NO WAY! 2

「今度は水曜の仕事終わりに飯に行くらしいぞ。
 どうする?浮気現場に乗り込むか?」

…おいっ。なんでお前がそんな事知ってんだよ!!


『NO WAY!』    第2話


突然降ってわいた牧野の浮気疑惑。

「お前なら絶対そうくると思って
 ここに来る前に調べてやったんだよ、牧野の浮気相手♪」

人の不幸を楽しそうに話す総二郎を1発殴ってから
知ってる事を全部吐かせた。

相手の名前は 高橋 真(たかはし まこと) 28歳。
アイツの事務所の先輩弁護士。
なかなかやり手で事務所の若手のエースらしい。
ほらよ、と見せられた写真を見ると
オレ様の方が断然カッコいい事に間違いはねぇが
柔らかい雰囲気が少しだけ類と似てる気がする……気に食わねぇ。

…アイツの周りにはどうしてこうスペックの高い男が集まるんだ。
そしてやっかいそうな奴に限って牧野にちょっかいを出してきやがる。

それでもオレ様ほど完璧な男はいねぇだろうよ。

…嘘ついてデートした上に今度は一緒に飯だと?
そんなのこのオレ様が黙って許すと思ってんのか!



「よぉ。」
オレはその日の夜早速アイツの家の前で待ち伏せをした。

「えっ!なんで?何してんのよ」
すげぇビックリしてる牧野。
「来るなら来るって言ってくれれば早く帰ってきたのに」
そう言いながら部屋の鍵を開けるこいつに
「早く…ってどっか寄り道でもしてたのかよ」と聞いてやる。
「え…っ!?べ、別にそういうワケじゃないけど…
 えっと…事務所でね、先輩とちょっと話こんじゃってたから」
なに急にドギマギしてんだよ。

…まさか。

「その先輩ってこないだの日曜誘ってくれたとか言ってたやつか?」
「へ…?あ~、そうだよ。とりあえず中入る?
 どうせあんたの口には合わないんだろうけどお茶くらい出すから」
そう言いながら、あわただしく部屋に入っていく牧野。
「あ!そういえば花沢類にもらった紅茶があったんだ!
 それならあんたも飲めるよね?」
おまえ…平然を装ってるけど、今話題変えようと必死じゃね?
…まぁいいや。今はまだ泳がしておいてやるか。
「…あぁ。それでいい」

紅茶を用意しながら
どうでもいいような話をべらべらしゃべっている牧野。

「今度の水曜…」
オレが急に口を挟むとビックリしたようにこっちを向くアイツ。
「今度の水曜だったか。会食もねーから早く帰れる。飯でもいかねーか?」
総二郎の話だと水曜にアイツと飯に行くんだろ?

「水曜……か。ちょっと無理そうかな?先輩とね、ご飯行く約束なの」
言いにくそうに言いながらごめんね?と手を合わせる牧野。
オレよりアイツを優先するっつーのか…。
「また先輩かよ。ずいぶん…仲がいいんだな、その先輩とやらは」
牧野を睨みながら言ってやる。
「え…うん。可愛がってくれてる…かな?
 仕事以外にも色々教えてもらってるし、頼りにしてるよ」
そういう牧野の顔が少し赤い気がすんのはオレの見間違いか?
仕事以外って何教えてもらってんだよ!!

そんな言葉をグッと飲み込んで…
わざとらしく手帳を見るふりをしてから
「…やべ。会食なかったのやっぱ火曜だったわ」オレが言うと
「あ、火曜ならあたしも行けるよ」とホッとしたような顔で言う牧野。
「じゃあ、そうすっか…水曜、楽しんで来いよ?」
「うんっ」そう言って笑う牧野。

…オレも楽しみでしょうがねーよ。
どうやってこの浮気女にお仕置きしてやろうか…ってな。




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NO WAY! 3

火曜は約束通り牧野と飯を食うために
仕事を早めに切り上げあいつを迎えに行った。


『NO WAY!』   第3話


「お前、会社帰りのわりにはちゃんとしてんな」
こいつの事だから会社帰りに会うなら
あの色気のねぇスーツのまま来ると思ってた。
なのに着替えてきたのかワンピースだ。

「へ?そ、そう?
 さすがにスーツじゃまずいかと思って……変、かな?」
ちょっと頬を赤らめて自分の格好を確認する牧野。
「いや…いいんじゃねぇの?お前によく似合ってんよ」
オレが言うとホッとしたように笑うこいつ。

……可愛すぎんだろ、おい。

こんなちょっとした事でオレは幸せだっつーのに。
毎日こうだったら…って思ってんのに。

……お前は明日アイツと飯食う気なんだろ?

