魔法の言葉 3

守りたかった牧野が行方不明な今、
オレがババァの言いなりになって
NYに留まる必要はなかったが、

出国した記録が見つからない以上、
日本に帰る気にはどうしてもなれなかった…。


『魔法の言葉』   第3話


牧野が行方不明になって1週間。
屋敷にいるのも息がつまりそうで耐えられないオレは
類のマンションに転がり込んでいた。

まさか類とルームシェアする事になるなんて思ってなかったが
気軽に言葉を交わすような気分なんかになれず…

お互いオレは類に、類はオレに
言いたい事も聞きたい事もあるハズだが
それを口にする気力もないほど

オレは『あの時、もっとしっかり牧野を引き留めていたら…』と
類は『1人で行かせずに付き添って来るべきだった…』と

それぞれが自責の念に押しつぶされそうになっていた。


「おいおい…葬式でもやってんのかよ…」
「総二郎、それ今は冗談になんねぇから。
 命が惜しかったらそういう事言うのはやめとけ」

事情を聞きつけてこっちに来た総二郎とあきらは
オレと類の沈みっぷりを見てうんざり顔で話す。

「大丈夫だよ!つくしは殺したって死んだりしないよ!」
「そうですよ。そんな人ならとっくに死んでるくらい
 今までだっていなくなってはひょこっと帰って来てるんですから」
と滋と三条がオレと類の肩をパシっと叩く。

「とりあえず。1週間って時間を考えると
 つくしの所持金から見てもホテルとか宿泊施設は微妙だよね」
と滋は探偵よろしくマップを広げて施設に×印を付けていく。

「そうだな。誰かと一緒だとしても
 あいつの名前から割り出すのは難しいな…」
「普通に考えりゃ拉致とか犯罪に巻き込まれてる線が有力なんだが…」
総二郎の言葉にオレと類が同時に無言で蹴りを入れる。
「ってぇな!可能性の話だろ!」

そんな事言われなくてもわかってんだよ。
それでもその“もしも”を考えるだけで胸が押し潰されそうになる。

ただ…。
これだけ探して出てこねぇ理由もわかんねぇが
オレの直感じゃあいつは無事だと思えてならねぇ。

…つーか、そうじゃねぇと困るんだよ。

おそらく類も同じような考えなんだろう。
滋の広げるマップを見ながら考え込んでいる。

その時、オレのケータイが鳴って
全員がオレを見る。

オレも慌ててケータイを見るが
「わり。タマからだ…」
そう言うと、ガッカリしたようにまたマップに視線を戻す。

オレもため息をついて電話に出る。
タマは毎日のようにかけてきては
とりあえず屋敷に戻れとそればっかりだった。

「…なんだよ。タマ。
 紛らわしいタイミングでかけてくんじゃねぇよ。
 何度小言を言われようが、そっちには戻らねーぞ」
面倒くさそうに決まり文句を言って切ろうとした所で
オレの手が止まる。

タマの電話の用事は、屋敷に戻れなんて事じゃなくて

質屋に土星のネックレスを売りに来た男がいたらしく、
鑑定した店主が道明寺家のオーダーメイドだと気付き、
もしかして盗品ではないのかと問い合わせがあったらしい。

「そいつを絶対逃がすな!」
それだけ言って電話を切ると
オレはタマに教えてもらった質屋に急ぐ。

オレが急に走り出した事で
あいつらも慌ててついてくる。

「おいっ司!どこ行くんだ!」
「詳しい話は後だ!とにかく誰か車出せ!」
「滋ちゃん家の車待機させてるよ!地下の駐車場!」

滋の言葉を聞いてオレ達は
駐車場に急いで、車に乗り込んだ。




いつも応援ありがとうございます♡
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

ご覧頂きありがとうございます♪
*カウンター*
 
*現在の閲覧者数*
komaの呟き。
最近ふとした
きっかけで
落書きにどハマり中♡
 
おかげで執筆が
進みません…(笑)
 
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
素敵サイト様
*素敵なイラストなど♪* 管理人 まま様

*二次が生んだ二次作家様*
管理人 aoi様

*CP自在のファンタジスタ* 管理人 asuhana様

*イケメンイラスト&二次小説*
管理人 やこ様

*長編大作の巨匠様* 管理人 こ茶子様

*胸きゅん♡つかつく* 管理人 Happyending様

*カッコ可愛いつくしちゃん*
管理人 四葉様

*切なくも甘いつかつく*
管理人 きぃ様

*シビれるッ!つかつく♪*
管理人 lemmmon様

*とにかく司を愛する作家様*
管理人 蘭丸様
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる