サンライズ 8

「司…お前一体どういうつもりなわけ?」
責めるような目つきで
そう言ってオレを睨むのは類。

その隣では総二郎とあきらも苦笑いしながらも
類を止めようとする素振りは見せない。


『サンライズ』   第8話



こいつら言いたい事はわかってる。

牧野と付き合ってるわけじゃねぇと言いながら
ヤることはヤッてんだから責められるのは当然だ。


「好きでこんな状態続けてんじゃねぇよ…」
不貞腐れながら言うオレが気に入らねぇのか
類の眉間のしわは深くなる。

「だったら俺も牧野に迫っていいわけ?」
その言葉が本気じゃねぇ事くらいはわかってる。

「…やれるもんならやってみろよ。
 彼氏じゃねぇんだ。文句を言える立場でもねぇし。
 ……まぁ、あいつがオレ以外を受け入れるとは思わねぇけどな」
それでも敵意をムキだしにせずにはいられないオレは
この3年で体を重ねる度によりあいつに執着するようになった気がする。


「類のは言い過ぎだとしても、だ。
 お前も牧野ももういい歳だろ。
 そろそろ将来とかちゃんと考えてやれよ」
そう言うのはあきら。
「そうだ。お前らに限って
 遊びだって割り切れるタイプじゃねぇだろ。
 他人のプライベートに首ツッコむ趣味はねぇけどな。
 2人とも俺らにとっちゃ大事なダチなんだよ。
 無駄に傷つかねぇためにも結論出してもいいんじゃねぇの?」
と総二郎まで真面目な顔をしてきやがる。


「……。
 あれ以上傷つけねぇために
 あいつの気が済むまでこの関係でいてやる事にしたんだよ」
ポツリと呟いたオレの言葉に
一瞬、3人は顔を見合わせて再びオレを見る。

「オレは今すぐにだって結婚してぇと思ってるし
 あいつさえその気ならいつでもその準備は整えてある」

あいつには黙ってるが
ババァにだってオレの意思は伝えてあるし
牧野の両親にも挨拶に行ってサインは貰った婚姻届は
あとはアイツが書きこむだけになった状態でずっと保管されてる。

「…司は牧野がお前と向き合わない理由を知ってるって事?」
静かに聞いてくる類に
「あいつがオレに惚れてんのは確かだ。
 でもオレと恋愛も結婚もしねぇつもりなんだよ」
小さくため息をつきながら答えてやれば

「…?
 どういう事だ、わかるように説明しろよ」
そう促されてオレはもうずいぶん前に
凝りもせずに牧野に付き合えと迫った時の話をする。




「なぁ、いい加減付き合わねぇか?
 お前だって他に誰か男がいるわけじゃねぇし
 オレだってお前しかいねぇんだぞ。何が問題なんだ」
ベッドの上で微睡んでるこいつに言えば

「…ダメだよ」
と相変わらずの答え。

「あれか?ババァの事とか気にしてんのか?
 だったらそれは問題ねぇぞ。
 誰にも文句を言わせねぇために仕事だってきっちりしてんだ
 いつまでもこんな曖昧な関係続ける理由もねぇだろうよ…」

こいつがオレと付き合わねぇ理由として考えられるのは
やっぱりババァとか家の事が一番でかいんだろうと思っていた。

オレの帰国の時にどっかの雑誌に載ってた
デマの婚約の記事を鵜呑みにしてたあいつに
もう会わねぇとかも言って危うく逃げられるところだったしな。

それからは余計な事を考えさせねぇように
そういう話が出ねぇようにもずっと気を配ってきた。

それでもこいつは
「ダメだよ」
と頑なに付き合わないと言う。

「だったらせめて理由教えろよ。
 何がダメなんだ。どうしてオレとは付き合えねぇ?」
そう食い下がるオレに
落ちる寸前のこいつは

「欲張ったら…手を伸ばしたら…
 あんたはいつもあたしの前から消えちゃうから。
 だから付き合いたいとかずっと一緒にいたいとか言わない。
 あんたが誰かと婚約しちゃうまででいいの。
 それまで…そばにいられたらそれでいいの…」
独り言のようにそう言うと
そのまま瞳を閉じてしまって
その目尻からは涙が流れていた。

その時初めて
記憶を失ったオレは刺された後遺症もなく
何事もなかったかのように平気な顔して過ごしていたが
1人残されたこいつの心に出来たでけぇ傷は
誰に手当てされるでもなくずっと開きっぱなしだったんだと知った。

オレはここにいるのに。
もう2度と離れたりしねぇのに。


「あいつ…いつでもオレがいなくなってもいいようにって
 どっかブレーキかけてやがって踏み込ませねぇんだよ。
 その証拠にいまだに朝までベッドにいた事もねぇんだぞ」
朝まで目が覚めねぇように
抱き潰してしまう事は出来るが

あいつの意思でオレの胸に飛び込んでこねぇと意味ねぇんだ。


「だからあいつがまたちゃんと恋愛しようって気になるまで
 傷つけた分とことん甘やかして待ってやる事にしたんだよ。
 でも…お前らの言うとおり、いい加減どうにかしねぇとな…」
深くため息をつくオレに
3人はもう一度顔を見合わせた。




いつも応援ありがとうございます♡
関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

ご覧頂きありがとうございます♪
*カウンター*
 
*現在の閲覧者数*
komaの呟き。
最近ふとした
きっかけで
落書きにどハマり中♡
 
おかげで執筆が
進みません…(笑)
 
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
素敵サイト様
*素敵なイラストなど♪* 管理人 まま様

*二次が生んだ二次作家様*
管理人 aoi様

*CP自在のファンタジスタ* 管理人 asuhana様

*イケメンイラスト&二次小説*
管理人 やこ様

*長編大作の巨匠様* 管理人 こ茶子様

*胸きゅん♡つかつく* 管理人 Happyending様

*カッコ可愛いつくしちゃん*
管理人 四葉様

*切なくも甘いつかつく*
管理人 きぃ様

*シビれるッ!つかつく♪*
管理人 lemmmon様

*とにかく司を愛する作家様*
管理人 蘭丸様

*めちゃカッコいい総ちゃん♡*
管理人 Gipskräuter様
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる