Memorial Tree 12

「そろそろあたし達も出ようか」

リュウが帰ると
当然のようにそう言う牧野だが
あいつに邪魔されて大して話してねぇぞ?


『Memorial Tree』   第12話



それでもオレの返事も待たずに
珈琲を飲み干してしまうこいつは帰る気満々で
ここでオレがゴネた所で
自分は帰るからオレはゆっくりすりゃいいとか
そんな言葉が返ってくるだけだろう。

仕方なくそれに従い店を出れば
これまた当然のようにその場で別れようとする。

「帰るなんて言ってねぇよ」
「え?でもあたしおなか空いたし」

「だから最初から飯に誘ってんだろうが」
「だって…昨日のカレー残ってるんだもん」

「……」
総二郎が昔の男は友人以下だとか言ってたが
もしかして残り物のカレーよりも下なのか⁉︎

あまりの扱いに
絶望に飲み込まれそうになったが
ここはすぐに頭を切り替える。

「…わかった。だったらお前ん家行こうぜ」
「ん?」

「オレも腹減ったし」
「は?」

「オレはまだお前と一緒にいてぇし
 お前は腹は減ってるが食うならそのカレーだと言う。
 だったらお前ん家でカレー食うのがベストだろ?」
「…えっ⁉︎ちょっ、待っ…‼︎」
ようやくオレの企みを理解した牧野が
断ってくる前に手を引き車へと乗り込んだ。



「なぁ。昔よりはマシみてぇだけどよ
 女の独り暮らしだろ?
 せめてオートロックくらい付いたとこにしろよ」
「…文句あるなら今からでも帰れば?」
車の中で散々寄る、寄らせないの言い合いをしたが
根負けする形で諦めた牧野は冷たい視線を向けてくる。

文句じゃなくて心配なだけだろ?
あぁ…クソッ!
こいつに内緒でSPでもつけとくか⁉︎

そんな事を考えながら
後をついていけば部屋のドアに鍵を差し込んだ牧野が
ふとその手を止めてオレを見上げる。

「…その、さ。
 何もしない…よね?」
「期待してんのか?」

「バッ…!そんな訳ないでしょっ!」
顔を真っ赤にさせて言わなきゃ良かったとか
ブツブツ言いながら扉を開けたこいつに続き
部屋の中へと足を進めてみれば

外観と同じく昔に比べりゃマシだがやっぱり狭い。
そして同時にこの狭さに懐かしさも感じた。

「勝手にあちこち見ないでよ」
そう釘を刺す事は忘れずに
オレをリビングへと通すと自分はキッチンへと向かう。

リビングとキッチン、
本来離れた場所にいても互いの姿も確認出来る。

窮屈で仕方ねぇのに悪くねぇんだよな。

「…あんたもカレー食べるの?」
ジッと見つめていたオレの視線をどう勘違いしたのか
出てきたのはそんな色気のカケラもねぇ言葉。

「…食うよ」
それでもそう頷いてしまうのは
温められて食欲を刺激するように
部屋に広がり始めたカレーの匂いのせいと
牧野の手作りなら食わねぇ理由がねぇから。


「美味ぇな」
「でしょ?
 やっぱり2日目が美味しいよねぇ」

「違ぇよ。
 お前と食うから美味ぇんだよ。
 普段は食ってもあんま味とか感じねぇし」
「……。
 こんなのよりもっと美味しい物食べてるでしょ?
 ちゃんと味わって食べないともったいないよ」
そう言うなら
何だって食わせてやるから
毎日一緒に食ってくれりゃいいのに。

まるで他人事のように言うこいつにその気はねぇ。

「…なぁ」
「ん?おかわり?少しならあるよ」

「…まぁ、食うけどよ。
 牧野…お前、オレの事どう思ってる?」

会いに行けば迷惑そうな顔をしながらも
追い返すような事はしねぇし
何だかんだと文句は言っても
オレが気が済むまで…というよりは
時間が許す限りはこうして付き合う。

だからと言って、受け入れてる訳でもねぇ。

「どうって…
 道明寺は道明寺でしょ」
困った顔をして小さく息をつくと
空になったオレの皿を手に
席を立ちキッチンへと向かう。

そして再び戻ってくるまで
オレが視線を逸さなかったからか

「たぶんね、あんたがどうとかじゃないの。
 あたしが駄目なの。
 今は仕事が楽しいっていうか…」
「リュウの事で頭がいっぱいだってか?」

「まぁ、それも含めて…かな。
 あっ。変な意味じゃないからね?
 とにかく恋愛とか考えられそうにないの。
 道明寺の事だって嫌いじゃないんだよ。
 思い出してくれた事だってやっぱり嬉しいし…。
 でもこうして会ってても
 また頑張ってみようとか思えないの。だから…ごめん」

