SPECIAL THANKS 18

「すんません。お待たせしてしまいました?」
「いえ。こちらこそ急で申し訳ありません」

京都の料亭で待つ事、30分。
おっさんが柔和な笑顔を貼り付けて入ってきた。


『SPECIAL THANKS』   第18話


あきらから貰った番号に
さっそく電話をかけてダメ元でアポを取れば
思いの外早く会う約束を取り付けられた。

「で?道明寺の坊っちゃんが
 わざわざ出向いて来るやなんて何の用でしょうか?」
人当たりのよさそうな雰囲気のままだが
その瞳は笑ってねぇ。

「まだ先の話で
 本人にも話さえ出来ていませんが
 いずれ牧野をうちに引き取りたいと考えています」
世間話なんてする気もねぇしさっそく本題に入る。

この間牧野に会いに行ったばかりで
あいつとの距離だって埋まってねぇこの状況で
何を言ってると思わなくもねぇが

それでもこの距離だけはどうにかしておきたい。

とはいえ、牧野本人の意思を無視してる以上
すぐにどうにかできる問題でないのもわかってる。

そんなオレに黙って視線を向けていたおっさんは
やはりと言った様子で小さく笑うと

「…申し訳ないですけど、
 そういう話ならお断りしますわ。
 牧野は欠かす事の出来ん存在ですから
 おらんようなったら困ります」
そう予想どおりの返事を返してきた。

「それは上司としての言葉ですか?
 それとも……個人的な言葉ですか?」
挑むように睨みつけながら聞けば

1つ息をついて足を崩すと
「…お互いカッコつけんのやめて腹割って話そか」
とニヤリと笑う。

その言葉にオレも足を崩せば

「まず、さっきの質問の答えは両方や。
 優秀な部下を手放すほどアホやないし、
 個人的にもつくしに惚れとる」
堂々と言うおっさん。

「親子ほど歳の離れたあいつを
 愛してるとでも言うのかよ?」
「まぁ、そやな」

「だったら離婚するくらいの覚悟を見せたらどうだ?」
「そんな事つくしは望んどらんやろ。
 俺がつくしのために離婚した言うて、あいつが喜ぶ思うか?」
ククッと笑うおっさんが余裕に見えてカッと血が上る。

「ふざけてんじゃねぇぞっ!
 妻がいながらあいつとも別れねぇだなんて
 男として卑怯だとは思わねぇのかよっ!
 あいつは…あいつには日陰なんて似合わねぇんだよ…」

怒りといらつきしかなかった
オレのこのどす黒い世界にさえ
あいつは光と温もりを与えてくれた。

それを手放したのはオレだ。

もしも牧野が本気で惚れてるという男と
今幸せに暮らしてたとすれば
オレは諦めるべきだったのかもしれない。

だが、そうじゃないなら。
つけ入る隙が1ミリでも残っているなら…

するとおっさんは深く息をつくと
「俺が卑怯やいうとこは認めるけどな。
 その日陰につくしを追い込んだんはそもそもあんたやろ?」
そんな言葉を投げてくる。

「悪いけど調べさせてもらったわ。
 つくしの能力ならわざわざ
 親元離れてこっち来んでもよかったはずや。
 実際、内定まで決まってたんを蹴ったんはそっちやろ?
 ま。そのおかげで俺はつくしと出会えたんや。そこは感謝せなな」

「道明寺HDに不満があるわけやない。
 でもな…俺が気に入らんのはお前や。
 つくしを苦しめた男に渡すわけにはいかんやろ」 

わかってる。
オレの言い分は全部自分の勝手ばっかで
正しいのはこのおっさんだ。

「こっちだってすぐに理解してもらえるなんて
 そんな都合よくは思ってねぇ。
 だからこうやって長期戦覚悟で今から動いてんだろうが」

「はぁぁ…。
 お前の覚悟なんか知るかい。それにな、
 何事も遅すぎる事はない言う奴もおるけど
 世の中、取り返しのつかん事もあると思うてる。
 俺はお前も後者やと見とるけど…諦める気はなさそうやな?」

