NO WAY! 6

高橋は男みてーな女だった…。
そんなのアリかよ。

あの見た目じゃ男だと思ったって
しょうがねぇんじゃねーの…?


『NO WAY!』    第6話


店を移動してからも牧野は機嫌がすこぶる悪りぃ。
やってもいねぇ浮気を疑った上に、
コイツの先輩に対するオレの態度。

当然っちゃ当然だよな…。

「まったく!いい加減にしなさいよね!」
「わ…悪かったよ。機嫌直せよ…な?」
こいつの髪に触れようとするオレの手をバシっと叩かれる。
やべぇ。触ることすら許されねぇ。
こんなにキレてんの初めてじゃねぇか…?

「何よ!ちょっと調べればわかる事でしょ!?
 いつも勝手に人の個人情報バンバン調べるくせに
 どうやったらそんな肝心なとこが抜け落ちちゃうのよ!」と牧野。

ん?
…確かにそうだ。
ちょっと調べれば名前どころかそいつの過去だって何だってわかる。
いくら高橋の見た目がああだからって性別がわかんねぇハズがない。
今回それさえわかっていればこんな事にならなかった…。

高橋の事を調べたのは誰だ…?

そういえばさっきだって
高橋が女だって事に反応しなかった奴がいた…

その答えにたどり着こうとしていたオレの視界の隅で
そぉーっと帰ろうとしている総二郎が目に入る。

「ちょっと待て。総二郎…」素早くコイツの首根っこを捕まえる。
「……お前、高橋が女だって知ってたんじゃねぇのか?」
「いやぁ…さすがにもうちっと早く気付くと思ったんだが…なぁ?
 お前が怒鳴り込む前だって待てっつったのに聞かねーんだもんよ…」
ハハハ…と気まずそうに笑ってやがる。

「てめぇっ!!」
もちろん総二郎は徹底的にボコってやった。




あれから1週間。
電話は着拒でメールは無視。
lineに至ってはブロックときた。
部屋の前で待ち伏せしようものなら
あいつが先にオレに気付けばダチの家に泊まりに逃げたり
オレが先に気付けばストーカーだと警察を呼ぶ始末。

どうにもこうにも困り果てて、
あいつの退社を事務所の前で待つことにした。
会社の前ならあいつも下手に騒ぎ立てたりは出来ねーはず。

これでダメならもう警視総監に電話して
あいつを指名手配させるしかねぇ。
ただこれは前にやって怒られてっから
出来ればやりたくねぇんだけどよ…。

とにかくだ。
あいつが嫌がろうが、何だろうが
とっつかまえねー事には話すらできそうにねぇからな。

しばらく待っていると牧野…とその横に高橋が歩いてきた。

「彼氏さん、来てるよ?」と高橋がオレの方を見ながら言うと
オレに気付いて明らかに「ゲッ!!」って言ってる顔をする牧野。
喧嘩中って言ったって婚約者だろうが、オレは。
その反応はあんまりじゃねぇの?オレだって傷つくんだぞ?

ヘコんでてもしょうがねぇ…と、あいつらに近づいて、
「ちょっとコイツ借りてってもいーか?」と牧野を指さし高橋に聞く。
「えぇ、どうぞ?」と高橋が言うと同時に
「え!冗談じゃない!先輩帰りましょ!!」と逃げようとする牧野。
そんな牧野を見て、
「…もしかしてあれから喧嘩したままとか?」と高橋は呆れ顔だ。
そして、
「私はこういうの慣れてるから怒ってないって言ってるのに…。
 そろそろ許してあげないと彼氏さんも可哀そうよ?」と牧野に言っている。

高橋…お前、なかなかいい奴じゃねぇかっ!

牧野も高橋には強く言えねぇのか、「う゛~…でもぉ…」とか言っている。
その後も高橋にいろいろ言われて結局根負けしたらしい牧野は

「わ…わかりましたよ! 道明寺!話聞くだけだからね?」
とオレの腕を引っ張って歩き出した。
その様子に満足した高橋はニマっと笑って手を振っていた。


そのままこいつのマンションにやってきたオレたち。

そこでオレは謝って、謝って、謝りたおしてなんとか許してもらった。
こんなに人に謝ったのは人生初だ。
このオレにこんな事がさせられるのは世界中探してもお前だけだ。
それでも許してくれたんならもう何でもいいけどよ。

1週間ぶりに牧野を抱きしめる。
はぁぁぁ…。
マジで今回はヤバかった…。
あまりのこいつの怒りように
もう許してもらえねぇんじゃねーかと思って泣きそうだった。


オレの腕の中に戻ってきた牧野にホッとする。


そしてホッとしたらついいつもの調子で
「そもそもオレの誘いを断ったりしなけりゃ疑ったりしなかった」と
愚痴るオレに牧野は

「あの日は…先輩に頼んで服を選んでもらってたの!」と言う。

は?なんだそれ。そんな顔のオレに構わず続ける牧野。
「先輩ってね、私服のセンスがすっごく素敵なの。
 ただ流行の服を着るだけじゃないって言うか、
 自分に本当に似合う服って言うの…?
 あたしも社会人だしさ、あんたとデ…デ、デート…する時とかさ、
 そんな服来て行きたいなぁ…って思って、あたしから頼んだの!
 それなのにドタキャンなんて出来るワケないじゃない!」
そこまで言うと真っ赤にしてオレの胸に顔をうずめた牧野。


なんだそれ。


それってつまりは…


「オレの為に可愛くなろうとしてたのか…?」

その言葉にピクッと肩を揺らしてそのまま黙り込む牧野。


…言われてみれば最近のこいつはやたらと可愛い格好をしていた。
オレに可愛いと思われたくて頑張ってたのかよ。

……やべぇ。

嬉しすぎんだろ。
顔がニヤけてしょーがねぇ。

「お洒落してるお前ももちろん可愛いと思ってるけどよ…」
話しはじめたオレを見上げる牧野。
「何も着てないお前が一番かわいいに決まってんだろ?」
そう言って素早く抱きかかえるとベッドルームへ向かう。

エロ、変態、バカ、やっぱり許さない、だのと牧野は暴れながら言ってるが
こっちはただでさえ無視され、おあずけ喰らって、
もう少しで死にそうだったっつーのに
そんなカワイイ事言って煽ったお前が悪い。

…そうだろ?


~fin~




★あとがきはコチラ~★
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