Blunt 3

秘書課に移るとそこには西田さんがいた。

「お掃除入っても大丈夫ですか?」
そう声をかけると
「はい。宜しくお願いします」
と頭を下げてくれる西田さんは誰かと違ってやっぱり紳士的だ。


『Blunt』   第3話


「そう言えば、美作様ともお知り合いで?」
美作さんとのやりとりを見ていた西田さんが尋ねる。

「あ~、このビルに配属される前は美作さんの所だったんです。
 専務と親しそうでしたけど、友達だったりするんですか?」
あたしの言葉に
「はい。美作様は言わば幼馴染のような方で、学生時代は
 その他に花沢様、西門様と4人でいらっしゃる事が多かったようです。
 専務が忙しくてなかなか捕まらないせいか
 公私関係なくよくここにいらっしゃっていますよ」
そう言って、雑誌に載ってる4人を見せてくれる西田さん。

「うはー。4人ともイケメンなんですね~。芸能人みたい…」
雑誌を見るあたしにクスッと笑うと
「牧野さんはどの方がお好みですか?」
と聞いてくるから
「う~ん…。あたし正直、イケメンすぎる人って緊張するから
 そんなに好きじゃないんですけどね。…強いて言うなら、この人。花沢類?」
そう言って誌面の顔を指さす。

「なんだ。オレじゃないのか?残念だよ」
後ろから聞こえた声に振り返るとそこには美作さん…と専務の姿。
「フンっ。こんな奴に好みって言われた類が可哀そうだろ」
と鼻を鳴らす専務。

いちいち癇に障る奴…。

「専務には関係ないじゃないですか」
あたしが言うと
「あぁ。関係ねぇな。
 ただいつまでサボってるつもりだって言ってんだよ。
 さっさと仕事済ませて帰りやがれってんだ!!」
と怒鳴りだした専務に肩を竦めて慌てて仕事に戻る。



数日後。

「ありゃ…西田さんいないのかな」
いつものように秘書課に顔をだしたあたしだったけど
西田さんどころか誰もいない…。

「う~…どうしよう…」
専務の執務室の前でノックしようと手を構えたまま
前みたいに修羅場だったらどうしようかと悩むあたし。

そっと重厚なドアに耳を当てて中を伺う。
…少なくとも怒鳴り声は聞こえないし…大丈夫よね?

コンコン。

「……」
中からの反応がない。

もしかして専務までいない、とか?
でも不在の時は前もって時間の変更とかもあるし…。
そぉっとドアノブに手をかけると鍵は開いているようだ。

人を信じていないと初日に断言していた専務は
自分がいない間は必ず施錠をしている。

だから鍵が開いてるって事は中にいるって事で…。

恐る恐る、そぉーっとドアを開けてみる。

「専務…?牧野です…」
中を覗いてみると専務は机に突っ伏していた。

「あれ…?寝てる?…珍しい」
勝手に掃除を始めたらまた何を言われるかわからないと
声だけはかけておこうと机に近寄る。

「専務?…掃除しても…」
そう声をかけて肩を叩こうとして手が止まる。
寝てるわりには荒い息使いに気が付いて、
専務が寝てるんじゃなくて蹲ってると気が付いた。

慌てて額に手を当てると驚くほど熱い。

「やだっ…!すごい熱っ。
 に、西田さんっ…っていないんだった…。
 えっと…。そうだ!!とりあえず救急車!」
1人でパニくりながらも机の上の電話に手を伸ばそうとすると

「う…うるせぇ。救急車なんて…呼びやがったら…クビ…にすんぞ」
そう言って赤い顔して睨んでくる専務。

「だって!こんなに熱が高いのに…死んじゃうよ…」
いつもの迫力のかけらもなくて、
腕を掴んだ手だって力が全然入ってなくて不安になって泣きそうになる。

「…こんな熱くらいで死ぬかよ。マジ…で、バカ…なんだな…お前」
「バカはどっちよ!こんな熱出して…救急車がダメなら…」

せめてこんなイスじゃなくて
どこか休める場所はと執務室を見渡して奥の扉が目に入る。

「専務、ちょっと立てます?肩貸しますからちょっと頑張って下さい」
そう言って専務を支えながら立ち上がらせる。

「てめぇ…。何するつもりだ。…病院なんか、行かねぇぞ…」
「わかってますよ!でもせめて横になった方がいいです。
 あの奥って仮眠室って言ってましたよね?そこで休んでください!」

あたしがそう言ってフラフラな専務をなんとか支えながら進みだすと

「ふ、ざけんなっ。あの部屋には…
 機密事項の書類も…入るなって最初にも言った…」

文句を言おうとしている専務に
「うるさいっ!文句は治ってからいくらでも聞きます。
 とりあえず今は横になって下さい!!ほら、鍵は?どこですか!?」
あたしが怒鳴ると言い返す気力も残ってないのか
ポケットから鍵を出した専務。

「開けますからね?いいですね?」
あたしが確認すると小さく舌打ちをする専務を
肯定したと受け取って鍵を開けた。





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チビ★★★マ様


ホントに毎日盛り上がって
嬉しいけど寝不足がとまりませんね(^^;)

ふふ。これがキッカケで2人の関係に
どう変化があるのか……ん?あるのか(笑)??
続きも楽しんで頂けると嬉しいです(*^^*)

こちらは強く降った時間も短くて大丈夫でした。
チビ★★★マ様の地域も大丈夫でありますように…。
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