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Love is best 1

「ここか?」
「え…あ、はい」

牧野が告げた住所で停車した車。
てっきりどこかのマンションかと思えば
着いたその場所にあったのはこじんまりとした一軒家。


『Love is best 1』
 ~Be my valentine 番外編~



その家の窓や玄関の軒先には明かりが灯っている。

「あの…送って頂いてありがとうございました」
ペコリと頭を下げるこいつは
帰りたくねぇとか思ってねぇのか?

オレたちはついさっき付き合ったばかりのカップルだ。
目の前の牧野に夢中になって
行き先の変更を告げるのを忘れていたせいで
こうして家の前まで来てしまった。

ここまで来てもまだ
離れ難い…っつーかこのまま帰すのを躊躇って
出来る事なら連れて帰りたいと思っているオレ。

でもあまりガッついてたら嫌われるか?
キスだけで真っ赤になっていた
牧野を思い出せば なんとなく強引に進めない。

「…家族で住んでるのか?」
「はい。両親と弟の4人家族なんです」

「へぇ。
 一人暮らしかと思ってた」
「もういい歳だし自立はしたかったんですけど
 パパが心配性で1人暮らしは危ないって聞かなくて」
そう困ったように笑って答えたと同時に

「…つくし?帰ってきてるの?」
「えっ。ママ!?」
とドアから顔を覗かせたのは
どうやら牧野の母親らしい。

「あら。こちらは?」
「え、えっと…」
オレを見て面白いものを見たとばかりに笑った母親に
頬を赤くして慌てだした牧野の隣で

「はじめまして。
 道明寺司と申します。
 つくしさんとお付き合いさせて頂いてます」
こういう事は最初が肝心だろうと
姿勢を正して頭を下げた。

「まぁまぁ。そうなの?
 だったらそんな寒い所でしゃべってないで
 良かったら上がって行ってもらったら?」

「えっ!そんなっ…
 ダメだよっ。道明寺さんだって
 急にそんな事言われたら困っちゃう…」
「牧野…。
 ご両親が迷惑でなければオレは挨拶して行きたい」
牧野の言葉を遮ってそう言えば

「迷惑だなんて。
 さぁさぁ、狭い所ですが上がってください」
と母親が代わりに答え、玄関のドアを大きく開いた。



通されたリビングは
お世辞にも豪華とは言えず
シンプルな家具でまとめられた部屋だったが
その壁やチェストの上には
幼い姉弟の写真や家族の写真が飾られていて
暖かい雰囲気で溢れていた。

「え、え~っと…
 道明寺さん…って、あの?」
「どの、かはわかりませんが
 今は道明寺HDの日本支社を任されています」
言いながら名刺を取りだし親父さんに渡す。

「つくしとはいつから?」
「実は今日なんです。
 しかし、私は以前よりつくしさんに好意を寄せており
 やっと想いが通じた喜びを噛みしめてます」
言いながら隣に座る牧野に、な?と微笑めば
オレの視線に気付いた牧野は頬を赤く染めた。

そんなオレ達を見て
笑顔を浮かべている母親とは対照的に
オレの名刺を眺めたまま黙っている親父さん。

その姿に総二郎の言葉を思い出す。

『優紀の両親にしてみれば
 俺の家がかえってマイナスになる』

それだって最初は意味がわからなかったが
リビングに飾られた写真は
どれも幸せそうに笑っている写真ばかりで
牧野の両親がどれだけ子供を大事に育ててきたか、
その幸せをどれほど願っているかを伝えてきていて

親父さんが心配しているのは
オレと一緒にいる事で
娘が苦労をしないかという事だ。

「お義父さんの心配はごもっともです。
 私もそこが心配だったからこそ、
 つくしさんに想いを告げるのが今日になりました。
 両親もすでに交際を認めてくれていますし
 何があってもつくしさんは私が守るとお約束します」
まっすぐに親父さんを見つめてそう言えば
牧野とオレを交互に何度か見た親父さんは

「つくしはどうなんだ?
 道明寺さんと一緒にいる覚悟は出来てるのかい?」
そう優しい口調で牧野に聞いた

オレの気持ちは揺るぎないものだが
牧野がどこまでオレを想ってくれてるかはわかんねぇ。
牧野の答えを待ちながら無意識に息を飲みこんだ。

「…ん。
 覚悟って言われると正直よくわかんないけど
 道明寺さんと一緒なら…大丈夫かなって気がする」
と照れくさそうに言った言葉が嬉しくて
自分でも顔が熱くなるのを感じていた。

「お義父さん、お義母さん。
 私としてはつくしさんと結婚するつもりでいます。
 急にお伺いして不躾なのも承知してますが
 つくしさんとの同棲をお許し頂けないでしょうか?」

「「えっ!?」」
オレの言葉に同時に顔を上げ声を出したのは
牧野と親父さん。

「つくしさんも自立を望んでいますし
 お義父さんの心配も当然です。
 その点、私のマンションなら
 セキュリティ上問題はありません。
 …もちろん、
 私がただつくしさんと離れたくないだけでもありますが」
そこで言葉を切って

「長年の片思いがやっと実ったんだ。
 オレはもうお前との時間を1秒だって無駄にしたくねぇ。
 一緒に暮らしてくれねぇか?」
まっすぐに見つめてそう言えば
すぐに真っ赤になるこいつの顔。

「…つくしがしてみたいのなら いいんじゃない?」
そう言葉を挟んだのはお袋さん。

「マ、ママ?」
「自分の事くらいは出来るように
 教えてきたつもりだけど
 やっぱり出来るのと してるのとでは全然違うでしょ?
 …で?つくしはどうしたいの?」
優しい笑顔のままお袋さんに言われ
オレをもう一度見たこいつは

「…や、やってみたい」
と両親に向かって背筋を伸ばしそう告げた。

その姿に寂しそうに小さく息をついた親父さんと
「そう…じゃあ決まりね。道明寺さん
 至らない点もあるかと思いますがつくしをよろしくお願いします」
とオレに向かって頭を下げたお袋さん。

「ありがとうございます。
 大切にお預かりします」
そうオレも頭を下げると牧野も隣で小さく頭を下げる。

「よしっ。帰るぞ」
「えっ!?今から??」
立ち上がり手を取ったオレに
牧野は大きく目を見開いて驚いている。

「当たり前だろう。
 1秒だって無駄にしたくねぇって言ったじゃねぇか」
「言ったけど…
 ちょ、ちょっと待って。荷物とか…」

そんなオレ達にクスクスと笑ったお袋さんは
「とりあえず、2、3日分の荷物を持って行けば?
 残りはまたゆっくり取りにくればいいわ。
 いきなり全部無くなったらパパも泣いちゃうから」
と可笑しそうに言うと
荷造りも手伝ってあげるからと立ち上がり
10分ほどで戻ってきた牧野から鞄を預かると

両親に見送られ
2人で頭を下げて牧野の実家をあとにした。





いつも応援ありがとうございます♡

★現時点で続きを考えてるわけじゃないですが
  付き合ったその日に両親への挨拶をすませ
  同棲まで始めちゃった2人の勢いに負けて?
  なんとなく番外編シリーズっぽく数字打ちました(^^;)★

Love is best 2

★お知らせです♡
  1つ前の記事に4周年のお祝いにと
  happyさんから頂いたお話があります♡お見逃しなく♪★





「わ、ぁ…。
 これが…道明寺さんのお部屋?」
「気に入ったか?」

あたし達は付き合ってまだ数時間の恋人同士。
それなのに…いきなり同棲なんて。
ほんとにいいのかなぁ?


『Love is best 2』


牧野の両親への挨拶は
人生で一番 緊張したかもしんねぇ。

それでも無事にこうして
同棲の許可を得て、
オレのマンションに連れてきた…いや。
一緒に帰ってこれた事に、完全に浮かれている。

でもまだ油断は禁物だ。
牧野がこの部屋を気に入ってくれるかどうか…。

一緒に暮らすんだ。
今まではオレが気に入った物を置いていたが
これからは牧野の好みだって取り入れてやらなきゃだろ?

