already in love 9

あれからというもの
やたらと邸に顔を出すようになったあいつらだが

「あ。明日皆さん来られるみたいですよ?」
自分のケータイの画面を見せたこいつの一言で
いつの間にかLINEまで交換していた事を今知った。


『already in love』   第9話


こいつは相変わらず
オレが初恋の相手だなんて気付く気配もねぇし
オレもわざわざ名乗る気もねぇし。

つまりはオレとこいつの関係は何1つ変わってねぇ。

「んな あからさまに嫌な顔すんなよ」
「冬休みにも関わらず会いに来てんだぜ?」
ククッと笑うこいつら。

確かにオレ達はガキの頃からずっと一緒だが
結局は個人主義で干渉はしねぇし
こんな風に用もねぇのに
互いの邸に出入りする事はなかった。

これまでも誰かの別荘で集まり
年を越す時もあったと言えばそうだが
逆に1度も会わねぇ年だってあった。

それが今年はと言えば
ガキでもねぇのに
クリスマスもここに集まっていた。

それも中心は何故かあいつだ。


「牧野は?
 今日は出迎えもなかったけどいないの?」
オレへの挨拶よりも先にあいつの姿を探すのは類。

「あぁ。今日はあいつ休みだとよ。
 なんかダチと約束があるとか言ってたか?」
昨日LINEを見せてきたあいつを思い出しながら答えれば

「だったら寝てればよかった」
なんて堂々と言ってから
ソファで横になる類はもちろんだが
口にはしねぇが面白くなさそうな表情を浮かべる
総二郎とあきらもオレよりあいつに会いに来てやがる。

「用がねぇなら帰ってもいいんだぞ?」
嫌味を込めてそう言ってやれば

「まぁまぁ。そう言うなって」
「別にお前が狙ってんなら取ったりしねぇからよ」
なんてそれぞれ両肩を組んでくる総二郎とあきら。

「あ?別にそんなんじゃねぇよ」
その腕を払い除けたが

「隠す必要ねぇだろ?」
「そうだ。むしろ協力してやるって言ってんだ」
ニヤけるこいつらは聞いてなさそうだ。

「だからって
 辞めさせようって訳でもないんでしょ?」
「……」
咄嗟に反応出来なかったのは
類がとっくに寝たと思ってた事もあるが
否定する事も出来なかったからだ。

「最近お前が優しいって喜んでたよ」
「別に…」
さすがに知っちまった以上は
今まで通りに悪態をつくにつけなくなっただけで。

「何だよ、やっぱそうじゃねぇかよ!」
「で?どこまでヤッた?」
また肩をガッチリ組んで
教えろと小声で聞いてくる総二郎とあきら。

「うっせぇな!
 そんなんじゃねぇって言ってんだろっ」

「なんだよ、司。
 何をそんなにイラついてんだ?」
「まさか喧嘩でもしたのか?」
思わず声を荒げたオレに
肩を竦めてソファへと腰を落とした。

それを見て
オレも落ち着こうと棚から駄菓子を手に取る。

「知らねぇよ。
 あいつの事考えてると無性にムカつくんだよ」
パッケージを開け口に運びながら言えば

「それって…」
「なぁ?」
総二郎とあきらが何か言いたげに顔を見合わせる。

「なんだよ」
言いたい事があるなら言えと続けるつもりだった言葉は

「牧野が何も覚えてないから悔しいんでしょ?」
類の言葉に遮られた。

「……」
「覚えてないって何をだ?
 それが喧嘩の原因なのか?」
聞いたのはあきらで
オレはまさかそこまで知ってると思わず
ただ類をジッと見ていた。

「司の初恋の女の子。
 それが牧野。でしょ?司」
クスッと笑いながら
あっさりと暴露する類に

「「マジかよ!」」
と身を乗り出しオレの顔を覗き込む。
だが2人はシカトして
オレの視線は類に注がれていた。

「…あいつが言ったのか?」
オレが気付いてねぇフリを続けているように
あいつもそうだったのかと思ったが

「うん?違うよ。
 牧野の部屋でウサギのぬいぐるみ見つけただけ。
 本人には聞いてないけど
 あれはお前が持ってたやつで間違いないと思うけど」
そんな答えに無意識に落胆した。

「気付いて欲しいなら言えばいいじゃん」
「…言えるかよ。
 別にだからどうこうって訳でもねぇし」

「…ふぅん?そうなんだ?」
「そ、そうだよ」
真っ直ぐ向けられる視線に
堪えられずフイッと逸らしちまった。

「ま。司がいいならそれでいいけどね」
そんなオレに何を言うでもなく
それだけ言うと徐に立ち上がる。

「本当は直接渡そうと思ってたんだけど。
 いないなら仕方ないから司、これ渡しておいて」
そう言って取り出したのは小さな小包。

「なんだ、それ」
そう聞いた総二郎に
「ん?プレゼント」
と何でもないように答えた。

「プレゼント…って何のだ?
 クリスマスもあげてただろ?」
あきらも不思議そうに首を傾げた

「誕生日プレゼント。
 牧野、誕生日なんだよ」
「…たん、じょうび?」
意図せず類の言葉を
そのまま反芻したオレに構う事なく類はさらに続ける。

「だから今日一緒にいるのも
 本当は友達じゃなくて彼氏かもね?」
「彼氏…?」

今日があいつの誕生日だって事も、
もしかしたらそういう相手がいるかもしれねぇ事も。

こいつらでさえ知ってるあいつのケータイの番号も。

一番近くにいるような気がしていただけで
実際はあいつの事なんて
何ひとつ知らない事に気付いて呆然となる。

「ねぇ、司」
「…あ?」

「今の気持ちそれが。答えなんじゃない?」
クスッと笑って言うと
「じゃあ渡しておいてね」
と念を押して部屋を出て行った。






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スリー★★★★★様

長年一緒にいた類くんなら
司くんの態度が変わった事くらい見抜きますよね〜(*´▽`*)

初恋は綺麗な思い出のままで…
なんて考えていた司くんなので
いざ目の前に現れたら戸惑うのも仕方ないし
つくしちゃんは覚えてくれてないしでモヤモヤでしたが
何も知らなかった自分に呆然とした時点で気付いてくれましたかね??

このつくしちゃん、
いつにも増して大変そうですよね( ̄▽ ̄;)
思い出してくれたら早そうですが
司くん、自分からは言いたくないだろうし…

さぁどうするんでしょ(・∀・*)?

 

ka★★★様

今回もやっぱり
つくしちゃんに近い位置にいる類くんなので
初恋の相手だという事まで見抜いてました(*^^*)

あきらくんと総ちゃんは司くんが
珍しく女の子に興味持ってるくらいに思ってたと思いますが
初恋の相手と聞いて納得しましたかね〜( *´艸`)クスクス

今回のつくしちゃんは英徳じゃないので
お友達と言っても範囲は広そうですようね〜♪
誕生日を祝ってる相手、誰にしましょう?(((*≧艸≦)ププ
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