夢の続き 18

オレの目と耳はおかしくなったのか?

「あなた達2人の敵となるような方がもし現れたなら
 いつでも教えて頂戴?そんな人、私が潰してあげるわ」
と、あのババァが笑ってそう言ったように聞こえた。


『夢の続き』   第18話


そう思っていたのは類も同じだったようで
「何?今の…。信じられない言葉が聞こえたんだけど」
と牧野をチラッと見る。
「お前…ここにはババァに呼び出されてきたのか?」
オレも説明しろと牧野を促す。


「えっと…。あたしもまだよくわかんないんだけど。
 とりあえず…認めてくれた、って思っていいって事だよね?
 あれ?違うのかな?やっぱり都合よく考えすぎ??」
ババァとのやりとりの内容をオレらに説明しながら
自分に言い聞かすように話していた牧野も混乱している。

「これで認めてねぇっつーなら、
 どんだけ捻くれてんだって話だろ。
 理由はよくわかんねぇが、とにかく認めたんじゃねぇの?」
そう言ってこいつの頭をクシャッと撫でてやると
ホッとしたように脱力してソファに体を沈める。

しばらくすると思い出したように顔を上げて
「あ、ところでさ。どうしてここにいるってわかったの?」
その言葉にギクッと類と目を合わせる。

「牧野…ちょっとケータイ貸して?」
類の言葉に牧野は素直にケータイを出す。

操作をしてアプリを牧野に見せて
「コレであんたの居場所を追跡してきたんだ」
画面を覗き込んだ牧野は

「なにコレっ!?こんなアプリ知らないんだけど!
 道明寺!あんたねぇ、いい加減にしなさいよ!」
と説明した類じゃなくオレを迷わず疑うこいつ。

「ばっ!違ぇよ!」
「ごめん。ダウンロードしたの、俺なんだ。
 司に会わないって言ってた時のあんたが
 あまりに思いつめた顔してたから。
 また黙ってどこかい行かないか心配で…。勝手にゴメンね?」
そう言ってソファに座るコイツの前にしゃがんで視線を合わせる類。

こうなったらもともと類に弱いこいつは
それ以上責める気にもなれないらしく…

「はぁぁぁ。…もういいよ。
 でももう使っちゃダメだからね?
 心配してくれてありがとう。…あと道明寺も疑ってごめん」
そう言って牧野はため息をつきながら困ったように笑った。




その後、
類とは別れて牧野のマンションに帰る。
「そうだ。お前どこに引っ越すんだよ。
 つーかそもそもどうして引っ越すんだ?」
段ボールをポンポンと軽く叩きながら言うと

「んー。……あんたの会社の近く?」
そう言ってこんな部屋だよ、と
引き出しから間取り図の書いた紙を取り出して渡してくる。

「あ?なんだそれ」
間取りを見ながら首をかしげる。

「だって、あんた時間が出来ると来てくれるけどさ。
 このマンションって職場の人もいるから
 あんたみたいな目立つ人間が出入りしてたら
 すぐに噂になっちゃうじゃない?」
と申し訳なさそうに話すこいつ。

「…オレと付き合ってるって思われるの、やなのかよ」
まるで悪い事でもしてるかのような言い草にムッとする。

「あんたが会いに来てくれるのは嬉しいよ?
 だけど先輩にからかわれるの恥ずかしいのよ…。
 それに、さ…。
 あんたの会社ってここから結構遠いし、
 疲れてんのに自分で運転もしてくるから心配だし…」
視線をそらして頬を赤くするこいつは
恥ずかしいとかそういうのは建前で
きっとオレが心配だっつーのが本当の理由なんだろう。

ったく。素直じゃねぇな…。

オレはこいつに渡された間取り図をビリっと破く。

「ちょっ…!何すんのよ!」
オレの腕を掴んで破れた間取り図を取り返そうとするこいつ。

「引っ越しは認めるがこの部屋は却下だ」
「なんでよ!この部屋のどこが気に入らないって言うのよ?」
頬を膨らませながら言うこいつ。

「オレがマンション買うからそこに住め」
「は?」
「で、オレもそこに毎日帰る」
「ほぇ?」
「だから、一緒に住もうぜって言ってんだよ。
 それならお前も余計な心配しなくてすむし
 ババァも認めてんだ。何の問題もねぇだろ?
 離れてた8年間の空白を少しでも埋めようぜ?」
オレの言葉にハッとしたように顔を上げたこいつ。

「…あたし、あんたに記憶の事言ったっけ?」
と首をかしげる。

「ナメてんじゃねぇぞ?そんなん言われなくても
 これだけ一緒にいればなんとなくわかるっつーの。
 だからっていちいち問い詰めるほどの事でもねぇし。
 オレはお前がお前なら記憶なんてどっちでもいいからな。
 つーかお前だって司って呼んでたくせに
 いつの間にか道明寺呼びに戻ってんじゃねぇか」
ククッと笑いながら言うと、
こいつは急に真剣な顔つきになる。

「黙ってようと思ってたわけじゃないんだけど
 その…タイミングがなくて。
 あんたの事だけ忘れて、あんな態度とってホントにごめ…」
言いかけたこいつの唇をキスで塞ぐ。

「謝らなくていい。悪いのはお前じゃねぇ。
 元をたどれば道明寺家のせいなんだからよ。
 忘れられたのはそりゃショックだったけどよ。
 下手すりゃ永遠にお前を失うとこだったんだ。
 ……お前が生きてて本当によかった。
 でなけりゃ、今こうしてお前を抱きしめられなかっただろ?」

そう言って抱きしめてやると
牧野は小さく震えながら
何度もゴメンと呟きながら泣いていた。




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