愛 ~総二郎 ver.~

★こちらはCP不確定で行ったF4祭りの
   「恋」シリーズ 『恋 ~総二郎 ver.~』の続編になります★



「ほんとにバカな人ね…」
そう笑って俺を包み込んだこいつは

とりあえず服を乾かすから
風呂にでも入れと部屋の中に俺を入れた。


『愛』   ~総二郎 ver.~




この部屋に入ったのは何ヶ月ぶりだったか…。

それでも浴室の隅には
俺用のシャンプーがまだ置いてあって

冷えきっていた心まで温かくなるような気がして
浴室に浸かりながら手を伸ばして触れた。

それなのに
「……減ってる?」

確か俺の記憶が正しけれりゃ
そんなに使ってなかったように思うんだが
ボトルを手に取った感じだと半分くらいしか入ってない。

アイツ用のシャンプーは横に置いてあるし。
そもそもこれメンズだし、アイツが使うわけねぇ…よな?

っつ―事はだ。

俺が来てねぇ間に誰か他の男が
この部屋に上り込んで
図々しくも風呂に入ったって事か?

それもシャンプーが減ったのがわかるほど何度も?

「……ふぅん?」
さっきまでのホカホカした気持ちは
いつの間にか奥の方へと影を潜めて
代わりに出てきたのはグツグツと煮えたぎるような嫉妬。

風呂から上がると
俺の部屋着が置いてあったが
それももしかしたら誰か着たかもしんねぇと思うと
あいつが嫌がるのもわかってて腰にタオルだけ巻いて
リビングへと向かう。

「ちゃんとあったま……って、なんで裸っ…」
オレの気配にきがついて振り向いたこいつは
すぐに視線を外して真っ赤になってやがる。

「だってよー。あれ俺以外の奴が着たんじゃねぇの?」
カマをかけるつもりで言った言葉に
ギクッと肩をならすこいつ。

「……ど、どうしてわかったの?」
すげぇ困ったような顔で様子を伺うようにチラリとこっちを見る。



勝手に俺がわけのわかんねぇ女と婚約したと信じて
あっさりと身を引いた事はムカついてっけど
こいつにそうするように仕向けたのもどうせ俺の家の連中の誰かだ。

こいつだけが悪いわけじゃない。
拗ねてねぇで俺だってすぐにこいつの所に来ればよかったんだし。

だから俺がいねぇ間に
こいつに男が近づいてたからって
俺にどうこう言えることじゃねぇのかもしれない。


だけど頭では整理できても
心がどうにも納得しないのも事実だ。


乱暴に抱き上げるとベッドに降ろして
その細い手首を縫い付けるように覆いかぶさる。

「…総?」
何が起こったのかわかんねぇって顔で
パチクリと瞳を瞬かせる

「どうしたの……んぅっ!」
そう言いかけた口を塞ぐ。

酸素を求めるように薄く開いた所に舌をねじ込む。

息をするのも許さねぇみてぇに
深く、深く貪るように。

しばらくすると
限界とばかりに胸をトントンと叩いてくるから
そっと唇を解放してやると
涙目になった潤んだ瞳を覗き込む。

「っはぁ、はぁぁ…。急に…何…?」
「そいつともこうやって愛し合ったりしたわけ?」
濡れた唇を指で拭いながら聞けば
こいつの瞳がまたパチクリと瞬きだす。

そして
長い沈黙の末、こいつの第一声は

「………ぷっ。
 もしかして何か勘違いしてる?」

なんて吹き出すように漏れた声だった。

「総がいない間にこの部屋に男の人なんて来てないよ?」
「隠すんじゃねぇよ。
 別にお前だけを責めるつもりもねぇけどよ…
 俺のいねぇ間にこの部屋に上がり込んで
 風呂入って俺の服着て、お前に触れた奴がいんだろ?」

俺だってお前と付き合うまでは
とてもじゃねぇが褒められた恋愛なんてしてねぇし。

ちょっと浮気したからって責められた立場じゃねぇのもわかってんだけど
それでもやっぱりこの肌に誰かが触れたと思うと
どうしようもなく自分を抑えられなくなる。

「だからそれが勘違いだって言ってるの」
「だったらどうして俺のシャンプーが減ってて
 誰が俺の服着たっつーんだ?」
そう言うと

「…それ、あたしだもん」
バツが悪そうに視線をそらして言う。

「はぁ?」
そう言ったオレをチラッと見ると

「…最初はね、たまたまだったの。
 自分のシャンプー切らしちゃってね。総のやつ借りたの」
「で、気に入って使ってたのか?」
「ふふっ…違うよ。あたしの髪には合わないもん。
 でもね、その晩自分の髪から総の匂いがして
 なんだか総がそこで寝てるみたいでぐっすり眠れたの」
「……」
「で、それから時々、総のシャンプー使って
 総の服着て眠るようになったの…。勝手にごめんね…っ」
言い終わるのも待たねぇで強く抱きしめる。

「寂しい思いさせて悪かった」
そう言えば、
「…総こそ。あの女の人と何かあったんじゃないの?」
なんて拗ねた声が腕の中から聞こえてくる。
「ねーよ。あり得ねぇ」
「ほんとかなぁ…?」
からかうように聞いてくるこいつ。

「なんなら、隅々まで確かめてみる?」
瞳を覗き込んで言えば
「…望むところです」
そう言って俺の首に腕を回してきた。



~ fin ~



★あとがき★

実はF4は全員
恋に落ちたら嫉妬深いんじゃないかと
思ってるkomaの中では
もちろんその嫉妬深さ、断トツは司なのですが。

総ちゃんは斜に構えてるだけあって
表に出さない時は周りに絶対悟らせずで
一旦表に出せば司に負けないくらい
嫉妬深いんじゃないかと思ってます。

偏ってしまわないようにkomaは
書きながら特定の誰かを想像しないようにしてるんですが

そんな激しい嫉妬も
ふわっと包み込んでしまうこの彼女は誰なのか?
皆さんも妄想してみて頂けると嬉しいです(*^^*)


koma



 
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No title

総ちゃんは、難しいです(>_<)
ホントに、本気になんてなるのかな?
な~んて思っちゃうくらい、本気になれない、遊び人って感じ
だから、つくしちゃんは、絶対ダメよ!!!!

ka★★★様

自分は散々遊んできたくせに
いざ本命が出来たら意外と嫉妬深いような…
むしろ自分がそうだったから安心できない(笑)??

一見軽そうな総ちゃんが本気で拗ねて嫉妬してる姿は
komaにとっても萌えポイントです♪

つかつくほどの体格差はないかもですが
総ちゃんの服もやっぱりぶかぶかで可愛いんだろうなぁ(*^^*)

JUJU様

総ちゃんみたいな男が本気になったら
案外坊っちゃんより
経験も多い分、大人で
でも内に秘めたる物は熱いんじゃないかと思います。

JUJU様は総ちゃんじゃなくても
つくしちゃんを司君以外にあげる気ないでしょ(笑)
わかってますよぅ(^皿^)
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