幼なじみ 25

ずっと一緒に育ってきたのに
付き合った時は遠距離だったあたし達。

でもきっとこの距離があったからこそ
あたし達は幼なじみの枠から飛び出せたんだと思う。


『幼なじみ』   第25話


また前みたいにギクシャクするのはもう嫌で
連絡はまめにとっていたし、長期休暇になれば
たとえ一緒にいられるのが数日でも
司は帰ってきてくれたから付き合いは順調だった。


あたしはエスカレーター式に
英徳の大学に進んで弁護士になるために。
司はおじさんの跡継ぎとして1人前になるために。

それぞれの場所で頑張っていた。


そんなクリスマスも近づいてきたある日の事。

『悪ぃ…今年はイブに帰れねぇかもしれねぇ』
テレビ電話をかけてきた司は
言われたあたしよりも拗ねた顔でそんな事を言う。

「そう…残念だけど、しょうがないよねぇ」
最近の司は勉強に加えておじさまについて
仕事も覚えるようになっていて
前にも増して忙しそうだった。

『あっさり承諾してんじゃねぇぞ。
 普通、ここは意地でも帰って来い!とかゴネるもんじゃねぇ?』
「…ゴネたって帰ってこれないでしょ?」
『まぁそうだけどよ…。
 ホント記念日とか気にしねぇよな、つくしは』

偶然にもあたし達の記念日はクリスマスイブだ。

クリスマス&付き合った記念日
その後すぐにあたしの誕生日、1月には司の誕生日と
この時期は恋人同士なら盛り上がるイベントが続く。

だけどNYと東京の遠距離恋愛のあたし達は
その全部を一緒に過ごせた年は1回もなかった。

だからなのか、一緒に過ごせないと言われても
慣れてしまっていてそんなにショックを受ける事もないあたし。

それに比べて変な所でロマンチストな司は
一緒に過ごせない事を本気で残念がってくれる。

『そのかわり、つくしの誕生日は絶対そっち行くから。
 クリスマスと記念日も全部まとめて祝ってやるから楽しみにしとけよ
 今年のプレゼントはつくしを喜ばせる自信すげぇあんだよ』
自信満々な顔で笑って言う司に
「えー…。司が言うとシャレにならない気がして
 かえって怖いんだけど…。会えるだけで十分だよ」
と苦笑いを返していた。




そしてあたしの誕生日の前日の深夜遅くになって
わざわざプライベートジェットで帰ってきた司は
もう寝ようとしてたあたしを自分の私室に呼び出してくる。

「おかえり」
「おぅ。ただいま」
まるで毎日会ってるみたいに軽く挨拶をして
ぎゅっと抱き合う。

いつも会えた時は多くは語らないで
こうやってお互いの存在を確かめ合うように抱き合うのが
いつの間にか2人の暗黙のルールみたいになってた。

あたしを抱きしめてた腕をほどいて腕時計を確認した司は
「ギリギリ間に合ったな。
 誕生日おめでとう、つくし」
と12時を指した時計を見せながら
あたしより嬉しそうに笑うから
「ありがと」
その顔が嬉しくてあたしも笑う。

「あぁ、プレゼントなんだけどよ。
 ここでポイッと渡せるモンじゃねぇんだわ」
と得意気に言う司に嫌な予感しかしない。

「……ここで渡せないってどんだけ大きいの?」
室内で渡せない物って何なのか…と考えかけて
首を振って考えるのをやめたあたしに司はククッと笑う。

「別に車とかジェットとか買ってきたワケじゃねぇぞ
 渡せねぇっつーのは形のあるモンじゃねぇんだよ」
「…?」
言ってる意味がよく解らなくて首をかしげていると

「プレゼントっつーより報告なんだけどな
 3月に向こうの大学卒業してこっち戻ってくる」

「……戻ってくるって、一時的にじゃなくて?
 だって普通ならあと2年あるよ?もう卒業できるの?」
「あぁ…。最短で帰って来るって約束しただろーが
 日本支社でたぶん専務として働く事になっから
 落ち着くまでは休みもあんまねぇかもしれねぇけど
 これまでよりは一緒にいられんぞ。
 今まで散々寂しい思いさせて悪かったな」
そう言ってあたしの頭をポンポンと撫でながら優しく笑う司。


付き合ってからずっと離れ離れだったあたし達。
だから一緒にいられない事だって慣れてたはずだった。

だけど元々はずっと一緒に育ってきたんだよね。
一緒にいるのが当たり前だったんだ。
その司がそばにいない事が寂しくないわけがない。

「つかさぁ…」
じわっと涙を浮かばせながら名前を呼ぶあたしに
「な?今年のは自信あるっつっただろ?」
と親指でグイッと涙を拭いながら聞いてくる司にコクコクと頷いた。





いつも応援ありがとうございます♡

★行ったり来たり忙しい坊っちゃん(^^;) 明日でラストッ!!★
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悠★様

うふふ♪
おかわり要請ありがとございます。
了解しました(^^)

No title

やっぱり、つくしちゃんの側に戻る!って目標は、司君にとっては、何よりの原動力ですねo(^-^)o
ラスト一話、楽しみにしています(^O^)

JUJU様

つくしちゃんにプレゼントというよりは
頑張った坊っちゃんにご褒美感が強いですかね?

書いてて楽しいお話だったので
終わるの寂しいんですが
最後まで楽しんで頂けますように( *´艸`)
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