「とりあえず座れよ」
「は、はい」

オレの言葉に頷いてソファへ移動したはいいが
ほんとに座ってるか?ってくれーに
浅く腰を下ろしてる牧野はどう見てもくつろいでねぇ。

「もっとゆっくりしろよ」
「だって…
 男の人の部屋に入るのも初めてだし…。
 すごく綺麗だから汚しちゃったらと思うと…」
所在なさげに小さく俯いてポッと頬を染める。

その仕草だって可愛い。
とりあえず先に食っちまうかって程に可愛い。

でもよ…
やっぱひっかかる。

「昨日まではオレの家だったけどよ。
 今日からはお前の家でもあるんだぞ?」
「えっ…あ、そっか。そうでした」
今、思い出したみたいにまた頬を染める。

牧野に近づくと
ソファの背もたれと牧野の間に体を滑り込ませ
グイッとその体を引き寄せた。

ひゃっと小さく声をあげはしたが
大人しくオレの腕の中におさまっている。

男慣れしてない。
そんな勝手な予想はオレを喜ばせ
すっげぇ可愛いと思う……んだが。

オレが好きになった牧野は
こんな遠慮しまくってる姿じゃなくて
眩しいくらいに生き生きとした姿なんだ。

付き合った日に思う事じゃねぇかもしんねぇが
いつか喧嘩をする日も楽しみだったりする。
すっげぇつまんねぇ事で言い合いしたりしてよ、
その後仲直りしてまた笑い合いたい。

「なぁ」
「はい?」

「嫌な事は嫌だって言えばいいんだぞ?」
「え?」

「オレも言うし。まず敬語やめろ」
「うっ…でも」

「一緒に住むんだぞ、家族だろ?
 ここをお前がくつろげねぇ家にする気はねぇ」
「は、……うん」
敬語で答えかけて、言葉に詰まり
それをごまかすように腕の中でオレを見上げると
へらっと笑って頷くその破壊力ときたら…もう。

なんつーか……ダメだ。

「よしっ。寝るか」
「え?もう?」
牧野が驚くのも無理はねぇ。

まだ部屋に入って10分も経ってねぇ。
いくらなんでも展開が早すぎるよな?
自分でもそうツッコみたくもなる。

4年越しに届いた想いだ。
牧野からもらったチョコをつまみに酒でも飲んで
もう少しこのまま2人で話をしながらゆっくり過ごすつもりだった。

…でも。
4年越しだからこそ。
我慢出来ねぇ事だってあんだろ?

だが、そんな男の事情ってやつは
牧野には全くと言っていいほどに伝わってねぇと知る。

「えっと…あたしどのお部屋使えばいい?
 急な事だし このソファでも十分眠れるよ?」
「……」

別に部屋がねぇわけじゃねぇ。
主寝室の別に寝室は2つあるし
ゲストルームも3つある。

もちろんソファなんて論外だ。

でも…そうじゃねぇだろ?

「……」
「え?」
きょとんと首をかしげる牧野。

「一緒じゃねぇの?」
「え…えぇっ!?」
オレにとっちゃ一択だったが
牧野の頭の中には少しも頭になかったのか
マジで驚いてやがる。

「オレは一緒に寝るんだと思ってた」
そう言い切れば
ポッと頬を赤く染める。

「えっ…と。
 あたし寝相悪いかも…」
「かまわねぇぞ」

「寝言とか言うかも」
「んなの、寝たらわかんねぇよ」

「えっと…あとは…」
必死に寝室を別ける口実を探してるこいつの
頬にそっと手を添えた。

「オレは一緒がいい。
 …いや、一緒じゃねぇと嫌だ。
 お前がソファで寝るならオレもここで寝るぞ?」
そう言えば頬を真っ赤に染めて
困ったように視線を泳がせるこいつをじっと見つめる。

すると顔を隠すようにオレに抱きついてくる。

そして…

「…2人で寝るなら、ソファは狭いかも」
ポツリと呟いた言葉にクッと笑って
「だな」
それだけ答えると牧野を抱き上げ寝室に向かった。





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