幼なじみ 16

結局一緒に食べようと思ってた朝食は
一緒に食べる事は出来なくて

昼間は昼間でタイミングを逃してしまったあたしは
結局夜遅くになってから司の部屋に向かった。


『幼なじみ』   第16話


__コンコン。

ノックをしてみても返事がなくて
もう寝てしまったのかとそっと扉を開けて
中の様子を伺ってみると、奥から話し声が聞こえた。

「…司?」
声のする方に歩いて行ってみると
司がデスクの上のパソコンで誰かと話している。

「あ…ゴメン。もしかして電話中だった?」
そう言えば司がNYに行ったばかりの時は
NYに行く時にあたし用にもパソコン置いてくれて
ああやってテレビ電話してたなぁ、
なんて思いながら小さく声をかける。

すると司は今あたしに気付いたみたいに驚いて
「つくしっ!?お前っ…いつの間にっ」
珍しく慌ててガタッと立ち上がる。

『tukushi!?……?……』
電話の相手はどうやらNYの友達みたいで聞こえてくるのは英語。
おじさま達のご厚意で英会話なんかも習ってるけど
本場の英語は早口すぎてあたしの名前を呼んだ事くらいしか聞こえない。

「え?あたしも知ってる人?」
そう言って何気なく画面を覗こうとすると

「ばっ…!見んじゃねぇっ!!」
急に怒鳴りつけられて思わず固まってしまう。

「……ご、めんなさい」
それでもなんとか絞り出すように謝ると
「…あ。悪ぃ…」
司もバツが悪そうにため息を小さくついた。
「う、ううん…。あたしが悪いの。司じゃないよ」
そう言いながらも司の顔もまっすぐ見れずに俯いてしまう。

「何か用だったんだろ?どうした?」
その声はいつもの優しい声だったけど
「ううん…大した用事じゃないの。
 朝の事謝ろうと思って…殴っちゃってごめんなさい。
 今も電話中だったのにほんとにごめんね…。じゃあ…」
「お、おいっ…」
あたしは司が呼びとめるのも聞かずに部屋を飛び出した。


いつものバルコニーに行こうとして、足が止まる。
あそこは司も知ってるあたしの逃げ場所。

小さな頃はあそこで落ち込んでると
司が必ず来てくれて
元気になるまで一緒にいてくれた。

だけど…今は司の顔を見れそうにない。
あたしにあんなに怒った顔、初めて見たからか
心臓はバクバク言ってるし、足も少し震えてる……。

だから屋上に向かう事にした。
ヘリポートを兼ねてる屋上は普段は誰も来ないし
バルコニーより星空が見えるから最近の秘密の場所だった。

コートだけ持ち出して屋上でゴロンと横になる。
敷地も広くて遮る物が何もない星空は視界いっぱいに広がって
はぁ…と吐き出した息は白くなってすぐ消える。


電話の相手…誰だったのかな。
あたしの名前を言っていた気もするけど
今考えれば、司があたしの名前を呼んだから誰だ?
って聞いただけだったのかも。

でもちょっとだけ覗いてみたかったんだもん。
あたしの知らない司の世界。

前みたいに気軽に話せるようになったから
ついつい忘れてた。

どんなに近くにいても
あたしと司の住む世界は全然違うんだって事。

それなのに勝手に部屋に入った挙句、
電話の相手を覗こうとしたら怒って当然だよね…。

その日は寒さが限界になるまで
星空を見ていてもいつまでも落ち着く事はなかった。




いつも応援ありがとうございます♡

★これくらいなら大丈夫…かなぁ。息できてますか(^^;)?★
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幼なじみ 17

NYじゃ一番気が合ってよくつるんでいた
アレックスからテレビ電話がかかってきた。

『久々の日本はどうだ?』
「あぁ…悪くねぇよ。今朝も思いっきり殴られて起きた」
そう答えたオレに目を丸くしてからゲラゲラ笑うアレックス。


『幼なじみ』   第17話


よほど寝起きが悪かったのか?

