたしのお願い。

その代わりにあたしは手を伸ばしたりしない。


だから神様、お願い。
絶対にこれ以上は望まないから。
もう少しだけあいつと一緒にいさせて下さい。

もう嵐を起こさないで下さい。





『今日会えるか?』

道明寺からの電話の第一声はいつもこれ。

「もう少し前もってわかんないものなの?」
『あ?何か用事あったか?』
「いや…大丈夫なんだけどさ」
『だったらいいじゃねぇか。
 いちいち勿体ぶってんじゃねぇよ』
ククッと笑いながら言う道明寺の声は耳に心地よく響く。


でもさ。
いくら彼女じゃないって言ったってあたしも女なんだよ。
社会人になって昔に比べれば
人並みには自由に使えるお金も持てるようになって
好きな人に会うならお洒落しなきゃとか思うし
あと…今日下着どんなだっけ?とかもやっぱり思うわけよ。

幸い今日は…
一応スカートだし、下着も…うん。ちょっとカワイイ奴だ。


『じゃあ、終わったら迎えに行くから』
「ん。待ってる」

前に会ってから間が空いてたからか、
会いたいなーなんて思ってた所にかかってきた電話に
あたしは柄にもなく浮かれていた。

早く会いたくて残業なんてしてたまるかと
電話の後は仕事も頑張った。


それが神様の逆鱗に触れたんだろうか?
待ち合わせ場所にやってきたのは…

少し青い顔をした類だった。




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