Rainy Day 10

「類と喧嘩でもしたんでしょ?」

こいつが超絶鈍感女だって事をすっかり忘れてた。
オレの気持ちがわかった上で連絡してきたのかと思って
もう少しで抱きしめちまうとこだったじゃねぇか。


『Rainy Day』   第10話



「ちげーよ。バカ」
ため息をついて脱力しながら答える。

「え?違うの?」
そう言ってきょとんとする牧野。
「ガキじゃねぇんだ。喧嘩なんかすっかよ。
 仮にしたとしても仲裁なんて頼むわけねーだろ」
そう言いながらこいつの額をはじいてやる。

痛いとか言いながら額をさすっていた牧野は
急に真面目な顔をして

「じゃあやっぱりあたしに文句があって呼び出しの?」
なんて意味わかんねー事を言いだす。
「あ?なんだよ、文句って」
「あの雨の夜の事…怒ってるんでしょ?それとも恨んでる?」
あいつは不安そうに言う。

「はぁ…。怒っても恨んでもねーよ。
 そもそもあれはお前が悪いんじゃねーだろ」
オレが言うと、
「だけど…あんたを傷つけたのはあたしだよ。
 あの時、たとえ結果は同じだったとしても
 もっと違う言い方もあったかもしれないのに。
 ごめんね…。ずっとちゃんと謝りたかったの」
そう言うこいつは、苦しそうだった。


何もかもを捨ててでも欲しいと願ったお前に捨てられたんだ。
確かにあんなに傷ついたことは後にも先にもねぇ。

あの時、お前が言うように
怒ったり恨んだりできればまだ楽だったかもしれねぇ。

お前を憎んで、嫌いになれたらどんなによかったか。

でも無理だった。
オレはどうしたってお前を求めずにはいられねーんだ。


「過去の事はもういい。これからの話をしようぜ」
オレが言うと、こいつはまた首をかしげる。

「これから?今日何かあんの?」
そう言ってあいつは時計を確認してる。

もう21時過ぎてんじゃねーか。
こんな時間からどっか行くわけねーだろ?

鈍感も大概しろっつーの。

「今からじゃなくて、これから先の話だ、バカ。
 さっき言ったようにオレはお前を恨んだりしてねぇし。
 それどころかあの頃と同じで結局お前が好きなんだよ。
 だから、オレと…」

「ちょっと待って」
急にオレの言葉を遮ってくるこいつ。
「…なんだよ」

「あたし…あんたとは付き合えない」
静かに言う。

こんな時だけ勘働かせてんじゃねぇっつーの。

「ちゃんと言う前に断ってんじゃねぇ。
 そんで付き合えないってどういう事だよ。」
不機嫌に言うと

「だって…あんたのお母さんとも約束したし
 それに…」

「そのババァがお前を認めてんだよ」
今度はオレがこいつの言葉を遮る。

「え…なんで…」
「あのままだったらオレが後継者としてダメになったとか、
 お前が優秀な秘書になったとか、
 ぐだぐだ言ってたが、この際それはどうでもいい。
 とにかくオレ達の間に障害なんてもうねぇんだ」
オレが言うと、あいつはしばらく黙り込む。

お前がそんな顔して黙り込む時は
決まってろくな話はしねぇんだ…。

そんなオレの予感を裏切る事なく

「それでも…あたしはあんたと付き合えない」

あいつはオレをまっすぐ見てそう言いやがった。




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