どうしてあんなに強ぇ力で殴られたのかわかんねぇし
あの後マジで1分くらい動けなかった。
だけど。
内容は覚えてねぇが珍しくいい夢を見てたような気もする。


『あはは!司を殴れるなんてな。それが噂のつくしか?』
アレックスは前に自分の女友達を紹介してこようとしたから
オレには好きな女がいると話してあった。

アレックスに頷いていると
「あ…。ゴメン。もしかして電話中だった?」
といつの間に来ていたのかつくしが立っていた。

オレがうっかりつくしの名前を口にした事で
アレックスが即座に反応を見せる。
『つくし?まさかそこにいるのか?
 司が好きな女がどんな子が見てみたいな。紹介してくれよ』
「あぁ?お前なんかにゃもったいねぇから見せねぇ…」
そう断ろうとしたオレの横から
つくしがカメラの範囲に入りかけちまったから焦ってつい、

「ばっ……!見んじゃねぇっ!!」
そう怒鳴ってしまった。

ハッとした時にはもう遅くて。

つくしは驚いたと言うより怯えてる感じに近くて
「…あ。悪ぃ…」
謝ってみたものの、俯いたままこっちを見なくなった。


頭を撫でようと手を伸ばしてみたが
つくしから拒絶されてるような気がして空中で手が止まる。
「何か用だったんだろ?どうした?」
行き場のない手をぎゅっと握って静かに聞いてみても
ごめんね、と小さく呟いてそのまま出て行ってしまった。

「…あ~~、クソッ!」
やっちまった、と頭をガシガシと掻くオレに
『女の子には優しくしないとダメじゃないか。
 特にお前は怒鳴ると男でも怖いんだからな
 嫌われる前にとりあえずちゃんと謝ってこいよ?』
と呆れながらも笑っているアレックスとの電話を切って
つくしを追いかけてみたが
部屋に行ってみれば
「姉ちゃん?コート持ってったからバルコニーとかじゃないかな?」
と進に教えられて行ってみたがそこにもいなくて
ケータイも鳴らしてみたが反応なし…。

エントランスで聞いてみれば外には出てないっつーから
同じ邸の中にはいるはずなのにこの日は結局会えなかった…。

昔はつくしを見つけれられないなんて事はなかったのに。

たった2年離れただけで
こういう時つくしがどこに行くのかさえわからねぇようになっていた。



翌朝。

今度こそ謝ろうとつくしが起こしにくるのを
待っていたのに、いつまで経ってもこなかった。


「今度は何か心当たりがありそうな顔だねぇ」
つくしの代わりにやってきたタマは
オレの顔を見るなり
そう言ってわざとらしくため息をつく。

そりゃ怒鳴っちまったオレが悪ぃんだろうけど
謝るきっかけさえくれないあいつだって悪いんじゃねぇのか?

不貞腐れてるオレに
「わざわざクリスマスイブに喧嘩するなんてねぇ…」
と呆れたように呟いて出て行った。


そっか…今日はイブか。


ガキの頃はあいつらも一緒とは言え
当たり前のように一緒に毎年過ごしてプレゼント交換だってした。


今年は日本にいるなら、と
ホントはプレゼントだって用意してる。

たとえ恋人としてじゃなくても
それでもやっぱり今日はあいつと過ごしてぇな…

「タマ、つくしは邸にいるのか?」
やっぱりちゃんと謝るために
絶対とっ捕まえてやると思って聞いたオレに

「なんだか早くから可愛い格好して出かけていったよ
 あの子もお年頃ってやつだからね。
 デートの相手の一人や二人、いるんじゃないのかい?」
と意地悪く笑って出て行った。





いつも応援ありがとうございます♡


★業務連絡★
*拍手コメのH★様*
第16話のコメ欄にてお返事書かせて頂いてます(^^)
お手数ですがお時間がある時にでも覗いてくださいませ♪

幼なじみ 18

「あれ?つくしいねぇの?」
「なんだよ。今年は司もいるし
 クリスマスパーティでもしようと思ったのによ」

そう言いながら現れたのは総二郎たちだった。


『幼なじみ』   第18話


「どこ行ったの?」
そう聞いてきた類に
「……知らねぇよ」
と不貞腐れながら答える。

「なんだよ…。不機嫌そうな顔してよ」
「何があった?」
あきら達がため息をついてソファの定位置に腰かける。




「別に紹介くらいしてやればよかったじゃねぇかよ」
「そうだ。どっちにしても怒鳴る事じゃねぇだろ」
昨日の事を話したオレに
呆れかえったような顔をするあきらと総二郎。

「……ライバルは少ねぇ方がいいんだよ」
ボソッと呟いた言葉に

「そのアレックスって奴がつくしに惚れると思ったんだ?」
と類がクスッと笑えば
「それでお前がつくしと喧嘩してりゃ世話ねぇな」
と総二郎までゲラゲラ笑う。

そんな2人に軽くツッコみを入れたあきらは
「笑ってる場合じゃねぇだろ。
 司。お前ちゃんと気づいてんのか?」
と急に真面目な顔をする。

「な、何がだよ」
「つくしがオレらと微妙に距離とってる事だよ」
とやっぱり気付いてなかったか、とため息をつく。

「はぁ?どういう事だ?」
確かに昔に比べたら遠くには感じるが
それはオレが2年ぶりに会ったって事とか
最近は連絡だってあんまり取ってなかったから
戸惑ってるだけだとばかり思ってた。

それなのに、こいつらとまで距離とってるってなんだよ。
…つくしが離れようとしてんのは、オレだけじゃねぇのか?

「まぁ、オレも直接問い質したワケじゃねぇけどよ。
 たぶん家柄の事で遠慮してるんじゃねーかと思ってる」
「話しかけりゃ、普通に話すけど
 つくしから話しかけてくることはほとんどなくなったよなー」
あきらと総二郎は顔を見合わせて頷く。

「な、んだよ……それ。
 そんなのオレらと関係ねぇじゃねぇかよ…」

心に重くて昏い何かが広がっていく。

オレが道明寺家の御曹司で、
あいつはうちの使用人の娘。

それは事実だ。
だけどそれがどうしたって言うんだよ……。

「まぁ…単純にオレらが男でつくしは女の子なんだから
 家の事を抜きにしてもこうなったっておかしくはないけど
 つくしの性格考えたら家の事が理由の方が納得できるよね」
類はそう呟きながら小さくため息をついた。

オレ自身に男として好きになれない理由があるならまだしも
そんな理由でオレを避けようとするのなんて絶対許さねぇ。

スッと無言で立ち上がったオレに
「お、おい…どこ行くつもりだ?」
とあきらが頬を引き攣らせて恐る恐る聞いてくる

「別につくしのそばにいれるなら
 オレに振り向くまでは今のままでもいい
 なんて思ってたけどよ…気が変わった。
 NYに戻るまでにカタつける。
 幼なじみなんて関係ぶち壊してやる」
そう言って部屋を出ようすると

「つくしがどこに行ったのか知らねぇんだろ?」
と総二郎。
「誰がつくしの所に行くっつったんだよ。
 先に逃げ場所全部、ぶっ潰してやるんだよ。
 あいつ、昔っから逃げ足だけは異常に早ぇからな」
そう言い捨てるようにして部屋を出た後で


「あいつ…肝心なトコ抜けてねぇ?」
「あぁ…つくしも司が好きだって前提で動いてるな。
 あいつは昔っから思い込みが激しすぎんだよ……」

「いいんじゃない?
 どっちにしても家の事なんかでつくしが遠慮しなくなれば」

「はぁ?また、お前は能天気な…」

「だって俺、友達4人しかいないからさ。
 つくしに絶交なんてされたら困るもん」

「……ま、つくしが困ってたら
 俺らでフォローしてやればいっか」
「あぁ…大事な幼なじみで貴重な女友達だからな」


なんて事を総二郎たちは話していたらしい。





いつも応援ありがとうございます♡

★本日は総ちゃんbirthday♪
  ってなワケで総二郎タイムに「リミット」番外編アップします
  お時間があればお付き合い頂けると嬉しいです(*^^*)★

クリスマスの前に

優紀と付き合うようになって
自分も知らなかった自分がどんどん出てくる。

その中で最も俺自身が驚いた事、
それは俺はちょっと…いやかなりか。嫉妬深いって事だ。


『クリスマスの前に』   ~リミット 番外編~


散々遊んできたくせに
いざ、本命の彼女が出来たらこれだもんな。

自分でも笑っちまう。

でも優紀はこんなオレを笑ったりしないで
オレがやきもちを妬くのが嬉しいなんて言ってくれる。

それがまた嬉しくて。
俺は嫉妬心を隠すような事はなくなっていた。

でもそれは優紀の心が自分にあって
返ってくるのは俺への愛情を示す言葉だと思ってるからで
その自信がなくなった時、
動けなくなるなんてこの時の俺はまだ知らなかった。

