Your Smile 1

あいつはまるで当たり前みたいにいつも
惜しみなく愛情を注いでくれていたから。

いつの間にかあたしは
調子に乗って、自惚れていたのかもしれない…。


『Your Smile』   第1話



道明寺に限らずF4は普段からパパラッチに追われている。
何も内容が熱愛なんかに関わらず写真が載れば
それだけで部数が上がると言われるからだ。

4人揃った所なんか載ったら予約だけで完売だそうだ。

そんな彼らを生で当然のように見ていて
目立つ所で話しかけるな、関わるなと目くじらを立てる
あたしってやっぱり贅沢なんだろうか?

「はぁぁぁぁ」
非常階段で重たいため息をついてると

「ため息ついたら幸せ逃げるよ」
と後ろから声が聞こえて振り返ると
「…って前に俺に言ってなかった?」
そう首をかしげながらあたしの隣に座った類。

「言ったねぇ…」
そう答えたそばから小さく息が漏れる。

「どうせ原因は司なんでしょ?今度は何?どうしたの」
とクスッと笑いながらも優しい瞳を向けてくれる。


類の予想通り、
まぁ…簡単に言っちゃえばいつもの喧嘩なワケで。

なんでもパートナーを同伴しなきゃいけないパーティがあって
いつもならあいつはそういう時、
お姉さんとかおばさまをパートナーにするんだけど
今回だけはどうしても都合が合わないらしく
あたしにそれをやれと言ってきた。

ただでさえ、女性嫌いだと言われていて
普段から頑なに身内しかパートナーにしないあいつが
突然どこの馬の骨ともわからないあたしを
パートナーにした日には翌日の新聞から週刊誌まで
それ一色になって面白おかしく書かれるのなんて目に見えてる。

「絶対に嫌だ!!」
そう断固拒否したあたしに
「オレと付き合ってるって思われるのがそんなに嫌か!」
とあいつも怒りだして…。
そこからは散々言い合って最後は
「勝手にしろ!」
「そうするわよ!」
お互いフン!と顔をそむけて別れた。

それから一週間。
電話にすら出てくれなくなって
あいつは結局おばさまの秘書の人を
パートナーとしてパーティに出た。


「…なるほどね。確かに
 あいつが牧野からの電話に出ないのは珍しいかもね」
と類は頷きながら納得した様子。

「でもそれだけなら、
 そんなに落ち込まないでしょ?
 その重たいため息の原因はやっぱりこっちにもあるの?」
とさもお見通しだとばかりにん?と首をかしげながら
あたしの鞄に丸めて突っ込まれていた雑誌をスポンと抜く。


パーティが終わってすぐ
案の定、あいつが秘書とは言え、
身内以外をパートナーにした事で誌面は盛り上がっていた。

それをご丁寧にあたしの机に広げて置いてくれる誰か。

そんな事してくれなくたって
朝からTVでも言ってたくらいだから知ってるっつーの。

類はパラパラと興味なさそうに雑誌をめくりながら
「いくら喧嘩してるからって
 あいつがこの女と浮気なんて出来るわけないんだし
 こんなの、気にするほどの内容でもないと思うんだけど?」
パタンと雑誌を閉じてあたしの頭をポンポンと撫でてくれる。

わかってる。

あいつがあたしに愛想尽かして
浮気をしたんだとかそんな事を本気で思ってるわけじゃない。

だけど。

頭でわかってても
今回だけは心がついて行かない。


「…ごめん、類。
 あたしやっぱり今日は帰るね?」
あまり心配をかけないように
平気だからと無理に笑って、類と別れた。





いつも応援ありがとうございます♡

★類でさえいつもの笑顔が引き出せないつくしちゃん…(´・ω・`)ドシタ?★
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Your Smile 2

類と別れて帰ってきたからと言って
何かをする気にもなれなくて

ソファに座ってぼぉーっとしていた。


『Your Smile』   第2話


無音なのが妙に寂しくて
なんとなくテレビをつけてみれば
ワイドショーでも道明寺と秘書さんの話をしていて
思わずプチンと消してまた無音になる。


「こんな事、大した事ないじゃない…」
そう呟きながらも
次に口からでてくるのは重たいため息。

そうだよ。こんなの別に珍しい事じゃない。
今までだって、こんな報道は
何度だって経験済みで慣れっこなはず。

初めてそういう記事が出た時だって
慌ててあたしの所に電話してきて弁解するあいつに
「大丈夫。あたしはあんたの口から出た言葉しか信じないから」
と笑ってられたあたしは一体どこに行ったと言うのか…。


わかってる。

こんな記事を鵜呑みにしてるわけじゃない。

わかってる。

元はと言えばあたしが断ったから
道明寺は秘書さんをパートナーにするしかなかった。

わかってる。

パートナーを断ったあたしが
落ち込むなんてあまりに自分勝手で間違ってる。

わかってる。

どうして今回に限って
この記事が気に入らないと思うかなんて
本当は自分でちゃんと理由だってわかってるよ。

だけど…
頭と心はやっぱりバラバラで…。

頭の中でどんなに正論を並べてみても
心は“でも、だって”を繰り返す。

「…こんな事ならパートナーくらいやればよかったかな…」
そんな事を今さら後悔したって遅い事もわかってる。




翌日。
講義の空き時間に屋上にいると
あいつの車が入って来るのが見えてついつい目で追ってしまう。

エントランスの前で止まった車から
運転手さんが出てきて、後ろの扉を開けると
あいつがゆっくり降りてくる。

一週間ぶりに見たあいつの姿に
パートナー断った事、素直に謝ろうかな…なんて思って
あいつの所に行こうと踵を返しかけて、動きが止まる。

あいつが車の方を振り返って手を出したかと思えば
その手をとって降りてきたのは…あの秘書さん。


…どうして?
その人、おばさまの秘書さんなんでしょ?
なんであんたと一緒に大学に来たりすんのよ。

普段だったら女の人の手を取ったりしないくせに
なんでそんなにスマートにエスコートしちゃってんのよ。

車から降りてきた秘書さんは
あたりをキョロキョロと珍しそうに見渡して
楽しそうにしていた。

道明寺はそんな秘書さんを横目に
ケータイを取り出す。
それと同時にポケットに入れていたケータイが鳴りだして
ディスプレイを見てみれば相手はあいつで。

何よ…。
あたしがかけても出てくれなかったくせに。

秘書さんと一緒に登校して来て
あたしに何の用だって言うのよ。


『お前みたいな可愛くねぇ女はもうたくさんだ』

そんなあいつの声が頭の中で響いた気がして
あたしは通話ボタンを押せないまま、屋上をあとにした。





いつも応援ありがとうございます♡

Your Smile 3

付き合い始めて3年だ。

今じゃババァだって黙認状態なんだから
パートナーくらいやってくれたっていいんじゃねぇの?


『Your Smile』   第3話


パートナーを拒否られた事がムカつくんじゃねぇ。
まるでオレと付き合ってんのが恥ずかしいとでも言うような
あの態度が気に入らねぇだけだ。

あいつが目立った行動をするのを嫌うのはわかってる。
だけどオレと付き合って、将来的には結婚だって考えるなら
どうしたって注目は避けられねぇんだよ。

それにあいつが心配してるマスコミだって
事前にしっかり対策さえとっておけば、
一般人のあいつの身元を隠すくらい朝飯前だっつーの。

オレはお前と付き合ってる事を
全世界に自慢したいくらいだっつーのに
お前にとってオレはそんなに恥じるような男なのか?


……お前はちゃんと今でもオレを好きでいてくれてるのか?
お前の描いてる未来の中で、オレはお前の隣に立ってんのか?

自分でも情けねぇとは思うが
あいつの事になると自信なんかこれっぽっちもねぇんだよ…。


牧野から何度か着信が入ってるのは知っていた。
だけど、こんな気持ちのままじゃ
またあいつを傷つけるような事しか言えない気がして
喧嘩してる上にそんな事になったら
いくらなんでもあいつだってさすがに
愛想尽かしちまうんじゃねぇかって不安になってくる。

このオレ様がだぞ?
たった1人の女の言動に怯えてるだなんてよ。

カッコ悪くて誰にも言えねぇよ…。


結局、もう一度頼もうと思ってたパートナーの件も
電話にすら出れない状況で頼めるはずもなくて
結局ババァの秘書を連れて行くことなった。

ババァに紹介されて
あからさまに嫌な顔をしたオレに対して
「失礼な態度を取るのはやめなさい。
 あなたが牧野さんをパートナーに出来ないっていうから
 こちらから美香さんに無理言ってお願いしたんですからね」
ババァはオレを睨みつける。

確かに自分の不甲斐なさが招いた結果だと思い直してため息をつく。

すると美香と呼ばれたこの秘書は
「坊っちゃんが心配なさってるような事は
 私には当てはまりませんからどうかご心配なく」
とクスクス笑う。

何言ってんだ、こいつ。
そうは思いつつもオレが心配している事と言えば
パートナーになった事で自分は特別だと勘違いされる事だ。

ババァからその辺の説明は受けてんだろうと納得する。
「あぁ…。当日はよろしく頼む」
そう言って2人で握手を交わした。



そしてパーティ当日。

「おや。司君が女性と一緒とは珍しいですな」
「私にもそちらのお嬢さんを紹介して頂けますかな?」

親父どもの所に挨拶に行くたびに
オレのパートナーがババァや姉ちゃんじゃねぇ事に
触れてきやがってイライラする。

これが隣にいるのが牧野だったら
何百回だろうと「オレの女」だと自慢して歩くのによ…。


「ふふっ…」
そんなオレを隣で笑う美香。
「なんだよ?」
「いえ。私もこの場につくしさんがいないのが残念だな、と
 私もつくしさんにお会いしたかったので
 本当だったら兄のパートナーとして出席しようと思ってたんです」
オレの睨みにも臆する様子もなくクスクスと笑う。

「……お前、牧野の事知ってんのか?」
「えぇ。…と言っても私が一方的に知ってるだけで
 つくしさんは覚えてらっしゃらないかと思いますけど。
 以前に街で偶然お会いして、助けて頂いたことがあるんです」
「あいつに?」
「はい。柄の悪い男性に絡まれてしまった事があって
 断っても強引について来たりしてどうしようかと思ってて。
 で、そこにたまたま通りかかったのが、つくしさんだったんです」
そう切り出した話の展開が容易に想像できて思わず眉をしかめる。


「ちょっとあんた!その人困ってんじゃない。やめなさいよ!」
「うるせぇよ。お前には関係ねぇだろうが」
「確かに関係ないけどさ。
 それを言うならあんただってその人と関係なさそうだけど?」
「あぁ!?黙ってきいてりゃ調子に乗りやがって!」


「…で、そいつのパンチをさらりと避けて
 殴られるどころか、その男ぶっ飛ばしたんじゃねぇの?」
美香の話を遮って、オレの想像を話すと
「えぇ。つくしさんが男性だったら、私惚れてたと思います
 ただ、つくしさんも急いでたみたいで
 名前も言わずに行ってしまわれてお礼も言えなくて。
 先日、社長について邸の方にお邪魔した時に
 つくしさんをお見かけした時は本当に驚きました。
 今回司さんのパートナーをお受けしたのも
 司さんを通してつくしさんとお友達になりたかったからなんです」
そう話しながらクスクスと笑う。


格闘技の経験もねぇくせに
あの細っこい腕のどこにそんな力があるのか不思議だが
これだけ体格差のあるオレでさえぶっ飛ばされた事があるくらいだ。
そんなナンパ野郎なんか余裕だろう。

「あれだけ危ねぇ事すんなって
 普段から言ってんのによ…。ったく。しょうがねぇ奴」
そう口では悪態つきながらも
あまりにあいつらしいエピソードに笑いがこみ上げる。

「あいつと友達になりてぇんだったら紹介してやるよ」
「えぇ、是非。約束ですよ?」
そう嬉しそうに笑う美香に
オレは他にもあいつの話をしてやるうちに
憂鬱だった気分もいつの間にか晴れていた。





いつも応援ありがとうございます♡

★ってワケで司は会わせたくて連れて来ただけだったんです、ハイ。
    ただ…。つくしちゃんはそれを知らないまま、テンパり逃走中(笑)★

Your Smile 4

あいつに連絡する
ちょうどいいキッカケになるかと
さっそく美香を大学に連れて来た。

それなのに肝心の牧野が捕まらない。


『Your Smile』   第4話


「クソッ!あいつ出ねぇ…」
一週間ぶりに声が聞けると思って
ちょっとドキドキしてたオレがバカみてぇじゃねぇかよっ!