牧野が浮気…。
つまらねー嫉妬してあいつを困らせている自覚はあるが、
本気で疑ったことなんて今までなかった…。

……確か高橋とか言ったな。
牧野はそいつが好きなのだろうか。
それってオレの事よりもか…?
クソッ…!そんなのぜってぇ許さねぇぞ。
牧野はオレのだ!
高橋をぶっ殺してでもオレはこいつを取り戻す!



翌日。
見つからねぇように変装して
あいつの事務所の前にある喫茶店で
牧野と高橋が出てくるのを待っていた。

「よ、司♪」
声をかけられて振り向けば、そこにはあいつらの姿。

「やっぱり来たか」と総二郎。
「なんか面白いことになってんだってな?」とあきら。
楽しそうな2人の横では
「なんで俺まで…」と類があくびをしている。
どうやら類は無理やり連れてこられたらしいが
3人とも目立たない格好をしている所をみると
ついてくるつもりなのか?

そう思ってると
「お。出てきたぜ。つくしチャン」と総二郎が外を指さす。
「確かになかなかいい男だな、ありゃ」
とあきらは後から出てきた高橋の品定め。
「…なんか牧野カワイイね。デートだからかな?」と類。
そう言われて見てみれば、確かに今日もスーツじゃねぇ。
昨日に比べればかなりカジュアルだが、スカートだ。
しかもちょっと短くねーか、それ。

そんな牧野をチェックするように全身を見た高橋が
牧野の頭をクシャッと撫でて褒めて牧野も照れ笑いしている。
チッ…気安く触ってんじゃねーよ!
そんでお前も嬉しそうにしてんじゃねーよ…。

「とりあえずついてくか」総二郎が動き出し
店を出て、牧野たちにバレねぇようについて行く。

距離をあけて歩いているから話してる内容はわからねぇが
時々高橋とじゃれ合ったりしてすげー楽しそうな牧野。

「日曜もあんな感じだったんだぜ?」と総二郎が言えば
「これはマジでマジなんじゃねぇの?」とあきらがこっちをチラ見する。
しばらく歩いていると居酒屋らしい店に入っていく。
入る時もさりげなく牧野をエスコートしている高橋。

「どうする?オレらも行くか?」総二郎とあきらが相談する横で、
「入るに決まってんだろうが」とオレは店に入る。

それぞれのテーブルが半個室になってるこの店は
近くの席にいてもお互い見えそうにねぇから好都合だ。
念のために牧野がいる席から1つあけて座るオレら。

店内はガヤガヤと騒がしくて
話てる内容はやっぱりきこえねぇが
時よりあいつの笑い声が聞こえている。

オレが大好きなお前の笑い声。

楽しそうなお前の声を聞いて
こんなに胸がいてーのは初めてだ…。



NO WAY! 4

店に入って2時間。
客のピークも過ぎたのか店内も少し落ち着いてきて
あいつらの会話もちらほら聞き取れるようになった。


『NO WAY!』   第4話


『あ~。もうこんな時間だ。
 楽しいからあっと言う間ですね~』と牧野の声がした。

「お。そろそろ帰るんじゃねぇの?」と総二郎。
「まさかマジで牧野が浮気するなんてなぁ」とあきら。
「浮気するんなら、相手は俺にしてくれたら良かったのに…」と類。
言いたい放題なこいつらをまとめて殴ってやろうと思っていた
その時、信じられねー会話が聞こえてきた。

『今日この後時間あるならちょっと家寄って行かない?』
と高橋らしい声がする。
それを聞いた総二郎は
「つくしチャンをお持ち帰りするつもりかよっ」
ヒュゥッと口笛を吹く。

『おいしいクッキーもらったんだけどさ、
 1人じゃ食べきれないし、少しもらって欲しいんだけど』
「またベタな誘い文句だな…
 いくら牧野でもコレにはのらねーんじゃねぇの?」
とあきらも苦笑いするが

『え~!あたし甘いの大好きなんです!』とはしゃいでいる。
……おいッ!子供じゃねぇんだから食い物なんかで
簡単にひっかかって喜んでんじゃねーよ!!
クッキーくらいオレがいくらでも買ってやるっつーんだよ!