秋も深まり、
11月に入ればついこの間までカボチャだらけだった
街の装いもクリスマスに向けて
イルミネーションなんかが始まっていた。

茶会からの帰りの車の中から
そんな街並を見ながら
初めて優紀と過ごすクリスマスをどう過ごそうか
柄にもなくワクワクしながら考えていた。

今年は確かちょうど土日だから優紀は会社は休みのはず。
ならやっぱりどっかに泊まりでゆっくりしてぇよな…。

なんて事を考えていた時だった。


デパートの入口から優紀と…知らねぇ男が2人で
楽しそうに笑いながら出てくる姿を見てしまった。

仕事だろ…と言い聞かせて
冷静さを保とうとしても時間はもう20時をまわっていて。

優紀がその男の巻いているマフラーに触れたりしていて
少なくとも俺の目にはカップルのようにしか見えねぇ。

すぐにでも車を飛び下りて相手の男を殴ってやりたくなるような
醜い感情が俺の中で渦巻く。

そんな俺の感情を無視するかのように
信号が青になって車はその場所をスーッと離れていった。


あれから俺の頭にはあの光景がこびり付いていて離れねぇ。

電話やメールで軽く聞ける気もしなくて
こんなに気になるならいっそ会って安心したいと思ったのに
「仕事が忙しくて…ゴメンね?」
と断られてしまった。

普段ならこんなの気にしたりしねぇのに
あの事がある今は仕事を口実に避けられてると思っちまう。

なんでだ?
何か間違ったのか、俺?

考えても考えても思い当る節が見当たらない。

優紀…お前俺が他の女に笑ってたらイヤだって言ったじゃねぇかよ。
だったらお前も他のヤローに笑いかけたりすんじゃねぇよ。

もしも…別れたいなんて言われたら俺はどうしたらいい?
優紀と別れるなんて考えられねぇのに
別れないとゴネる自分自身も想像できねぇ…。

優紀から明日会えないかと連絡があったのはそんな時だった。

「あれっ?総?早いね」
約束の時間まで待ってられなくて
早めに優紀のマンションに迎えに行く。

ちょっと待って、と言いながら優紀がバタバタと用意してる横で
部屋で待ちながら、男の影がねぇかチェックしちまってる俺。


ふと鏡で髪を念入りにチェックする優紀を見てみれば
いつにも増して可愛い格好をしている。

「へ、変じゃないかな?
 桜子さんがね、選んでくれたの」
とオレの視線に気がついた優紀がそわそわしながら聞いてくる。
「すっげ、いいよ。可愛い」
とニコッと笑ってやれば安心したように優紀も笑う。

それだってオレのためにお洒落してくれてんだよな?
あの男の好みなんて事はねぇよな?

とりあえずランチでもと思った俺に
「実はね…お昼一緒に食べようと作ったんだけど
 あ、でも!総が外が良かったらそれでもいいよ…?」
と申し訳なさそうに聞いてくる優紀。

昔は女が作った飯を口にするなんて考えられなかった。
だけど優紀が作ったモンなら絶対に食べたい。

「俺のために作ってくれたんだろ?もちろん食うよ」
そう言った俺に嬉しそうに顔を輝かせると
キッチンで食事の準備を始める優紀。

その後ろ姿を見ながらも頭ん中では

別れ話するつもりならわざわざ部屋に招き入れて
手料理を振る舞ったりしねぇよな?
いや、でも気まずい話だからこそ
2人きりで話せるように家なのかもしれない。

なんて情けない思考が離れない。

「総の口に合うかわかんないけど…」
謙遜しながら出してくれた飯はすげぇ温かくて美味かった。

「すげぇ、美味い。
 でもどうして急に飯なんて作ってくれたんだ?」
「え?うん…あのね…」
ギクッと肩をならして
そわそわしだす優記に俺まで身構える。

「えっとね…気に入るかわかんないんだけど…コレ」
そう言って紙袋を渡してきた優紀。

「……?」
受け取りながらもポカンとしている俺に
「……やっぱりこんなのが誕生日のプレゼントじゃダメかな?
 あたしブランドとかよくわからなくて、
 会社の人がしてたマフラーがすごく素敵だったから
 そのお店に連れてってもらって選んだんだけど…
 やっぱり総はもっといいのいっぱい持ってるよね?
 ご飯もどこか連れてってあげた方がいいのはわかってるんだけど
 総が行くような所じゃあたしじゃご馳走できそうにもないから…」
と申し訳なさそうに俯く。

