ツンデレ彼氏 14

西門さんと美作さんと別れたあたしは
さっきまでいた教室に戻った。

そして案の定
またシンと静まり返る教室。


『ツンデレ彼氏』   第14話


自分に集まる視線に一瞬怯みながらも
ぐるりと教室を見渡して目的の人物を見つける。

「田中君!ちょっといい?…って言うか、来て!」
みんながまた騒ぎ出す前に、と同じく呆然としていた
田中君の手を引き急いで教室を後にする。

そこからは夢中で中庭まで来て
繋ぎっぱなしだった手に気付いて。
「ご、ごめんっ」
手をパッと離すと
「ううん。で、どうしたの?」

「うん…。あのね、もう噂になっちゃってるから今さらなんだけど
 あたし…道明寺が好きなの。
 だから田中君とはやっぱり付き合えません。ごめんなさいっ」
そう言って頭を下げると
「じゃあ…あの噂は本当なんだ?」
と困ったように笑う。

「本当はちょっと違うんだけど…
 あたしがずっと片思いしてて、
 道明寺に会いたくてこの学園に入ったの
 だから…道明寺が家柄に悩んでどうのってのは嘘だよ
 道明寺はあたしが想う10分の1くらいしか好きじゃないし
 あたしがそれでもいいからそばにいたいだけなの」

わざわざ西門さんたちが流した噂を
訂正までする必要はない気もするんだけど、
あたしが田中君と付き合えない理由はちゃんと伝えておきたい。

それなのに…
「う~ん…。ちょっと信じられないかも」
とますます困った顔で笑う田中君。

「でもこれが本当なんだってば。
 中学の時に街で道明寺を見かけてね?それで…」
信じてくれないなら好きになったきっかけから
話そうとし始めると
「あ、いやそうじゃなくてっ。
 信じられないのはそこじゃなくてさ…」
と慌てて話を止める。

「…?じゃあどこが信じられないの?」
こうなったら何を聞かれても答えようと聞き返すと
「道明寺さんの気持ちが牧野の10分の1ってあたり?」
そう言いながら後ろを指さすから振り向いてみれば
そこには青筋を何本も浮かべた道明寺が腕組みをして立っていた。

「10分の1しか好きじゃないなら
 俺が今、殺されそうになってる理由がわからないんだけど」
と肩を竦めた。

「道明寺…こんな所で何してんの?」
そう聞くと
一瞬鋭くあたしを睨みつけたかと思うと
視線をそらしてふぅぅぅ…と大きく息を逃がした。

すると、
「牧野、話はわかったから。
 真剣に答えてくれてありがとう」
とニコッと笑うと、今度は道明寺の方に歩いて行って

「鈍感すぎる彼女を持つと何かと大変みたいですね?」
とクスッと笑いながら言うと
「…まったくだ」
と道明寺はため息をつく。

「抱えきれなくなったらいつでも代わりますから」
「…ぬかせよ。そんな事は一生ねぇからてめぇはさっさと諦めろ」
そんな言葉を交わすと
田中君は去って行ってしまった。



「お前な…。
 自分を好きだって言ってる男と
 のこのこ2人きりになってんじゃねぇよ」
そう言って道明寺は拗ねたような顔をしながらあたしを抱きしめてきた。

「だって…なんだかんだで
 ちゃんと返事できてなかったんだもん。失礼でしょ?」
顔を上げて答えると
「だからって手ぇつなぐ必要はねぇだろうがっ」
とゴツンと軽めに頭突きをされる。

「み…見てたのっ?」
「あきら達が教室の方に戻ったっつーから行ってみりゃ
 お前とあいつが手ぇつないで走って行くのが見えただけだ」
「…それでわざわざ追いかけてきたの?」

そう言うとかぁっと顔を赤くして
「もしもお前の気が変わって
 あいつと付き合うつもりだったらどうしようかと思ったんだよ…」
フイッと視線をそらしながらそんな事を言う道明寺。

『10分の1しか好きじゃないなら
 俺が今、殺されそうになってる理由がわからないんだけど』
田中君の言葉が頭の中に浮かぶ。

もしかして…
あたし、自分で思ってるより愛されてたりするのかな…。


「行くぞ」
そう言ってあたしの手を取ると歩き出す道明寺。

「ふふっ…」
「笑ってんじゃねぇよ」

「うん…ごめんごめん…ぷっ」
「全然悪ぃと思ってねぇだろ」
「うん」
「てめぇ…」

「道明寺…」
「あ?」

「好きだよ」
「……おぅ」

前を向いたままこっちも見ずに
そっけなく答えた道明寺の耳は真っ赤だった。




~ fin ~


★あとがきはコチラ~★



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チビ★★★マ様

もうタイトル途中で変えた方がいいかと思いました(笑)
いくらなんでも
こんなにデレデレになるとは…(^^;)

司パパ、気に入って頂けて嬉しいです♪

次回はつくしちゃんに
やきもち妬いてもらおうと思ってますので
またお付き合い頂けると嬉しいです(*^^*)

悠★様

あらっ。
悠★様にしては珍しいおかわり要請ですね(^^)

了解でございます☆
さっそく妄想畑に種まきしてまいりました(*^^*)
もうしばらくお待ちくださいせ♪

花も★★★★様

こちらこそお付き合い頂きありがとうございます♪

抑えてた分爆発してる感じがあるのですが(笑)
1ヶ月後…そうですね。

周りが呆れるほどの
デレッデレ彼氏になってると思います(笑)

No title

昨日から泊まりの研修で、夜もイロイロ拘束されて、帰ってやっとスマホチェック…
いや~ん、こんな日にかぎって、2話更新だったんですねぇ~(≧∇≦)
やっぱり司君は、デレが似合う(^▽^笑)
デレ万歳!
人前でだけ、ツンぶるけど、車に乗った途端、デレデレとかの後日談みたいなのも、コソッと見てみたい(^-^)

JUJU様

わー!それはお疲れ様でございましたっ。
そうなんです。ミスって2話一気見せしてました(笑)

暴君がつくしにだけデレ。ってトコが
やっぱりたまんないです(//∀//)

なるほど。人前だけツン、パターンもありますねぇ♪
やばい。番外編の妄想が止まらない~(笑)
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