手放したくない女 1

「支社長~っ!!」

あ~…うるせぇっ。
まだ1本しか吸ってねぇっつーの。


『手放したくない女』   第1話
        ~10万拍手御礼企画~



オレの仮眠室は喫煙室も兼ねている。
以前は執務室で吸ってたが
こっちで吸うようになったのも考えてみりゃあいつが来てからだ。

別に文句を言われたわけじゃねぇが
吸う度に煙ですげぇむせていちいち涙目になるから
見てられなくて仮眠室で吸うようになった。

「いつまでサボってんですか!
 今日中に決済して頂かないといけない書類こんなにあるんですよ!?」
見るだけでウンザリしそうな程
どっさりと書類を抱えてて手が空いてねぇからって
オレの仮眠室の扉を足で開けるのなんてお前くらいだ。

仮にもスカートでそんな事すんじゃねぇよ。

パンツでも見えたら逆セクハラで訴えてやろうと思って
ガン見してもいつもギリギリ見えねぇ。

今まで女の秘書は絶対に付けなかったっつーのに
西田の秘蔵っ子だかなんだか知らねぇが
ババァがオレ付きにしやがったこいつは牧野つくし。

香水プンプンさせて、すり寄ってくる女に比べりゃ100倍マシだが
このオレに魅力を一切感じてねぇ態度も
それはそれで、なんかムカつく。

そして何より西田よりうるせぇ。

「ほらっ!さっさとデスクに戻って下さい!!」
とまた手がふさがってるからって顎をしゃくって
オレに指図してくる始末だ。

「…わかってんだよ!
 ……ったく。息抜きぐらいさせろっつーの。殺す気か」
「これくらいで死なない事は検証済みですっ」
ああ言えばこう言う。
口答えするだけ無駄なのがこいつ。

オレがどれくらいで死ぬかなんていつ検証したんだよっ。

とんでもねー鬼畜秘書かと思えば
何も言わなくても
「…お疲れですか?そろそろ珈琲淹れましょうか?」
なんて絶妙なタイミングで聞いてくる。

そしてかなりのドジだ。

「あぁ…頼む」
「じゃあすぐにお持ちします…って、わわっ!」
クルッと振り返ったと同時に足がもつれて派手に転んでやがる。

「……大丈夫かよ」
こみ上げる笑いを堪えながら立ち上がって手を差し伸べると

「いてて……。すみません。ありがとうございます」

そう言ってオレを見上げるでっけぇ瞳は
コケた衝撃でちょっと潤んでて
オレの手を取る小せぇ手は温かくて
立ち上がってもオレの胸くらいに顔があるこいつは
照れ臭そうに可愛く笑うから目が離せなくなる。


あいつが来てから3ヶ月。
気がついたらオレはあいつにオチていた。


一緒に帰るなら飯にでも誘うチャンスはあるが
毎日のように遅くまで仕事から解放されないオレに
付き合って残るのは西田の役目。

オレだって女のあいつに
同じように激務をこなせなんて思ってねぇが
西田と2人だと息がつまって1度だけ愚痴った事があった。

「オレがこんなに遅くまで働いてんのによー。
 牧野はとっとと帰っちまってんのか?それでも秘書かよ」
「牧野さんは終電の早い沿線に住まわれてまして
 支社長に付き合ってると間に合わなくなりますので。
 付き添いなら私一人で十分ですし
 若い女性をあまり遅い時間に帰すのも可哀そうですから」
と普段仕事には人一倍厳しい西田が
牧野には配慮を見せていた。

オレだって連日遅くまで働かされて
好きな女を誘うチャンスさえねぇなんて可哀そうだろうが。

秘蔵っ子はそんなに可愛いのかよ。
……まぁ、可愛いけどよ。

そこまで考えて
愚痴っててもしょうがねぇ、と
残りの書類に手をつけた。




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手放したくない女 2

支社長付きの秘書になって3ヶ月。

西田さんが早く帰らせてくれる代わりに
あたしは朝、一番に出社する。


『手放したくない女』   第2話
      ~10万拍手御礼企画~




潔癖な支社長だから
執務室や仮眠室が散らかってる…
なんて事はまずあり得ないんだけど
お花の水を替えたりと少しでも支社長が
気持ちよく過ごせるように準備をする。


いつもの時間になると
支社長が西田さんと共に出社してくる。

「おはようございます」
「…はよ」

こんな風に挨拶が返ってくるようになったのも最近だ。

最初の頃は社長から聞いてた通りの女性嫌いで
あたしが何を言おうが返事が返ってくる事なんてなかった。


「牧野さん、おはようございます」
支社長の隣で西田さんも深々とお辞儀をする
「おはようございます。
 …あ、そうだ。ちょうど良かった。
 今から皆さんに配ろうと思ってたんです。コレこの間のお礼です」
そう言って手に持ってた紙袋の中から
小分けにしたクッキーを取り出した。

「これはご丁寧に。
 ありがとうございます。後で頂きますね」
そう言って大事そうに自分の鞄に入れる西田さん。
「お口に合うといいんですけど…。
 じゃあ他の皆さんにも配ってきますね」
そう言って頭を下げて秘書課へと向かおうとすると
1つに纏めた髪をグイッと引っ張られた。

「…った!
 何するんですか支社長っ!」
あたしのそんな言葉に重ねるように
「オレの分はねぇのかよっ!」
と不機嫌な顔を向けている。

「…欲しいんですか?」
「べっ…別にいらねぇよ!でも
 西田の分はあってオレの分はねぇっておかしいだろうがっ」

「だってそれこの間、秘書課で歓迎会開いてくれて
 あたしだけ会費ナシでご馳走になっちゃったお礼なんで…」

少し前に秘書課で
それぞれが担当の重役の予定をどうにか合わせてくれて
すごく忙しい中、あたしの歓迎会を開いてくれた。

そのせめてものお礼にとクッキーを焼いて来ただけで…。
歓迎会には支社長はいなかったし
そもそもお菓子なんて食べてる所見た事もない。

「歓迎会ってなんだそれっ!
 オレ誘われてねぇじゃねぇかよ!!」
支社長は今度は西田さんに噛みついている。

「えぇ。あくまで秘書課の親睦を深める会でしたので
 支社長はお誘いしてませんでしたが…何か問題でも?」
と西田さんは慣れた様子で支社長に返す。

そんな西田さんに舌打ちをすると
またあたしの方を向いて
「…わかった。オレもお前の歓迎会してやる。
 今日の夜、どっか飯行くぞ。食いてぇモン考えとけ」
そんな事を言ってくる。

「は?…いや、無理です!」
「あぁ?こいつらとは飲みに行っておいて
 オレとは行けねぇってどういう理由だよっ!?」
不機嫌さMAXで不穏な空気が執務室に漂い始める。

「本日は18時より会食が入ってますので
 私ではなく支社長ご自身が無理なんですっ!」
そう言ってスケジュールの書きこまれた手帳を見せれば

「そんなモン断っとけ!」
フンッと鼻を鳴らす支社長。

「……わかりました。
 では支社長は体調不良と言う事で
 本日は定時にお帰り頂いて結構です。
 代わりに会食には私と西田さんで行って参ります」
それだけ言ってくるりと踵を返すと
あたしを捕まえるみたいに腕を回してくる。

「それじゃ意味ねぇだろうがっ。
 お前のために歓迎会してやるっつってんだよ」
「別にそんなの頼んでませんし
 自分の我儘で仕事を放棄するような人に
 歓迎なんてされたくありませんっ。放してくださいっ!」
腕を振り払って睨みつければ

「…くっそ。可愛くねぇ!
 わかったよ!行きゃあいいんだろっ。
 そのかわりお前の歓迎会もするからな!スケジュール組めよ!」
そう言ってイスにドカッと体を沈める支社長。

「はいっ!」
ニコッと笑って言えば
支社長は小さく舌打ちをする。

そしてあたしの隣でそのやり取りを見ていた西田さんは
「お見事です」
と小さく笑った。




いつも応援ありがとうございます♡

★たくさんの拍手をありがとうございます(^^)
  ストックなくて焦ってる心が癒されました~♪
  そして今日はあきら君のBD!
  …ですがちょっとBDには可哀そすぎるあきら君を14時28分にアップします…(^^;)★

