残り物には福がある 25

「お返しは奮発してよね♪」

なんてケラケラ笑う滋は
渡すものを渡したら用は済んだとばかりに
2人の腕を引っ張りながら奥へと移動した。


『残り物には福がある』   第25話


期待してたようなデートじゃなかった上に
これじゃほぼ別行動じゃねぇかよ。

そんな事を思いながらも
オレらから離れた席で
楽しそうに笑ってるあいつに視線をむけていると

「デートの邪魔して悪かったよ」
とあきらがククッと可笑しそうに笑う。
「で?いつから付き合ってんだよ。
 この間会った時はまだそんな感じじゃなかったよな?」
総二郎の言葉に心の中でため息を漏らす。

「付き合ってるの?」
追いうちをかけるように聞いてくるのは類。

「そりゃそうだろ。
 司だぞ?片思いなんてしねぇだろ」
「そうだぞ、類。
 女くらい速攻オトしてるっつーの」

「……」
耳が痛ぇ。

確かに今まで付き合った奴はそうだったかもしんねぇ。
でもそれは本気じゃなかったからだと今回気付かされた。

っつーか、
そもそもが自分から告った事がねぇのに気付いたのが最近だ。
これまでは告ってきた奴の中で
別にいいかって思った奴と適当に付き合ってただけで
当然そんな付き合いは長くも続かなかった。

「ねぇ、付き合ってるの?」
黙ってやり過ごそうと思ったオレを
覗き込んでまで聞いてきやがる類。

「しつけーぞ、類」
「司ぁ、もったいぶってねぇで
 サクッと交際宣言しちまえよ」
とゲラゲラ笑うあきらと総二郎。

「……付き合ってねーよ」
視線をそらしながらボソッと呟けば

「ほらみろ…
 って、はぁっ!?今何つった?」
「マジかよっ!!何やってんだ、司っ」
ガバッと身を乗り出して聞いてくると同時に


「ウソでしょっ!?」
「意味がわからないんですけどっ」
なんて滋と桜子の声が聞こえてくるあたり
女どもの話題もこっちと同じらしい。

ただ違うのは
オレとあいつの反応だ。

苦々しい表情を浮かべてるであろうオレに比べ
あいつは大声を出した滋たちに
ただただビックリしてでっけぇ瞳をパチクリと瞬いている。

総二郎とあきらも
女どもの方に向けていた視線を
ゆっくりとオレへと戻して訝しげな顔をする中で

「やっぱりね」
類だけがクスッと笑ってやがる。

「お前はどうなんだよ、類」
その態度が余裕に見えて
オレとあいつが付き合ってねぇと
わかってたとでも言いたげな態度がひっかかる。
「んー…何が?」
オレの言葉に真顔に戻るこいつは
わかってて聞いてるに決まってる。

「決まってんだろ。
 見合いを黙認してんだ。
 それこそ付き合ってるとは思ってねぇが
 どうなんだよ。……あいつが好きなのか?」

思わぬ話の展開に
総二郎とあきらは様子を伺うようにオレと類を交互に見る。

そんな緊張感の中、類が小さく息をつく。

「好きだよ?」
「…っ!」

「…友達として、だけどね」
「は?」

「あ。でも…
 前にちょっと付き合ってた時期もあったかな?」
「あっ!?」

「…プッ。
 ウソに決まってるでしょ?」
そこまで言うと
もう我慢できないとか言いながら腹を抱えて笑いだす。

それを見た総二郎たちは
類がオレをからかっただけだと理解して

「じょ…冗談ならもっと冗談っぽく言え!」
「まったくだ!
 無駄な修羅場作ってんじゃねぇぞ!…ったく」
脱力したようにソファに体を沈みこませたが

本気でホッとしたのはオレだっつーの。

文句を言う気力もなくて
黙って睨みつければ

「でも友達として
 大事に思ってるのは本当だからね?
 仕方なくとか遊びとかならやめてよね」
そう言って肩を竦める類。

…なんだよ。
オレがどれだけ本気か試したくてカマかけたってか?

だったらさっきので十分わかってんだろうが。


類が元カレかもしんねぇとか思っただけで
一瞬心臓止まっちまうくらい本気だっつーの。



 
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スリー★★★★★様

あっ。
司君からかうのに夢中で
その辺ちゃんと書いてなかったですね(>_<)

付き合ったって言っても
高校生とかその辺イメージしてます(^^;)
どこかで司君に弁解させようかな(笑)

たしか29歳くらいの設定だったはずなので
そこまでつき合った事もないってさすがに…って事と
その経験値の低さであのつくしちゃん捕まえられるかな…って(笑)

それでもこの2人の
温度差は広がるばかり…。
ほんとどうしましょうね(^^;)?


No title

お湯と氷くらいの温度差にしてしまって、komaさんどうするの〜😭
F3にも、おそらくT2にも、司君の気持ちなんか、お見通しっぽいから、やっぱり鈍感つくしちゃんを何とかするには、タマさんを魔法使いにするしか……(笑)

 

JUJU様

ね~。
ほんとどうしましょ(^^;)?

司君をからかうだけなら
永遠に出来そうなんですが(笑)
それじゃさすがにぶった切れないしなぁ…

いきなり魔法使い登場の
ファンタジー路線でも大丈夫ですかね( *´艸`)?
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