わかってたつもりだったけどな。
思ってた以上にガードは固そうだ。

それでもこれだけ
きっぱりとフラれても
オレはお前しか考えられねぇんだ。




いつも応援ありがとうございます♡

Memorial Tree 13

「また来る」
「来るって…簡単に言うけどさ。
 NYからなんでしょ?
 あんまり無理してたらまた倒れるよ」

小さく息をつくこいつはわかってねぇ。
オレは牧野と会うために必死に仕事片付けてんだよ。


『Memorial Tree』   第13話


大体が倒れたのだってお前がそばにいねぇからだ。
会いに来るのをやめた方が確実に倒れるぞ?

だが、それを言った所で困らせるだけなんだろう。

玄関で靴をはきコートを受け取り羽織ってから
振り返ればきょとんとした顔で首をかしげてる。

名残惜しいとか…思ってんのはオレだけか。

そんな事を考えた瞬間
気付けば牧野の腕を掴み引き寄せていた。

完全に無防備だった牧野の体は
素直にオレの腕の中へと転がってきた。
だが中身まで素直なわけじゃねぇ。

「ちょっ…!何して…っ」
文句を言いながらオレの胸を押し返してくる。

「んー…充電?
 倒れて欲しくねぇんだろ?」
「はぁっ⁉︎何それっ…んっ」
威勢よく顔を上げた牧野の口をキスで塞ぐ。

すぐさま容赦なく
脇腹を殴ってくるこいつに苦笑いしながらも
今回はすぐに解放してやれば
猫みてぇに後ろに飛んでオレとの距離をとる。

「何もしないって言ったくせにっ」
「言ってねぇ。
 確かに何もしねぇかと聞かれたが
 オレはそれに答えた覚えはねぇぞ。
 好きな女目の前にしてそんなバカな約束しねぇし」

だからと言って
最初からキスするつもりでいたわけでもねぇけどな。

こいつの頑固さは嫌というほどに知ってんだ。

恋愛をする気さえねぇというこいつを
オトすのはそう簡単じゃねぇんだから
遠慮なんてしてる暇ねぇし、全力でいくしかねぇだろ?

そんなオレを真っ赤な顔のまま
睨みつけてくる牧野に1歩近づけば
今度は何をする気かと思いっきり構えやがる。

「じゃあな。
 すぐに鍵かけろよ?危ねぇから」
「へ?…う、うん?」
スッと伸ばした腕で牧野の髪を撫でると
踵を返しドアに手をかけたオレに
拍子抜けしたみてぇに戸惑いながらも頷く。

「…あぁ、そうだ。
 オレ以外の男、入れんなよ?
 お前隙だらけでマジで危ねぇから」   
最後にそれだけ告げてドアを閉めれば

「あんたが一番危険なんでしょうがっ!
 2度と入れてやんないんだからねっっ!」
そんな怒鳴り声が
ドアの向こうから追いかけてきてククッと笑った。


それから2週間。
この週末にはまた時間が取れそうだと
西田から知らされ気分が良かったオレの前に
アポもなく現れたのは親父とババァ。

「…総帥と社長が揃って、一体何の用ですか?」

「そう邪険に扱わなくてもいいだろう?
 私達だってたまには息子の顔を見たいとも思うさ」
フッと笑って肩を竦めたのは親父。

仕事でさえ2人揃った姿を見たのは
いつだったか記憶が曖昧だと言うのに
このタイミングで
ただ息子の顔を見に来ただなんてあり得ねぇだろ。

「やるべき事はやってるはずですが?」

牧野の記憶を失ったこの10年。
結果として親父達の意のままに動かされてきた。

だがそれは
人生において目標もなければ
生きる理由さえ曖昧でどうでも良かったからだ。

だが今は違う。
オレの中にはあいつがいる。

「やるべき事はやっている…?
 本当にそうなのであれば
 こうして出向く必要もなかったのですけどね」
「あ?」

自分で言う事でもねぇが
仕事で手を抜いた覚えはねぇし幸か不幸か、
しっかりと道明寺の血を引き継ぎ
結果だって十分残してきたはずだ。

「体調を崩し倒れたそうね?
 自己管理も出来ずに一人前ですか。情けない」
「オレはテメェらみてぇな
 血も涙もねぇサイボーグじゃねぇんだよ」

「お前たちはどうしてそう喧嘩腰なんだ。
 司、私達はまだ何も言ってないぞ。
 楓も楓だ。挑発にいちいち乗るんじゃない」

「そうは言っても、貴方。
 イライラするのも仕方ないのではなくて?」
「だったらわざわざ来なきゃいいだろっ!」
互いに睨み合い一触即発の緊張感が執務室に広がったが
それを一瞬で消したのはため息をついた親父だった。

「いい加減にしろと言っているのがわからないのか?」

敵意を隠さないオレとババァとは違う、
落ち着いた声だが威圧感のある声に言葉に詰まる。

「まず、楓。
 司の状況を考えれば
 突然の訪問に警戒されるのは仕方ないだろう。
 ここはまずお前が一歩引いてやるべきだ」
「申し訳ありません」

「そして、司。
 確かな根拠もなく相手を敵と判断するな。
 視野が狭すぎる。そんな事では好機を逃すぞ」
「…チッ」

「まぁ、とにかく座ろうじゃないか」
オレとババァを黙らせると
フッと表情を緩めオレの返事も待たずに
親父は応接ソファへと腰を下ろした。





いつも応援ありがとうございます♡


★最近切るトコ迷子…(笑)
  変なトコばっかで切ってすんませーんっ(>_<)★

Memorial Tree 14

「おかえりなさいまし」
「おぅ」
週末、帰国したオレを
邸で出迎えたタマにんまりと笑う。

今日の帰国は予定通りだが
1つ違うのはこれが一時帰国じゃねぇって事だ。


『Memorial Tree』   第14話


「私たちに相談したい事はないか?」
あの後、親父の口から飛び出したのはそんな一言で

「は?」
意味がわかんねぇと首を傾げたオレ。

そりゃそうだろ?
これまで親父たちに相談なんてした事なんてねぇ。

いつだって無駄な言葉は一切なく
互いに結論を決定事項として伝えるだけだ。
相談なんて持ちかけるだけ無駄だろ。

その言葉の意図が掴めずに
あれこれと頭の中で模索してみるが
あまりに突拍子がなさ過ぎてわかんねぇ。

「貴方が抱えている問題についてです」
今度はババァが口を開く。

「問題?」
何かあったか?
いや、今のところ抱えているプロジェクトも概ね順調だし
この2人がわざわざ出向いてくるような案件はないはずだ。

怪訝な顔つきのオレに親父がクッと笑う。

「記憶が戻ったんだろう?」
その言葉にやっと
2人が来た理由は牧野にあると合点がいく。

記憶を取り戻した途端
日本へと度々飛んでんだ。
理由なんて1つしかねぇのは明らか。

また邪魔しようってのか…。

だがもう
何も出来なかったあの頃のオレじゃない。

挑むように2人を睨みつけたオレに
呆れたように小さく息をついた2人。

「だから視野が狭いと言ってるだろう。
 彼女から引き離したいだけなら電話1本で済む話だ」
「問題に対しその解決案も明確だというのに
 いつまでこの状態を続けるつもりなのですか?」

話の流れが見えなくて
探るように2人の目を交互に見る。

邪魔しに来たのでないと言うなら…

「……」
ふと浮かんだ2人がここに来た本当の意図。
だがそれはあまりに自分に都合が良くて
簡単に信じられる物じゃない。

「…いいのか?」
それでもそう聞いてしまうのは
そう出来たならとオレ自身考えていたから。

もっとあいつのそばに…
ほんの5分でもいい、毎日会えたなら…

「だから相談事はないかと聞いてるだろう?」
「そう何度も倒れられても困りますからね」

「マジでいいのか?」
念を押すように聞く。

「10年前なら
 楓でなくても私も彼女との交際には反対だったよ。
 共に生きるにはお前も彼女もまだまだ未熟すぎた。
 だが今のお前なら…
 それが意味する事も彼女を守る事も出来るだろう?」

