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家族のかたち 1

おれはネコだ。

よく知らねぇが
おれを見たニンゲンがそう言うからそうなんだろう。


『家族のかたち』   第1話
   ~愛のかたち 番外編~



「にゃんっ」
同じネコで気が付けば
ずっと一緒にいるのがこいつ。

こいつも おれも
自分の親兄弟の事はよく覚えてねぇし
どうしてここにいるのかもわかんねぇ。

相棒というにはあまりに頼りない。
どっちかというとおれが世話してやらなきゃ
いつ死んでもおかしくないくらいにどんくせー。

考えてみれば出会いからそうだった。

おれにはない茶色や白色の毛は日に当たると
キラキラしててすげぇ綺麗だが同時に目立つ。

フラフラ歩いているとこを
カラスに見つかり突かれてる所に通りかかったのが おれ。

放っておいてもよかった。

あいつがどうなろうが関係ねぇ、とか
2対1って所が気に入らねぇ、とか
あいつ弱いにもほどがねぇか?とか

いろいろ思った気もしたが
実際は考えるより先にカラスに飛びかかってた。

その日から
こいつはおれの後ろをついて来るようになった。

こいつのせいで飯は半分になるし、寝床も狭いし。
うっとおしいとしか最初は思わなかった。

だからわざとこいつがついて来れないように
あちこち飛び回って移動してまいた事もある。

でも…
結局姿が見えなくなると探しに行くのはおれで。
こいつはおれを見つけると嬉しそうに寄ってくる。

…いいんだ。

飯は倍手に入れればいい。
寝床が狭いのはどうしようもねぇが…あったけぇし。

そんなある日に出会ったニンゲン。

1人で食ってるのをベンチの下で見てた。
すると、目の前に落ちてきた黄色い何か。

とりあえずいいニオイで美味そうだった。

「…あっ!
 しまった…落としちゃった」
そんな声と同時に伸びた腕が拾う前に咥えると

「え?」
と、おれに驚いて固まったニンゲンに

「ありがとよ」
と言ったつもりだが黄色いの咥えてたし
どうせおれらの言葉はニンゲンには通じねぇと
腹を空かせてるあいつの元へと走った。

半分に分けて食べてる所に
「わっ…もう1匹?」
とさっきのニンゲンが追ってきた。

なんとなくこいつもドン臭そうだから狙ってたのに…
まさかここまで来るとは思わなかった。

「フーッ!!」
と前に出て威嚇する。

すると

「えっ…あ!
 ごめんなさい。驚かせるつもりじゃ…」
慌てたニンゲンは
持っていた鞄をゴソゴソとすると

さっきの黄色いのをもう1つ出してきた。
「ほんとは食べちゃダメなんだろうけど…
 今日はこれしかないから我慢して下さい。
 今度からはちゃんとしたの持ってきますね?」
そう言って笑った顔は
なんとなくこいつに似ていた。

それからというもの昼ごろになるとここに来て
おれをボス、こいつをミーさんと呼ぶようになったニンゲンは

飯をくれる代わりに
なんだかよくわかんねぇ事をしゃべって帰る。

落ち込んでるっぽい時に腹を見せるとすげぇ喜ぶ。

どことなくやっぱミーに似てる。

そして、
雨が降った夜。
もう1人、ニンゲンが現れた事で
おれらの運命も大きく変わった…らしい。




いつも応援ありがとうございます♡

家族のかたち 2

雨が降った夜。

おれたちの寝床は
雨くらい避けられるから問題ねぇが
ニンゲンの気配を感じて外に出た。


『家族のかたち』   第2話
   ~愛のかたち 番外編~



雨は嫌いだ。
濡れるし冷たいし。

でも逃げるにしてもミーはどんくせーし。
おまけに濡れるといちいち体を振って立ち止まるから
悪いニンゲンならおれがここでなんとかする方が早い。

ミーには出てくるなと言ってから
出て行ってみれば
そこにいたのはいつものニンゲンとは別のニンゲン。

おれを見下ろすように立っている。

「フーッ!!」
とりあえずあっちへ行けと威嚇してみる。

それでも動かないニンゲンは
しばらくすると、フッと笑った。

「まるであいつみてぇだな」
そう言って頭の上にある
黒い大きなモノをおれの方へ向けた。

すると雨が当たらなくなった。
上を見上げると黒い大きなモノ。

もう一度ニンゲンを見ると
今度はニンゲンの体が少し雨が当たっていた。

…おれに雨が当たらないようにしたのか?