「今って講義中なんじゃないですか?」
電話を切ったオレにそう首をかしげる美香。

「あいつ今は空き時間のはずなんだよ」
だからこの時間に合わせて大学に連れて来たわけで。

「ま、そのうち電話かけてくんだろ。
 とりあえず、あいつらにでも紹介してやるよ」
そう言って美香をテラスに連れて行く。

「お。司が牧野以外の女と2人とか珍しいな」
「なんだよ。昨日の記事はあながちデマじゃねぇって事か?」
と総二郎とあきらがニヤつく横で

「…だったら俺、チャンスだね」
と寝てんのかと思ってた類もクスクス笑う。

「ふざけんなっ!んな訳ねぇだろうがっ!!」
オレが怒鳴ると
「わかってるっつーの。うるせぇな」
と総二郎がうんざり顔を返す。

「で?あんたはここに何の用があるわけ?」
と、起き上がった類は少しだけ冷たい視線を美香に向ける。

そんな類の微妙な空気にもクスッと笑って
牧野と友達になりたいと昨日オレに話した事を話しだす。

「ははっ。あいつはどこにいてもあいつだな」
「牧野の拳はマジで効くからなー。そいつ大丈夫だったのかよ?」
と総二郎たちがゲラゲラ笑う。

「お前ら牧野見てねぇ?電話したのに出ねぇんだよ」
折り返しの電話すらないケータイを睨みつけて舌打ちをする横で

「……あ、牧野?
 司が探してるみたいだけど、どうする?」
そう言って平然と牧野に電話をする類。

……オレの電話は無視で類なら出るってどういう事だよ。

類からケータイを奪って
「おいっ!てめぇ!類の電話には出るとかどういうつもりだ!
 とにかく、紹介してぇ奴がいるからすぐテラスに来い!!
 いいな?……っておい、牧野っ!何とか言いやがれっ!!」
そう怒鳴ると、あいつは何も答えずに電話を切りやがる。

くそッ…。また声が聞けなかったじゃねぇかよ。

その後、待てど暮らせどあいつはカフェテラスには来なくて
オレはもちろんあいつらの誰がかけても
牧野が電話に出る事はなくて、2時間経った頃には電源が落ちる始末。


一応ババァに許可をもらって抜けてきた美香も
そろそろ会社に戻らないといけないらしくそのまま別れる。
「悪かったな、会わせてやれなくて」
「いえ。つくしさんと友達になるためなら
 私は何度だって来ますから、お気になさらず。
 それに、司さんがダメなら社長から紹介してもらいますから」
とにっこり笑うこいつに
もし友達になったら滋や三条みてぇに
牧野との時間をオレから奪っていくんじゃねぇだろうな、と苦笑いする。

美香を見送ってカフェテラスに戻ると

「それにしてもお前らまだ喧嘩してたのかよ」
と総二郎がため息をついて
「牧野も強情だからなぁ…」
あきらは苦笑いする。

確かにあいつは強情でとことん可愛くねぇ事ばっかだが
それでもオレはあいつしか見えなくて。

その可愛くねぇとこさえ可愛く見えるんだから手におえない。

「……とうとう愛想尽かされたんじゃない?」
と、突然背中越しに投げかけられた類の言葉にドクンと心臓が鳴る。

「あぁ?」
振り返って睨んでみてもこいつにはどこ吹く風。

「お前だって牧野の電話無視してたんでしょ?
 牧野が電話に出ないからって怒る権利ないじゃん。
 1週間無視されたままであんな記事も出て、
 弁解の1つもしないでいきなり逆ギレなんて
 牧野が愛想尽かしたって何もおかしくないと思うけど?」
そう言う類の視線はオレへの非難を含んでいる。

電話に出てない事まで知ってんのかよ。
オレはこの1週間あいつの声さえも聞いてねぇっつーのによ。
相変わらず距離が近いこいつらがムカつく。

だけど、今はそんな事より…。

『愛想尽かされたんじゃない?』

その言葉が頭ん中で警鐘のように鳴り響いている。

黙り込んだオレに類はため息をつく。

「そんな顔するくらいなら、
 最初から電話くらい出てやりなよ。
 お前に無視されて1人でため息ついてヘコんでたよ。
 ほんとにこのまま捨てられたくないなら、ちゃんと仲直りしてきたら?」
そう言いながら背中をパシっと叩かれた。






