嘘のようなホントの話 14

パーティから1週間くらい経ったある日。
あたしは麻衣と小出君に誘われて

仕事帰りにご飯を食べに行った。


『嘘のようなホントの話』   第14話


「へぇ~。やっぱり支社長ともなると
 その隣を狙う女は後を絶たないわけだ~」
「まぁ、あれだけの人なら周りは放っておかないだろ」
とどこだかのご令嬢に罵られた話を聞いて
2人ははうんざり顔で話す。

「うん。まぁ…ビックリはしたんだけどさ。
 思ってたよりショックはなかったって言うか…」

道明寺の敵じゃなくてあたしの敵だと思った瞬間、
またか……ってため息つきながら
スイッチが入ったっていうか、体に自然と力が入ったような
なんだか久々に燃えてきたような気までしてたあたしが確かにいた。


「美味しい料理につられて行ったのに
 嫌な思いして大変だったね、つくし…」
心配そうにあたしの頭をヨシヨシと撫でる麻衣。

「う~ん…そうでもないよ」
その後の滋さんとの話や桜子とはしゃいだ事を思い出して
クスクスと笑うあたし。

「…まぁ、その点私は安泰かな。
 モテるタイプって感じじゃないしねぇ…?」
と麻衣がボソッと呟いた言葉に首をかしげる。
「…何の話?」
あたしが聞けば

「……あたし彼氏できたよ」
と小さくVサインを出しながらニッと笑う。
「へっ!?うそっっ!!
 いつの間にそんな事になってたのよ」
突然の告白に驚くあたしに

「貴志は気づいてるだろって言ってたけど
 やっぱりつくしは気づいてなかったね~
 たぶん総務課で知らないのあんただけだから」
と呆れ顔でクスクスと笑う。

「へ?もしかして会社の人なの??
 ……ん?今、貴志って言った?貴志…何か聞き覚えが…」
首を捻って考えてると
「同期の名前くらいちゃんと覚えてろよっ」
とムスっとしながらあたしの額をピンと弾いた。

「…っ!小出君っ!?
 あ!そう言えば下の名前貴志だったっけ…?」
「マジで気付いてなかったのかよ…」
と苦笑いする。

「ビックリ…。でもよかったね、おめでとう」
あたしが言うと2人でありがとう、と照れ臭そうに笑う。

「最初は、つくしがキッカケだったんだよ」
と麻衣がクスクス笑う。
「へ?何それ…」
「ほら、前に俺たちが行くと
 秘書課にガッカリされるって話した事があっただろ?
 そこから牧野って何者なんだろうなって話になって
 2人で飲みに行ったりする事が増えたんだよ」
「…はぁ?」

「だってホントにガッカリされるんだもん。
 つくし…この際聞くけど、あんた支社長とどういう関係よ?」
「高校の先輩後輩って言ってたけど
 普通それだけなら、飲み会まで来ねぇだろ?
 そっちこそ俺らに黙って本当は付き合ってんじゃねぇの?」
そう2人に迫られてどう答えたものか言葉に詰まる。

でも、この2人の事は信頼してるし
他言はしないで、と念を押してから欠けた記憶の事を話した。

「記憶喪失…そんな漫画みたいな話って現実にあるんだ。
 じゃあさっきの令嬢に絡まれたのも初めてじゃないんじゃない?
 だから初めてのはずなのにショックが大きくないんだよ。きっと」
と麻衣。
「…だろうね。あたしもそう思ってた。
 前にも会ったみたいな感じだったしね…」
頷きながらため息をつく。

「…って事は、記憶がなくなる前は支社長と付き合ってたって事か?」
と小出君の言葉にぐっ…と喉が詰まった。

この間のパーティで
あの女性が言ってた事と滋さんの話を整理すると
もしかして……と、さすがに考えずにはいられなかった。

道明寺はあたしを好きだと言ったけど
付き合ってたとかは言ってなかった。

でも…もしも。
もしも自分の恋人に忘れられたんだとしたら……。

あたしの知らない所でどれだけ傷ついていたんだろう。

それでもそばにいたいと言ってくれる
道明寺の想いはどれだけ深いんだろう……。


黙り込んでしまったあたしを見て
麻衣が小出君をバシッと殴る。

「まぁ、そこはさ
 ここでいくら話しても答えなんて出ないじゃん。
 どっちにしても
 支社長はそれだけつくしに本気だって事なんでしょ?
 つくしは今の自分の気持ちに素直に動けばいいんだよ」
と優しく言ってくれた言葉に

「うん…。そうだね、ありがと」

麻衣の言うとおり、あたしがいくら考えた所で
思い出せない事を考えてもしょうがない。


今のあたしが出来る事は
ちゃんと自分と道明寺に向き合う事だ。





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No title

つくしちゃん、とりあえず前向きになってくれましたね(*^-^*)
もし、忘れられちゃったら、どんなに辛いかとかも思いやってくれるところが、さすがつくしちゃんです
前向きに、司君に向き合ってくれれば、周りの皆も暖かく見守ってくれていることだし、うまくいくのかな?
続き楽しみですo(^-^)o

悠★様

坊っちゃんが暴走しない程度に
距離を縮めてあげたいんですが
そこは坊っちゃんなので…(笑)

ふふ…短編も楽しみにしてます(^^)

JUJU様

坊っちゃんの想いの深さに気付いてくれました。
それに応えられるかどうかは現時点ではわからなくても
真剣に向き合えば、2人の距離は縮まる……はず。

司君もちょっと大人しすぎて気持ち悪いので(笑)
もう少し司らしさを出していこうかと思います(*^^*)
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