紙袋を開けてみれば
落ち着いた色合いのマフラーが入っていた。

「……そっか。
 今日…誕生日か、俺」
マフラーを手に取りながら呟いた俺に
「えっ!?気付いてなかったの?」
信じられないとばかりに驚いてる優紀の顔を見てたら
ずっとモヤモヤしてたのがスーッと晴れて幸せな気分に満たされる。

俺の誕生日を祝うために
あんなに前からプレゼント探してくれてたのか…。

もらったマフラーを首に巻いて
「あぁ…。クリスマスはどう過ごそうか考えてたけど
 誕生日なんてすっかり忘れてた。すげぇあったかい。ありがとう」
そう言いながら優紀を抱きしめると
「もうっ。クリスマスの前に誕生日でしょ?
 でも良かった…総に気に入ってもらえて…」
と優記もホッとしたように俺に腕をまわしてくる。

「あ…でもな。いくら俺のためだとしても
 男と買い物なんて絶対ダメだからな?」
「ふふっ…またやきもち?」
「…当たり前だろ」
「じゃあ、クリスマスプレゼントは総が一緒に選んでね?」
「あぁ」

別に優紀と過ごせればプレゼントなんていらねぇけど
お前の隣に立つ男はいつでも俺じゃねぇと許せねぇからな。



~ fin ~


★あとがき★

久しぶりに「リミット」の2人です。

優紀ちゃんはつくしほど鈍感でもないので
男性と2人で買い物に行くなんて
迂闊な事はしなさそうなんですが
総ちゃんをちょっと奈落に落としたくなりまして(笑)

ついついイジワルしてしまいました(((*≧艸≦)

わざわざ誕生日にアップしてるので
前半の時点でオチがバレてそうなお話でしたが
ま、誕生日に免じてお許しを…(^^;)

そして総ちゃんを皮切りに今月から
F4とつくしの誕生日が毎月ありますね~。

それぞれ短編思いつくかな~…。
特に我らが坊っちゃんの誕生日は
短編1つじゃなくて何個か用意して
「坊っちゃん祭」してみたいしなぁ…(笑)

妄想畑を頑張って耕さないとっp(´∇`)q

ま、そっちはもうちょっと時間もあるし
おいおい考えるとして。

とりあえず、総ちゃん誕生日おめでとう♪

皆さまにも
楽しんで頂けていれば幸いです(*^^*)


koma




いつも応援ありがとうございます♡

幼なじみ 19

邸を出たオレはまず
ケータイを取り出して親父にアポを取った。

話がある、と言えば1時間後に会社に来いと言われる。


『幼なじみ』   第19話


親父の執務室で待っていると
「待たせたか?
 珍しいな、お前から俺の所に来るなんて」
そう言いながらオレの向かいに座る。

「親父、オレはつくしが好きだ。
 あいつ以外の女は考えられねぇ。
 もし、オレらが付き合うって言ったら
 親父たちは使用人の娘だからって反対すんのか?」
単刀直入に聞いたオレに
一瞬目を丸くして驚いた親父。

「お前はそんな事が気になるのか?」
フッと表情を緩めて聞いてくる。

「気にした事なんてねぇよ。
 あいつはあいつだ。それ以上でもそれ以下でもねぇ。
 だけど…つくしは気にしてるらしい。
 だから先にあいつの不安は全部潰しておきたいんだ」
まっすぐ親父を見て言うオレに

「お前が本気なら俺も母さんも反対はしない。
 お前にとってつくしちゃんがどれだけ大事な存在か
 ずっとこの目で見てきてるんだからな」
しばらくククッと面白そうに笑っていたが
ふぅ…と小さく息をつくと

「ただ…これだけは言っておくぞ。
 うちが普通の家じゃない事だけは覚えておけ。
 そしてその跡継ぎがお前だって事は悪いが変わらない。
 お前は勿論、そのパートナーにかかる重圧も
 しっかり理解しておく必要はある。
 どんな時も支え合えないなら2人とも不幸になるぞ。
 お前につくしちゃんを道明寺に巻き込む覚悟はあるのか?」

