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already in love 12

「おひゃよう…ごじゃいましゅ?」

オレの顔を見て間抜けな面で首を傾げる
こいつの手には歯ブラシが握られていた。


『already in love』  第12話


「いやいやっ。
 どうしてあたしのせいになるんですかっ」
そう言うこいつの頬が膨らんでいるのは
不満だからか、パンケーキを頬張ってるからか。

「あ?雑貨屋行くって言っただろうが。
 まさか忘れてたなんて言うんじゃねぇだろうな?」
「昨日の今日で忘れたりしませんよ。
 でも坊ちゃんが部屋に来たのって
 何時だと思ってるんですか?朝8時ですよ?
 何時だなんて約束はしてなかったにしても
 普通はお昼過ぎからだと思いません?」
「思わねぇよ」

まぁあれだ。
100歩譲って、あの時間は
少々浮かれすぎだったとしてもだ。
それにしたって昼過ぎはねぇだろ、昼過ぎは。

それなのにこいつと来たら…

オレが迎えに来てやってんのに
「とりあえずお掃除だけ
 終わらせてきますから待っててもらえます?」
なんて言い出したかと思えば
メイド服に着替えようとしやがった。

それを阻止し私服に着替えさせると
そのまま街へと連れ出せば
今度は朝食も食べてない、と騒ぎだす。

ならば何が食いたいのかと聞けば
行きたい店があると言うからついてきてみれば。

主役はパンケーキなのか、
それともそのパンケーキを埋める勢いで
バカみてぇに山盛りになったホイップなのか。
そこは定かじゃねぇが
とにかく何の冗談だとツッコまずにはいられない程の
謎の食べ物がこいつの前に運ばれてきた。

「はぁぁ…美味しい〜♡
 ここのパンケーキ食べてみたかったんです」
今の今まで文句を言ってたかと思えば
うっとりと蕩けた顔をする。

「…朝っぱらからよく食えるな」
「朝だから食べるんです。
 逆に坊ちゃんは食べなさすぎです。
 その大きな体をどうやって動かしてるんです?」

そう言う間も
パクパクと口に運んでいく姿を見ながら
こんなに食うくせに
抱き上げた時は軽かったな、とふと思い出す。

あの時は何とも思ってなかったが
軽さもさることながら、
肌の柔らかさにしてもオレとは全く違っていた。

食う物は違っていても
昨日までは朝から大口を開けて
食べ物を頬張る姿を呆れて見ていたはずなのに

「ガキかよ」
口の端に生クリームをつけるこいつにクッと笑い
自然と手を伸ばし親指で拭い取るとペロリと舐めた。

「げ。あま」
予想通りと言えばそうだが
砂糖をそのまま口に入れたような甘さにうんざりする。

そんなオレの仕草に
「きゃあ〜!」
と声を上げたのは目の前のこいつじゃねぇ。

大体の予想はついていたが
店内にいるのは店員も含めてほとんどが女だ。

オレは今さら気になんねぇから
シカトしていたがこいつは今さら
注目を浴びていることに気づいたんだろう。

周りの声に急に居心地悪そうに
店内をキョロキョロと窺ってから
気まずく姿勢を正した。

「…もしかしてずっと見られてました?」
「あぁ」

「でも見てたのは坊ちゃんですよね?」
「だろうな」

「なぁんだ、よかっ…」
まるで自分は関係ねぇとばかりに
ホッと胸を撫で下ろそうとするこいつに
とどめを刺してやる。

「そのオレの連れのお前は睨まれてたぞ」
「えっ!!」

オレと一緒にこんな店に来てるんだ。
こいつにそんな気がなかったとしても
普通に見れば、これはデートだろ。

「あぁ、どうしようっ。
 彼女でも何でもないのに。
 うわぁ。刺されたりしませんよね?」
余計な心配をしながら頭を抱えるこいつは
ふとオレをじっと見てくる。

「あ?何だよ」
「いや、やっぱり
 こうして改めて見てみると
 坊ちゃんってカッコいいんだなぁって?」
小さくため息をつきながら
突然放たれた言葉に一瞬思考が停止した。

