Rainy Day 12

「ふぁぁぁ…」

結局2時間ほどしか眠れなかったあたしは
午前中から欠伸が止まらなかった。


『Rainy Day』   第12話


まったく。月曜から欠伸なんてどんな秘書だ…。
そう思ったそばから
また欠伸がこみ上げてくるからどうしようもない。

「ふぁぁぁぁ…っと。いけない、いけないっ」

「まーきの?俺の分の空気まで吸うつもり?」
そう言って欠伸をするあたしを覗き込みながら
声をかけてきたのは由美と道明寺HDに行っていた類。

「へ?あ、ごめんなさい!勤務中に…。おかえりなさい」
と慌てて口を抑えて頭を下げる。

「別に欠伸くらいいいけどさ。
 なんなら今日は仕事なんてやめて一緒に昼寝でもする?」
そう言ってクスクス笑う類。

「いいえ、お気遣いなく。
 今日も眠気が吹っ飛ぶくらいの仕事があるので大丈夫です」
と気合いを入れなおしてから、類に書類を渡す。

その書類を見た類はわざとらしく欠伸をするフリをするので
「眠気覚ましに濃いめの珈琲です。ガムもありますよ?」
とあたしはすかさず珈琲を差し出してにっこり笑う。

類はあたしが先読みして用意してあったのを
面白くなさそうにため息をついてから
その珈琲をじーっと見て

「…そう言えば。牧野、あんた昨日司と会ってたりする?」
そんな事を言いだす。

「いえ。タマさんには会いましたけど…。ってそれがなにか?」
あたしが首をかしげると

「司も寝不足だとか言って濃い珈琲飲んでたからさ。
 今日は高木に任せてあんたついて来なかったし
 仲良く寝不足になるような事でもあったのかと思っただけ」
そう言ってからかうように笑う類。

「もうっ。昨日はつい遅くまで本読んじゃっただけなんだからっ。
 あいつは知らないけどどうせ寝る間もないくらい忙しんでしょっ。
 くだらない事言ってないで、早くそれ片づけて下さいっ」
そう言ってあたしは書類をパンっと叩く。

はいはい。とか言いながら渋々書類に手を付け始める類を確認して
立ち去ろうとすると、

「真面目な話、あんた顔色悪いよ?
 コレ終わったら声かけてあげるから
 仮眠室行ってちょっと休んできな。これ業務命令だから絶対だよ。
 そしたら今日も遅くまでその本読めるでしょ?」

「…?うん。ありがとう…ございます?」
あたしは類が言った最後の一言の意味が
その時はわからなかった。




だけど夜になって、その言葉の意味を知る。


「…もしかして、類ってば気付いてたのかな」
そう呟くあたしの目の前には窓の外に降る雨。


あたしが雨の日の翌日は寝不足になってるなんて
いつから知ってたんだろう…。
そんな事いくら考えても答えが出るはずもなく。

いつだってそうだ。
類は飄々としていてつかみどころがないけれど
ぼーっとしてるようでも洞察力は誰よりも鋭い。
そしてそれを悟らせる事なくさりげなくフォローしてくれる。

あたしも前の会社も入れれば秘書として働き出して3年。
上司や得意先の人をよく観察して、
その人に求められてる事、これから求められる事を
先回りして動くことを心がけてはいるけれど。

やっぱり、類には敵わないな…。


「ふふっ…素直に甘えさせてもらおう」
独りごちてから本を取り出して読み始めた。


深夜1時をまわった頃、
読んでた本の物語も佳境に入ろうかとしていた、その時。


隣に置いてあったケータイが鳴り出した。




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