残り物には福がある 26
「お返し楽しみだねぇ」
4人から離れて3人で座ると
本当にワクワクした様子で言う滋。
たかがチョコのお返し。
されどチョコのお返し。
男の人は大変だな…なんて苦笑いした。
『残り物には福がある』 第26話
事務所の先輩たちと共同で
所長たちに渡すくらいは毎年恒例でやってるけど
こうして個人的にチョコを買って
バレンタインを楽しむのはいつぶりだろう?
滋が「バレンタインだよ!」
なんて言い出してみんなで集まろうなんて
そんな事を言いだしたのはフランスから帰ってきてすぐ。
何もあたしからもらわなくたって
たくさんもらってるんだろうとは思ったけれど、
さすがに当日に会う約束があるのに
手ぶらってわけにもいかないかと
事務所用のチョコのおつかいに行ったついでに
みんなの分も選んだりするのは、思いのほか楽しかった。
「桜子はあきら君から何もらうの?」
滋が聞けば
「んー…そうですね。
ちょうど欲しいバッグがあったのでおねだりしてみます」
なんてニコッと笑う。
「いーなー!
あたしも旦那にネックレスおねだりしようかなぁ」
「もーっ。2人とも
チョコあげたくらいで期待しすぎじゃない?」
そう言いながらも
旦那様にあげた本命チョコのお返しなら
おねだりせずともきっと買ってもらえるんだろうとクスッと笑う。
そんなあたしを2人はじーっと見る。
「…え?な、何?」
その視線の理由がわからなくて首をかしげれば
「つくしは司に何貰うの?」
「そうですよね。
道明寺さんなら何をおねだりしてもOKですよね」
なんてニヤニヤしながら言う。
「え?別になんでもいいよ。
あ…でも。普段自分じゃ選ばないような
紅茶に合う美味しいお菓子なら嬉しいかな」
自分で買うと結局
いつも同じような物ばかりでマンネリだから
たまには趣向の違うのを食べれたら楽しいかも続けてみれば
「「……」」
今度はジト目で睨まれる。
「だから何??」
「司がお返しにお菓子!?
そんなの ありえないでしょっ」
「そうですよ。
私達にでさえきっともっといい物贈って下さいますよっ」
2人の力の入り具合に押されながらも
昔から友達だった2人なら
過去に素敵なお返しを貰った事でもあるのかと納得して
「…へぇ。そうなの?
じゃあ、期待せずに楽しみにしてようかな?」
なんて答えた。
すると今度は滋と桜子で顔を見合わせて
2人だけで何かを通じあわせているように頷く。
「…先輩。」
「ん?」
「確認なんだけどさ。
付き合ってるんだよね?」
「へ?誰と誰が」
「先輩と道明寺さんですよ」
「プッ…なんでよ」
「だって司だけ違う箱だったじゃん。
あれって本命って事なんじゃなかったの?」
「あー…あれ?
だって最初は3人って言ってたのに
後から桜子が司にも声かけてなんて言うから…
もう1回買いに行ったんだけど同じのなくってさ。
お邸でお世話にもなってるしちょっと奮発しちゃった」
それに滋たちが
『司はどうせ受け取ってくれない』なんて言ってたから
突き返されるのを前提にして
実は自分が食べたいの選んだ…っていうのは黙っとくべき?
「でもさっき
道明寺さんとお部屋で
お茶したとか言ってましたよね?」
「うんうん。した。
あ。桜子にもらった茶葉おいしかったよ!」
「…それは良かったんですけど」
「ねぇ、つくし。
本っ当~の事言ってね?」
「…?うん?」
「本っ当~の本当に付き合ってないの?
