TAKE2  5

翌日。
牧野の所に行くと類が来ていた。

なんだか病室と非常階段がダブって見える…。
類お前、本当に初恋をオレに譲る気あるんだろうな!?



『TAKE2』    第5話


「や。司」オレを見てのん気に挨拶する類の横で
「なんであんた達って…。
 昨日2度と来るなって言ったよね?
 それともバカ坊っちゃんだから日本語通じないの?」
と牧野が頭を抱えながら言う。

「そのバカ坊ちゃんつーの、やめろよ」
「じゃあなんて呼べばいいのよ?クルクルパーとか?」

…青筋浮かべて引きつる笑顔のオレ。
記憶がなくてもやっぱりこいつはF4に怯んだりしねぇんだな。

「つ、…司って呼べばいいんじゃね?」
どさくさに紛れて名前で呼ばせるのもいいよな。

なんて思って答えたら
「は?なんでよ。そんなに親しくないし。
 じゃあ…道明寺でいい?あんたもあたしのこと牧野だし。」
あっさりと却下して、結局前と同じ苗字の呼び捨て。

「あ、ああ…別にいいけどよ」
ちょっとガッカリするオレにクスッと笑って
「じゃあ俺は?花沢って呼ぶんだ?」と類。
「う~ん…なんかね、花沢類は花沢類って感じなんだよね。
 でもフルネームってやっぱり変だよね?」首をひねりながら考える牧野。

「クククッ!あんたやっぱり記憶なくても変わらないんだ。
 いいよ、花沢類で。あんたにそう呼ばれるの好きだし」

しばらくすると類は「眠いから」って帰って行った。
さっきまではなんだかんだとしゃべってたくせに
オレと2人きりになったら急に黙る牧野。

「あ、あんたは帰んないの…?」
チラチラと上目使いでオレを見る牧野。

ふと抱きしめたくなる衝動をぐっと堪える。
今抱きしめたりしたら追い返されるのは目に見えてるしな。
それどころか変態だの何だの罵られたあげく
今度こそ出入り禁止にされかねねぇ…。


そんな心の葛藤を隠しながら
「…帰らねーよ」とぶっきらぼうに答える。

ふーん、とか答えてまた黙った牧野だったが
沈黙に耐えられねぇのか、

「ねぇ…」
「あ?」
何を言いだすのかと、オレはあいつのそばに腰かける。

「なんであんた毎日会いに来るの?
 あたし何したのかは覚えてないしわかんないけど
 とりあえずは赤札貼るほどあたしの事嫌いだったんでしょ…?」

「…確かに生意気だし、素直じゃねーし、色気もねー
 このオレ様にも怯まねぇような女だけどな」
オレが話しはじめると、不安そうに瞳を揺らす牧野。

…てかお前、なんつー顔してんだよ。
もしかしてあの頃も1人でそんな顔してたりしたのか?

オレはお前にそんな顔させてたのか…?

そう思うと急激に指先が冷たくなっていくのを感じる。
あの頃のオレは本当にどうしようもなくて、
お前が好きだって事にも気づかねーくせに
毎日お前を追いかけずにはいられなかった…。

赤札を貼った過去だって今さら変えられねぇけど、
今思えば、あんなの
好きな奴の気を引きたくて意地悪してるガキそのものだった。
あいつを困らせて気を引こうとするオレなんかより
助けてくれる類を好きになるのは当たり前だったと思う。

だから今度は間違わねぇ…。

「オレは牧野を嫌いだと思った事は1度もねぇ。
 むしろその逆だ…好きだ。心底惚れてる。
 オレはお前を手に入れるために毎日会いに来てんだよ」
まっすぐこいつを見据えて言ってやる。

これがオレの本心だ。
お前に伝わるまで何度だって言ってやる。

2度とお前にあんな顔させたりしねぇ。
だから牧野…今度は最初からオレを好きになれ。




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