SPECIAL THANKS 45

起きる気配のねぇ牧野を抱き上げ
ベッドルームに運んでみれば

水族館で買ってやったペンギンが
枕の横に置かれていた。


『SPECIAL THANKS』   第45話


ベッドに降ろしてやれば
ごそごそと位置を調整して当たり前のように
ペンギンへと腕を伸ばして抱きしめるこいつ。

「……チッ。幸せそうな顔しやがって」
ため息交じりに愚痴りながらも
顔にかかる髪をそっと耳にかけてから撫でた。

わざわざ拷問のような夜を選ばず
せめてゲストルームを使う選択肢もなくはねぇが
それでもそばを離れられねぇんだから仕方ねぇ。

「ふぅぅ~」
覚悟を決めるようにもう一度深く息を吐いてから
ベッドへと潜り込んだ。



「………」
眠れるとは思ってなかったが
いつの間にか眠ってしまっていたらしいオレが
目が覚めた時には窓の外はうっすらと明るくなっていて
時計を見ればまだ6時前だった。

それはいい。
問題なのはそこじゃねぇ。

オレの腕の中にいたはずの牧野が
どうしてペンギンに変わってるんだ?
そしてベッドの上にいねぇ牧野はどこに行った?

寝起きでいまいち回らねぇ頭で考えながら
とりあえずペンギンを突き放すとベッドルームを出た。

するとキッチンで作業をしてる牧野の後ろ姿を見つけ

「…こんな早くから何してんだ?」
そう声をかければ
「あ。おはよう」
なんてのん気な顔で笑う。

「他に言う事ねぇの?」
後ろから抱きしめながらわざと低めの声で言ってやれば
「…あ、はは。ごめん
 いつの間に寝ちゃったんだろう…ねぇ?」
なんてバツが悪そうに笑ってごまかしてやがる。

「我慢できねぇっつったのによ
 勃ちすぎて痛くてしばらく眠れなかったぞ」
「……」
オレのストレートな言葉に真っ赤になってるこいつが可愛くて

「今からするか?」
そう聞いてみたが
「ダメ。時間ない」
とあっさりと却下してきやがる。

「チッ」
舌打ちをしながら視線を流した先には
いくつかおかずが作られてあって
その脇には弁当箱が…2つ。

「…なぁ。オレの分も作ってくれよ」
「え?あんたもいるの?」

2つ目の弁当箱がオレのじゃねぇのはわかってた。

「類だけずりぃだろ」
ムッとして言えば
「あー…知ってたんだ?」
と気まずそうに笑う。

「あいつ 自慢げに写真送ってくんだぞ」
「えっ!?」

何の真似だと電話をすれば
『うん?ただの自慢。美味しそうでしょ?』
なんて電話の向こうで笑いを堪えながら返してきやがって
言葉通り、ただの自慢ついでの嫌がらせだと悟った。

ガキかよっ…!!
そう思いながらもまんまとイライラしてる自分も情けなくて
オレの分も作ってくれとなんとなく言えずにいた。

「…ねぇ。すごい怖い顔してるけどほんとにいるの?」
気が付いたら牧野が
怪訝そうな顔でオレを見上げていた。

「当たり前だろ。
 それともお前、類には作ってオレには作ってくれねぇの?」
「いや、2個も3個も変わんないから別にいいけどさ」
そう言うと戸棚を開けて
いくつかある弁当箱の中から1つをとった。


その後、牧野が弁当と朝食を作ってる間に着替えをすませ
朝食をすませると今度は牧野が身支度を始めた。

それも終わると
「はい。これ道明寺のね」
と弁当の入った小さな鞄を渡してくる。

「サンキュ。…なぁ、もう少し時間あるか?」
受け取りながらそう聞けば
「…えっと、ん~…。
 寝ちゃったのはほんとに悪かったけど…無理だよ?」
真っ赤な顔でナニか勘違いしてるこいつ。

「ククッ…。
 シてぇのは否定しねぇが違ぇよ。
 ……これはやっぱりお前に持ってて欲しい」
そう言ってポケットから取り出したのは
土星のネックレスと婚約指輪。

「改めて言うぞ。
 何年も待たせて悪かった。
 たくせん傷つけて悪かった。
 それでもやっぱオレはお前しかいねぇから
 …結婚してくれ。オレのそばにずっといてくれねぇか?」
オレの言葉を瞬きも忘れたみてぇに
じっと聞いていた牧野はじわっと涙を浮かべながら

「仕方ないなぁ、もう」
と困ったように笑って頷いてくれた。



 
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の★★様

ククッ(((*≧艸≦)
どうしようか迷いながらも
直球ストレートでいってみました♡

ツッコミが入るか否か…ドキドキワクワクですね(笑)

 

スリー★★★★★様

他の部屋や、まして自分の部屋に戻るくらいなら
拷問でも抱きしめて眠る方を司くんは選びますよね(○>艸<)

ガキくさいけど
司くんには効果覿面の嫌がらせ(笑)
いくら自分は晩ごはん一緒でもおそろいのお弁当を
広げて食べてる所を想像してはムカついてたはずです(((*≧艸≦)ププ

とりあえずはプロポーズから♪
なんかもうイチャイチャされると
つくしちゃんはもう花沢のままでもいいじゃん?
なんて面倒くさくもなってきてたりしてるんですが
やっぱそういう訳にもいかないのかな~って
〈fin〉の打ちどころを探してます(^皿^)

No title

もう〜、許された途端に俺様ですね(笑)
類君と仲良く(中身)お揃いの手作りお弁当食べてるシーンなんか想像して、ヤッキモキ!してたことでしょう(笑)
でも、司君から、つくしちゃんを奪うことは、しなくても、まぁ〜だ怒っているだろう類君に、つくしちゃんの許可なく転職(?)引き抜き(?)……
JUJUは、つくしちゃんから、花沢を辞めるって言わせたらね(笑)くらいで、いいと思うけどなぁ〜
直ぐに許すな!類君!(今更、何だJUJU)

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JUJU様

ふふっ。
やっと司君らしさが出せましたよ( *´艸`)

類君の嫌がらせにも黙って耐えてたわけですから(笑)
彼氏になった途端こんな感じです(* ̄∇ ̄*)

おや?
JUJUさんなら
「そろそろ類君引っ込んで。お疲れ!」
って感じだと思ってたのに( *´艸`)
類君応援しちゃうとは意外だぁ♪

 

さと★★★様

ふふっ。
ベッドでペンギン抱きしめて眠ってる司を
想像したらちょっと萌え、だったので(* ̄∇ ̄*)

直球ストレートが
ツボった方がここにも1人💕

見捨てられない程度に
グイグイ行ってますね~(笑)
あら、さと★★★さんの方が先に限界(*`艸´)?

そうなんですよ~。
今夜をどう生転がすかですよね…

…って
生転がす前提で考えてるkomaです(´ω`)
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