わかってる。
あいつはすでにオレを過去として
オレのいない人生を歩み始めている。

それを今さら記憶が戻ったからと言って
また道明寺に巻き込もうだなんてエゴもいい所だ。

でも…駄目なんだ。
あいつがいない人生なんて考えられない。
あいつじゃねぇ。結局はオレが幸せになりたいんだ。


「拠点を日本に移したい。
 どうしてもあいつじゃねぇと駄目なんだ…頼む」
親父たちに頭を下げたのなんて初めてかもしんねぇ。

「10年か…勝算はあるのか?」
「…あったらこんなに焦ってねぇよ」

「ははっ。そんなに手強い相手か」
「この私にさえ噛み付いてくる娘ですから」

「ほぉ…それは頼もしいな」
「ほんと、あんな娘のどこがいいのか…」

「案外お前と似てるんじゃないか?」
「何か仰って?」

「ん?いや…。
 司、週末に日本に飛ぶつもりだったんだろう?
 それに合わせて準備しておくといい。
 いい報告を待ってるぞ。…さ、行こうか?楓」
ババァに睨まれた親父は
サッと話題をすり替えるとババァと共に執務室を後にした。



タマに案内され入ったのは
あの頃、オレが私室として使っていた部屋。

「いつかお戻りになると信じてましたからね。
 家具の配置なんかはあの頃のままですよ」
「あぁ、サンキュ」

「つくしの木は
 あそこに置いてるよ。日当たりもいいし」
そう言って指さした先には
類が持ってきた鉢植えがあり
窓からの差し込む光を目いっぱい浴びていた。

「しかし…あの子も不器用だねぇ。
 心のお墓作っちまうなんてさ。
 …でもそれだけ坊ちゃんが好きだったんだねぇ」
「過去形にしてんじゃねぇよ」

「もう少し大きくなったら
 庭に植えてあげようかねぇ。
 その頃にはつくしも
 ここに戻ってきてくれてる事を願うよ」
そう鉢植えの葉をそっとひと撫でして呟くと

「あたしが生きてるうちに頼みますよ、坊ちゃん」
ニヤリと笑った。




いつも応援ありがとうございます♡

Memorial Tree 15

「……」
「牧野は相変わらずか?」

鳴らないケータイを睨むオレを
総二郎がクッと笑う。


『Memorial Tree』   第15話


帰国して1ヶ月。
物理的な距離が縮まり
会うためのハードルは低くなったが
毎日のように会いたいと連絡を入れるオレに対し
あいつは相変わらずの塩対応。

必死に仕事を片付けてるっつーのに
基本的に他に予定があれば後回しにされる。

「ま。今日に限ってはいいだろ?
 全員揃うなんてそうねぇんだし、乾杯しようぜ」
そうグラスを渡してきたのはあきら。

「だな。マジで何年ぶりだ?」
「…牧野いないって知ってたら断ったのに」
それに続いたのは総二郎と類。

個々で会う事はあっても
それぞれ拠点も違えばあちこち飛び回っているため
確かにこうして4人揃うのはいつぶりか。
少なくとも渡米してからはなかった気がする。

それがこのタイミングで揃うのも
きっとオレが記憶を取り戻した事がきっかけなんだろう。

「で?今日は何を理由にフラれたんだ?」
「ダチに会う約束があるんだとよ。
 なんつったっけ…ほら、あいつ親友いただろ?」

「あー…優紀ちゃん、だっけ?」
「そう、それだ。」
あきらが思い出すよう出した名前に頷く。

そのダチと食事をする約束があるから
会えねぇなんてあっさり言いやがるあいつに
何時でもいいから終わったら連絡しろと言ったが
一向に鳴らないケータイに
勝手に帰ったんじゃねぇかと気が気でねぇ。

「まぁ、今さらだっつー
 牧野の気持ちもわかんねぇでもねぇか」
肩を竦めて苦笑いを浮かべたあきら。
「そうだよ。だから俺は教えなかったのに
 まさかあきらじゃなくて総二郎がお節介とはね」
類が総二郎をチラッと見れば

「別にそんなんじゃねぇよ。
 タマさんに頼まれちゃ仕方ねぇだろ」
「…ふぅん?」
グラスを傾けながら曖昧に頷く類は
明らかにオレと牧野が会っている事に不満げだ。

「言いたい事があるなら言えよ」

ハッキリ言って真実を話さなかった類に
文句の1つでも言いたいのはこっちだが
仮に自分が類の立場だったとすればオレはオレを殺してる。

「俺は牧野が幸せならそれでいいし。
 司との事をどうするか決めるのは牧野でしょ?」
それだけしか言わなかったが
その言葉にはどこか含みがあるようにも感じた。

だがそれを聞く前に

「…本当に幸せに出来るのか?」
そうポツリと口を開いたのは総二郎。

「あ?」
「俺らはお前のダチだが
 同時に牧野のダチでもあるんだよ。
 記憶のねぇお前を責めても仕方ねぇが
 あの頃、牧野を追い詰めたのは事実だろ?
 幸せにしてやる自信がねぇならやめとけよ」