『そうなの?じゃあ少しと言わず全部持って行ってもいーよ?』
『いえいえ!それは悪いです!
 先輩が食べる分はちゃんと取っておいてくださいね?』

『そうと決まればそろそろ行こうか』
『あ!先輩!この間とクッキーのお礼に
 ここはあたしに出させて下さいっ』
『そんなのダメに決まってるでしょ?
 今日は誘ったのだってこっちなのに
 後輩に払わせるなんてできないよ』

いやいやここは私が!みたいな会話を続ける2人…。
そんなのどっちでもいいだろうが。
それにこんな店なら大した額でもねぇはずだろ。

いや。問題はそんなとこじゃねぇ…。

このままでは牧野が高橋の家に行っちまう…。
そうなったら…そうなったら……なったら………。

― オレの中でブチッと何かが切れる音がした ―

「ふざんけんじゃねぇっ!!」
急いであいつらの席に向うオレ。

「あっ!ちょっと待て司…!」

3人は後を追いかけてくる。


「おいッ!牧野!お前何考えてやがるっ!!」


「ど…ど…道明寺っ!?」

突然怒鳴り込んできたオレに心底ビックリしている牧野は
高橋と伝票を取り合いした格好のまま固まっていた。




NO WAY! 5

牧野がオレを裏切った…。
信じたくねぇ…。

信じたくねぇけど、これが現実なんだろ…?


『NO WAY!』   第5話


「ど…道明寺!なんで…」
でっけぇ目が落ちんじゃねーかって程見開いている牧野。

「お前こそ何のつもりだ!
 オレの誘いを断っておきながらこんな奴と飯だと!?
 ふざけんのもいい加減にしろよ!」
高橋を指さして怒鳴ってやる。
高橋は驚いてはいるようだが、うろたえたりしてる様子はない。
彼氏がいるって聞いてなかったのか?
それとも、このオレの女に手を出すくらいだから相当肝がすわってんのか。

「ちょ…っ!先輩に失礼でしょうが!!
 それに今日はあんたも楽しんで来いって言ってたじゃない!
 なんでこんな仕打ち受けなきゃなんないのよっ!!先輩に謝んなさいよっ!」
牧野が指をさしているオレの腕をバシっと払いのけながら怒ってくる。

浮気しといて見つかったら逆ギレかよ。

上等じゃねーか…!

「オレは先輩との飯を楽しんで来いっつったんだよ!
 どこの世界に自分の女に浮気を楽しめっつー男がいんだよ!!」
強くなったオレの声に
ビクッと肩を揺らした牧野はしばらく黙りこんだ。

逆ギレの次はだんまりか?

「なんとか言えよ。この浮気女。」オレは冷たく言ってやる。

牧野が顔をピクピクとひきつらせ
「…あんた。……まさか…」そう言いかけた時、

「あはははは!!
 もしかしてこの人が噂の彼氏さん?
 超カッコいいじゃん!そりゃお洒落頑張りたくなるのもわかるな~
 私もこんな彼氏ほし~♪」



……は?

今しゃべったの…高橋だよな?

彼氏欲しい…って言わなかったか?


フリーズして動かねぇ頭をなんとか回転させて考える。
そしてしばらく沈黙のあと、

「おい牧野…こいつまさか……ゲ…」
漸くたどり着いた答えを言いかけたオレに
牧野が飛びついてきて口をふさいだ。そして、
「女の人よ!お・ん・な!女性!
 間違ってもゲイだとか男とか言わないでよ!失礼でしょ!」
と高橋に聞こえないようにオレの耳元で小さめに言うこいつ。

その言葉は後ろにいた3人にも聞こえていたようで
「この見た目で女?…マジかよ。」とあきらがため息。
「うん。俺もちょっとビックリしたかも。」と類。

そんなやり取りをニコニコしながら見ていた高橋はスッと立って、

「初めまして。
 つくしちゃんの事務所で弁護士をしている高橋 真と申します。」
と名刺を差し出しながら綺麗に笑った。

「彼氏さんのお出ましならクッキーはまた今度にしよっか」
と高橋は帰って行き、
オレ達もいつもの店のVIPルームにでも移動することにした。


とりあえず浮気は誤解だったと安堵したのもつかの間。


ふと振り返るとそこには



見たこともねぇすげぇオーラを纏った牧野がオレ達を鋭く睨みつけていた…。






NO WAY! 6

高橋は男みてーな女だった…。
そんなのアリかよ。

あの見た目じゃ男だと思ったって
しょうがねぇんじゃねーの…?