いつも応援ありがとうございます♡

Your Smile 5

大学を後にして
あいつのバイト先に行ってみれば

「今日はつくし、休みですけど…」
とあいつのダチに言われた。


『Your Smile』   第5話


あいつのダチの話によれば
本当ならあいつがバイトだったのに
急に代わってくれと頼まれたなんて言う。

それを聞いて今度はあいつのアパートに来てみたが、留守。

「クソ…あいつどこ行きやがったんだ」
ドアの前にしゃがみ込んでため息をつく。

この1週間、お前の声さえ聞いてねぇ。
最後は喧嘩して別れた時で
「勝手にしろ」と言ったオレに
「そうするわよ!」ってすげぇ怒った顔して言った言葉。

そんな事を考えてる間も
心臓は嫌な音をたて続けていて、
自分で電話を無視しておきながら
どれだけあいつに飢えていたのかと今頃になって自覚する。

類の言う通り、電話くらい出てやれば良かった…

何か言いたい事があったのかもしれねぇ。
ただでさえあいつ1人で考え込むと
ロクな答えを出さねぇんだ…。

まさか…マジで別れるなんて言わねぇよな?

あの明るい声が聞きたくて。
その笑った顔が見たくて。

たかが1週間だぞ?

たったそれだけの間お前をそばに感じられなかっただけで
オレはこんなにボロボロになるんだ。

お前のいない人生なんてやっぱり考えられねぇよ。


どれくらいそうしていたか
カンカンと階段を誰かが登ってくる音がする。

そっちに視線を向けてみれば
艶のいい真っ直ぐな黒髪が見えて、
すぐにずっと見たかったあいつの姿が見える。

「どっ…道明寺」
オレに気付いたあいつは慌てて踵を返そうとするから
逃がすかと立ち上がってあいつを追いかけて捕まえてやった。



「……」
「……」

アパートの前で離せ、離さねぇと押し問答してるうちに
牧野の隣の部屋からババァが出てきて「うるさい」と睨まれた。

牧野はスミマセンとペコペコ謝ってから
大きくため息をついて、諦めたようにオレを部屋に上げたが
そこからずっと黙りこんで何も言わなくなった。

時々視線がぶつかっても
気まずそうにそらして、泳ぐ視線に
オレの不安はどんどん膨らむ一方だ。

つられて泳いだ視線の先に雑誌を見つける。

あれはオレの記事が載ってたやつか。

「…あれ、読んだのか?」
オレの言葉に小さくため息をついて
「あ、あぁ、うん…」
と答えた牧野の表情が曇る。

いつもなら、あんなの笑い飛ばすくせに
どうしてそんな顔してんだよ…。

お前にさえわかっててもらえば
他の誰にどう思われようがどうでもよくて
記事に目を通してなかった。
雑誌を手に取って、中を開く。

そこにはまぁ、オレの予想通り
パートナーの美香とオレが恋人だとか、
ババァの秘書と言う事で道明寺家も公認か、とか
くだらねぇ事をグダグダと書き綴ってあった。

「こんなの、全部嘘だからな?信じてねぇよな?」
確かめるように聞いても
こいつは何も答えなくて、
納得してなさそうな顔で一瞬だけ目を合わせると俯いちまった。

いくら喧嘩してたからって
こいつがこんな記事を簡単に鵜呑みにするなんてあり得ねぇ。

「おい、聞いてんのか?
 誰かに何か言われたりしたのか?…おいって、まき…」
肩を掴んで俯いてた顔を覗き込んだオレは固まった。

「お、まえ…。何泣いてんだよっ!?」
無理やり顔を上げさせたオレを睨みつける
そのでっかい瞳は涙でゆらゆらと揺れていた。





いつも応援ありがとうございます♡

★5話で終わらなかった…明日でラストッ!★
プロフィール

koma

Author:koma
管理人komaの
くだらない妄想の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

基本テイストとしては
ラブコメ風味の
ゆる~いつかつく道を
突っ走っております。

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