Rainy Day 11

道明寺と会ってから一週間。

あれから3回ほど道明寺からの着信が入っているけど
あたしがその電話をとることはなかった。


『Rainy Day』   第11話


1回目と2回目の着信は
手元にケータイを持ってなかったりで後から気付いた。

3回目の着信は家にいる時で
気付いたんだけど、どうしようか迷ってる間に切れた。


『あの頃と同じで結局お前が好きなんだよ』

道明寺の言葉が迷惑だったわけじゃない。

…嬉しかった。

てっきり憎まれていると思っていたのに
あいつがまだあたしを好きだと言ってくれた時も、
あいつのお母さんがあたしを認めてくれたと言った時も、
あたしの心臓はバカみたいに高鳴った。

でも…。
あいつと付き合えない。
あたしにはそんな資格はないんだから。




とある日曜日。タマさんとお茶する約束をして
喫茶店で待ち合わせをしていた。

「遅くなったね。待たせたかい?」
「いいえ!少し本読みたくてわざと早く来たんです
 今この作家さんの小説にハマっちゃってて…」
本を片づけながら言うとタマさんはあたしの向かいに座る。

NYでの土産話を聞いたりしながら
しばらく話していると

今まであいつの話なんか1度もしなかったタマさんが
「あんた、坊っちゃんと付き合えないって言ったらしいね?」
なんて突然言うから、もう少しで珈琲を吹きそうになるあたし。

「いきなりそんな話題ふらないでくださいよ、もう…」
あたしの文句なんか聞く耳も持たずに

「あんた、今他に好きな男でもいるのかい?
 あれかい?花沢の坊っちゃんが好きなのかい?」
「まさかっ。類は友達です」
と否定する。

「じゃあ誰だい?」
とタマさんの瞳の奥が光る。


ここで適当にごまかせれば楽なんだろうけど、
タマさん相手にバレバレな嘘をつく気にもなれない。
だからって素直にあいつが好きだとも言えなくて
「誰でもないです…」
と小さく呟く。

だけどタマさんはあたしのそんな気持ちも見透かすように
「未だに雨の日はあの時を思い出して眠れなくなるほど
 坊っちゃんを想ってるくせにあんたは本当にバカだよ。
 どうしてもう少し自分に素直に生きられないかね…」
とため息をつく。

そして
「あんたはいつも余計な物を背負込みすぎなんだよ」
と杖で頭をポンと叩いた。

タマさんの言うとおり
何も考えずにあいつの胸に飛び込めたら、とは思う。
でもやっぱり、これがあたしなんだからしょうがない。

「杖で叩かれるのも久し振りかも…」
タマさんに叱られるのも久し振りで
懐かしくなってクスッと笑ってごまかすあたしに

「まったく。しょうがない子だよあんたは。
 まぁでもあんたがどうだろうと
 坊っちゃんは簡単に諦めないだろうからね。
 あたしゃじっくり見物させてもらうとするよ。」
タマさんもため息交じりに笑う。


その日の夜。

お風呂から上がってきたあたしはため息。

「あ~…降ってきちゃったか」
外を覗かなくても音でわかるくらいの雨。

ただでさえタマさんと話した事を思い出しちゃってたのに。
今夜はとても眠れそうにないな…。

そう思ったあたしは、ベッドに潜るのを諦める。
引き出しからiPodを取り出してイヤホンをして
ソファに腰かけて読みかけの本を読んで
限界まで眠気が襲ってくるのをひたすら待つことにした。






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