少し近づいて匂いを嗅ぐ。
直感的に危険は感じなかった。

「お前…ミーさんか?」
ふいにそう聞いてくるニンゲン。

ミーの事を知ってるのか?
こいつはいつものニンゲンの仲間か?

じーっと見てると
「……ボス?」
そうおれを呼んだから
「あぁ」
と返事をしてやった。

「体調崩したりすんじゃねぇぞ?
 お前らに何かあったら牧野が悲しむからな」
そう言って黒い大きなモノを置いてったニンゲン。

マキノって誰だ?
いつものニンゲンはマキノって名前なのか?

そんな事を考えてると
ミーがこっちを覗いてるのに気付く。

ミーはカラスにやられてから
黒くて大きいのが苦手だ。

だからこの黒い大きなモノも怖いらしい。

だったらおれも怖いんじゃないかと聞いたが
おれはトクベツだって言ってた。

「怖くねーぞ」
おれが声をかけると
恐る恐る近づいてきてピッタリとおれにくっつく。

「いつものニンゲンはマキノって言うらしい」
おれがそう言うと
ミーはじゃあマキノが
いつもシシャチョーって言ってるのが
さっきのニンゲンなのかなって首をかしげてた。

おれの予想では
シシャチョーはマキノが好きだ。

なんでわかるかって?
そりゃ、おれもオスだからだ。
ミーが嫌がる事はしたくないし、守りたい。

シシャチョーはマキノが悲しむから
おれたちに元気でいろって言った。

だからそういう事だろ?

だけどわからないのは
好きならどうして一緒にいないのかって事だ。

マキノもどんくさそうだぞ?
放っておいて大丈夫なのか?

シシャチョーが帰ってからすぐにマキノが来た。

「ねぇねぇ。この傘の人どんな人なんですか?」
そうマキノが聞くから
「シシャチョーだ」
って言ってやったけどやっぱ伝わらなかった。

でも…

「え~?なんかあたしより懐いてません?
 そんなに素敵な人なのに今まで内緒にしてたんですか?」
そう言ってなんか笑ってたから

…まぁ、いっか。
ニンゲンの事はよくわかんねぇ。




いつも応援ありがとうございます♡


★時間バラバラですみません💦
  書けた時にしれっとアップしておりまーす(´ω`)★

家族のかたち 3

やっぱニンゲンってわかんねー。

次にシシャチョーに会ったら
首に紐を巻こうとしてきやがった。


『家族のかたち』   第3話


「頼む。これを牧野に届けてくれねぇか?」
そう言うシシャチョーは
ふざけてるわけじゃなさそうだったけど。

どうしておれがマキノに渡すんだ?
大体どうしておれがシシャチョーの言う事を聞くんだ?

だから
「自分でやれよ」
って言ってやったが

「別に牧野に危害を加えようなんて思ってねぇ。
 それにこれはお前の未来にも関わる事だぞ?」
そう言ったシシャチョーは
「オレは最終的には牧野はもちろんだが
 お前とミーさんだったか?そいつも一緒に暮らしたい」
なんて言い出した。

おれとミーとシシャチョーとマキノ?
暮らすって…ここでか?

無理だろ。
おれはミーだから世話してやってんだ。

大体シシャチョー
自分がどんだけデカいかわかってんのか?

そう思ったけど…

「オレは牧野の笑顔を守るために。
 お前とミーさんは安全で快適な暮らしを確保するために
 ここは1つ手を組もうぜ?
 オレん所に来れば一生不自由はさせねぇぞ?」

ふぅん…。
シシャチョーの寝床に行くのか。
体がデカいから寝床もデカいのか?

アンゼンもカイテキも意味はよくわかんねぇけど
とにかくおれらが寝床と飯の心配しなくていいって事か?

しばらく考えて
シシャチョーは嫌いじゃねぇし
マキノにその紙を渡すくらいならしてやってもいいかと
首に紐を巻くのを許してやった。

それからというもの
シシャチョーとマキノは来るたびに
おれの首に紙を結んでいく。

どうやらこの紙で
話をしてるみたいだけど
ニンゲンにだって言葉があるのに
どうしてこんな面倒くせー事するんだ?