そう真剣な顔つきで真っ直ぐオレを見た視線は
すげぇ痛くて、心臓がギュッとなる程苦しいものだった。

しばらくその言葉の重みを噛みしめてから

「…当たり前だ。
 オレはあいつじゃねぇとダメなんだよ。
 あいつがそばにいるならどんな事にだって耐えてみせる」
そう宣言するように言ったオレに

「だったら俺から言う事は何もない。
 …あぁ、でもそうだな。
 親父として言っておくとすれば
 惚れた女くらい、1発でモノにしろよ?
 女の1人もモノに出来ねぇような
 腑抜けが息子だなんて思いたくないからな」
そう笑いながら、次の仕事へと向かった親父を見送った。



邸に戻ると牧野がオレの上着を受け取る。

「……牧野」
「はい、何でございましょう?」
いつも通りにこやかに受け答えする牧野は
オレが今から言おうとしている事なんて予想してねぇだろう。

「つくしはオレがもらうぞ」
「……はい?」
言ってる意味がわからないとばかりに
目をパチクリさせて固まっている。

「だから、オレがつくしと結婚してぇって言ったら
 牧野はどう思う?オレじゃダメか?
 やっぱり一般家庭の普通の男が良いモンなのか…?」
そう聞いたオレをしばらくじっと見つめていた牧野。

「…私は誰だから反対と言うつもりはありません。
 ただ、つくしの意思を尊重します。
 つくしが選んだ人を信じてあげたいので」
と初めて使用人ではなく
オレにつくしの父親としての顔を見せた。

「…わかった。
 誰に反対されても押し通すつもりではいたけどよ
 牧野には反対されたくなかったから良かった…
 ちゃんとつくしを捕まえたら、改めて挨拶に行く。
 結婚する時は“娘さんをください”って男は言うもんなんだろ?」
そう言ったオレに

「…坊っちゃんにそんな挨拶されたらと思うと
 今から泣きそうでございますが楽しみにしております」
と牧野は困ったように笑った。

「…つくしは今日、どこに行ったんだ?…まさか男じゃねぇよな?」
将来の義理の父親に聞くことじゃねぇ気もするが
朝から気になって仕方ねぇんだからしょうがない。

「小学校の時の友達とクリスマスパーティだって言ってました。
 19時頃には戻ると言ってましたので、そろそろ帰ってくるかと…」
時計を確認しながら答えた牧野に
「サンキュ」
と内心ホッとしながら答えると私室に戻った。




いつも応援ありがとうございます♡

幼なじみ 19、5

いつもお話を元に素敵な妄想をして下さる
ふに★★★様より頂いた妄想の種を
ダッシュで種まきして
トトロのおまじない(?)の力を借りて
超特急でお花咲かせてみました(笑)

頂いた妄想の種は…

本当なら本編ではクリスマスパーティーの帰りは
1人で帰ってくる感じだったんですが、
つくしちゃんに想いを寄せる男が送るという口実で一緒に帰った所に
司君が鉢合わせしてしまったら??

なんて感じの物です…。
あぁ…komaヨダレが止まりません(笑)
ふに★★★様、毎度ありがとうございます(*^^*)


本編19話と20話の間ってことで19、5話としてお楽しみください♪
※後から加えた話なので、
 微妙につじつまが合わない所もあると思います。
 あくまでもおまけのエピソードとしてお楽しみ下さいませ(*-∀-*)ゞ






続きを読む

幼なじみ 20

今年は司もいるから、と欠席するつもりだった
小学校の時のクラス会を兼ねたクリスマスパーティに
優紀に頼んで急遽連れて行ってもらった。

懐かしい顔ぶれと再会もできて
楽しかったんだけど…それでもやっぱり心の片隅は重いまま。


『幼なじみ』   第20話


邸の門の所に着くと
そこには何故か司が不機嫌そうな顔で立っていて
「来いっ。帰んぞっ!」
そう言ってあたしの手を取ると
お構いなしにズンズン進んで行く。

「ちょ…何っ!?」
転ばないように慌ててついて行きながらも
繋がれた手の力強さと大きさに少し焦った。

小さかったあの頃、毎日のように
この手を繋ぎあわせていたはずなのに全然違う手みたい…。

そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか
「小せぇ手。それにすげぇ冷たい。
 手袋くらいしてなかったのかよ…」
とクスッと笑いながら振り向くから
何だか急に恥ずかしくなって手を引こうとしたら

