ちょっと待った! 3

「明日のために
 特別にエステして差し上げますわ」
「そうだよ!飛びきり綺麗にならなくちゃ!
 題して“類君悩殺大作戦☆”だよ、つくし!!」

そう言った2人に連れられて
あたしは全身をピカピカに磨き上げられる。


『ちょっと待った!』   第3話



「ねぇ…やっぱり前日になって
 こんな慌てて磨かなきゃいけないような女よりも
 隣に立つのにふさわしい人なんていっぱいいると思うんだよね…」
あたしがため息をつきながら言うと

「何言ってんの、今さら!
 類君につくしじゃなきゃダメって言われて頷いてたくせに~」
と滋さんはニヤニヤしている。

「ほんとですよ。
 そう思うなら直前にバタバタしないで済むように
 ちゃんと準備してればよかったんですよ、先輩っ。
 元は悪くないのに…手入れしてあげなきゃもったいないですよ!」

明日そのまま準備できるからと、2人に誘われて
チャペルのある滋さんの家所有のホテルのスイートに
3人で泊まる事になっていた今日、
エステティシャンとなった桜子に体を磨かれ、
ネイルもキレイに仕上げてもらった頃、部屋のベルが鳴る。

「明日のドレス届いたよ
 わぁ~♪やっぱりつくしに似合うと思うな、コレ♪」
そう言って滋さんはドレスを広げる。

「う~ん…どうだろうねぇ?」とあたしは首をかしげる。
正直、あたしよりも滋さんや桜子の方が
100倍似合う気がしてならないのだ。

「先輩ったら…もしかしてマリッジブルーってやつですか?」
と桜子が意地悪に笑いながら言うと
「やだー!そうなのー?」
と滋さんまでケラケラ笑いだす。

「ち、違っ…!!」
そんなあたしの否定の言葉も無視して

「明日のためにお酒と、夜更かしはあんまりダメだけど
 つくしの緊張が解けるように今日は少しだけ付き合うからさ」
そう言って、シャンパンと、軽いおつまみを持ってきた2人に流されて
結局日付が変わる頃まで話に花を咲かせていた。







「しっかし、まさか類が一番乗りだとはなぁ」と総二郎。
「ほんとだよ。まさか類には負けねぇと思ってた」とあきらも笑う。

相手が牧野じゃなきゃ、類はこんなに早く身を固めたりしなかっただろう。
そう思って黙っているオレに

「司、本当にいいの?」
と聞いてくる類。
何が、とは言わない。

「……幸せにしてやってくれよ」
そう心にもねぇ言葉を返すオレは
どんな顔してんだろうな。

しばらく沈黙が続いた。

「ま…まぁまぁ。しんみりすんのはここまでにしようぜ
 明日はめでたい席なんだからよっ」
とあきらがオレの肩を叩く。
「…あぁ。わかってる」と頷いて
乾杯をし直すオレら。


その会話の中で、あいつが弁護士になった事を聞く。
オレと付き合っていた頃に
学んだ教養が役に立ってると言っていたらしい。

「今じゃ英語なんてペラペラなんだぜ、あいつ」
「英語だけじゃなくてフランス語なんかも話すから
 なんとなく似合わねーなって笑ったら殴られたんだぞ」

「それはあきらが笑うからでしょ。
 あれだけ話せるようになるのにすごく努力してたんだからね」


あいつらの会話の中に出てくる牧野と、
オレの記憶の中の牧野が交差する。

オレと離れた5年間で
変わった所、変わってねー所、
その一つ一つに心がざわつく。



5年経ってもやっぱりオレの気持ちは何も変わってなくて。
出来る事なら今でもあいつをこの手で抱きしめたい。


だけど…あいつは明日、類の妻になる。




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