『NO WAY!』    第6話


店を移動してからも牧野は機嫌がすこぶる悪りぃ。
やってもいねぇ浮気を疑った上に、
コイツの先輩に対するオレの態度。

当然っちゃ当然だよな…。

「まったく!いい加減にしなさいよね!」
「わ…悪かったよ。機嫌直せよ…な?」
こいつの髪に触れようとするオレの手をバシっと叩かれる。
やべぇ。触ることすら許されねぇ。
こんなにキレてんの初めてじゃねぇか…?

「何よ!ちょっと調べればわかる事でしょ!?
 いつも勝手に人の個人情報バンバン調べるくせに
 どうやったらそんな肝心なとこが抜け落ちちゃうのよ!」と牧野。

ん?
…確かにそうだ。
ちょっと調べれば名前どころかそいつの過去だって何だってわかる。
いくら高橋の見た目がああだからって性別がわかんねぇハズがない。
今回それさえわかっていればこんな事にならなかった…。

高橋の事を調べたのは誰だ…?

そういえばさっきだって
高橋が女だって事に反応しなかった奴がいた…

その答えにたどり着こうとしていたオレの視界の隅で
そぉーっと帰ろうとしている総二郎が目に入る。

「ちょっと待て。総二郎…」素早くコイツの首根っこを捕まえる。
「……お前、高橋が女だって知ってたんじゃねぇのか?」
「いやぁ…さすがにもうちっと早く気付くと思ったんだが…なぁ?
 お前が怒鳴り込む前だって待てっつったのに聞かねーんだもんよ…」
ハハハ…と気まずそうに笑ってやがる。

「てめぇっ!!」
もちろん総二郎は徹底的にボコってやった。




あれから1週間。
電話は着拒でメールは無視。
lineに至ってはブロックときた。
部屋の前で待ち伏せしようものなら
あいつが先にオレに気付けばダチの家に泊まりに逃げたり
オレが先に気付けばストーカーだと警察を呼ぶ始末。

どうにもこうにも困り果てて、
あいつの退社を事務所の前で待つことにした。
会社の前ならあいつも下手に騒ぎ立てたりは出来ねーはず。

これでダメならもう警視総監に電話して
あいつを指名手配させるしかねぇ。
ただこれは前にやって怒られてっから
出来ればやりたくねぇんだけどよ…。

とにかくだ。
あいつが嫌がろうが、何だろうが
とっつかまえねー事には話すらできそうにねぇからな。

しばらく待っていると牧野…とその横に高橋が歩いてきた。

「彼氏さん、来てるよ?」と高橋がオレの方を見ながら言うと
オレに気付いて明らかに「ゲッ!!」って言ってる顔をする牧野。
喧嘩中って言ったって婚約者だろうが、オレは。
その反応はあんまりじゃねぇの?オレだって傷つくんだぞ?

ヘコんでてもしょうがねぇ…と、あいつらに近づいて、
「ちょっとコイツ借りてってもいーか?」と牧野を指さし高橋に聞く。
「えぇ、どうぞ?」と高橋が言うと同時に
「え!冗談じゃない!先輩帰りましょ!!」と逃げようとする牧野。
そんな牧野を見て、
「…もしかしてあれから喧嘩したままとか?」と高橋は呆れ顔だ。
そして、
「私はこういうの慣れてるから怒ってないって言ってるのに…。
 そろそろ許してあげないと彼氏さんも可哀そうよ?」と牧野に言っている。

高橋…お前、なかなかいい奴じゃねぇかっ!

