Forever love 7

その日の夜。

ちょうどお風呂から上がった所に
滋さんからの着信を知らせてケータイが鳴った。


『Forever love』   第7話


タオルを頭からかぶりながら慌ててケータイを手に取る。

「もしもし、滋さん?」
『あ、つくし?今からちょっとそっち行ってもいいかな?』
「え、今から?あたしはいいけど…
 滋さん、お父さんとの話し合いはどうなったの?」
『やだなぁ。それを話したいから行くんだよ』

そんな会話をして電話を切った30分後。
あたしの家にやってきた滋さん。

「……とりあえず説明してもらっていい?」
玄関のドアを開けてまずそう聞いてしまったのは
滋さんの荷物が妙に大きかったからだ。

「えへへ…家出してきちゃった」
困ったような笑顔でそう言う滋さんは
少し疲れたような表情で。

お父さんとの話し合いがうまくいかなかった事を物語っていた。




「帰ってくるなり頭ごなしに
 “このバカ娘がーっ”って怒鳴られてさ。
 ちゃんと話し合いしようと思ってたのに私も頭に血が上って…」
ムッとした表情で話す滋さんのすぐそばでは
音は消したのか静かだけれど
お家の人からだろう着信を知らせて光っている。

「…ここにいる事知ってる人っているの?」
そう聞いてみれば
「SPもまいて来たから私とつくししか知らないかな?」
とドヤ顔を決める。

「お家の人心配してるんじゃない?」
「パパが心配してるのは道明寺とのこれからでしょ?
 私の不祥事で取引に影響が出るのを心配してるんだよ。
 ったく。可愛い一人娘の幸せを何だと思ってんのって話だよねっ」
話ながらどんどん怒りのボルテージが
上がっていってるように見える滋さん。

「……これからどこに行くつもりなの?」
とりあえずお父さんの話題から離れようと聞いてみれば
「え?ここに泊まっちゃダメ!?」
なんてビックリしたような顔をしたけれど
本当に驚いているのはあたしに決まっている。




結局あんな時間に
行くあてもない友達を追いだすわけにも行かなくて
ご飯がまだだった事もあって2人でスーパーに買い出しに行く事にした。

あたしにとっては日常の光景も
滋さんにとっては新鮮そのものらしく
レジに並ぼうとすれば嬉々とした表情でセルフレジを選んで
ピッピッと自分で通して袋に入れるのを子供みたいに喜んでいた。

2人でつくったカレーを食べながらこれからを話し合う。

「大学はどうするの?」
「んー。たぶんSPとか張ってるだろうからしばらく休むよ」
「そっか…。
 あたしは滋さんが気が済むまでいていいけどさ。
 海斗さんも心配してるんじゃない?」

もしこれがあたし達だったとして
道明寺がどこかに雲隠れしてたとしたら
どこに行ったか心配で仕方ないと思う。

「うん…そうだね。
 彼にだけはここにいるって伝えておかなきゃね…」
そう言う滋さんはどこか不安そうで

考えてみればどうして海斗さんの所じゃなくて
あたしの所に来たのかも疑問だった。

「…もしかして記事になった事で喧嘩した?」
そう聞いたあたしに小さく首を振ると

「…私の事、面倒になってないかなぁ」
「え?」
「だってそうでしょ?
 何も悪い事なんてしてないのに
 まるで海斗に問題があるみたいに言われるんだよ?
 ……ちゃんと彼自身を見てくれる普通の家がよくなって
 別れるって言われるのが怖くて連絡できてないの…」
じわっと涙を滲ませる滋さんは小さく見えて。


『お前もオレと一緒にいたいって
 思ってるってわかっただけで十分だ。
 だったらオレはもう迷う事はねぇ。』
そう言った道明寺を思い出す。

家柄の違いを気にしてるのは
海斗さんやあたしだけじゃなくって2人もそうなんだ…。

好きだから一緒にいたい。
それはきっと海斗さんだって同じなのに。

滋さんをぎゅっと抱きしめると
「大丈夫だよ。海斗さんの事一番近くで見てたのは滋さんでしょ?
 こんな事くらいで別れるなんて言うならあたしがぶっ飛ばしてあげる!」
あたしの言葉に

「そうだよね。そんな腑抜けだったら
 こっちから願い下げだって殴ってやればいいんだよね?」
ふふっと笑いながら涙をぬぐった。




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No title

こんにちは!
めちゃめちゃ頷きながら読んでしまいました( ¨̮ )滋がんばれ〜!!

No title

お人よしなつくしちゃん、滋さんを匿って、自分だって大変なのに…
でも、それがつくしちゃんの良いところだから、しょうがない(>_<)
大河原家、道明寺家ともに、どうでる?

 

りえ様

滋ちゃんへエールありがとうございます(*^^*)
まずはこっちから片づけていきたいと思います♪

 

JUJU様

お互い似たような状況の親友ですからね(^^)
一緒にいる事で気が紛れる事もあるのかも。

さぁ…まずは大河原。
一人娘の家出にどう動きますかねぇ。
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