手放したくない女 3

このオレ様が
あんな小せぇ女に振り回されてる。
あり得ねぇ。マジであり得ねぇ…。

だけどもっとあり得ねぇのは
こんな自分が嫌いじゃねぇオレ自身だ。


『手放したくない女』   第3話
      ~10万拍手御礼企画~




翌日。
「おはようございます」
そう挨拶をしてきた牧野に
「…はよ」
と短く返す。


そうするようになったのもいつからだったか。

普段ならシカトして通り過ぎるのに
たまたま目が合っちまったから
「…おぅ」
とつい返した。

すると
牧野自身、返事があると思ってなかったのか
一瞬すげぇビックリした顔をしてから
嬉しそうに満面の笑みを浮かべたから。

そしてその日は
オレが最も苦手とする狸親父との商談が
道明寺に有利に進んだから。

次の日から返事を返すようなった。



デスクに向かうと昨日西田が貰ってたのと
同じ小袋がポツンと置いてある。

「…おい牧野。コレはなんだ?」
そう聞けば
「支社長がお菓子食べるなんて知らなくて。
 昨日は用意してなかったんですが、よかったら食べて下さい」
なんて言ってニコニコしてやがる。

「………あぁ」
言っておくがオレは甘いのは嫌いだ。
前に菓子なんて口にしたのはいつだったかわかんねぇくらいだ。

牧野が出て行った執務室には西田とオレの2人。

そのままメールチェックを始めると
「…不要でしたら私が頂きましょうか?」
と西田。

「なにがだよ」
「支社長は甘い物を口にされませんので
 召し上がらないのであれば私が頂こうかと…」
西田が視線を向けてるのは小袋だ。

「お前だってそんなに食わねぇだろうが」
「それが歳のせいでしょうか。
 最近甘い物に目がありませんで」
そう言って手を伸ばすこいつの手を思わず払う。

「……オレがもらったんだからオレが食う」
「そんなご無理なさらなくても」
「無理なんかしてねぇよ。
 食うっつってんだろ、しつけーな」
「そうですか、残念です」
そう言いながらもまだ小袋を見てる西田。

小さく舌打ちをしてジャケットのポケットに小袋を入れる。

「……」
「……」

チラりと西田を見る。
「…で?いつになりそうなんだ?」
「はい?」
「だからっ!牧野の歓迎会だよ。
 これは歓迎会の礼なんだろ?
 だったら貰った以上しねぇワケにもいかねーだろうが」
「牧野さんはそんな事おっしゃらないかと思いますが」

その時、牧野が書類を抱えて戻ってくる。

「…おい牧野っ。
 お前ちゃんとスケジュール組んでるんだろうな?」
オレがそう言うと
「へ?何の話ですか?」
きょとんとした顔をしながら書類をデスクに置く。

「歓迎会だよっ。
 スケジュール組めって昨日言っただろ?」
「…あぁ、別にそんなのいいですよ~。
 クッキーはサービスですっ。お疲れの時に甘い物はいいですしね」
なんてのん気に言ってやがる。

「ふざけんじゃねぇっ。
 オレはクッキーが欲しくて言ったじゃねぇぞ。
 お前の歓迎会をしてやりたくて言ったんだっ!」
つい力任せにデスクをダンっ!!と叩きながら言えば
牧野がぎゅっと目を瞑ってビクッと小さく肩を揺らす。

「……っ」
ビビらせるつもりなんてなかっただけに言葉につまる。
女の扱いなんて知らねぇんだよ…。

なんとかしろ、と西田を見れば
「…パワハラ、いや飲みの席への強要なのでアルハラですかね?
 それとも相手が女性ですし、セクハラになる可能性も…」
西田がため息をつきながらそんな事を言ってやがる。

「オレと飲みに行くのは罰ゲームか何かかよっ」
「牧野さん、全然反省していませんよ。
 どれで支社長を訴えましょうか?いっそ全部まとめますか?」
なんて牧野に言えば
「え…?あ、いやいやっ!
 ちょっとビックリしただけなんで訴えたりしませんよっ」
と慌てて手を振って否定する。
そのあと手帳を開いてしばらく考えたあと

「じゃあ…3日後はどうですか?
 そこなら次の日も少しゆっくりでも大丈夫ですし」
なんて言いながら西田に相談している。
「えぇ。牧野さんの都合が良ければ大丈夫ですよ」
そんな会話で
牧野の歓迎会は3日後に決まった。