すると
ミーはシシャチョーは黒いから
マキノもシシャチョーが怖いんじゃないかって言った。

確かにミーもシシャチョーは好きみてぇだけど
ふいに手を伸ばされるとビックリして飛び跳ねる。

そういえばシシャチョーは
いつも黒い格好ばかりしてる。
マキノは色んな色なのにな。

…って事は
シシャチョーはマキノに怖がられてんのか?
だからこんな面倒くせー事してんのか。

他の色にすればいいのに。
シシャチョー頭わりーな。

教えてやりてーけど
どうせ通じないから仕方ない。

でもまぁ

紙を取って見てるマキノとシシャチョーは
いつも嬉しそうな顔をするからおれも嬉しいし

それにシシャチョーはミーにも
首に巻く紐を持ってきたが
おれのを見てカッコいいと思ってたんだって
めちゃくちゃ喜ぶから
窮屈だと思ったこの紐も
ミーがカッコいいと思うなら悪くねぇし。

面倒くせーけど
もう少し付き合ってやってもいいか。




いつも応援ありがとうございます♡

家族のかたち 4

首の紐にも慣れたある早朝。

ミーがふらふらっと遊びに出たまま
戻ってこねぇと思って探しに行ったら
またカラスにちょっかいを出されてやがった。


『家族のかたち』   第4話
   ~愛のかたち 番外編~



前はまだ
ミーの事なんて何も知らなくて

ただ気に入らねぇから追い返すだけで許してやった。

でも…今は。

プツン。とおれの中で何かが弾けて
カラス目がけて飛びかかり爪をたてた。

あ?結果どうなったって?
おれがカラスなんかに負けるわけねーだろ。

あいつらは
2度とおれとミーの前に現れる事はねぇはずだ。

でも汚れた体をどうするかと
思ってた時に来たのがマキノで…。

違うって言ってんのに
やっぱ伝わらなくておれが怪我してると
思い込んで泣きそうな顔して抱き上げた。

…そんな顔すんなよ。
おれはカラスなんかに負けねぇぞ?

そこにシシャチョーも来たが
マキノが勘違いしてるせいで
シシャチョーまでおれを抱っこして
ついでにミーも連れて黒い塊の中に入れられた。

「怪我とかすんなって言っただろうが」
そう言っておれを撫でようとする
シシャチョーの手を

「違うっつってんだろ」
と避けた。
おれだってマキノを悲しませたいなんて思ってねー。

「あ?なんだよ。
 文句言う元気はあんのかよ」
「文句じゃねぇ!」
…クソッ。
通じないのってこういう時困るな。

でもマキノを見てみると
さっきよりは悲しい顔してなかった。

ただ
おれとシシャチョーを交互に見て
なんか難しい顔をしてる。

連れて行かれた場所は
変な匂いのする所で
おれの体をべたべたと触ったニンゲンが

「…うーん。血で汚れてはいるけど
 この子は怪我はほとんどしてないようですね。
 もしかすると喧嘩の相手の方が怪我してるのかもしれません」
やっとおれの言いたかった事を伝えてくれた。

…こいつ変な匂いだけどスゲーな。

次に連れて行かれたのは
よくわかんねーけどシシャチョーの匂いがしたから
前に言ってたシシャチョーの寝床か?

入口は足がツルツル滑って
あんま好きじゃなかったが奥は
ふわふわが敷いてあったり
あちこち飛び乗れる場所があって面白そうだ。

シシャチョーとマキノは違う部屋に入ったかと思えば
すぐに出てきて座って何か話し始めた。

よくわかんねーけど
まずはおれに説明しろよ。

ミーはそんな事どうでもよさそうに
部屋の探検ばかりしてるが
おれはシシャチョーの前に出た。

「おい。ここがシシャチョーの寝床か?」
「あ?
 今大事な話してんだろうが。ミーさんと遊んでろよ」

「こっちも大事な話してんだよ。
 おれとミーは今日からここで寝るのか?」
「あーもう、うっせぇ!
 これはオレと牧野の問題なんだよっ」

そんなの知らねーっつの。
おれとミーへの説明の方が大事だろ?

