still love you 11

あいつが再び
あたしのマンションのドアの前に現れたのは


それから3日経ってからの事だった。


『still love you』   第11話



「よぉ」
「……あんたね。
 一般人の家の前にSP立たせるとかホントに何考えてんのよ!」
「あ?しょうがねぇだろ。
 お前が1人で眠ってる部屋に
 鍵もかけないで行けるか。文句言うなら合鍵よこせ」
まるで自分は悪くないとばかりの口ぶりにため息が出る。

「あんたに渡すくらいなら
 ドア開けっ放しのほうがよっぽど安全だっつーの。
 ……で?今日は何よ」
これ以上言い合っても無駄な気がして
一応用件を聞いてみれば

「泊めてくれ」
と予想通りの答え。

「調子に乗るんじゃないわよ。
 この間は仕方なく泊めてあげただけなんだから。
 今日はそこでのたれ死んでたって泊めてあげないわよ?」
「なんだよ。1度拾ったんなら最後まで責任持てよ。
 今日はほら。ちゃんと着替えも持ってきたぞ」
そう言って足元に無造作に置かれていた鞄を拾い上げる。

「…あのねぇ。あんた婚約者がいる身なんでしょ?
 それなのに元カノの家になんて来てる場合じゃないでしょ
 美香さん…だっけ?素敵な人だったじゃない。帰ってあげれば?」
道明寺にとってそこは突かれると痛い所だったのだろう。
オレ様な顔が少し歪んだ。

「あんなのオレの意思じゃねぇよ」
「それでも、世間的にはそうなんだから
 こんな所写真にでも撮られたら困るのはあたしなの。
 今さらあんたの事で面白おかしく書かれるなんてゴメンだから」
嫌な言い方をしてる自覚は十分にある。

だけど、このままズルズルと
こいつのペースに流されるわけにもいかない。

道明寺がいくら興味がないって言ったって
パーティの時に見た美香さんを見ていれば
道明寺の事が好きなんだってすぐにわかったから。

こんな事で傷つけたりしたくない。


まっすぐに見つめていたあたしを
道明寺は黙って見ていた。

そして。

「……わかった」
意外にも素直に
小さく呟いた道明寺にホッと胸をなでおろす。

それなのに
「…婚約者なんていなけりゃいいんだな?
 ちょっと時間かかっかも知れねぇけど…
 とりあえず、それまでコレはお前に預けとくわ」
なんて勝手な事だけ言うと
着替えが入っていると言っていた鞄をあたしに押し付ける。

「なっ…。そういう意味じゃなくってっ…」
鞄も持って帰れと言おうとしたあたしを無視するように
スタスタと去って行くあいつ。

「…もうっ!バカ男っ!!」
追いかけてまた泊まるとか言いだしても面倒だし。
今度来たらこの鞄だけ投げつけてやればいっか…

なんて諦めにも似た感覚で鞄を持って部屋に入ると
クローゼットの隅に置いた。



その数日後。
昼休みに颯太先輩に約束のランチをご馳走になっていた。


「……高級ランチなんて冗談だったのに」
そう呟くあたしは今、メープルのレストランにいた。
「別にフルコースってワケじゃねぇんだ。力抜けよ。
 ランチビュッフェならお前も気兼ねなくたらふく食えんだろ?」
と颯太先輩は料理取りに行こうぜ、と立ち上がる。

料理を食べながら思ったのは
颯太先輩の所作が意外と綺麗だって事。

「…すみません。颯太先輩の事少しナメてました」
あたしの言葉に怒るかと思えば
「俺だってラーメン以外食ってる所も見せとかねーとな。
 いい歳なんだ。女口説く時くらいは気取った所だって行くぞ?」
なんてサラッと答える。

「……って事は、あたし口説かれてるんですか?」
「うーん…。お前を口説くならこんな所より
 ラーメンにギョーザ付けた方が成功率あがりそうじゃねぇ?」
「失礼なっ!…って言いたい所ですけどね。
 ラーメンにギョーザ付けられたら絆されちゃうかも?」
「マジかよ。安い女だな、おい」
「安いんじゃなくて、お買い得なんですっ」
あたしの言葉に颯太先輩は「そうかよ」とククッと笑う。

「そういや、ここって道明寺系列だよな?
 道明寺さんに連れて来てもらったりしなかったのか?」
なんて突然言うから
危うくローストビーフを吹き出してしまう所だった。

「な…なんですか突然っ」
「いや…ただなんとなく?
 お前を寝不足にしたり不機嫌にしたりしてるのって
 案外この間再会したっつー道明寺司だったり…なんて思ってよ」
と探りも入れないのにピタリと当ててくる勘の鋭さには恐れ入る。

「べ…別に。
 あたしと道明寺…さんはそんな関係じゃありません」
「ふぅん?ま。そりゃそうか。
 色気のねぇお前と違ってあっちは雑誌なんかじゃ
 “抱かれたい男NO.1!”なんて騒がれるような男だもんな」
とバカにしたように笑う颯太先輩の足をテーブルの下で蹴り付けた。





いつも応援ありがとうございます♡

★とりあえず坊っちゃんに小さな嫌がらせとして
 颯太先輩と坊っちゃんのテリトリーでランチデートさせておきます(笑)★
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No title

ダメだよ、つくしちゃん
アイツの荷物なんか、その場で、外にエイっと、放り投げるんだよ!
どーせ、近くには、SPさん居るんだから…
甘い顔してると、どんどん付け込んで来るんだから…
颯太先輩とのランチデートは、もちろん、司君に目撃させてるんだよね?komaさん?
JUJUは、こんなもんじゃ、許しませんよ~(笑)

悠★様

なんとお優しい…(*''ω''*)

そんな悠★様はおまけエピは
読まない方がいいかもです(^_^;)

JUJU様

それが出来ないのがつくしちゃんなんですよねぇ。
物を粗末に扱ったりしませんから(^_^;)

はいはい。
絶対そうくると思ってたので12時に
おまけエピアップしますよ~ん( *´艸`)
さすがでしょ(笑)?
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