牧野も高橋には強く言えねぇのか、「う゛~…でもぉ…」とか言っている。
その後も高橋にいろいろ言われて結局根負けしたらしい牧野は

「わ…わかりましたよ! 道明寺!話聞くだけだからね?」
とオレの腕を引っ張って歩き出した。
その様子に満足した高橋はニマっと笑って手を振っていた。


そのままこいつのマンションにやってきたオレたち。

そこでオレは謝って、謝って、謝りたおしてなんとか許してもらった。
こんなに人に謝ったのは人生初だ。
このオレにこんな事がさせられるのは世界中探してもお前だけだ。
それでも許してくれたんならもう何でもいいけどよ。

1週間ぶりに牧野を抱きしめる。
はぁぁぁ…。
マジで今回はヤバかった…。
あまりのこいつの怒りように
もう許してもらえねぇんじゃねーかと思って泣きそうだった。


オレの腕の中に戻ってきた牧野にホッとする。


そしてホッとしたらついいつもの調子で
「そもそもオレの誘いを断ったりしなけりゃ疑ったりしなかった」と
愚痴るオレに牧野は

「あの日は…先輩に頼んで服を選んでもらってたの!」と言う。

は?なんだそれ。そんな顔のオレに構わず続ける牧野。
「先輩ってね、私服のセンスがすっごく素敵なの。
 ただ流行の服を着るだけじゃないって言うか、
 自分に本当に似合う服って言うの…?
 あたしも社会人だしさ、あんたとデ…デ、デート…する時とかさ、
 そんな服来て行きたいなぁ…って思って、あたしから頼んだの!
 それなのにドタキャンなんて出来るワケないじゃない!」
そこまで言うと真っ赤にしてオレの胸に顔をうずめた牧野。


なんだそれ。


それってつまりは…


「オレの為に可愛くなろうとしてたのか…?」

その言葉にピクッと肩を揺らしてそのまま黙り込む牧野。


…言われてみれば最近のこいつはやたらと可愛い格好をしていた。
オレに可愛いと思われたくて頑張ってたのかよ。

……やべぇ。

嬉しすぎんだろ。
顔がニヤけてしょーがねぇ。

「お洒落してるお前ももちろん可愛いと思ってるけどよ…」
話しはじめたオレを見上げる牧野。
「何も着てないお前が一番かわいいに決まってんだろ?」
そう言って素早く抱きかかえるとベッドルームへ向かう。

エロ、変態、バカ、やっぱり許さない、だのと牧野は暴れながら言ってるが
こっちはただでさえ無視され、おあずけ喰らって、
もう少しで死にそうだったっつーのに
そんなカワイイ事言って煽ったお前が悪い。

…そうだろ?


~fin~




★あとがきはコチラ~★

「NO WAY!」あとがき & 次回からは…

「NO WAY!」

まずは最後までお読み頂きありがとうございます。

続きを読む

TAKE2  1

いつだって自分の事なんかより
他人の事を思いやってやれるアイツ。
オレはお前のそんなトコも好きだけどな。

でもあの時、お前があんな事しなきゃ
あんな目に遭わなくてすんだのに…。


『TAKE2』   第1話

牧野が刺された。

暴漢が狙っていたのは、確かにオレだった。
刺される寸前、牧野はオレをかばおうと前に出て
オレの目の前で倒れた。

牧野の目が覚めたのは
事件から2日後の事だった。

「…!牧野!?気が付いたか!?」
「つくし~!よかった…よかったよぉ」

病室でアイツの目覚めを待っていたオレらと滋、桜子は
安堵の声をあげる。

まだ焦点が合ってねぇらしい牧野を覗き込むように
ベッドの上に乗り出すオレら。

「……F4?」

…は?何言ってんだこいつ。
いや間違ってはねぇんだけどよ。
どうやらまだ意識がハッキリしてねぇみてーだ。

「つくし?痛い所はない?大丈夫?
 あんた刺されて2日も意識がなかったのよ?
 みなさん心配してずっと付いててくれたんだから~」
と牧野の母ちゃんが、アイツをそっと抱き起す。

いてて…と傷をさすりながらゆっくりと座る牧野。
「そういえばなんか知らないけど刺された気がする…」

「お前な、あの状況で前に出るとか無謀すぎるだろうが。
 無茶すんじゃねぇよ。2日間も眠ったままだしよ…。
 でも目が覚めて、マジでよかった…」
そう言いながら牧野の頭にポンと手を置くと
ビクッと震えるあいつの体。