「諦めるくらいなら死んだ方がマシだな」
そう言いきったオレを
しばらく黙って見ていたおっさんは

「…気のせいか思うてたけど
 やっぱこないだ会った時と
 なんやえらい雰囲気変わったな?
 いけ好かんとこはそのままやけど…おもろいな」
「あ?」

「まぁええわ。
 どっちにしても諦める気ぃないんやったら
 堂々と正面きってかかって来たらええ。
 電話はわかるな?
 会社も受付で言えば通すように言うといたる。
 お前の好きな時に来い。いつでも相手したるわ」
ククッと笑いながら言うと立ち上がり

部屋を出る前に振り返ると
「ほな またな。クソガキ」
不敵に笑いながら部屋をあとにした。




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No title

クソガキについては、その通り!
お前が、悪い!おととい来やがれ!だけど……
ここに来て、このオッサンは何なの?と、モヤモヤするJUJUです(笑)
クソガキは、今しばらく痛い目に遭えば良いけど、つくしちゃんには、楽しいことめじろ押しが、良いのよ〜
オッサン、変なことに、私のつくしちゃんを巻き込まないでね!(笑)

 

の★★様

いえいえ。
私もそのどっちかで迷ってました(笑)

komaの中では類くんと西田さんは
何を知ってても不思議じゃないキャラなので(○>艸<)
突然久我さんの前に現れるのも全然アリでした♪

久我さんが独身だったら…
ほんとに強敵どころの話じゃなかったです(>_<)

 

スリー★★★★★様

ワケありだって事は知ってるので
そりゃあここで会わせたりはしないですよね(^^;)

ふふっ。
久我さんはちょくちょく気になる言動をしますよね。
愛してるのかと聞かれて否定しない久我さん。

ウソは言ってません♪
久我さんの言葉の端々には
その心中に抱えている物のヒントも隠れたりします。

そうですね。
司くんが何をしたかは知ってても
記憶喪失だった事までは知りません。

なので面白いと思ったのかも?

とにもかくにも、
久我商事へのパスを手に入れた司くん。
活動の幅が広がりました(笑)

 

澪★★★様

4年NYで頑張って
道明寺HDの後継者として立派に成長はしていても
まだまだ久我さんには敵いませんねぇ(^^;)

でも何かを感じた久我さんは
チャンスも与えてくれたので
「おっさんvsクソガキ」は続きそうです(笑)

ふふっ。
関西弁、クセになってきました?
嬉しいです(*^^*)

 

さと★★★様

久我のおっさん、
なかなかいい仕事しますでしょ♡

電話をかけてきたのは司でした。
今回ばかりは力技でつくしちゃんを
道明寺に連れ戻すだけじゃダメですからね。

ちゃんと認めさせてからじゃないと♪

「惚れとる」宣言。
ちょくちょく妻帯者としてはちょっと…な
言動を繰り返す久我さんですが…

その理由の予想…いい線いってます( *´艸`)ドキドキ


久我さんvsクソガキ。
初戦は久我さんの完全勝利ってとこですかね?

今回は
記憶喪失だった事までは知らない事にしてます。
だからこそ久我さんには
坊っちゃんがよりクズに見えてるわけです、はい♡

道明寺の坊っちゃんなんて
呼ばれたのも久々だったでしょうねぇ。
今度からはクソガキ呼ばわりされますがっっ(○>艸<)

 

JUJU様

あははっ。
久我さん気になってきました(^^)?

奥さんいるくせに
ちょくちょくセクハラ紛いな事してますからね(笑)
もちろんただのエロ親父ではないですが
だからこそつくしちゃんへの想い入れが強いんです。

大事に想ってる事に変わりはないので
つくしちゃんを苦しめるような事はしません♡
ご安心くださいませ(*^^*)
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