First love 11

『目立つ場所で声をかけるな…』

だったらどこならいいんだ?
そう考えたオレはある場所を思い出す。


『First love』   第11話



非常階段。
オレがいつも遠くから見ていたこの場所。

ただ、いつ来るのかわかんねぇから朝からずっと待っている。
時間はそろそろ昼休み。
今日はもう来ねーのかと思い始めた時、
階段を上がってくる足音がする。

「わわっ!ビックリした!道明寺?何してんの?」
ようやく現れた牧野は俺に驚いてやがるが
こいつから話しかけてきたって事はやっぱりここならいいんだな?

「いや…なんとなく、な」
まさか自分を待ってたなんて思わねぇんだろうな…。
「ふ~ん?あたしはここでお弁当食べようと思ってさ」
そう言う牧野の手には弁当が入ってると思われる袋が握られている。

そのままオレの横にちょこんと座った牧野。

たぶんこいつにとってそれに深い意味なんてねぇんだろうけど。
わかっていてもオレの胸は高鳴る。
「食べてもいい?」と何故かオレに確認を取る牧野は
聞いておきながらすでに弁当を広げ始めていた。

「……なんだそれ?」
あいつの弁当の中身は見た事ねぇもんばっかだ。
「あぁ~。あんた達にとっては不思議なモンばっかだろうね」と笑う。
こいつが笑うだけでオレの心に暖けぇモンが広がる。

が、次の一言にオレの心はざわつく。
「花沢類も最初は不思議そうにしてたよ。
 でも食べさせてみたら意外とイケるって言ってくれたんだよ」
類はこいつの弁当食ったって事かよ…。
「…類だけズリぃ」
口に出すつもりはなかったのに気がついた時には出ていた。
しまった、と口に手を当てるオレ。

そんなオレをしばらくポカンと見ていた牧野は
「これでいいなら食べる?あ、でも予備のお箸がないや…」
どうしよう、とか言ってる牧野が持ってる箸を奪って、
「これでいい」と一口食べる。

「……うめぇ」食った事のない牧野の料理は
どう表現するのが正しいのかはわかんねぇが、
正直にうまいと思った。

「ほんと?よかった」そう言って笑う。
箸を返すともういいの?とか言いながらそのまま食べ始める牧野。

やっぱりそれだってこいつは何気なくやってんだろうけど。

オレが使った箸を何の躊躇いもなく使うってことは
少なくとも嫌われてはねぇって事だよな?
情けねぇが、そんな事を嬉しいと思ってる自分がいる。

「なぁ…今度でいいからまた食わせてくれよ」
ダメもとで頼んでみると
「うん、いいよ。1個作るのも2個作るのも変わんないし」
とあっさり承諾する牧野。

「あ?オレの分まで作ってくれんのか?」
味見させてくれりゃ十分だと思ってたオレ。
「あ、1個丸々はいらなかった?あはは、そうだよね…」
そういう言う牧野に慌てて
「いや、そこまでしてくれると思わなかっただけだ。
 作ってくれんなら食う。…いや食いてぇ」
そう言うと、牧野はうん!とまた笑う。

「じゃあ今度作ってくるね!」
弁当を食べ終わった牧野は
次の抗議があるとか言って行ってしまった…。

しまった…。

あいつの弁当に気を取られて
ケータイ聞きそびれたじゃねぇかよ。
今度っていつだ?
それをどうやって聞けばいいんだ…。

あぁ…クソッ!
自分に腹が立ってしょうがねぇ。



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坊ちゃん、いじらしい…😭

ココリン様

坊っちゃん頑張ってますよね( *´艸`)
しょうがないからそろそろつくしの番号も
教えてあげようと思います(笑)
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