スキャンダル

「道明寺さん!
 ご子息と秘書の熱愛報道について是非コメントを!」

オレにとって初のスキャンダルとなったあの記事は
意外としぶとくマスコミを賑わせていた。



『スキャンダル』
     ~Your Smile 番外編~





「うあ…。お義母様怒ってらっしゃるかなぁ…」
テレビの中のババァが記者に追われてる姿を見て
牧野は手をこすり合わせて頭を下げてやがる。

「あのババァだぞ。
 ウザけりゃあんな記者くらい自分で黙らせるっつーの」
念仏でも唱え出しそうな牧野に言うと同時に

『……。』
画面の中のババァはマイクを向けてきた記者を
無言で睨みつけただけでその記者はマイクを落とし
何事もなかったかのようにその場を立ち去る。


我が親ながらすげぇ貫禄。
オレもマスコミに何か答えてやるなんてありえねぇけど
やっぱ『鉄の女』と呼ばれるだけはあるよな…。

「すご…」
「ほらな?あんなの
 コバエが飛んでる程度にしか思ってねぇよ」

「……あたしも昔は
 そのコバエの1匹だったんだよねぇ…」
と、苦笑いしてるこいつ。
「今は違ぇんだからいいじゃねぇか」
そう言いながら髪をクシャっと撫でてやる。

オレらの前じゃ相変わらずピクりとも笑わねぇが
タマが言うにはさりげなくオレらの事を探ってきたりと
素直じゃねぇが気にかけてはくれてるらしいからな。



そんな報道が少し落ち着いた頃、
初めて牧野をパートナーにしてパーティに出席した。

タイミングがタイミングだけに
会場となったメープルの外には記者たちが押し寄せていたが
オレたちはそれを避けて地下から会場入りした。

「うぅ…。やっぱ苦手だ」
オレの隣にピッタリ寄り添う牧野は
挨拶の合間にそんな事を呟いてはため息をついている。

「徐々に慣れてくしかねぇだろ。
 マスコミ関係は会場に入れねぇように
 ババァがブロックしてっから安心してろ」
「うん…ありがと。
 なんだかこういう所だと、あんたが頼もしく見えるから不思議」
とクスッと笑うこいつ。

相変わらず失礼なヤツ…。
お前が頼ってこねぇだけで
オレはいつだって頼もしいっつーの。

挨拶まわりが一通り終わった所で
「ゴメン…ちょっと化粧室行ってくるね」
「ついて行かなくて平気か?」
「うん、大丈夫」

そんな会話をしたのが15分前。

「どっかで迷ってんじゃねぇだろうな…」
そうため息をついて化粧室の方へと
移動したオレの視界に飛び込んできたのは

困ったような顔の牧野を
逃がさないとばかりに壁際に追い込む男2人の姿。

またあいつはキョトキョトと…っ!
そんな苛立ちのままに牧野の所に急ぐ。

「…人の女に何してやがるっ!」
男2人の背後から声をかけて襟を掴んで
牧野から引きはがすように床に転がしてやる。

すると
「あ!道明寺!ダメ!!」
と牧野は何故かこの男2人をかばうようにオレを止めてくる。
「てめっ!こんなナンパ野郎かばってんじゃねぇぞ!」
「はっ!?違うってば!」
「何が違うっつー…」
そんなオレらの会話を遮るように

「道明寺司さんですよね?
 本日パートナーとしてお連れのこの女性との関係は?」
「先ほど“人の女”と仰いましたがこの方が恋人ですか?
 熱愛報道の秘書の方との関係も噂されてますが…」
と床に転がしてやった奴ら。

「…週刊○×の記者さんみたいなの」
と牧野はため息をつきながら小さな声で言ってくる。

その2人の胸元には招待客を示す飾りが付けられていた。

ババァめ…。トチッてんじゃねぇかよ!!
そう舌打ちをしかけて、ふと考えが変わる。

「おい…お前、記者ならカメラくらい持ってんだろうな?」
オレが聞くと
「…もちろんですっ!
 鞄をクロークに預けてあるので、デジカメしかありませんが…」
と慌ててポケットからカメラを取り出した。

「…まぁ、しょうがねぇか。
 おい。シャッターチャンス逃すんじゃねぇぞ?」
そう言ってカメラを持った記者にニヤリと笑うと
隣できょとんと首をかしげてる牧野の頬に手を当てて
顔を隠すようにしてキスをしてやる。

何が起こったのかわかってなかった牧野も
すぐにこの状況に慌てて暴れ出すが放してなんかやんねぇ。

これでもかと濃厚なキスシーンを見せつけやってから
漸く唇を解放してやると牧野は真っ赤な顔して
「あんたねぇっ!!」
と怒ってきやがる。
「うるせぇよ。グダグダ言うならもう一回塞ぐぞコラ」
そう言いながら親指で濡れた唇に軽く触れれば、
ぐっ…と押し黙る。

「これでだけやりゃ十分だろ?」
記者にそれだけ言うと牧野の腰を抱き寄せて会場に戻る。


翌日。
案の定、週刊○×が報じたのは
英徳の学生と牧野の素性は隠しながらも
オレとのキス写真をデカデカと載せた記事。

昨日までの美香との報道が
デマだと報じたその記事はワイドショーを賑していた。


「道明寺さん!
 ご子息の恋人はこちらの彼女で間違いないのでしょうか!?」
そして一度は落ち着きを見せていた記者たちが
またババァを追いかけている。

「あんたのせいでまたお義母様に迷惑が…」
頭を抱えて真っ青な顔をしている牧野。

「そうでもねぇと思うけど?」
「はぁっ!?そんなワケないでしょ!?
 こんなのどう見たって迷惑でしかない…」
そう言って牧野が指さした画面で

『…その件については近い将来、
 いいご報告が出来ればと思っておりますわ』
とババァが小さく笑って答えていた。

牧野があんぐりと口を大きく開けて固まってる横で

__あの記者はババァがわざと紛れ込ましたんじゃねぇか?

なんて言葉をそっと飲み込んだ。



~ fin ~


★あとがき★

いかがだったでしょうか?
突然妄想畑でポンッ!と咲いたので
komaもビックリしました(笑)

本編が短いと
番外編もあまり思いつかないんですよね~。
「No Way!」とかもう全然です、全然(笑)

いやね。
挫折したので今さらなんですが
10万拍手か1周年記念は
今まで書いたお話の全部の番外編を
書こうとか思ってたんですが
「No Way!」で早くも躓き断念したんです(笑)

あとは…
「First love」も好きって言って下さる方が意外といて
番外編考えてみるんですがなかなかまとまらず(^^;)
短編って言うより続編になっちゃうんですよね(笑)

そんなワケで
明日のお話がまだ決まってません。
妄想の芽はあるんですが
書き上げられるかどうか…

また夜にでも追記で
明日の更新については
ここに書き足しておきますので
よかったら覗いてみてください。



***追記***

明日の0時は「10万拍手御礼企画」のお話を始動します♪

ただ、もしかしたら途中でストック切れして
また短編に逃げたりするかも…ですが。
その時はどうか笑ってお許しくださいd(>∇<;)ユルチテ♪

道明寺HD日本支社長の司と
その司の第2秘書をしているつくしちゃん。

そんな2人のラブコメです(*^^*)

タイトルは「手放したくない女」です。

もうこれだけで坊っちゃんが
つくしちゃんラブなのはバレバレですね(笑)

またお付き合い頂けると嬉しいです(人д`*)



koma



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No title

続編短編ありがとうございます(^O^)
鉄の女=メデューサ?(一睨みで、マイクを落とさせる)
何気に、ブンブン飛び回る、夏場のコバエを思い出した(笑)
チャンスを逃さず、つくしちゃんの顔は隠して、ガッツリキスシーンを激写させる司君(≧∇≦)
そして、実はそれをプロデュースしたらしいメデューサ……
つくしちゃんの周りは、道明寺家で、ガッツリ包囲されている(⌒▽⌒)

悠★様

ストックない上に
何かと忙しくて妄想はしてても書く時間が…(^_^;)

わおっ!
ちびつかつく書いて下さるんですか?
いつでもいくらでもどうぞです~(*^^*)

JUJU様

あははっ。
まさにそんなイメージです(笑)

普段仲悪くても
こういう時だけ息ピッタリな親子( *`艸´)
つくしちゃんこれで逃げられません♪

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ふに★★★様


美香ちゃんも何気に何度も登場するキャラで
毎回司のわりと近くにいるので
わかりにくかったですよねスミマセン(^^;)

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