「ばーか。離さねぇよ」
と逆にグイッと引き寄せられた。

その笑った顔に、司の香りにドキッと心臓が高鳴った。

結局、その手は離されないまま
連れて来られたのはバルコニーだった。

そこにはいつかみたいに天体望遠鏡が置いてあって
それをじっと見てるあたしに
「…昨日は怒鳴ったりして、悪かった」
とバツが悪そうに視線をそらしながらそんな事を言う。

「え…。違うよ、あれはあたしが…」
悪かったんだよ?
そう続けようとした言葉も聞いてくれなくて
「でもお前もお前だぞ。
 謝ろうと思ってたのに、朝起こしに来なかったじゃねぇかよ」
とムッとした顔をあたしに向ける。

へ?怒ってるのはそっちなの?
勝手に部屋に入ったり、テレビ電話覗こうとした事じゃなくて?

「う、うん…。ごめんね?」
「別にもういいけどよ…。
 久々に土星見せてやるから仲直りしようぜ?な?」
そう言いながらあたしの髪をクシャッと撫でると
望遠鏡の位置を調整して
「ほら。あったぜ」
と嬉しそうに手招きをする。

促されるままに覗いてみれば
そこにはいつかも見た土星が映っていた。

「わ~!やっぱり土星って可愛いよね」
初めて司に自分たちは土星人だと言われてから
あたしは土星が好きだった。

住んでる世界が違うあたし達の共通の星。

どれくらい土星に見入っていただろう。
ふいに背中からふわっと温もりに包まれた。


なんだろう、なんて思う間もなく
司に抱きしめられてるんだと気付いて急に心臓が暴れ出す。

「つ、…司?ちょ…放して?」
「あ?なんでだよ。やなのか?」
あたしのパニックなんてお構いなしに
放してくれるどころかグッと力を入れて
あたしをすっぽりとおさめてしまう。

想像していたよりも居心地のいいこの場所に
放せといいながら、本音はずっとここにいたいと思ってる。
だけどあたしの嘘つきな口は

「…嫌とかそういう問題じゃなくて。
 いくら幼なじみだからってこんなの変だよ……
 こういうのはちゃんと好きな子にしてあげないとダメだよ」
なんて可愛くない言葉しか吐き出さない。


「…うるせぇ。幼なじみなんてもうヤメだ」
ボソッと呟いた司の言葉に
ドキドキしてた心臓が今度はギュッと痛くなった。

司にとってあたしはもう幼なじみでもないの?
それ以上求めたりしないのに…。
もう幼なじみとしてもそばにいられないの?

じわっと涙を浮かばせたあたしに気付いた司は
呆れたように大きくため息をつくと
「……お前。何かとんでもねぇ勘違いしてねぇか?」
そう言いながら溢れだした涙を親指でグイッと拭うと
腕をほどいてあたしの体を司の方に向き合わせた。

「オレにとってお前は幼なじみじゃねぇってのは
 オレはもうお前の幼なじみじゃ嫌だって意味だ…わかるか?」
「……?幼なじみじゃなかったら何なの?
 友達?ただの知り合い?それとも使用人の娘?」
そこまで言うと頬を軽く抓られた。

「お前はバカか?
 友達や知り合いや、まして使用人の娘ってだけなら
 どうして抱きしめる必要があるんだ…鈍いのも大概にしろよ」
「…だったら何?
 ちゃんと言ってくんなきゃわかんないよっ」
抓られてる手を払ってそう言ったあたしに司は

「オレはもうずっとお前を幼なじみだなんて思ってねぇ。
 お前は…オレの好きな女だ。だから抱きしめた。
 オレはお前の幼なじみじゃなくて好きな男になりてぇんだよ」
そうまっすぐ見つめながら真剣な顔で言った。





いつも応援ありがとうございます♡

幼なじみ 21

普通抱きしめて「幼なじみじゃない」なんて言われたら
ちょっとは勘付いてもよさそうなモンじゃねぇ?