いつも応援ありがとうございます♡

手放したくない女 4

そして3日後。

今日は帰りにやっとあいつと飯に行ける日だ。
ジェットの中で書類に目を通しながらも
頭の中はあいつの事しかねぇ。


『手放したくない女』   第4話
      ~10万拍手御礼企画~



牧野の歓迎会が決まった途端に
西田が出張を入れてきやがった。

しかも牧野は同行してねぇ。

「お疲れ様です」
涼しい顔して珈琲を持ってくる西田。

「おい、西田。
 お前、今日間に合わねぇなんて事に
 なってたらどうしてくれるつもりだったんだよ」

突然出張だとかぬかしだしたかと思えば
その予定は嫌がらせなのかと思うほどギチギチ。

1つでも時間がズレれば
歓迎会までに東京に戻れないようなスケジュール。

「支社長に限ってそんな事はないかと」
眉1つ動かさずに言ってのけるこいつは
絶対にわざと面倒くせぇ出張を入れたに違いねぇ。

それがわかってても
牧野の性格を考えれば今日行けなくなったら
次に飯に行くチャンスなんてなくなっちまうかもしれねぇ。

「お前最近、牧野をダシにオレをこき使ってねぇか?」
「支社長の考え過ぎです」
そう言う西田の口元が緩んでるように見えるのは気のせいか?

そんなオレの視線を躱して
西田はケータイを取り出すと
「牧野さんの方もお願いしていた業務は終了したようですので
 今日はそのまま親睦会の方へ行って頂いて構いません。
 明日は昼に会食がございますので9時にお迎えにあがります」
それだけ告げて頭を下げる。

やっぱり牧野をダシに使ってるようなきがしねぇでもないが
オレの機嫌はその一言だけで簡単に上がる。



執務室に戻ってみれば
牧野はいつもの色気のねぇスーツじゃなくて
ワンピースを着ていてソファに座ってケータイを見ていた。

やべ…。
私服見るの初めてじゃねぇか?

そんな事を考えてるうちも
牧野はケータイに夢中でオレに気付かねぇ。

これだけ静かな部屋にいて
人が入って来た事に気付かねぇとか
どんだけ集中してんだよ…。

「おいっ」
オレが声をかけると
「ひゃあっ!!」
と小さく飛び上がって漸くオレに気が付くこいつ。

「あっ。お疲れさまでしたっ」
慌てて立ち上がるとペコッと頭を下げる。

「……メールか?」
あいつの手元のケータイを覗き込んでみれば
さすがに内容までは見ねぇが
誰かからのメッセージが来てるみてぇだった。

そんなオレの視線を避けるように
パッと画面を戻すと
「はい…ちょっと前の会社の人と…」
なんて笑いながらも視線が泳いでいる。


……相手は男か?
そういや今さらながら
こいつに彼氏とかいるのかとか知らねぇな。
でも彼氏がいるならオレと2人で食事なんて行かねぇ…よな?

「……まぁいいや。行くぞ」
頭をポンッと叩いて
ソファにかけてあったこいつのコートと鞄を手に取って歩き出す。

「あ…自分で持ちますよっ」
牧野はそれを見てオレの後を追いかけるようについて来た。

「何食いてぇ?」
そう聞きながら
エレベーターに乗り人目がなくなったのをいいことに
肩を軽く抱き寄せてみれば

すげぇガチガチになっ本気で困った顔ようなをしてる。

…そこまで男慣れしてねぇのかよ。

変に意識されても
この後やりずれぇかとさりげなく解放すると
スッと静かに1歩オレから離れるこいつ。

「……」
今のはちょっと傷ついたぞ。

それだったらいつもみてぇに
ぎゃあぎゃあ文句言われた方がまだマシだっつーの。

「……。
 とりあえずメープルでいいか?」
気を取り直してそう聞いてみれば
牧野もハッとしたように顔を上げて
「はいっ」
と小さく笑った。




いつも応援ありがとうございます♡

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手放したくない女 5

メープルに着く頃には
すっかりさっきの微妙な空気はなくなって

いつもの牧野に戻っていた。


『手放したくない女』   第5話
      ~10万拍手御礼企画~




オレと一緒に会食に行く事もあるこいつは
マナーなんかはしっかり出来てるんだが
どうも他の奴が食うより美味そうに見える。

珈琲と煙草があれば
食事なんて1食、2食抜いたって平気なオレも
こいつがいると食が進むから不思議だ。


「そういやお前、前の会社でも秘書だったのか?」

こうしてプライベートな時間を一緒に過ごすのははじめてで
好きだと自覚がある割には何も知らない事に気が付く。



「はい、最後は秘書課に配属でしたよ。
 でも実は、期間で言えば総務の方が長いんですよ」

「…お前が希望出したのか?」
「いえっ。何でも秘書の方が2人ほどご懐妊で辞めたとかで
 人手不足のピンチヒッターみたいな感じで秘書課に…。
 なんであたし!?って貼り出された辞令何度も見直しましたよ~」
ケラケラ笑いながら答えるこいつ。

