虎視眈々 ~総二郎 短編~

★総つくではありませんが〈総二郎→つくし〉です。苦手な方ご注意ください★





―4年後必ず迎えに行きます―

ガキで、傲慢で、自己中で。
手のつけようもない猛獣だった司が
いつの間にか立派な男になっていた。


『虎視眈々』   ~総二郎 短編~
 

俺たちの中で、一番ガキだったはずの司が
あいつの父親が倒れた事で、一番最初に仕事をするようになった。

それに刺激されるように
類も、あきらも、そして俺も。
大学に進学と共にジュニアとしての役割を
少しずつこなすようになっていく。

そうなれば、自然と類とあきらは海外に飛ぶ事も増えて
数日は大学に顔を出さない、なんて事も珍しくなくなった。
それに比べて俺は京都なんかには行くことはあっても
そのほとんどが日帰りだし日本を飛び出す事は滅多にねぇ。

必然的に牧野のそばにいるのは俺が多くなった。

そんなある日。

「…司?なんだよ、珍しいな」
司から何か月ぶりかに電話がかかってきた。

『お前今、大学か?
 牧野、その辺にいねぇか?』
相変わらず牧野しか見えてなさそうな司。
電話かけてきといて、俺に挨拶くらいねぇのかよ?

「あ?そういや今日は見てねぇ…」
言いかけた所で、向かいの校舎の中に牧野を見つける。
あれは…図書館か。

「あー…いや、いたわ。図書館にいるっぽいな」
俺が答えると
『はぁ…そっか。何もねぇならいいや』
とホッとしたようにため息をついた司。

「牧野がどうかしたのか?」
『いや。昨日から全然電話繋がんねぇから何かあったのかと思ってよ。
 まぁどうせ充電し忘れてるとかそんなだと思ったけどよ。あのバカ女…』

『悪かったな…。眠ぃし寝るわ』
そう言って用件だけ済ませたらさっさと電話を切った司。
もしかしてこいつ牧野がつかまんなくて昨日からヤキモキしてたのか?

時計を見ると15時を過ぎたあたりで。

時差をざっと計算してみればNYは真夜中じゃねぇか。
そんな時間まで眠れずに心配していた司に比べて
図書館の牧野は机に突っ伏している所を見るとどうやら昼寝中…。

その差に思わず苦笑いを浮かべる。

「とりあえず、電源くらい入れといてやれって言っとくか…」
独りごちて、図書館に足を向ける。


英徳の図書館はそりゃ立派な物だが、
それぞれ自分の読みたい本なんかすぐに手に入るような
環境に身を置く生徒ばかりなせいか
利用者は極端に少なく、今日も貸切状態だった。

あいつがいつも座っている奥の窓際の席に行くと
勉強中に寝落ちしたのか何冊か分厚い本を重ねて置いた横で
柔らかな日差しを浴びながら幸せそうな顔して寝てる牧野。

起こさねぇように隣に座って
頬にかかった髪の毛をそっと耳にかけてやる。

「ん…。どう……じ」
不意に牧野がつぶやいた寝言はおそらく司を呼んだもの。

いつからだろうな。

別にこいつらがダメになる事を本気で望んでるワケでもねぇのに
普段は色気の「い」の字も出さねぇこいつが
こうやってふとした瞬間に
司を想って女の顔を覗かせるのが面白くねぇと思うようになったのは。

自分の中のそんな感情に
最初は見て見ぬふりをしてごまかそうとしていた。

そんなわけねぇ。あり得ねぇ。
百戦錬磨のこの俺が?
鉄パン穿いたこんな勤労処女に?

必死に自分に言い聞かせれば言い聞かす程
その感情は膨れ上がって認めざるを得なくなった。

最初に司、次が類。
それに口には出さねぇがたぶんあきらもだな。

そして自分だけは大丈夫だと思ってた俺まで堕ちた。

F4全員がお前を特別な女だと思っている事実。
それでいて当の本人はそれに全く気づきもしない。
やっぱすげぇ女だよ、お前は。

俺は類みたいに「見守る愛」っつーのは理解できねぇし
あきらみたいに「親友の女」だと割り切ってあっさり身を引く気もねぇ。

だからって司みたいに「好きなら奪ってでも」って柄でもねぇんだよな。

司の事は男としても認めてる。
あいつなら牧野を幸せにするだろうと信じてる。

だけど…。司は知らない。

教養のためにと、西門に稽古に通うようになった牧野を
お袋が気に入って、勉強のためと言いくるめては
あちこち連れ歩いて、重鎮の爺たちに紹介している事を。


まぁ、そういうあざとさで言えば類の所も油断は出来ねぇが
肝心の類が前のように常に寄り添っていられない状況が
俺を有利にさせてる。

悪ぃな、司。
お前たちが別れるのを願ってるワケじゃねぇが
もうあの頃のようにただ素直にお前の恋を応援もしてやれねぇ。

俺はあの2人みたいに甘くはねぇぞ。
奪略なんて趣味じゃねぇが
付け入る隙くらいは虎視眈々と狙わせてもらう。

もしも…。もしもだ。
司が牧野を泣かせるような事があれば
その時は遠慮なく掻っ攫ってやるから覚悟しとけよ?



~ fin ~


★あとがき★


いかがだったでしょうか?
う~ん…総二郎はやっぱり難しい。
何か物足りない感じになってしまいました。

足りないのは「深さ」か「エロさ」か…いや両方ですね(--;)

告白もしない、諦めるワケでもない。
だけど一歩引いた所で状況を把握しつつ
確実にチャンスだけは狙ってる。
ちょっとズルい感じが総二郎っぽいかな、と。


『総二郎は誰を想ってるか謎』

なんて事を前にも言いましたが、
今回は“つくしに片思い”にしてみました。

相手が優紀だったりサラだったりバージョンも
いつか書いてみたいなぁ…。
幅がある分、こういう所は妄想が楽しいです♪


皆さまにもほんの少しでも楽しんで頂けてますように…(*^-^*)


管理人 koma



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チビ★★★マ様

総二郎っぽさ感じて頂けましたか?
あ~、良かった(^^)
どうも彼は難しくて…。
特にエロさがないと…イメージが(笑)

拙い文章ばかりで恐縮ではございますが
これからも楽しんで頂ければ幸いでございます(*^-^*)

No title

F4の中でフェロモン担当のエロ門…じゃなかった、西門さん。
結構好きです♪

彼は絶対に見守るタイプではないけれど、このお話のちょっと切ない系の
総ちゃん(←え)もいいわあ。

個人的には、優紀ちゃんとの絡みが読んでみたいです〜。(何気におねだり)
優紀ちゃんと数年ぶりにバッタリ会って、綺麗になった彼女を見て、隣にいるBFに嫉妬して初めて彼女を特別な存在と認識するみたいな。笑

このお話も楽しかったです♪

ココリン様

私もエロ門さん…好きです(笑)

見守るフリしてちょっと狙ってる
焦れ系(?)総ちゃんも気に入って頂けて嬉しいです♪

おねだりもありがとうございます。
いつでも書くよ!なんて言えませんが
拍手コメでも見たいとおっしゃって下さる方もいたので
「総二郎×優紀」の妄想の種、
妄想畑にしっかり植えさせて頂きましたよんっ♪
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