お前にとってオレはそこまで男でねぇのか?
さすがのオレもヘコみそうだっつーの…。



『幼なじみ』   第21話


「オレはもうずっとお前を幼なじみだなんて思ってねぇ。
 お前は…オレの好きな女だ。だから抱きしめた。
 オレはお前の幼なじみじゃなくて好きな男になりたいんだよ」

オレの言葉につくしは目を見開いたまま固まってる。
マジで欠片ほども気づいてなかったのかよ…。

「おい。…聞いてんのか?」
あまりにも固まったまま何も言わないつくしの額をピンと弾くと
止まっていた涙がぶわっと溢れ出した。

「なっ…。そんな強く弾いてねぇだろっ?」
焦ってつくしをもう一度抱きしめてあやすように髪を撫でる。

それでもつくしは泣き止むどころか
どんどん泣き出してついには鼻まですすり出す。

もしかして…好きだって言われたのが迷惑って事か?
オレはどうやったってお前の幼なじみ以上にはなれねぇのか?

そんな不安が心の中に広がり始めた、その時。

「……いいの?」
と腕の中から小せぇ声が聞こえる。
「何がだよ」
腕をほどいて濡れた瞳を覗き込む。

ゆらゆらと揺れる大きな瞳がオレを捉える。

「あたし……。司の事好きでいていいの?」
そんなつくしの言葉に今度はオレが固まる番だった。



「…いつからだ?」
「え?」
「いつからオレの事が好きだったんだ?」

そりゃ嫌われてねぇ自信はあったけど
だけどそれはあくまでも幼なじみとしての愛情だと思ってた。

だから今日はとりあえず
オレを幼なじみじゃなくてちゃんと「男」として意識して欲しくて。
NYに戻るまでに答えを出してくれればいいと…

そんな風に考えてた。

「いつからかはわかんない。
 だけど…たぶん、ずっと。司しか好きだって思ったことないもん」
恥ずかしそうに膝を抱えて俯いたつくし。

「ずっと…って。
 だってお前…小学校の時だって
 クラスの男子がカッコイイとかそんな事ばっか言って
 オレの事なんて見ようともしなかったじゃねぇかよ…」

「言ったけど…。でも、司よ……コイ……てない」
最後の方は全然聞こえなかったが
長い付き合いのオレにはこいつが何言ったかくらいわかる。


―司よりカッコイイなんて言ってない―


思わずニヤけそうになる顔を必死に抑えて
ポケットに忍ばせておいたクリスマスプレゼントを取り出す。

「クリスマスプレゼントだ」
そう言って箱を開けて見せてやると
「え……。ダ、ダメだよっっ!こんな高そうな物…」
慌てて手で押し返そうとしてくる。

オレがつくしのために用意したのは
土星のネックレスだった。
2人の運命の星をいつでもお前に身につけててほしくて作った。

「いいんだよ。好きな女にプレゼントやって何が悪いんだ」
そう言って強引につくしにネックレスをつけると
オレが手に持ってた時よりも綺麗に輝いて見えた。

「めちゃくちゃ似合ってる。
 お前じゃねぇ誰がこんなの付けるんだよ。
 いらねぇっつーなら捨てるぞ?なぁ、頼むからもらってくれねぇか…?」
物心つく頃から一緒にいるんだ。つくしの性格なら熟知してる。

物をむやみに捨てるのも嫌がるし、
お人よしなこいつはお願いされると嫌だとも言えねぇ。

「でも…あたし。
 くれるなんて思ってなかったから用意してないよ?」
困ったように何かあったかと考え込んでるこいつ。

あぁ、そうだった。
なんでも平等にしたがるのもこいつの性格だったな…。

「別にプレゼントなんていらねぇけど…
 どうしてもっつーなら、勝手にもらうけど、いいのか?」
「…?うん?あたしがあげられる物ならね?」
「あぁ。お前にしかあげられねぇモンだ」
そう言って首をかしげてるつくしを引き寄せてキスをした。

つくしは驚いてガチガチになってんのがわかる。
それでもしばらくすると力を抜いて
控えめにオレの服をぎゅっと握る。

ゆっくり唇を離して額だけをくっつけた状態で
つくしを覗き込めば顔は真っ赤だ。

…そういうオレも顔が熱いからきっと真っ赤なんだろうけどな。

「つくし…好きだ」
「……うん。でもホントに大丈夫なのかな…
 あたし、ホントに司の事好きでいていいのかな…」
「バカ、違ぇよ。
 お前はオレの事を好きでいなきゃダメなんだ」

オレの言葉に顔をまた赤くするつくし。
その顔が可愛くて、もう一度キスをした。




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