確か、西田は
ババァが山岡のジジィの所から連れて来たっつってたよな?

山岡のジジィはオレもガキん時から知ってるし
ババァとも旧知の仲ってやつだ。

他の会社ならまだしも山岡のジジィが望まない限りは
ヘッドハンティングした上で
西田の下につけるなんて強引な話は進めないはずだ。

オレから見たってこいつは有能な秘書だ。
牧野みてぇな奴を手放す理由って何だったんだ?

「お前、転勤する前後に何か変わった事とかなかったか?」
そう聞けば牧野はしばらく首をかしげて考えていたが

「いえ…別に。
 あ。ただ前住んでた所だと出勤に1時間以上かかっちゃうので
 引越しだけはしました。探してたエリアからは外れてたんですけど
 不動産屋さんに教えてもらった所がこれがまた超お得な穴場物件で!」
ウキウキと嬉しそうに話すこいつは
何か隠してるとかそんな感じはしねぇ…よな。

…オレの気にし過ぎか?

「そういや西田がお前ん所は終電が早いとか言ってたか」
おかげでお前を誘うチャンスになかなか恵まれねぇんだよ。

「そうなんですよね~。
 それさえなければあたしも支社長の残業に付き合えるんですけど。
 西田さんも優しくて遅いと危ないから帰っていいって言ってくれますし」
「あぁ…。確かに西田はお前に甘いよな。
 オレにももう少し優しくしろって言っとけ」
オレが言えば
「いやいや。西田さんは支社長への愛で溢れてますよ」
なんてクスクス笑いながら言ってやがる。

気色悪ぃこと言うんじゃねぇっつーの。




「ご馳走様でした」
レストランを出た所で牧野がペコッと頭を下げる。
「あぁ…ってちょっと悪ぃ。電話だ」
ポケットで鳴りだしたケータイを手をその場を離れる。

画面を見てみれば西田からで。
「なんだよ。……あぁ?わかってるっつーの。
 オレがそんな男に見えんのか……それだけなら切るぞ」

西田の用件は
『この時間だと
 終電がなくなるのできちんと家まで送って差し上げて下さい』だ。

どんだけ過保護なんだよ。お前は牧野の親父かよ。
オレが好きな女に電車で帰れなんて言うかよ。
それに送ってやる方が少しでも一緒にいれんじゃねぇか。

そんな事を考えながら戻って
「わりっ。待たせた」
ケータイを見ていた牧野の肩に手をポンっと置くと
ビクッと大げさに揺れた小さな体。

「…あ。支社長っ。
 ビックリするじゃないですかっ」
と振り向いてオレの顔を見た途端ホッと息をつく牧野。

…またメールかよ。
夢中になるほど相手と親しいのか?

「…ビックリすんのはこっちだろうが。
 そんなぼーっとしてよ。酔ってんのか?」
「いえっ。
 ちょっと考え事してたらトリップしてました」
とヘヘッと照れ臭そうに笑う。

相手は男なのか…?
そう聞きそうになるのをぐっと堪えて
「まぁいいや。
 送ってってやるからお前も乗ってけ」
そう言って手を取ると待たせてあった車に2人で乗り込んだ。





いつも応援ありがとうございます♡


★WDコラボ特設サイト 「White Love 」 にて
   小話アップされてます。今日もkomaです(。・ ω<)ゞ
   これでkomaはしばらく黙りますんで(笑)
   「明日から見るわー」なんて言わずにぜひぜひお付き合いお願いします(-人-。).★


★そしてさらにもう1つお知らせ。
  今日は雛祭りって事でお昼に「幼なじみ」番外編もアップします(*^^*)★
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基本テイストとしては
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ゆる~いつかつく道を
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