I miss… 4

次の日。
オレは今日もあの公園へ向かう。

そこにはやっぱりあいつがいて。
いるとは思っててもついホッとしてしまった。


『I miss…』   第4話


「昨日どうして勝手に帰った」
オレの声に顔をあげたこいつは
「友達が来たみたいだったから?」
とあっけらかんと笑う。

「紹介しようと思ったのによ…。
 おかげでオレは妄想でデートしてると思われたんだぞ」
ムッとして言うと
「ごめんごめん。またいつかね」
と全然悪いと思ってなさそうに
ケラケラと笑いながら謝ってくる。

「そう言えば、そもそもNYに何しに来たんだ?
 観光とか言ってたけど毎日ここにいるじゃねぇか」
オレが聞けば
「ん~…あんたに会いに来たって言えば信じる?」
といたずらっぽく笑うから
「……信じねぇな」
と答えた。
「だよね。冗談だよ。
 __自分のね、想いを昇華させに来たの」
と急にそんな事を言う。

「…昇華?」
オレが首をかしげると
「うん…。気持ちにケリをつけないとお別れ出来ないでしょ?」
「失恋でもしたのか?あ、とうとう類にフラれたんだろ」
冗談のつもりで言った言葉に
「なんでよ。花沢類とはそんなんじゃないって言ったでしょ」
と返してくる牧野は笑ってるのにどこか元気がなくて
急に落ち着きがなくなしたように心臓が早鐘を打ち始めた。

「…お前を振る男なんてこっちから忘れてやればいいじゃねぇか」
自然とそんな言葉が口から出た。
「え?」
「確かにオレも最初はお前の事、なんだこいつって思ったけどよ。
 …今は嫌いじゃねぇよ。
 お前はいい女だ。このオレ様が言うんだから自信持て」
そう言ってビシッと指さしてやると

しばらくきょとんとしていた牧野が
「…ぷっ。はいはい。ありがと。元気出たよ」
そう言って笑った顔に安堵した。

お前に元気がないと落ち着かないし
お前が笑うとホッとする。

こんな不思議な感覚は初めてで…
オレはもっとお前の事を知りたいと思った。

それなのに…。

「明日…日本に帰ろうと思うの。
 道明寺のおかげであたしも次の世界に歩みだせそうだしさ。
 あした帰る前にもう1度だけここに来るから…道明寺も来てくれる?」
別れ際、牧野が突然そんな事を言いだしてオレは頷いた。




そして次の日。
毎日会ってたのに、初めて約束をした最後の日。

あいつが今日帰るんだと思うと落ち着かなくて
朝早くにあのベンチに向かうと牧野はもうそこにいた。

「早いね」
オレを見つけてにっこりと笑うこいつは眩しく見えた。

その光はオレの闇を照らしているようで…。
オレの細胞が求めているのはこの光じゃねぇかとさえ思う。

でも…別にこれが永遠の別れじゃねぇ。
オレだってそのうち、こいつのいる日本に戻るんだ。

歩みだそうとしてるこいつを引き留める理由もねぇし
会いたくなったらオレもすぐ日本に帰ればいいだけだ。

「今日、見送りに行ってやるよ。何時の便だ?」
そう言ったオレに静かに首を振って
「ううん。ここで別れよ。
 本当にありがと。元気でね…バイバイ道明寺」
まるでもう2度と会わねぇみたいな言い方をする牧野。

「いいから見送らせろよ。
 よくわかんねぇけど、お前と離れるのやなんだよ」
オレの言葉にハッとしたように顔を上げると

「…それが聞けただけで、もう十分かな」
儚く笑うこいつは今にも消えそうで抱きしめようと腕を伸ばすと
それをひょいっと避けて
オレの後ろを覗いたかと思えば

「げ。やば…」
とマズそうな顔をするからつられて振り向けば
そこにはSPの向こうから早足で歩いてくるタマの姿。



タマは本当に老人なのかと思うほどの速さで
杖を突きながらオレの前まで来ると

もう一度ダンッと杖をついて背筋を伸ばすと
「よりによってこんな時に…
 何をこんな所で油売ってんのかね、この子はっ」
息を切らしながらも
珍しく何か怒ってるような雰囲気だった。
 




いつも応援ありがとうございます♡
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No title

え、つくしちゃんは、消えようとしてるし…
ダメじゃん、ここで見送ったら、失っちゃうよ坊ちゃん
おまけに、タマさんが、息せき切って… 何々、何なの?
波乱の予感…
ドキドキして、明日を待ちます

ka★★★様

つくし、明らかに何か様子がおかしくなってきました。

…ってもしかして、ka★★★様にはお話の展開バレてる…かも??
明日にはこのつくしの行動が明らかになりますので
答え合わせしてみて下さい(^^)

つくしは普段は表に出さないけど、愛情の深さは
司にも負けないと思ってるんですよね~。

司にも早く目を覚まして頂きたいです。
急げ~!司~(≧ヘ≦)

悠★様


ついに切ないゾーンの扉の前に立った感じですかね。
明日、その扉に鍵を差し込みガツンと動き出します。

つくしの「バイバイ」は
いつも決別を表しているような気がします。

今回も例外でなく結構重たいですよ~(^皿^)

JUJU様

つくしちゃんが不穏な動きを隠さなくなりましたね。
逃げ足の速いつくしちゃんですが
坊っちゃんは追いつけるんでしょうか?

明日はとうとうJUJU様の苦手な
切ないゾーンの扉に鍵を差し込みます。
どうかお気をつけて…m(__)m

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☔続きですね。

せっかく頑張って会いに来たのにここで帰っちゃだめよ!!
司も野生の勘でそこは引き止めないと!!後悔するぞー!!、絶対何年後かの再会とか止めて下さいね(;´д`)泣いちゃいますから。
つくしの幸せを今日も願う日々です。

子★★★マ様

つくしはやっぱり腹にイチモツ抱えてましたね。
切ない所は私もあまり好きじゃないので
連休中にはどうにか抜け出したい所なのですが…。

ただ、ハピエンだけはお約束します。
私の中でラストシーンは決まってます。
つくしちゃん、ちゃんと笑ってますよ(*^-^*)

じゅんこ様

雨、心配ですね。大きな被害がでないといいんですが…。

頑張って会いに来たんですよね~。
つくしちゃん、すげぇ頑張ってるんですよ~(>_<)

あと数時間で次のお話もアップされますが
このつくしちゃん…大きな大きな秘密があるんです。

お話は切ないゾーンはとりあえず何年後~って感じでは続きませんが
違った意味で泣かしてしまうかも…。
アップした後の反応が怖くなってきました(∩´﹏`∩)

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み★様

はじめまして。
いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます(*^^*)

おぉっ。さりげなくヒントとして
出してた所はほぼついています(*゚Q゚*)ドキッ

予想通りの展開か、次のお話で明らかになりますので
ぜひぜひ答え合わせしてみて下さいませ( *´艸`)
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