「「「……」」」

「…な、何だよ」

「いや…。
 珍しく熱くね?酒が回ったか?」
「ほんと。
 いつからそんなお節介になったわけ?」
あきらと類の視線に僅かに狼狽えた総二郎は

「喧しいっ!
 仲間の幸せ願って何が悪いっ。
 司も黙ってねぇで答えろっつの!」
照れを隠すように怒鳴ってきやがる。

「…わかんねぇな。
 仮にあいつがもう一度
 オレの手を取ったとして
 幸せを得るのはおそらくオレの方だ。
 でもエゴだと言われたって
 オレがあいつと一緒にいたくて
 傷つけた分この手で幸せにしてやりてぇ。
 …その幸せそうな顔を一番そばで見てぇんだ」
自分でも自分勝手だと心底思うが

「お前らがどう思おうがオレは諦めねぇ」
そう宣戦布告すれば
顔を揃えてしばらくオレを無言のまま見てたが

「それって結局自分のためって事だよな?」
「やっぱ司は司だな。
 聞いた俺がバカだったか」
「でも諦めないんだってさ。牧野も大変だね」
口々に言いながら顔を見合わせて笑った。

そこから
1時間くらい他愛もない話をしながら飲んでいたが
テーブルの上に置いていたケータイが
牧野からLINEを告げ慌てて開いてみれば
“これから帰るし今日もう遅いから”とひとことだけ。

「…チッ。
 遅いからこそ迎えに来いくらい言えよ」
牧野へと電話をかけながら立ち上がれば

「じゃあ俺らも帰るか」
「だな。次は牧野も一緒に集まろうぜ」
「牧野いないなら、来ないよ?俺」
そんな会話をしながらオレに続いて部屋を後にした。




いつも応援ありがとうございます♡


★更新なかなか出来ずすみませ〜ん(>_<)
 年内にはこのお話も終わらせたいし
 クリスマスも書きたいお話はあるものの
 思うように時間が作れず…:;(∩´﹏`∩);:
 こんな状態でもお付き合い頂きありがとうございます★


聖夜の贈り物 前編

★お久しぶりの「SMILE」です。
 「Memorial Tree」の2人がなかなか纏まらないせいか
  ほんわかしたの味見したくなりまして(笑)
  クリスマスまでに完結出来るように頑張ります(*´∇`*)★



