夢の続き 5

ある日。
会社から出た所に類が立っていた。

「類?どうしたの、こんな所で」


『夢の続き』   第5話


「なんだか牧野とご飯食べたい気分だったから」
そう言ってにっこり笑う類。

結局、特に予定もないあたしは類の誘いにのって
2人でイタリアンのお店に入った。

「何にしよっか?」
メニューを開いてあたしに聞いてくれる類。

「なんでもいいよ。あ、ただお酒は…」
そう言いかけたところで
「わかってる。禁止されてるんでしょ?」
とクスクス笑う。

「え…なんで…?」
「司に聞いた。あんたは覚えてないかもしれないけど
 俺たちとあいつはガキの時からの友達だからね。
 でも付き合いで1杯ならいいんでしょ?
 ちゃんと帰りは送るから1杯だけ付き合ってよ」

そう言う類に頷くと、類は料理とそれに合うワインを選ぶ。

料理を楽しんで、ワインのグラスも空いた頃、
「で?司とはどうするの?」
なんて事をさらっと聞いてくる。

「どうするも何も…。どうもしないよ」
あたしが答えると
「なんで?好きなんでしょ。司の事。
 なんだか久々にいい顔してるよ?あんた」
と面白そうに笑う類。

「もうっ。からかわないでよ。
 あたしもよくわかんないんだから」
今のこの気持ちを恋だとか
そういう風に呼んでいいのか自分でもわからなくて首を捻る。

「ふ~ん?まぁ牧野の好きにしたらいいけどさ。
 そういえば牧野さ、最近土星のネックレスしてないね?」
と類はあたしの首元に視線を落として
そんな事を聞いてくる。
「ちゃんと家には大事にしまって、持ってはいるんだけどね。
 あれすごく気に入ってはいるし、付けててもいいんだけどね…」
言いながらあたしも自分の首元になぞる。

「まぁ堂々とつけるわけにもいかないか。
 あんなの付けてたら記憶戻ってる事バレちゃうもんね」

「そうなんだよねぇ…」
うんうん、と頷いていた首がピタッと止まる。


「……」
「……」


「…っ!!?」
慌てて口を押えてそぉーっと類を見てみれば
勝ち誇ったような笑みを浮かべている。

「俺も全然気づかなかった。
 あんた、いつの間に記憶戻ってたわけ?」
「…え?記憶??…な、何の事?」
ダメ元でとぼけてみる。

「話したくないなら別にいいけどさ。
 じゃあ司とはこの間が初対面って事でいい?」
「う…うん…?」
予想に反して追及してこない類に内心ホッと息をついて答える。

「あんた記憶失くしてすぐの頃に何度も会ってるよ。
 記憶がなくて混乱してるあんたに
 何度も自分が彼氏だってつっかかってくる
 あんな特徴のある頭の人間普通忘れないと思うけど?」

「……」

「牧野、相手は俺だよ?ごまかし切れると思ってる?
 あんたがまだ続けたいなら付き合ってもいいけど…。
 俺、飽きてきちゃった。ねぇ、もう諦めなよ」
ん?と首をかしげる類は確信犯だ。

「はぁぁぁ。…はいはい。降参します。
 このためにワイン飲ませたわね?この策士っ!」
あたしが頬を膨らませると

「ごめん。その方が口も滑りやすくなるかなと思って。
 でもそもそも、どうして黙ってるのかもよくわかんないんだけど?」
と特に悪びれる様子もない類。

「別にずっと黙っておこうとか
 そんなつもりでもなかったんだけど…。
 言うタイミングもなくて、それに…今さらだし?
 …でもどうしてわかったの?道明寺にもバレてたとか?」
ため息をついて尋ねる。

「司はたぶん気付いてないよ。
 総二郎たちが話してるの聞いてて気づいた
 “ナンパ男について行くなんて思い切った行動したな”って。
 いくら酔った勢いでも、そんな事できる女じゃないでしょ、あんた」

…確かにね。
いくらお酒に弱いと言えど、3杯飲んだくらいで
その日会った男について行けるほど、あたしは軽くない。

「で?いつ思い出したの?
 なんだったら禁断の2杯目飲みながら話す?」
とクスクス笑う類をひと睨みして
あたしは諦めたようにため息をついた。




いつも応援ありがとうございます♡


★記憶が戻ってる事に気付いていた方、さすがです♪
  司と一緒に騙されてくださった方、komaの狙い通りでムフフです(*´ゝ艸・`)★
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No title

さすが類くん。つくしちゃんもあっさりと引っかかりましたね〜笑。
「あんな特徴のある頭の人間」って下りで爆笑しました〜( ̄▽ ̄)

さて、鈍感坊ちゃん、いつになったら気がつくのかな…?

チビ★★★マ様

ムフフ♪ありがとうございます(*^^*)

類でさえも知らなかったんですから。
司は…知ったらどうするんでしょうかねぇ?
喜ぶのか、黙ってた事を怒るのか…はてさて??

もう落とし穴は用意してないハズですので(笑)
気楽に続きも楽しんで頂けますように♪

ココリン様

つくしの弱点は類ですからねぇ(笑)
ホイホイひっかかります(^皿^)

笑って頂けるように、と狙っていた所だったので
爆笑を貰えてムフフ♪です(*^^*)

坊っちゃんがいつ気が付くのか…。
果たして気付かないのか??
続きも楽しんで頂けますように♪
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