ただ部屋でお茶しただけの友達だって言うの?」
「だからそうだって言ってるじゃない」
__さっきから2人とも変だよ?どうしたの?
そう続けようとした言葉は
「ウソでしょっ!?」
「意味がわからないんですけどっ」
なんて突然大きな声を出して
頭を抱える2人に遮られて言えなかった。
いつも応援ありがとうございます♡
4人から離れて3人で座ると
本当にワクワクした様子で言う滋。
たかがチョコのお返し。
されどチョコのお返し。
男の人は大変だな…なんて苦笑いした。
『残り物には福がある』 第26話
事務所の先輩たちと共同で
所長たちに渡すくらいは毎年恒例でやってるけど
こうして個人的にチョコを買って
バレンタインを楽しむのはいつぶりだろう?
滋が「バレンタインだよ!」
なんて言い出してみんなで集まろうなんて
そんな事を言いだしたのはフランスから帰ってきてすぐ。
何もあたしからもらわなくたって
たくさんもらってるんだろうとは思ったけれど、
さすがに当日に会う約束があるのに
手ぶらってわけにもいかないかと
事務所用のチョコのおつかいに行ったついでに
みんなの分も選んだりするのは、思いのほか楽しかった。
「桜子はあきら君から何もらうの?」
滋が聞けば
「んー…そうですね。
ちょうど欲しいバッグがあったのでおねだりしてみます」
なんてニコッと笑う。
「いーなー!
あたしも旦那にネックレスおねだりしようかなぁ」
「もーっ。2人とも
チョコあげたくらいで期待しすぎじゃない?」
そう言いながらも
旦那様にあげた本命チョコのお返しなら
おねだりせずともきっと買ってもらえるんだろうとクスッと笑う。
そんなあたしを2人はじーっと見る。
「…え?な、何?」
その視線の理由がわからなくて首をかしげれば
「つくしは司に何貰うの?」
「そうですよね。
道明寺さんなら何をおねだりしてもOKですよね」
なんてニヤニヤしながら言う。
「え?別になんでもいいよ。
あ…でも。普段自分じゃ選ばないような
紅茶に合う美味しいお菓子なら嬉しいかな」
自分で買うと結局
いつも同じような物ばかりでマンネリだから
たまには趣向の違うのを食べれたら楽しいかも続けてみれば
「「……」」
今度はジト目で睨まれる。
「だから何??」
「司がお返しにお菓子!?
そんなの ありえないでしょっ」
「そうですよ。
私達にでさえきっともっといい物贈って下さいますよっ」
2人の力の入り具合に押されながらも
昔から友達だった2人なら
過去に素敵なお返しを貰った事でもあるのかと納得して
「…へぇ。そうなの?
じゃあ、期待せずに楽しみにしてようかな?」
なんて答えた。
すると今度は滋と桜子で顔を見合わせて
2人だけで何かを通じあわせているように頷く。
「…先輩。」
「ん?」
「確認なんだけどさ。
付き合ってるんだよね?」
「へ?誰と誰が」
「先輩と道明寺さんですよ」
「プッ…なんでよ」
「だって司だけ違う箱だったじゃん。
あれって本命って事なんじゃなかったの?」
「あー…あれ?
だって最初は3人って言ってたのに
後から桜子が司にも声かけてなんて言うから…
もう1回買いに行ったんだけど同じのなくってさ。
お邸でお世話にもなってるしちょっと奮発しちゃった」
それに滋たちが
『司はどうせ受け取ってくれない』なんて言ってたから
突き返されるのを前提にして
実は自分が食べたいの選んだ…っていうのは黙っとくべき?
「でもさっき
道明寺さんとお部屋で
お茶したとか言ってましたよね?」
「うんうん。した。
あ。桜子にもらった茶葉おいしかったよ!」
「…それは良かったんですけど」
「ねぇ、つくし。
本っ当~の事言ってね?」
「…?うん?」
「本っ当~の本当に付き合ってないの?
ただ部屋でお茶しただけの友達だって言うの?」
「だからそうだって言ってるじゃない」
__さっきから2人とも変だよ?どうしたの?
そう続けようとした言葉は
「ウソでしょっ!?」
「意味がわからないんですけどっ」
なんて突然大きな声を出して
頭を抱える2人に遮られて言えなかった。
いつも応援ありがとうございます♡
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