「あわてんぼーの
 サンタクロース、クリスマス前~に…♪」

おままごとハウスから
聞こえてくるご機嫌な歌声にクスッと笑う。


『聖夜の贈り物』 前編
      ~SMILE 番外編~



続きを読む

聖夜の贈り物 中編

ままごとハウスに
2人して籠っていた時間は10分程度。

気になりながらも
何食わぬ顔でソファに座っていたあたしと司は
出てきた2人をそっと盗み見るように窺う。


『聖夜の贈り物』   中編
     ~SMILE 番外編~

続きを読む

聖夜の贈り物 後編

★先に謝っておきます。
  すごく長くなっちゃいました(^_^;)★




天使…マジ天使だ。

自分の欲しい物よりも他人の幸せを願える所は
きっとつくし譲りでつくしに育てられたからだろう。


『聖夜の贈り物』   後編
      〜SMILE 番外編〜



続きを読む

Memorial Tree 16

「わざわざ来なくても俺が送ってやったのに」

顔を見るなりそう言ったリュウに
オレは思わず牧野を睨みつけた。


『Memorial Tree』   第16話


睨まれた牧野は気まずそうに視線を逸らし
その隣でダチが「お久しぶりです」と頭を下げた。

ダチと2人じゃねぇのか?
オレの誘いは断ったくせにこいつはいいのかよ。

「…はぁぁ」
あまりの不毛さに吐き捨てるように
深いため息をついたオレに

「勝手について来うんだもん、仕方ないでしょ」
と牧野が言い訳をする隣で

「だって俺も腹減ってたし。
 優紀さんにも会いたかったし。なー?」
「ふふっ…ね?」
悪びれる様子もねぇリュウに
困ったように笑いながらもダチが曖昧に頷く。

そりゃ今のオレは
こいつが誰と何してようが文句言える立場じゃねぇけどよ。

「…チッ。
 お前らもついでに送ってやっから乗れよ」
気持ちを切り替えてそう言えば

「え?優紀さんの彼氏は迎えに来ねぇの?」
なんてリュウの言葉に

「えっ…!ちょっ…しっ!」
「優紀…彼氏出来たの?いつ⁉︎」
慌てだしたダチに牧野が食いつき
きゃあきゃあと問い詰め始めた。


「…牧野が知らねぇのにお前が知ってんのか?」
「まぁな。
 俺の情報網ナメんなよ?」
フフンッと得意げな笑みを向けてくる。

「その情報網を
 あいつをオトすためには使わねぇのか?」
嫌味を込めて言ってやれば
面白くなさそうにはしてるが
本気で悔しがってるようには見えない。

その様子を見てる限り
前に牧野も言ってたように
こいつは牧野に懐いているだけで
本命は他にいるのかもしれねぇな。

その証拠に
「俺はいいんだよっ。
 そういう司こそどうなんだよ。
 相変わらず軽くあしらわれてんじゃん
 しっかりしろよなー」
なんてオレに発破をかけてくる。

「…それこそお前の情報網で察しろよ」
小さく息をついて
未だにダチの恋愛事情を
聞き出しているあいつを見つめるが
あっちは相変わらずオレの視線にさえ気付かねぇ。

「正直押せばイケると思ってたんだけどよ」
つい愚痴をこぼす。

確かに頑固だし素直じゃねぇが
お人好しで情にもろいあいつなら
ガンガン押していけば
そのうちに絆されてくれるかと思っていた。

「あー…打っても響かねぇってのはわかる。
 リアクションがねぇわけじゃねぇし
 シカトされてるわけでもねぇんだけど
 なんかつくし自身に届いてねぇっつーか…?」
うんうんと頷きながら発したリュウの言葉は
まさにオレが感じていた事で。

攻め所がわかんねぇっつーか、
何をしたってあの塩対応が崩れない。

「っつか、そもそも司のせいだろー。
 司がつくし忘れたりすっから
 トラウマ抱えちまったんだろ?
 おまけに思い出すのに10年って…遅すぎだっつの」
「…うっせぇよ」

それはあいつらにしたって
散々言われてきたが
オレ自身好きで忘れていたわけじゃねぇし
今さらどうしようもねぇ事だ。

あいつの気がすむなら
ボコボコにされたって構わねぇし
土下座しろっつーなら余裕でしてやる。

だがあいつはもういいと言うだけで
オレを責める言葉の1つさえ言ってこない。


「リュウが知ってるのに
 あたしが知らないなんてちょっとショック」
「もーっ。ごめんってば」

「あ!ねぇ、写真とかないの?」
「あー…彼あんまり撮られるの好きじゃなくて」

「…前にそう言って浮気しまくってた人いなかった?」
「彼は大丈夫!」

「ほんとに?心配だなぁ。
 優紀には幸せになってもらわなくちゃ」
「あたしはつくしの方がよっぽど心配だよ」
そんな話をしていると
牧野のケータイが鳴り出し
仕事の電話だと少し離れて対応を始める。

牧野からの尋問に困ったように笑っていたダチは
ホッとしたように息をつき
ふと流した視線がオレのそれとぶつかる。

「道明寺さん。
 つくしの事宜しくお願いします」
ぺこりと頭を下げる。

オレはその行動に少しだけ驚いた。

牧野があの態度な以上
オレを良くは思ってねぇだろうと思ってたからだ。

返事をしないオレにこいつは続ける。

「いつか言ってたんです
 道明寺さんが最初で最後の恋だったって」

「…だった、か」
自嘲するようにクッと笑う。
「きっと自分で自分にそう言い聞かせてるんです。
 心の奥ではつくしは
 今でも道明寺さんを想ってると思います。
 ああ見えて臆病で弱い所がありますから…」
そこで言葉を切ると
改めてオレへと向き直り

「だから道明寺さん。
 今度こそつくしを幸せにしてあげて下さい」
もう1度頭を下げた。


あいつらにも言ったが
幸せになるのはオレの方で
オレが幸せになるために牧野が必要なんだ。

実際、ずっと近くにいたこいつから見て
牧野の心はまだオレにあると言われただけで
胸にあったけぇモンが流れ込む。

「任せとけ。
 あいつはオレの次に幸せにしてやる」
そう言い切れば
少し驚いたような顔をしてからクスッと笑い
「普通、こういう時って
 世界で1番幸せにするとか言わね?」
とリュウにまで呆れられたが

あいつがそばにいてくれるなら
世界で1番幸せなのはどう考えたってオレだろ?








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