別に自意識過剰でも何でもなく
オレがカッコいい事なんて当たり前で
カッコいいだなんて言われ慣れてるはずなのに
こいつに言われるそれは全然違う。

「な、何だよ…いきなり」
そんな素振りなんて見せた事もねぇくせに
実はこいつもオレに気があったのかと
ニヤけそうになる口元を隠そうと手で押さえた。

「昨日、優紀が言ってたんですよ。
 坊ちゃんもそうですけど、F4ってカッコいいって。
 ちなみに優紀は茶道部に入った事もあって
 坊ちゃんじゃなくて西門さんのファンだそうです」
そんな言葉に隠した手の下で口角が急激に下がった。

もちろんそれはこいつのダチが
オレより総二郎を選んだからじゃねぇ。

いわば、オレの勘みてぇなモンだ。

「…へぇ?
 じゃあお前は?」
聞かなきゃいいと思うのに
それでも聞かずにはいられない。

「あたしですか?
 んー…別に誰でもないんですよね。
 正直イケメンって呼ばれる人に興味なくて…」
困ったように笑うこいつに悪気がねぇのはわかっているが
さっきうっかり喜んだオレがバカみてぇだろうが。

「別に付き合えなんて言ってねぇだろ。
 4人の中で選ぶなら誰だって聞いてんだよ」
「えー?
 難しいなぁ……ん〜、じゃあ…」
散々悩んだ挙句に漸く選べたのか
オレをまっすぐに見たこいつの視線に
思わず息を飲む。

「…る、類さん?」

強いて言うなら、と選んだだけだ。
別に類がタイプだって訳じゃねぇ。

それでも、だ。

なんとなく照れてるように見えるのは気のせいか?

オレが目の前にいるんだから
別に誰でもねぇなら
とりあえずでもオレって言わねぇか?

またうっかり期待しちまったオレは
マジでバカだろうがっっ!

ブチッと頭の中で血管が切れる音がした。

椅子を後ろに倒す勢いで立ち上がり
会計を済ませていると
「へっ⁉︎坊ちゃん??」
慌ててこいつも追ってきたが
そのまま店の外へと出る。

「お前なんか
 類が相手にする訳ねぇだろっ!」
「わ、わかってますよ。
 別に付き合いたいとか好きとか
 そういうのじゃないですからっ!」

「当たり前だっ!」
「だったら何に怒ってるんですか?」

「怒ってねぇよ!」
「怒ってるじゃないですかっ。
 あ!あと自分の分払います、いくらでした?」

「マジでふざけんなっ。
 オレがんなモン受け取ると思ってんのか!
 財布なんて持ってきてんじゃねぇよ!
 てめぇなんか、さっきの女共に刺されちまえっ」
「やだやだっ!
 坊ちゃんのファンなんですから
 責任持って守って下さいよ〜っ!」
後ろを気にしながら腕にしがみついてくるこいつを
引きずりながら雑貨屋とやらに向かった。






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スリー★★★★★様

ククッ。
現時点でF4で一番仲が良いのは類くんですしね。
そうじゃなくてもつくしちゃんが
なんとなく類くんに惹かれるのはもうセオリー(((*≧艸≦)ププ

つくしちゃんには司くんが怒った理由はわからないでしょうね〜。
いつもの気まぐれくらいにしか思ってないかも( ̄▽ ̄;)?

雑貨屋さんまで行きたかったんですが
まとまった時間が取れなくて書いては消し、を繰り返してたら
結局全然進めませんでした(笑)
次回こそは雑貨屋さんデートを(・∀・*)!

私もあれからは連絡はしてませんが
読者はしてるから書いてよ〜って言ってましたし
充電完了したらそのうち戻ってきてくれますよ〜。
一緒にお帰りを待ちましょう(*´▽`*)
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