DEAR… 11

重たい空気が漂う部屋の中

獅子脅しの音だけか
規則正しく響いていた。


『DEAR…』   第11話



『別れる事でまた自分や周りに何かされるのではないかと
 怯えているだけのような気がして仕方ないんです…』

親父さんの言葉がずっと頭の中を巡っている。

そんなはずはねぇ、と
あいつだってオレを想ってくれてると
言い聞かそうとしても

その度にあの雨の別れが頭をよぎる。
友達のために自分を押し殺してオレとの別れを選んだあいつ。

誰よりも愛してる自信はあっても
誰よりも愛されているのかと言われると…わかんなくなる。

何も言葉が出ないオレをしばらく見つめたあと
親父さんは立ち上がる。

「道明寺さんの気持ちを疑ってるわけじゃないんです。
 大学の学費だってお世話になってしまってるような
 父親が何を言ってるのかと思われるかもしれませんが…
 ただ…どんなに情けなくても私はあの子の父親で
 私が望むのはあの子幸せ、ただそれだけなんです。」

「あの子を本当に想うなら…
 道明寺さんの手でつくしを一度自由にしてやってください。
 それでもつくしが道明寺さんを選ぶと言うのであれば
 その時は私から言う事は何もありません」

申し訳なさそうに頭を下げると
親父さんは部屋を出て行った。

頭を垂れて、顔を覆ったまま動けないオレの中で
心臓だけが壊れんじゃねぇかって程ドクドクと脈打っていた。




その日は大学へ行く気にはなれず
そのまま邸に帰って
ベッドの上に転がったまま天井を眺めていた。


あいつと別れる?

そんなの絶対に無理だ。
あいつはオレのだ、誰にもやらねぇ。

だけど…。

それじゃ今までのただの我儘坊っちゃんのままで
親父さんに認められる男には一生なれねぇ。

あいつのあのあったけぇ家族が好きだ。
オレの家にはなかったモノがたくさん詰まってる。

いつか…あいつと親父さんたちも一緒に
あんな家族になりてぇ…。

そのためには親父さんに認められる必要がある。

__だったらイチからやり直すしかねぇっつーのか?


その時、ノックの音と共に
「こんな真昼間から寝てるのかい」
なんて小言を言うタマが入ってくる。

「うっせぇ…」
力なく文句を返すオレに構うことなく
「坊っちゃんにお客様ですよ」
なんて言うから首を少し持ち上げて扉の方を見てみると

「司っ。元気だった?」
なんて明るい声で入ってきた人物に視線を向ける。

「……」
「え?もしかして覚えてない?玲だよ!
 司がNYに来た時はよく一緒に遊んでたじゃんっ」
そう説明されて記憶をたどってみれば
そんな奴がいたような気がしないでもない。

親父の手伝いで日本に来たついでに
久しぶりにオレらにも会いたくなって来たと説明する玲。

「…なんかお前、変わったか?」
玲と遊んでいたのはオレらが幼稚舎の頃で
玲は小学4年くらいだったか。

そのせいか記憶が曖昧でイマイチ一致しない。

「あ~。そうだね。
 あの頃と比べれば少しは変わったかも?
 でも中身はそのまんまだよ?あ。なんだったら確かめてみる…?」
そう言ってベッドの上のオレに跨ってくるこいつは
いきなり服を脱ぎだす。

「ふ、ふざけんじゃねぇっ!!
 ぶっ殺されてぇのかてめぇっっ」
慌ててベッドから蹴り落とせば
「もうっ。相変わらずつれないな~」
なんて床に転がりながらケラケラ笑っていた。




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じゅ★★様

パパに対しては
予想通りと言うかやっぱり
真っ二つに意見が分かれております(^^;)

どうかご無理はなさらず
つくしちゃんがパパと対峙する所だけでも(笑)
楽しんで行ってくださいませ。

ka★★★様

パパが望んでるのは
あくまでもつくしの幸せなので
つくしから司を選ぶと言うのなら文句はないわけです。

別れを切り出したシーンの司視点は
明日ちょこっと振り返ります♪

そして、ふふふ(^^)
やっぱりバレたか。
名探偵がここにも1人♡

ふに★★★様

そうなんです。パパが司の前に立ちふさがってました(^^;)

パパもつくしを想っての事で
つくしが司をちゃんと愛してるってわかれば
パパはもう何も言う事はないわけです。

でもつくしは司に愛想尽かされたと思ってるし
司から告白するんじゃ意味ないし。
なかなか前途多難です。
ここからどうするかな…(笑)

No title

ホント、つくしパパ余計な事してくれたね(`へ´メ)
司君、頑張れ!
つくしちゃん、たまには、素直に司君に、自分の気持ちを打ち明けて!(つくしちゃんには、ハードル高いけどね)

JUJU様

ほんとに(^_^;)
素直に別れたくないっ!って抱きつけたら
どんなにこのお話が簡単に片付いたか…(*ノω<*)

司君よりエンジンかけるの大変なので
ここから司君と一緒にkomaも頑張ります(笑)
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