そう言おうと思ったら
背後にすげー殺気を感じて振り向いた。

するとマキノがなんか知らねーけどすげー怒ってる。

「あ。わり…」
「ごめん…」
メスが怒った時はとりあえず謝っといて損はねー。

ミーも怒る事はほとんどねーが
怒った時はとにかく早めに謝っておく。
無駄な争いはしねーのがおれのモットーだ。

なんとかしろよ、とシシャチョーをチラッとみれば

「騙すみてぇになったのは悪かったと思ってる。
 でも手紙の返事を今ここでさせてもらえば
 オレはボスとミーさんも一緒にお前とここで暮らしたい」

なんだよ。
おれには言ったのにマキノには言ってなかったのか?

知らねーとこにいきなりつれて来たらそりゃ怒るだろ。

…シシャチョーしっかりしろよ。




いつも応援ありがとうございます♡

家族のかたち 5

「おい、ボス。ミーさん頼むぞ
 あと一応怪我してんだから大人しくしとけよ?」

マキノと少し話したシシャチョーに
とりあえず眠かったおれは尻尾だけ振っておいた。


『家族のかたち』   第5話
   ~愛のかたち 番外編~



なんだかよくわからねぇけど
とにかくここが今日からおれたちの寝床らしい。

今いるこの布も柔らかいし
ここは今までの寝床と違ってあったけー。

ミーも気に入ったみたいで
昼寝したらもっと探検しよーって言ってる。

うん。悪くねぇな。


先に戻ってきたのはマキノだった。

「すぐにご飯用意しますね」
飯だと聞いて
おれもミーも寝ていた所から降りる。

「へへっ。
 帰りに買ってきちゃいました。
 首輪とお揃いでボスは青、ミーさんは赤ですよ」
どーぞ、とそれぞれの前に出された皿は
いいニオイの飯が入っていた。

飯を食い終わったら
マキノは皿を片づけておれとミーと少し遊んでから
また紙に何か書き始めた。

まだその紙で話すんのか?
そう思ってテーブルに乗ってみたけど

「…え?あぁ!
 これはここに置いておけば
 支社長も読めるので大丈夫ですよ。
 あたしは帰りますけど、すぐ支社長も帰ってきます」
とニコッと笑う。

ミーはマキノは帰っちゃうのか?って聞いてきたけど
おれもよくわかんねぇ。

シシャチョーはマキノも一緒だって言ってた。
でもマキノは帰るって言ってるし。



マキノが帰ってからしばらくするとシシャチョーが戻ってくる。

紙を見て、少し笑ったシシャチョーに寄って行く。

「マキノ帰っちまったぞ」
そう言ったら

「なぁ、もう少し引き止めとけよ。
 ずりぃぞ?お前らばっかり構ってもらいやがって」
なんてちょっと寂しそうに言うシシャチョー。

「フラれたのか?元気だせよ」
おれが言うと
ミーもシシャチョーかわいそうだね?って首をかしげる。

「お前らだってずっと一緒にいてぇだろ?
 牧野が帰りたくなくなるようにお前らも協力しろ」
そう言うシシャチョーに
おれとミーは顔を見合わせて頷く。

おれとミーだってマキノがいないと寂しい。
それにマキノも1人でフラフラしてたらあぶねーし。

「仕方ねーな」
とミーと声を合わせるとシシャチョーは
「おぅ。頼むぞ?」って言った。


それからは
マキノが来る度におれとミーは
遊べとしつこいくらいに催促した。

でもおれたちの作戦は完璧なのに
肝心のシシャチョーが頼りない。

なんだかんだと話はしてるが
一緒に出て行って帰って来るのはシシャチョーだけ。

シシャチョー何やってんだよ。
もしかしてマキノの寝床はココよりすげーのか?

怒ってやりてーけど
シシャチョーもなんか元気ねーから黙ってる。


そんなある日。
ミーはマキノの場所だって言ってる部屋に
オモチャを運びだした。

「何してんだ?」って聞いたら
昼寝したらマキノの寝床はふかふかで気持ち良かったから
今日はあそこで一緒に寝るんだって言って張り切ってる。

…そうか。
寝ちまったらずっとここにいるよな?

ミー冴えてんじゃねーか!




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