嘘のようなホントの話 11

嘘のようなホントの話。

そういう話は当事者じゃないから
笑ってられるんだとあたしは思う。


『嘘のようなホントの話』   第11話


「……先輩。コレってどういう事ですか?」
ある日の事。
先輩に呼ばれて行ってみれば
1枚の書類を渡される。

「どういう事も何も、書いてある通りだけど?」
と先輩は苦笑いしながらもそう答える。

「こういうのって今までもあったりします?」
「いや…私が知る限りじゃ初めてじゃない?」
「…ですよね。
 じゃあやっぱりこれって嘘ですよね。
 ドッキリか何かで隠しカメラが仕掛けてあるとか?」
そう言ってキョロキョロと周りを見るあたしに
「残念ながら、支社長の判もあるし正式な依頼書ね」
クスクス笑う。

「笑いごとじゃないですよ!
 どうして総務課のただの新人のあたしが
 支社長のパートナーとしてパーティに出なきゃいけないんですか!!」
そう言って先輩に突き返した書類には
2週間後の道明寺HD主催のパーティに
道明寺のパートナーとして出ろと言うムチャクチャな依頼書。

「パートナーするハズだった方の都合が悪くなったとかで
 急遽探さなきゃならなくなったみたいよ?
 いいじゃない。美味しい料理たくさん出るし楽しんで来たら?」
と先輩はすでに他人事だ。

「だったら秘書課から連れて行けばいいじゃないですか。
 どうして総務課がこんな依頼受けなきゃいけないんですか?」
「まぁ、総務課って何でも屋みたいな所あるしね~。
 パートナーを頼んじゃダメなんて規定はどこにもないし?」
と先輩はすでに課のスケジュール表に書き込みかけている。

「あたし無理ですよ!何着て行けばいいのかさえわかんないですし…」
断ろうとしたあたしに先輩の目が鋭く光る。
「パーティの準備等は向こうで全部してくれるから大丈夫よ。
 とにかく!これは牧野ご指名で来てるんだから変更はナシ。
 これも仕事なんだから、いつまでもウダウダ言わないっ!返事は?」
とさっきまで笑っていた先輩は急に仕事モードに切り替わる。

「うぅ……。はい…」
仕事モードになった先輩の厳しさを知ってるあたしは
勝てる気もしなくてガクッと肩を落とす。



その後、
いつものように郵便物を届けに秘書課を訪れたあたし。

「牧野ちゃん、おはよう」
「パートナーやってくれるんだって?頑張って」
「もう牧野ちゃん秘書課に異動してきなよ」

とすっかり仲良くなってしまった秘書課のお姉さんたちは
あたしの顔を見るなりそんな事を言ってくる。

「あたしなんて無理ですよ。代わって下さいよ」
そう言うと

「「「絶対無理っ」」」
と恐ろしい物でも見るような顔で口を揃えて首を振る。

「…何ですかその反応」
聞かない方がいいような気がしつつも
思わず聞けば

終始不機嫌でヒヤヒヤするとか、
下手に触れたりすると舌打ちされるとか、
道明寺狙いの令嬢からは睨まれるとか。

とにかく生きた心地はしないとしみじみと話す。


…やっぱり無理だ。
料理を楽しむなんてとんでもない。

道明寺に直接言って断ろう。


そう思って道明寺宛の郵便物を手に
執務室に入ってみると、
どうやら何かの打ち合わせをしてるようで
集中してるのかあたしに気付いていない。
仕事中なら仕方ないと
郵便物を置いて出て行こうとした足が思わず止まる。

「…これいいな。これでいくか。
 あぁ、でも裾はもうすこし広げた方が牧野には合うな」
「かしこまりました。
 司様はどうなされますか?」
「オレはあいつに似合えば何でもいい」
「では、こちらにお任せいただきます。
 あとは牧野様のサイズなんですが採寸されますか?」
「いや、必要ねぇ。上から8…」

「ちょっと待ったぁぁぁ!!」
慌てて走り酔って道明寺の口を塞ぐ。

その手を掴んで口から離すと
「お、牧野。ちょうど良いトコに来たな。
 パートナーの件は聞いたよな?
 ドレス、これにしようと思うんだがどうだ?
 お前、青好きだろ?でも他のがいいなら選んでもいいぞ?」
と嬉しそうに何点かあったドレスの中にあった青いドレスを指さした。

確かにこの中で選べって言われたら
あたしはそのドレスを選んでいたと思う。

「う、わぁ…素敵。…ってそうじゃなくて!
 あたしのサイズをどうして道明寺が知ってんのよ!」
うっかり流されそうになるのを何とか取り戻して
道明寺に怒鳴りつけると
「あ?お前の事で知らねぇ事なんてねぇよ」
と当然だとばかりに返される。

「そんな事よりあたしやっぱり
 そのパーティのパートナーなんて出来ないから」
「そいつは無理だな。
 さっき総務課から承諾の返事もらって
 社長にもパートナーはお前で行くって報告したしよ」
と何だか楽しそうに話す道明寺に
もう今さら断れないと念を押された。





いつも応援ありがとうございます♡
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

悠★様

まずは職権乱用ってとこですかね(^^;)
つくしに記憶があればぶん殴られてるところですが(笑)

そしてご質問の件ですが
私もあまり詳しくなくて人に聞きながらなので
他人様に教えるなどとんでもないレベルです(>_<)
お役に立てそうになく、申し訳ありません(汗)
プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

ご覧頂きありがとうございます♪
*カウンター*
 
*現在の閲覧者数*
komaの呟き。
最近ふとした
きっかけで
落書きにどハマり中♡
 
おかげで執筆が
進みません…(笑)
 
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
素敵サイト様
*素敵なイラストなど♪* 管理人 まま様

*二次が生んだ二次作家様*
管理人 aoi様

*CP自在のファンタジスタ* 管理人 asuhana様

*イケメンイラスト&二次小説*
管理人 やこ様

*長編大作の巨匠様* 管理人 こ茶子様

*胸きゅん♡つかつく* 管理人 Happyending様

*カッコ可愛いつくしちゃん*
管理人 四葉様

*切なくも甘いつかつく*
管理人 きぃ様

*シビれるッ!つかつく♪*
管理人 lemmmon様

*とにかく司を愛する作家様*
管理人 蘭丸様
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる