そばにいたい。

★「The one」の番外編です。本編18話の後、
  サイドストーリーって感じになりますかね…?類視点でどうぞ★





司が牧野を連れてダイニングに行くと
椿姉ちゃんは俺たちにもう用はないとばかりに

「後はあんた達だけで勝手にやってなさい」
と自分の部屋に戻って行ってしまった。


『そばにいたい』   ~The one 番外編~



「そういや類、なんで司が昔から
 牧野が好きだって気が付いてたんだ?」
と総二郎が言えば
「そうだよ。
 まさかお前まで牧野の事好きだったとか言うのか?」
とあきらも身を乗り出してくる。


「そんなの見てればわかるでしょ。
 あいつが赤札貼った相手に直接関わるなんてなかったし
 しょうもないイタズラ仕掛けては
 牧野が走ってくるのを今か今かと楽しそうに待ってんだから。
 あんなに楽しそうに笑う司、初めて見たからね」

俺が答えると、「なるほどな…」なんて納得してる2人。

そんな時、当時司の子分気取りだった奴らが
なかなか退学しない牧野にしびれを切らして
襲おうとしてるのを偶然見かけて、思わず助けていた。

後でそれとなく探ってみたらやっぱり司の指示じゃなかったし
もしあのままだったら牧野も司もひどく傷つく所だった。

でもその直後だった。
牧野は俺たちに別れも言わないまま静かに退学してしまった。

牧野が俺たちの前に姿を見せなくなれば、
自分の気持ちにもまだ気づいてなさそうだった司は
俺の予想通り、魂が抜けたみたいにボーっとしてる事が増えた。

総二郎とあきらもどこかつまんなさそうにはしてたけど
司ほどの落ち込みは見られなかった。

赤札貼ってみたり、暴れてみたりと
もがいてやっと自分の気持ちに気が付いたんだろう。

「あいつの高校見てきてやる」
と久々に楽しそうにしていた司は翌日にはまた魂が抜けていた。

まぁ、何があったのかは大体想像はつくけどね。
告ってこっぴどくフラれたか、
告るまでもなく、自分と牧野の世界の壁を見せつけられたってとこだろう。

そんな事をこの2人に話せばまた「どうしてわかる?」って
聞いてくるに決まってるから絶対言わないけど。

__俺も見に行ったからわかるんだよ。

最後に見た牧野は泣いてたから…。
牧野がちゃんと笑ってるか気になって仕方なかった。

新しい学校で牧野はちゃんと笑ってた。
元気そうで良かった…。そう思う気持ちに嘘はない。
なのに…まるで俺たちの事なんて忘れたみたいに笑う姿に
どこかすごく寂しい気持ちになったんだ。

牧野と関わることで毎日が楽しくなったのは俺たちだけで
牧野にとってはそうじゃなかったと言われたみたいで。

牧野の事は好きだったけど、
たぶん付き合いたいとかそんなんじゃなくて…。

何をやっても手ごたえなんてなくて
ただジュニアとして生まれた運命から
逃げられなくなるまでのただの暇つぶしのような毎日。

そこに突然現れた
あんなに小さな体で驚くほど大きな嵐を巻き起こす女…。

赤札貼った俺たちが言えた事じゃないかもしれないけれど
ただ…牧野に俺たちを受け入れて欲しかっただけなのかもしれない。
そばにいる事を許してほしかったんだ…。





「…おい、類って!」
気が付くと、総二郎が目の前で手をヒラヒラさせていた。
「あんまり反応ねぇから、とうとう
 目開けたまま寝れるようになったのかと思ったぜ」
と面白うそうに笑う2人。

「…で、何?」
「だから、司と牧野遅くねぇ?覗きに行こうぜ!」

…やめとけばいいのに。

でも、結局楽しそうに笑う2人につられて俺も立ち上がる。


ダイニングの扉をそっと開けて覗いてみれば
司は牧野を壁際に追い詰めていた。

こっそり2人のやり取りを聞いていた俺たちは
笑いを堪えるのに必死だった。

司の言ってる事はめちゃくちゃなのに
どこに響いてんだか、牧野は絆されてしまってる…。

ま、牧野も相当鈍いからね。
俺の予想だと、結構前から好きだったんじゃないかな…?


総二郎が「もういいんじゃね?」と合図したのをきっかけに
みんなでダイニングに入る。

「おいおいおい。遅せぇと思ったら…」
「猛獣に襲われてんじゃん」
「牧野、大丈夫?」

オレ達を見つけて牧野は慌てて司を突き飛ばしている。
「ほんとに司でいいの?俺でもいいんだよ?」
そう言って顔を近づけてみると顔を真っ赤にさせる牧野。

「類っ!てめぇ!やっぱり牧野の事っ…!!
 でも牧野はオレのだ!類にだって渡さねぇぞ!!」
焦って牧野を隠すように抱き込む司。

やっぱりお前はそういう顔してる方がいいよ。
そんなお前を任せられるのも牧野しかいないしね。

「それは牧野が決める事だよ、ね?牧野?」

青い顔をする司と真っ赤な牧野。
対照的な2人をからかって楽しむくらいいいだろ?
牧野のそばにいたいと思うのはお前だけじゃないんだからさ。




~ fin ~


★あとがき★

完結させてから
類がどうして司の気持ちに気が付いてたかいうあたりに
中途半端に触れたまま放ったらかしにしてた事を思い出し…。
本編でさらっと触れるつもりだったので
大した内容もなかったのですが
せっかくなので類視点の番外編を書いてみました(^^;)

今回のお話は
コミックで言えば分岐はかなり前だったので
類はつくしを大事には思いつつも
惚れるまではいってない…って感じにしておきました。

久々の類目線、
楽しんで頂けていれば幸いです♪


管理人 koma



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No title

連載完結、おめでとうございます。
お疲れ様でした!

かなり早い時期につくしちゃんがイチ抜けたしても
結局は坊ちゃんに捕まる(?)運命なんですね^^
つくしちゃんの転校先チェックした後に魂抜けてる坊ちゃんの
姿が想像出来て笑っちゃいました( ̄▽ ̄)

類王子の目線、新鮮で読んでいて楽しかったです。

次のお話は大好物の記憶喪失ネタ!
それもつくしちゃんが!
楽しみにしてます〜。

チビ★★★マ様

見てないようで
しっかり見てますからね、彼は♪
興味がないものは見えないだけで(笑)

似てるようで似てない司と類。
良きライバルで親友。
素敵な関係ですよね(*^-^*)

次回も類は2人を見守ってくれる感じ…ですかね?
楽しんで頂けると嬉しいです♪


ココリン様

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

やっぱり司にはつくししかいませんから♪
どんなに遠回りしてもゴールは同じです(*^-^*)
転校先を覗いた後は魂がプシューっと抜けてたと思います(笑)

類目線、難しいですけど
お話の補足だったりそういうのを書きたい時には
彼はよく観察してくれてますので助かります(笑)

司だけ覚えていないつくしと
相変わらずつくししか見てない司。
またお付き合い頂けると嬉しいです♪
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