傷に響いたのかと思って、すぐにその手をどける。
「わりぃ。痛むか?」
「司、お前はバカ力なんだから気ぃつけろよ?」とあきら。
「そうそう。抱きついたりもしばらくはできねーぞ?」と総二郎。
「そうだよー!絶対安静なんだからね?」と滋。
「うるせぇっ」とあきらと総二郎に蹴りを入れようとすると
「大声だって、傷に響くんだよ、司」と類の冷たい視線。
「道明寺さんは黙って座ってて下さいます?」と桜子が締めて笑う。

そんなオレらのやり取りを黙って見ていた牧野だったが、

「…ていうかあんたたちF4…でしょ?なんでこんな所にいるの?」

牧野のこの一言に全員の笑顔が固まった。


TAKE2  2

確かこいつは目が覚めた時も
オレらを見て「F4」と言った。

そして今、牧野はまるで
他人を見るような顔でオレらを見ている…。
なんだ、この違和感…。


『TAKE2』    第2話


「ママ、どういう事?なんでF4なんかがいるの?」
固まるオレらから視線を外したこいつは
母ちゃんに尋ねる。

「つくし?何言ってんの?
 みなさんはあんたを心配して…」
母ちゃんもオレらをチラチラ見ながら
申し訳なさそうに答えるが

「だから、なんでF4があたしの心配なんてするのよ
 関係ないでしょ?」
そんな牧野の言葉を聞いて

「関係なくなんかないよ!つくし!
 私たち友達だもん!心配するよ!」
「そうですよ、先輩。さっきから何の冗談のおつもりですか?」
滋と桜子が牧野に詰め寄る。

その迫力にちょっと驚きながらも
「ありゃ…。このお人形さんみたいに綺麗な人たちは…F4の友達?」
と真顔で答える。

どうやら冗談のつもりじゃねぇらしい事を悟ったオレら。
牧野に何が起きてんだ…。

「……牧野。オレ達の事は知ってるんだよね?」と類が口を開く。

「え…だって、英徳であんた達を知らない人なんて…」

「じゃあオレたちとあんたの関係は?」

「関係って…。強いて言うなら同じ学校に通ってる…くらい?」と
考え込みながら答える牧野。

「ばっ!ふざんじゃねぇ!少なくともオレはそんなんじゃねぇだろうが!!」
オレが怒鳴ると牧野は怯えたようにビクッと体を揺らす。


「ちょっと司は黙っててよ。総二郎、司のこと押さえてて」と類が言うと
総二郎がオレを羽交い絞めにしてきた。

なんだよ…。

『あんたが好きだって言ってるじゃない!このぼけなすっ』
『NYに行かないで!…行っちゃやだ!もう離れるのは嫌なの』

お前、そう言ったじゃねぇかよ…。
なんでそんな知らねー奴見るような目してんだよ…。

類はオレが黙った事を確認すると牧野に向き直って
「あんたオレらに赤札貼られた事覚えてる?」

「え!?なんで!…次のターゲットあたしなの!?
 ちょっと!あたしが何したって言うのよ!」

「……これでちょっとハッキリしてきたかもね」類がため息をついた。







病院を後にしてオレの家にみんなで集まる。

「「「「「記憶喪失~?」」」」」

「そ。どうやら牧野の記憶は赤札を貼られる前で止まってるみたい。
 だからオレらは学園を牛耳ってるF4ってだけの認識で、
 その後に知り合う三条や大河原の事がわからない。」

「…って事は今のあいつにとってオレらって…」
「自分で稼いだこともねぇくせに、
 親の権力振りかざして調子乗って威張ってるバカ坊ちゃんズ、だな」
あきらと総二郎が苦笑いしている。

「あきら君たちはまだいいよ!私なんて忘れられてるんだから!」と滋は涙目だ。
「いつかは思い出してくれるんでしょうか?」と桜子の質問に

「それは医者もわかんないってさ。
 一時的な混乱かもしれないし、一生忘れたままかもしれない。
 とりあえず、今の牧野に近づくためには
 もう1回、友達になるしかないんじゃない?」
類は軽く息をついて、ソファに横になった。



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