Rainy Day 22

飯も食い終わって
散歩に行こうと言うオレを無視して

あいつは何故か使い終わった
食器を洗いだしやがった…。


『Rainy Day』   第22話


「そんなの放っておきゃいいだろ」
そう言うオレをキッと睨みつけて

「誰もいないのに、このままになんて出来るわけないでしょ。
 時間が経ったら汚れも落ちにくくなるんだからっ!」
そう言いながら手際よく洗っていくこいつ。

飯食ってる時はこの後の事を考えてか
なんとなく固い表情をしてたくせに
動いてる方が緊張が解けんのか生き生きしている。


洗い終わってこっちに戻ってきたこいつの手を取って歩き出す。
「ちょっ…」
牧野は慌てて手を引こうとするが離すかよ。

「別にいいだろ。これくらい」
逆にグイッと引っ張って詰め寄ってやると
こいつはちょっと頬を赤くして視線を横にそらす。

お前は何とも思ってねぇ男にこんな事されたら、
平気でグーで殴ってくるような女だ。

困った顔しながらも
オレの手を振り払わねぇって事は
やっぱりオレが嫌いってワケじゃねぇんだろ?

だったらオレは迷わねぇよ。
お前が少しでもオレの事が好きなら
手加減なんかしねぇ。
全力でお前を捕まえてやる。


こいつの小せぇ手を引きながら
コテージの桟橋なんかを適当にぶらぶら歩く。

考えてみたら
お前とこうやって手をつないで歩いたことなんて
ほとんどなかったかもしんねぇな。

「…なんか降ってきそうだね」
ずっと黙り込んでいた牧野の言葉につられて
空を見上げると確かに雲行きは怪しい。

「コテージもすぐそこなんだから
 降ってきたらそん時戻りゃいいだろ」
なんて言ってはみたが

いくら梅雨時期だっつっても
こんな時に降るなんて
なんとなく不吉な気がして落ち着かない。

そんな事を考えつつ歩いているうちに
昼間にも来たビーチにたどり着く。

「夜は夜でなんか幻想的だね。
 晴れてたら月なんかも出てるんだよね…見たかったな」

「また来ればいいじゃねぇか」
オレの言葉に
「…うん。またいつか、ね」
と、気のない返事をした牧野は
昼間と同じように遠くを見ていた。

昼間もその顔を見て思った事がある。
その時は言わなかったが…
これを言わねぇ事には先に進まねぇからな、オレ達。

「お前…今オレのいねぇ未来の事考えてんだろ?」
オレの言葉にハッとしたように顔を上げるコイツ。

「で?どうだったよ。オレがいねぇ未来は。
 お前は他のヤローと幸せに暮らしてんの?」

「………」

「オレにはそう思ってるようには見えなかったぞ。
 考えるだけでそんな顔するような
 つまんねぇ未来なんか選ぼうとしてんじゃねぇよ」

そう言ってオレは俯いちまったこいつを
逃がさねぇようにそっと抱きしめる。

「オレはお前が好きだ。
 そんなつまんねぇ未来より…オレを選べよ。
 そしたらオレが幸せになるついでに
 お前もオレと同じくらい幸せにしてやる」

黙り込んまま何も答えねぇ牧野。
そして、とうとう雨がポツポツと降り出した。




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