still love you 28
あいつらと別れた帰り道。
このクソ寒ぃのに
食べ過ぎたから少し歩くとか言いだした
つくしに付き合って街を2人並んで歩く。
『still love you』 第28話
「なぁ…」
「ん?」
「もし…。もしオレがよ。あの時
道明寺なんて捨ててお前の所に行ってたらどうした?」
と聞いてみる。
お前を手放そうとか血迷った時、
オレの中にはオレが道明寺を出るっつー選択肢だってあった。
だけどそれをしなかったのは答えがわかってたからだ。
「…中途半端に投げ出してきたんなら許さない。
あたしのために何かを犠牲にされても嬉しくない」
「……だよな」
オレが道明寺を捨てる事で
どれほどの社員とその家族が路頭に迷うのか。
お前と出会ってなけりゃそんな事気付きもしなかった。
気付いてたとしても何とも思わなかっただろう。
正直に言えば
今だってオレにとってお前より大事なもんなんてねぇ。
お前が手に入るなら他の何がどうなろうと構わねぇ。
だけどその肝心のお前がそんなオレには絶対受け入れねぇし
たとえどんなにオレを愛していたとしても
誰かの犠牲の上に立てる女じゃねぇんだから仕方ない。
それがわかってたからオレは道明寺を取った。
せめてお前に幻滅だけはされねぇように。
どんなに遠くに離れちまったとしても
道明寺を守ってそのトップに立っていれば
お前がいる所からオレは見えんじゃねぇかって。
ただそれだけのためにオレは歯を食いしばってた。
「だったらよ。
もしもオレがそもそも道明寺とか関係ねぇ一般人で
おまけにチビでデブで何も持ってねぇ男だったら
それでもお前はオレに惚れたか?」
「はぁ?道明寺云々はともかくチビでデブってなにそれ」
と怪訝な顔つきで首をかしげる。
「いいから答えろよ」
オレが真剣に言えば、しばらく考え込んでいたつくし。
そして
「うーん…ちょっと惜しいかな」
と一言。
「…やっぱ何の取り柄もねぇ男はさすがにダメか?」
「違う違う。そうじゃなくって。
チビでデブなんでしょ?だったらついでにさ、
ハゲも加えた方が面白いんじゃないかなって思って?」
とケラケラ笑いだす。
「……」
このオレに向かってハゲろなんて言う女は
世界中探したってお前しかいねぇと思う。
黙り込んだまま青筋を浮かべるオレに気付くと
気まずそうに笑うのをやめて
「何も持ってない方が面倒くさくなくていいかもしれないけど
中身があんたのままなら見た目や持ち物なんて何だっていい。
オレ様でへたれなそのままのあんたがいいんだからさ」
そう言って笑ったつくしの顔はすごく綺麗だった。
オレだってそうだ。
たとえお前がどこの誰だったとしても。
中身がお前なら
オレの細胞はお前だけを求めるに決まってる。
そんな当たり前の事に気付くのが遅くなって
めちゃくちゃ傷つけた分、大事にすっから。
オレの全てでお前を愛し続けるから。
だから…一生オレの隣でそうやって笑っててくれ。
~ fin ~
★あとがきはコチラ~★

いつも応援ありがとうございます♡
このクソ寒ぃのに
食べ過ぎたから少し歩くとか言いだした
つくしに付き合って街を2人並んで歩く。
『still love you』 第28話
「なぁ…」
「ん?」
「もし…。もしオレがよ。あの時
道明寺なんて捨ててお前の所に行ってたらどうした?」
と聞いてみる。
お前を手放そうとか血迷った時、
オレの中にはオレが道明寺を出るっつー選択肢だってあった。
だけどそれをしなかったのは答えがわかってたからだ。
「…中途半端に投げ出してきたんなら許さない。
あたしのために何かを犠牲にされても嬉しくない」
「……だよな」
オレが道明寺を捨てる事で
どれほどの社員とその家族が路頭に迷うのか。
お前と出会ってなけりゃそんな事気付きもしなかった。
気付いてたとしても何とも思わなかっただろう。
正直に言えば
今だってオレにとってお前より大事なもんなんてねぇ。
お前が手に入るなら他の何がどうなろうと構わねぇ。
だけどその肝心のお前がそんなオレには絶対受け入れねぇし
たとえどんなにオレを愛していたとしても
誰かの犠牲の上に立てる女じゃねぇんだから仕方ない。
それがわかってたからオレは道明寺を取った。
せめてお前に幻滅だけはされねぇように。
どんなに遠くに離れちまったとしても
道明寺を守ってそのトップに立っていれば
お前がいる所からオレは見えんじゃねぇかって。
ただそれだけのためにオレは歯を食いしばってた。
「だったらよ。
もしもオレがそもそも道明寺とか関係ねぇ一般人で
おまけにチビでデブで何も持ってねぇ男だったら
それでもお前はオレに惚れたか?」
「はぁ?道明寺云々はともかくチビでデブってなにそれ」
と怪訝な顔つきで首をかしげる。
「いいから答えろよ」
オレが真剣に言えば、しばらく考え込んでいたつくし。
そして
「うーん…ちょっと惜しいかな」
と一言。
「…やっぱ何の取り柄もねぇ男はさすがにダメか?」
「違う違う。そうじゃなくって。
チビでデブなんでしょ?だったらついでにさ、
ハゲも加えた方が面白いんじゃないかなって思って?」
とケラケラ笑いだす。
「……」
このオレに向かってハゲろなんて言う女は
世界中探したってお前しかいねぇと思う。
黙り込んだまま青筋を浮かべるオレに気付くと
気まずそうに笑うのをやめて
「何も持ってない方が面倒くさくなくていいかもしれないけど
中身があんたのままなら見た目や持ち物なんて何だっていい。
オレ様でへたれなそのままのあんたがいいんだからさ」
そう言って笑ったつくしの顔はすごく綺麗だった。
オレだってそうだ。
たとえお前がどこの誰だったとしても。
中身がお前なら
オレの細胞はお前だけを求めるに決まってる。
そんな当たり前の事に気付くのが遅くなって
めちゃくちゃ傷つけた分、大事にすっから。
オレの全てでお前を愛し続けるから。
だから…一生オレの隣でそうやって笑っててくれ。
~ fin ~
★あとがきはコチラ~★

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